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天使になれない

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1999年。
その年の夏休み、主人の実家の法事の帰り、
子供たちと私は、主人とは別行動で、関西見物をしてから帰ることにしました。
2泊3日の小旅行です。


主人と結婚してから何度も関西に行きましたが、
せっかく関西に行っても主人の家にしか行ったことのない私に、
ちょうど同じ時期に実家に帰郷している薫が、
子供たちも一緒にお寺巡りをしようと言うので実現した小旅行です。


海遊館、たこ焼き、関西弁!
わくわくしました。


そして京都市内に戻り、いくつもお寺を巡りました。
薫は、お寺や仏像を、歴史や美術史などから詳しく解説してくれるので、
勉強になりました。


嵐山では、娘がまだ小さかったので、仁和寺に向かうサイクリングの途中、
後ろに乗せた娘がコックリコックリ居眠りをしそうで、怖かったのを覚えています。





最後の晩。
娘を連れ、鴨川のほとりで、大文字焼きを見ました。
ナマで見るのは生まれて初めて。


娘はおとなしく近くにしゃがんでジュースを飲んでいます。


鴨川のせせらぎが聞こえます。


色々な話をして、その流れで薫が言いました。


たとえ官僚になってもそれだけのこと。
本当に人を幸せにしているかは 自分には一生わからない。
たった一人のひとを 
確実に幸せにしてあげることができたら、
人として生まれて、
それ以上の幸せはないんだ、
と。



・・・・
大文字焼きの炎が 突然大きく燃え上がるのを
ぼんやり見ていた私は、


唐突に それが、彼の言っているそれが、
彼と私のことだ と、気がつきました・・・



頭上で 星空が 回りました。

そして 私は・・・
それまで受けてきた 全ての傷から
自分が 解放され 癒されるのを感じました。


父のこと・・・
昔 私を捨てた恋人はもう結婚してしまったのに、
彼を心のどこかで忘れられずにいたこと・・・
主人との結婚のこと・・・


全てが目の前から押し流され、
消えこそしないが、
はるか遠くに行きました。



炎が、また暗く遠くなりました。



もう、私は、傷ついていませんでした。
もう36で、心も 身体も 傷跡はあれど、
美しい一人のひと になっていました。
娘も そばにしっかりといます。


今 思い返しても・・なんとも不思議な体験でした・・


過去は 決して変えることはできません。
しかし、未来の光 を当てることで
突然 その過去 は変容し、
今までとは 違った意味合いを持ち
輝く のだと、
身を以って わかりました。


そのときのこと、私はたぶん一生忘れないと思います。
死ぬまでに、何度も思い出すことでしょう。


そして、
昔の私と同じように、過去に苦しむ人がいれば、
過去は変容し輝き出すことが本当にある、ということを、
だから精一杯生きなさい、ということを、
知らせてあげたいのです



その日から薫を、  
・・・私を生き返らせてくれた薫を、
私と同じくらい幸せにしてあげたい・・・、


私はそう思うようになりました。




・・・・
家族揃っての留学まで、あと半年と迫っていました。







2006年05月28日





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最終更新日  2008.06.19 22:58:48
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