新着記事一覧 | 歳時記

路地の奥　６

ひととすれちがう何でもないそれだけのことなのに路地でひとと　すれちがうときはおもわず目を伏せてしまう長田　弘

2014/11/15

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路地の奥　５

けれども秘密を秘密をしてもつことでひとは日々の暮らしを明るくこしらえる力をそこから挽きだしてくるのだ長田　弘

2014/11/14

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路地の奥　４

それはたいした秘密ではないかもしれない秘密というよりは傷つけられた夢といったほうが正しいかもしれない長田　弘

2014/11/13

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路地の奥　３

ひとはひとに言えない秘密をどこかに抱いて暮らしている長田　弘

2014/11/12

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路地の奥　２

それが生まれそだったゆきどまりのちいさな路地のおしえてくれたひとの暮らしの礼儀だった長田　弘

2014/11/11

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路地の奥　１

親しい仲にも秘密があるひとの秘密には手をふれてはいけないのだ長田　弘

2014/11/10

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なんとかやっていく

向く　向かないで生きていくことはできないよ大体の人間がね生きていくには向かないもんだよ傷ついたり苦しんだりした時には自分が殻をはずして歩いてる海老みたいに思えるものさでも何とかやっていくんだそうしながらいろいろな経験を積んでいくそうして少しずつ何かが見え始めるんだ北村　薫

2014/11/09

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きぼう

希望をいう言葉は晴れた空青空に似合うものだと思っていた雨の降る午後濡れた庭木の根本にトレニアが色づいて咲いていた雨どいからトクン　トクンと心臓が鼓動を刻むように雨水が落ちてきた黒い雲が湧き立つように流れてきた流れていった雨の日も似合っていた希望という言葉

2014/11/09

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対話

ものを作るのもやっぱり対話なんだ作るって行為そのものがそうだ自分と作品とのねそして出来ちゃったものを誰かに見せたら今度は　そこで作品と観客が話し始めるでも観客の耳に作り手が考えもしなかった言葉が届くことだってあるだろう作られたものは説明じゃないからね何行かにまとめられるようなテーマがあってそれをそのまま伝えたければ説明すればいいそこに絵や写真や音楽なんて表現はいらない筈だよそうなると我々の伝えたいのは意図じゃなくて　そこから生まれた表現そのものになる北村　薫ひとりで作業をしていると自分の声が誰かに届くのだろうかと心細くなるときがある展示会の会場でこんなふうに使ってますよと写真などを見せていただき嬉しそうな声で話をしてもらうと言葉が伝わったんだなと安らかな思いになるそして私の思い以上の使われ方をしている器を見せてもらうと励まされる嬉しくて嬉しくてまた　次の言葉を伝えたくなる遠い昔から人は　こんなふうにしてものを育ててきたのだろうなぁ

2014/11/08

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落ち葉

落ち葉がひらたく伸ばされて机の上にあった赤や黄色の色を残したままにきれいな葉を拾って新聞紙に挟んで押し花にしたものだとか毎日　毎日の暮らしのなかでこんな楽しみを見つけるなんて素敵なことだなと思った時間にも人にも押し流されて押しつぶされてしまうことが多いのだけれどていねいに毎日を過ごしているとこんな楽しいこともあるんだよとちいさな葉っぱに教えられたよう秋の夕暮遠き山に真っ赤になって落ちていった

2014/11/07

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球根

春の球根を植えたチューリップクロッカスグラジオラスムスカリスイセン球根を植えようと土を掘ると土の中からちいさく芽をだした球根がころりと出てくる根を伸ばした球根がころりと出てくるあわてて　元に戻して埋めなおしてまた　新しい球根を植えるやがてくる春やがてくる春を夢見てやがてくる春を信じて球根を植えた

2014/11/06

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ぼおぉ～～～

一日ぼぉ～とできたら嬉しいなと思っていたバタバタと走り回っているときに一日ぼぉ～とできたら寝転んで本を読んで散歩をして美味しいものを食べてとそんなことを考えていたバタバタと走り回っているときにそれでもなかなかぼぉ～とできる時間は訪れなくてバタバタの時間ばかりがやってくるもしかすると私はバタバタの時間のほうが好きなのかなぁとそんなことを思ってしまうう～～んそうなのかなぁぼぉ～～と空を見るぼぉ～～とお茶を飲むそんな時間に憧れてはいるのだけれど・・

