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天使になれない

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昨日は父の所に行きました。


私はまた相続の話だろうと思っていたのですが、
それは当たっていたのだけれど、それよりも前に。


父は、S君のことを心配していました。
先日、S君が実家に泊まりに行ったときに、やはり、様子がおかしいと感じたらしいのです。


父は孫のS君に相続をさせたかったのです。
でもそれがS君のプレッシャーとなり、S君をさらに追い込むことになるのだけは困るので、
S君の容態を詳しく私に尋ねたかったのだそうです。


私は、もうみんながS君の症状について知っていると思っていたので、
先日初めてそのことに気がついたという父を不思議な気持ちで眺めました。


父は、カタチだけでも、S君に相続をさせたいそうです。
そのために、私たち一家に、いずれはこの家に戻ってきて住んで欲しいとのことでした。


私は、戻るとしたら、主人無しでないと戻るつもりはない、と伝えました。
親は別に驚きませんでした。


いつの間にやら、私の寝起きする場所はどこか別のところにある(=今やっている個別指導教室に寝起きしているらしい。。。)ということを、
父も気がついていたようです。


父に別居したいと伝えてから、実に9年の月日が流れていました。


お前達だけ来るのは構わない、ただ、週に一回くらいは娘婿も実家に来ないと体裁が悪い、
と父は言いました。


離婚はするのか?と父が尋ねました。
私は、今のところは考えていない、と答えました。


わざわざする必要もなければ、あえてすることはない、
と父は言いました。


つきあっている相手はいるのかと父が私に尋ねました。
「いないわよね~?」即座に母が、割って入りました。


「かやのは、地元の大勢の仲間たちに囲まれているから!それで今は充実しているものね!」
母が私に、懸命に目配せしながら言いました。


ママがそういうことにしたいのならそれでもいいわ。それもウソではないし。
だいたい父も、そんな母の言葉は全く信じていない様子だし。。。


父は、いずれSにはしっかりしたお嫁さんが来てくれたらそれでいいと思う、とか言っています。
Sは自分に合った仕事をしながらここを継いだらいいと。


「うちを継ぐのは5人の娘達のうちでどう考えてもかやのしかいない」
と父も母も口を揃えて言います。

でも「お前はバカだグズだ」と彼らからののしられ続けて育った私には、
自分にはムリだとしか思えないし、事実そうです。実務系は、一切ムリ。


家を手伝うなら、誰かサポートしてくれる人が必要です。
父もそう考えていないわけがない。


私を支える、黒いくっきりとしたシルエット。
父は気がついている。目をこらしてその顔を見たいと思っている。


薫と父が会う日はいつ来てもおかしくない、そんな状況になってきました。












2008.03.02





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最終更新日  2008.06.28 22:52:38
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