天使になれない

2007.01.10

高校2年1月




要塞の話の数日後、つまり昨晩のことです。

Sクンは、教室の自習机で１時間ほど自習していたのですが、
他の生徒が帰る頃、そのほんの２～３分の間、
ひさしぶりに会議を見たそうです。

私から見たらなんの変化もない様子なのに、
こんなところに飛んでいるのですね。


会議は、「まぎれる」までは、発言者以外の参加者もざわざわと騒がしく生々しかったそうですが、
まぎれると　ふっと消えたそうです。


これも、Sクンの言ったとおりに書き取ったものです。




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会議が始まっている・・・・

ローマの劇場のような、円形のすり鉢型の　会議場。
すり鉢の底に議長席。

議長席の右手１０段くらいと、左手１０段くらいで、
緊迫した議論が展開されている。


片方の代表は若く、中肉中背。
ダークスーツを着ている。
あごをやや上に上げ、まわりを見下しているような態度。
知恵の小さい穴からしか物事を見ることができないような、
しかも学を曲げて世におもねるような小人である。



それと対立しているのが、
こないだ言った、学者みたいな人。
その人は少し身長が低めでくたびれたスーツ。
顔は整っているが無精髭が残っている。
物事を考えているのだけれどあんまり頭脳明晰なひとではないから
考えているのにとどまっているような気がする。



若い方の人が、
人間の精神の存在は　現代の科学で立証し得ないことだと、
映画のマトリックスを引き合いに出して
そんなものはないと考えることも可能であると言う。

詳しく内容を思い出せないのだけれど、
ニーチェはこうこうこのように言っているが、
おまえはそのような知識もないのか。
などと言う。



学者の方が言う。
人間の精神というものは　
そもそも世界に数あるものの中でも　もっとも千変万化なものであり
人間の理性も本能も　
すべてひっくるめて　その精神という器の中にいるのにすぎない。
精神というものは　それを持っている人間自身ですら触れることができないもので、
一種の神性を持っている。
ゆえにそれを精神というのだ。

おまえごとき知恵の浅い者が　精神というものを語るとは
おこがましいことではないか。


とか　そんなかんじ。



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