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車筆太

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2007年12月11日
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カテゴリ:書籍
 「様々なところにこだわりがあるのですが、その極みつけがこれ」
 
 某番組でのナレーションの一コマ。
 こうやって文字におこすと、意外と違和感がないですね。ただ、やはり声に出して読むと、語感にひっかかりがあって変です。
 無論、この耳慣れない言葉は間違い。
 手元の『新明解国語辞典 第五版』をひいてみる。
 
 【極(み)】
  一、展開して行き着いた所。「天地の-〔=果て〕」
  二、限度に達すること。「不孝の-〔=最大の不孝〕」
 
 【極(め)】
  一、鑑定。
  二、(造語)動詞「極める」の連用形。
 
 「極みつき」では意味は通りません。
 さらに、「極め」には、
 
 【-書 ガキ】
  〔書画・こっとう類の〕鑑定証明書。
 【-付 ツキ】
  極め書がついていること。
  〔定評の有る意にも用いられる。例、「-の演技」〕

 とある。
 つまり、「折り紙付」と同義ということか。
 ということで、「折り紙付」をひいてみる。
 
 【折り紙】
  一、目録や公式文書を書くのに用いる二つ折りにした奉書など。
  二、刀剣・美術品などの鑑定書。
  三、保証すること。おりかみ。「-をつける」
  四、紙を折って、いろいろな形を作ること(遊び)。また、その紙。
 
 三番目がこれに当るのだろうか。
 しかし、これでは「極め書」と「折り紙付」との相違が分かりづらい。となるともっと大きな辞典に当るしかないのだが、今は情けないことに漢和辞典すら手元にない。
 一応、「折り紙つき 語源」で検索すると、いくつかのサイトに当る。歴史的な語源に触れているところも散見できる。ただし、何故かどこも参考文献が提示されていないので、どうも信用ならない。
 それでも複合的に考えると、
 
 鑑定証明書そのものを「極め書」。
 鑑定証明書をつけられたものを「折り紙付」。
 
 となるようだ。
 これなら全くの別物だと分かる。
 それでも、「極め書」と「折り紙」の違いは歴史的な語源に依らなければならないので、最近めっきり行っていない図書館で、一度調べてみないといけないなぁ
 
 とまれ、「見極める」を「見極みる」と言わないように、「極めつけ」は「極みつけ」とは言わない。
 これは推測だが、「極付き」と書いてあったため、最初のような誤読となったのではないだろうか。
 
 





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最終更新日  2007年12月11日 22時05分10秒
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