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瀬戸内シーカヤック日記

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September 2, 2007
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カテゴリ:休日
『チェチェメニ号の冒険』 沖縄海洋博が開かれた1975年。 周囲わずか6kmに過ぎない小さな島である、ミクロネシアのサタワル島から約3000km離れた沖縄まで、レッパン船長率いる、全長わずか8mのカヌーと伝統的なスターナビゲーションで航海して来たチェチェメニ号。

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カヌ-仲間であるエクストリームNさんから借りたDVD、『チェチェメニ号の冒険(海工房)』を、昨夜、家族4人で見た。

サタワル島の生活から始まった記録映画。 その音楽とナレーション(なんと森繁久彌)が醸し出す雰囲気は、まさに『昭和』を感じさせる記録映画であるが、終わりまでの85分間、私は完全に『チェチェメニワールド』の虜になってしまった!

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↑ 先日行われた下関での『海洋文化セミナー』で、グアム大学のカニンガム先生から頂いたカヌーの資料と、チェチェメニ号の写真

サタワルでの夕方、みんなで椰子酒を飲みながら、『沖縄で海のお祭りがあるらしい。 我々は招待されたわけじゃないが、海の祭りとあれば我々の出番じゃないか。 ちょっと行ってみるか』といった乗りで始まったと言うこの大冒険。

この肩から力が抜けた感じ、ちょっとそこまで、といった感じがなんともいいじゃないか。

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サタワルの生活を紹介する場面では、海に潜って背後から忍び寄り、羽交い締めにして海面に引き揚げる亀獲りと、その後の亀料理の場面は、すごいインパクトである。 さすがに亀料理のところでは、二人の息子たちはちょっと『引いて』いた。
それにしても、彼らの水中での泳ぎときたら! フィンも付けていないのに、まるで魚のように自由自在に素早く泳ぎ回る。 ただただ感心するのみ。

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↑ カニンガム先生が撮られた写真で製作された絵はがきと、チェチェメニ号のDVD

チェチェメニとは、『よく考えろ』という意味らしい。 カヌーの持ち主夫婦が喧嘩しているとき、主人が奥さんに言った言葉が『チェチェメニ』で、それを聞いていた周りの皆が面白がって付けたのが、このカヌーの名前だとか。

『アウトリガーは浮きではなく錘りである』 『アウトリガーは常に風上側になるようにする。そのためにカヌーは前後は決まっていない』 『舵は固定されておらず、カヌーが向きを変えるたびに移動させる。その舵は常時足で押さえておく』 『海を走りながらカヌーを点検し、走りながら修理する』

『一艘作るのに、一年から一年半かかる。 でも何も急ぐ事はない。 時間はたっぷりあるのだ』

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『食料は、ヤシの実。 中の水を飲み、白い果肉の部分を食べる』
映像を見る限り、島に立ち寄った時は魚を獲ったり鳥を取ったりして食べているが、航海中の主食はヤシの実らしい。 これは驚きであった。
あのような厳しい航海を、いくら栄養があるとはいえ、ヤシの実だけでしのいでいくとは。。。

『ごちそうがあるときには、できるだけ早く食べる。 食べ物がない時にはがまんする。 食べ物が採れなくても、それでも悲観的になったりはしない。 そんな時でも、また何か採れるさ、と楽観している』

やはり海洋民族は、こうでなくっちゃいけない。

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途中立ち寄ったサイパンでの宴。 歌を歌い、踊るクルーの姿は、さながら『釣りバカ日誌』の浜ちゃんのよう。 楽しそうだなあ。 この場面は、釣りバカファンである息子たちにも大ウケであった。

サタワルでの生活や宴会の場面といい、このサイパンでの宴の雰囲気と良い、なんだか親しみを感じる。 波長が合う、時間の流れが好ましい、なんだか同じ匂いがするんだなあ。

小さな島に住む普通のオヤジたちが、ちょっとそこまでといった感覚で、これまで行った事もない3000kmも離れた沖縄までの旅に出掛け、ひたすらヤシの実を食べつつ、航海を楽しんでいる。

以前、周防大島の漁民達が、ふと、月がきれいだから舟で宮島にでも参るか、といって出掛け、気の向くまま出雲大社にまで足を延ばし、長い間帰って来なかったという逸話が、宮本常一の著作に書いてあるという話しを聞いたことがある。

やはり、海洋民のDNAは似ているんだ!

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hokulea
↑ これは、今年ハワイから日本まで、スターナビゲーションで航海して来たホクレア号

この記録映画を見終えて、チェチェメニ号の世界に完全にハマってしまった。
10年前、シーカヤックツアーでポンペイとチュークを訪れた時には知らなかったこの世界。 また、ミクロネシアに遊びに行きたいなあ!

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Last updated  September 2, 2007 09:20:23 AM
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