鞦韆(しゅうせん)
携帯版『秋桜歳時記』鞦韆(しゅうせん)【秋千 ふらここ ふららこ ぶらんこ 半仙戯】《季 春》しゅうせん【鞦韆】ぶらんこ(三省堂「大辞林」第二版より)ふらこゝや花より出でて花に入る 茂野六花ブランコは子供の頃の思い出の中に結構残っています。立ち漕ぎが出来るようになってからは、どれだけ高くまで漕げるかに夢中になり、支柱を越えて頭上の桜の木の枝で背中を痛めたこともありましたが、幸い大怪我にいたるような事故もなく懐かしく振り返ることができる思い出となっています。また、ブランコに“鞦韆”という別名がある事を知ったのは、蘇軾の「春夜」という詩からでした。春宵一刻値千金 花有清香月有陰歌管楼台声細細 鞦韆院落夜沈沈私の好物である東坡肉の名前の由来となったともいわれる蘇軾こと蘇東坡ですが、朧月の下、遠くから聞こえてくる雅な音楽に耳を傾けながら、清らかな花の香りに包まれて静かに流れていく春の夜の一時に憧れを抱きます。(秋桜歳時記)