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カテゴリ:テレビ、ドラマもたまには
『世にも奇妙な物語・秋の特別編』を観たので、感想でも。
ホラー、ファンタジー、SF、コメディ、感動モノ、さらに復活したショートショートと、ネタのバリエーション自体は豊富なんですけれど、やはり、ネタ切れは深刻でしょうか。 それと、なんだか詰めの甘さを感じます。こういった娯楽作品は内容がどうとかよりも、オチとオチに至るまでの過程のスマートさ、つまりは観ている間どれだけ惹きつけられ、楽しめるかにあると思うので、その意味では作りこみが足りない気がします。 それぞれの短評を。 『鏡子さん』 「口裂け女」「~さん」などの都市伝説を実話風に描いたものだが、実はまんま『キャンディマン』。黒人を包帯女に変えて日本風にアレンジしているのだが、見せ方がヘタ。 映像の安さは仕方ないにしても、鏡を小道具にしているのだから、もう少しうまくできんか。方法論は多々あるように思うのだが。 と昨日観た直後は書いたんだが、朝になってふとこれは楳図かずお的な恐怖譚を描きたかったのではと思う。 それでも、見せ方はヘタだと思うけれど。 広末涼子では『ウイルス』がSF系一発ネタで良かったなぁ。 『部長OL』 もはや使い古された感のある男女入れ替わりネタ。なんといっても平安朝の『とりかえばや物語』から綿々と続くネタですからね。 この種の物語の核になる、世代間ギャップや立場の違いなどの別世界に立たされたときの違和感への突っ込みが甘い。それでもスピード感が足りないのは、ネタに新味を与えられなかったからか。 釈由美子でなんとかもっている感じ。伊武雅刀は当然。 『昨日公園』 『ラン・ローラ・ラン』『ファイナル・デスティネーション』『バタフライ・エフェクト』『トゥルー・コーリング』『予言』を咀嚼したSFネタ。 やはりこの手の短編とSFの相性はいいようで、それなりにまとまってます。途中もたつくし、諦めの理由がよく分かりませんでしたが、さほど気にはなりません。 「終われよ、終われよ」と思っていた所で、すぱっとオチが決まったのも良かった。無駄な回想、余韻は要りません。 『猫が恩返し』 元ネタ未見につき、パロディがあったとかは不明。 ネタバレするんで、ファンタジーとだけ。ちょっと展開に無理があるような気もするけど、ファンタジーなんで。 『家族会議』 感動モノで〆。 最後ですし、これくらいが丁度いいんでは。ご都合主義も、泣かせの物語もなんのその、〆の役割は果たしてますから。 家族劇にサスペンス色も盛り込んで、オチまで展開がさほどダレずに引っ張ります。まずまずのデキ。 ショートショートはネタバレ必至なんでいいとして、『ボタン』ってその昔に同じネタありませんでしたっけ? 追記: 様々なところでも感想がアップされてきて、知らなかったことがチラホラと散見できますが、それはそちらを見てもらうとして、私の感想に関係深いものだけを少し補足。 『昨日公園』には原作があるそうで、朱川湊人の『都市伝説セピア』がそれ。エンドクレジットの時に電話がかかってきていたので、見落としました。単線上に出来事が連なることでもたつきが出る構成が、原作ではどうなっているのかが気になります。ということで、原作には『バタフライ・エフェクト』以後の影響はないようです。本放送分への影響は原作を読んでないので、分かりません。 ショートショートと書いたのはアバンストーリーというらしい。 『ボタン』云々の箇所は、本放送では、『オブジェ』というタイトルで『ボタン』はリメイクされた以前放送分のタイトルでした。どこかで観たことあるレベルの問題ではなかった(笑) 因みに、『箱庭』『拡大コピー』も以前放送分のリメイクらしい。そういえば、『箱庭』を見たことがあるような気がしてきた気がする。 (10月2日 22:40) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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