テーマ:ゲーム日記(31065)
カテゴリ:Caligula
クリアした。ようやく。うん。 本作『カリギュラ2』は、間違いなく、あの『カリギュラ』の続編である。キャラクターもストーリーもシステムも世界観も。 ただ。 本作が『カリギュラOD』の続編なのか?と考えると、正直、どうなんだろう。 『カリギュラOD』で広がった可能性や要素をオミットし、続編である事を優先し、最適化されている。 その為、ストーリー自体の筋道に文句を付けるつもりはない。ない、のだが…… 結果として、光っていたものがバッサリ削られてしまう形になってしまっていた。 ……。 うーん、どうしてもネガティブになっちゃうなぁ、今回は。 勿論、ゲームとしては改善されている。 相変わらず、グラフィックは粗いものの、セーブポイント間の移動が可能となり、キィによるフロアジャックなど戦闘面は改善されている。学園らしいイベントが増えてたりしたのも、前作からの工夫を感じた。 ただ、だからと言って、ゲームとして感動したりはしなかった。細かい部分が良くなったとは思ったけど。 そして、ゲームをクリアした直後、私が感じたのは、ただひたすらに「え、これで終わり?」だった。 もしかして、何か見落としがあったのだろうか?これはノーマルエンドで、トゥルーエンドが用意されているのか? ……なかった。 終わった後に、隠し要素として楽士達と再戦でき、楽士達の後悔を閲覧できるようになるだけ。 勿論、楽士達の後悔も全部見た。 そこには、確かに彼らの後悔が記されていた。 ……。 勿体ない。 どうして、この楽士達と一緒にわちゃわちゃできるイベントが無いのか。 どうして、主人公は一本道のシナリオしか遊べないのか。 どうして、この楽士達の後悔を「設定資料」として表示して終わらせてしまうのか。 もっと、色々とやりようがあった筈だ。『カリギュラOD』のように、フルボイスのイベントとして、プレイアブルキャラとして、ストーリーに組み込む形で…… 『カリギュラOD』のように行ったり来たりが難しいのであれば、主人公を二人にして、帰宅部と楽士それぞれのルートを初めから選べるようにするとか、主人公を二重人格にするとか…… 『カリギュラOD』の時、最大の魅力は主人公が楽士側も選べることだと感じた。 というより、帰宅部に論破され、正論と鉄拳でぶちのめされた負け犬達が自分なりに悩みと向き合ったり、別の面を見せたりしてくれるのが嬉しかった。 負け犬だった彼らにも苦悩があり、楽しみがあり、生活があり、人生があった。帰宅部と同じか、それ以上に。 楽士も帰宅部も一皮剝けば同じ穴のムジナだ。同じ負け犬同士だ。いや、拗らせ方が酷い分だけ、楽士達の方が闇は深いとさえ言える。 それは、主人公も同じ。主人公すら楽士になる事が出来てしまう。それは、帰宅部と楽士に大差がないことの証明だ。 誰でも楽士になり得るし、誰でも帰宅部になり得る。帰宅部だから正しいとは限らない。琵琶坂のような、救いようのない邪悪であっても「現実に戻る」という方向性さえそろっていれば帰宅部なのだから。 それが『カリギュラOD』であり、私の魅力を感じた部分だった。そして、それは他のRPGにない、独自性のある魅力でもあった。『カリギュラ』という作品でしか出来ないことだと。自分達が倒した敵に寄り添い、彼らの悩みや苦悩に協力するのを前提にしている作品はそうない。 『カリギュラ2』に、それはない。それを無くして、帰宅部一本のお話に絞っている。一番最初の無印『カリギュラ』と同様に。 「これが『カリギュラ』の続編だ。これが、自分達の本当に描きたい『カリギュラ』なんだ。『カリギュラOD』の要素は不要だ」 『カリギュラ2』を終えた時、そんな開発側のメッセージを受け取った気がした。勿論、私の妄想でしかないのだけれど。 それなら、それで仕方ない。ただ、勿体ないな、と思うだけで。 なんというか、鶏肋だなって。 もっと、描ける。もっと、味わえる。色んなシチュエーション、色んな展開で、帰宅部も楽士も、もっと色んな表情を、感情を見れる気がする。希望も、絶望も。 なのに……。 ……。 一応、本作でお気に入りのキャラクターにも触れとこう。 帰宅部側なら、小鳩先輩。 私が『カリギュラOD』のプレイヤーだったこともあってか、一番近い目線が彼だった。次が、茉莉絵とささらさんか。
一応、全キャラのイベントを見る為にどのキャラも育てたけど、結局、後半はずっとこの4名で進んだ。小鳩先輩のハンマーが中々、当たらなくて苛々させられたけど(苦笑)
ささらさんは……まぁ、嫌いになれないよねぇ。中身、おばあちゃんだし。前回がママキャラだったから、次はこうなるよなって。 正直、彼女だけは場違い感もありましたね。こんな地獄の一丁目みたいな場所に来て良い人じゃないぜ、あんたって。 茉莉絵は……お前は、ずっと、リドゥでノドグロでも食っとけ! 現実じゃ一生、食べられないし……。
楽士側だと、#QP。良い意味で悪気がないキャラだなって。俗っぽいんだけど、だからこそ憎めない、というか。メインのお話でも、結構、良いポジション貰えてたし。 他には、件かなぁ。 設定とか言動は好みだし、仲良くなって共犯者として過ごせたら楽しかっただろうなぁと思ったけれど……帰宅部としてのお話しかないので絡む機会が少なすぎてねぇ。かといって、何か書きたいってほどのつながりもないんだよねぇ、彼女……。 後は、リグレットか。 嫌いな人は嫌いだと思うけど、あそこまで突き抜けてると、私は寧ろ、好印象だった。 ただまぁ……μを殺すのに比べると、あまりに悲壮感というか、そういうものが無くて、ただただ消化試合だった感は否めず。一発ネタとしては面白いんですけどね、彼女の本性。 前作のソーンやウィキッドに比べると、あまりにも普通の娘でした。 だからこそ、『カリギュラ2』に相応しいラスボスかもしれませんが。盛り上がりに欠ける点まで含めて。 他には、無いかな……うん。 私は、ストーリーや設定に正解は無くて、個人の好みの差があるだけだと思ってる。 だから、そこにケチをつけるつもりは全く無いです。 ただ、折角なら『カリギュラOD』で拡げた可能性を、『2』でもっと広げてくれていたら、もっと思い出に残るゲームになったろうな、と思う今日この頃なのでした。 ……結局、この隣の車両、なんの意味があったんでしょうねぇ……。
※6月26日追記 カツカレー好きはカレーだけでは満足できないという話 発売3周年、おめでとうございます。丁度、80%OFFセール中 なので「楽士ルートなんざいらねえよ。あたしゃ、帰宅部だけで十分だ!」って方は、この機会に手に取って見られるのも良いのではないでしょうか(--
記事を書いてから大分時間、経過しましたが、私個人としては「残念」という結論は変わっておりません。なまじ、キャラや世界観が好みなだけに、クリア後の「え、これで終わり?」っていう感じが否めなかったんですよね。特に『OD』で楽士も含めた19人のキャラを全クリしてきた身としては、『2』の帰宅部8人のみって、やっぱ物足りない。というか、多すぎんだろ、『OD』…… じゃあ、数が足りないだけか、数さえ揃えば良かったのか、と言うと、多分、そうではない。 やっぱり、帰宅部と同時に楽士側も遊べるようにして欲しかったなぁっていうのが本音。だから、それが叶わなかった時点で、私の中では「片手落ちの作品」に成り下がっちゃったなぁって。私の中ではね。 ……これは物の例えですが、仮にドラクエ5の続編(ドラクエ5ー2)が出た時に「結婚」システムは残ってて、「仲間モンスター」システムを廃止されたようなもんって言ったら、少しはお判りいただけますでしょうか。 確かに、ドラクエ5と言えば「結婚」ですよ。それは認めます。 けど、それと同じぐらい「仲間モンスター」要素だって重要じゃないですか。寧ろ、そっちが一番好きまであるじゃないですか。 それを無くして続編出されても「いや、まぁ、うん……」としかならなくないです? 『カリギュラ2』はね、私にとって、そういう作品なんですよ。だから、しんどいの。苦しいの。辛み。 一応、『2』独自要素で良かったところもあって、それはキィの『フロアージャック』システム。
普段はリグレットの唄がBGMとして流れてるんですが、キィが『フロアージャック』すると、一定時間、キィの唄に上書きされて味方側にバフが掛かる。あれは世界観に根付いた良いシステムだと思いました。寧ろ、アリアも同じバーチャドールなのに、なんで前作で出来なかったんだよー(苦笑) ……ただ、このシステムも戦闘で有利になる以上の意味がないんですよね。 ラストバトルとかで、キィがフロアージャックすることで逆転するとか、物語に終止符を打つとか、そういう使われ方がしてたら、また見方も変わったかもですが。折角、面白いシステムだっただけに物語的な意味が薄かったのが残念。 「じゃあ、どうしたら、納得できたんだよ。この厄介オタクが」って言うと、要は『2』みたいに狭めるんじゃなくて、広げる方向性にして欲しかったなって。折角、『OD』が、そっちの方向だったんですし。 だから、もしですよ?もし『3』が出るなら、主人公は帰宅部じゃなくて、帰宅部(反対派)と楽士(維持派)の中間の立場(中立派)の一人として、両方に関わり合いながら、その上で、三つのエンディング(帰宅部ED,楽士ED,第三ED)から一つを選ぶとか、そういう感じが嬉しいなぁって。帰宅部6人、楽士6人、中立派2人(主人公とライバル?)ぐらいで。『2』みたいに歌姫も複数用意して、お互いのダンジョンクリア時にフロアージャックし合える、とか。正直、もう帰宅部一本道はお腹一杯だよ……。
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最終更新日
2024年11月05日 12時48分06秒
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