2014/11/05

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終了

秋の陶器市無事に終わりました例年ほどの寒さもなくいつもより薄着で過ごせた４日間でしたそれでも終わってみると風が冷たくなっていて空気が　ぐんと冷え込んできてやはり１１月秋の陶器市また　ひとつ今年の予定が終わって残すところあと　ふた月来年のヒツジが並んでいる秋の陶器市でしたたくさんの人に見ていただきありがとうございましたたくさんの人が出かけてくださりありがとうございましたおつかれさまでした

2014/11/04

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猿に負けそう・・

プリンターが壊れた栞を印刷しているときに・・それまで印刷できていた紙を集めて枚数をかぞえてみるとなんとか　間に合いそうだ・・と一安心器も　そうなのだけれどこういった栞や包装紙なんかも用意するのが　いつも　いつもギリギリ間際になってしまうそのたびに　大慌てをしてバタバタと動き回って次回は　こんなことのないようにと固く　固く誓うのだけれど巡ってきた次回はやはり　同じことを繰り返してる学習しない私ですお猿さんにも　負けるかも・・

2014/11/03

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晴れ　ときどき　晴れ

晴れるといいね晴れたらいいねいいねいいねきっと　いいね

2014/11/02

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雨

雨になった秋の陶器市傘をさした人の群れが街のなかに道のなかに楽しそうに残念そうに街にあふれ道にあふれ

2014/11/01

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きっと

あしたは　かならず晴れるに　ちがいないなあ　あしたも　わたしはたしかに　生きるだろうなあ　あしたこそなにかを　みるかなあ　きっと　そうでありそうに　ちがいなくそうと　思いたい　・・・・・そんなふうに眺められる夕焼けが　あった工藤　直子昨日の言葉とは反対のところにあるのだろうけれどこれもまた締め切り前になるとよく浮かんでくる言葉あしたこそあしたこそ

2014/10/31

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きっとくる　あすは来る

あすもまた同じ日が来るのだろう幸福は一生こないのだそれは　わかっているけれどもきっとくるあすは来ると信じて寝るのがいいのでしょう太宰　治締め切りが近くなるとこの言葉を思い出す呪文のように繰り返し呪文とともに過ごしている

2014/10/30

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声

好きな声があるはじめての人に会うときどんな声で話す人なんだろうかとそんなことが気になる不思議なこときっと私だけのことなのだろうけれど

2014/10/29

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とまどい

５０を過ぎてた今も戸惑う思いがある人と向き合ってもものと向き合っても気恥ずかしいことだけれど

2014/10/28

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途方

途方もない考えがなくては途方もない結果はない北大路　魯山人ものを作るということはそんなことなのかもしれない生きていくということはそんなことなのかもしれないだからこそ面白いのだろうものを作ることは生きていくということは

2014/10/27

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門

門を叩けば門は開く北大路　魯山人複雑に絡みついた糸も丁寧に解せば一本の道になる門を叩けば門は開く世の中はそんな単純なことで出来上がっているそう思うときがあるそう思うことがある

2014/10/26

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願う

人が生きていく時力になるのは何かっていうと自分が生きてることを切実に願う誰かが　いるかどうかだと思うんだ人間は風船みたいで誰かの　そういう願いがやっと自分を地上に繋ぎ止めてくれる北村　薫私の気づかないところで誰かが私のことを思っているそれって途方もなく嬉しいことだなと思う私も　また誰かのことを思っているその思いが誰かの喜びになってくれるのなら嬉しいことだなと思う

2014/10/25

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時

手の中に握りしめたと思ったこともある自由に泳いでいると思ったこともある大切に握りしめた掌をそっと開いてみると欠片もなく空が広がるばかり

2014/10/24

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種

種を蒔いた葉牡丹だいぶ　大きくなってきた葉を茂らせ茎を太らせむくむくと育ってきたほんとうに小さなちいさな　ちいさな種がこんな生命を内包していたなんて考えてみる度に不思議なことだと思う偉大なことだと思う私のまわりきっと気がつかないところにたくさんの種が蒔かれているのだろうな誰かの夢とか誰かの憧れとか誰かの希望とかあたためて水をあげて育てていきたいな

2014/10/23

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壁だと思っていたもの

だんだんと締め切りが迫ってくるだんだんと残りの時間が限られてくるもう何度も繰り返してきてそんな状況を避ける知恵が少しは身についているかとも思うのだけれど驚くほどに　なにもなくただ　ただバタバタとするばかり走り回るばかり今回も　解決策のないまま残り　わずかの時間ただただ　あわてております

2014/10/22

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あたりまえのこと

生きていれば何事かが不可能になるのはありがちなことだ人生というのは様々な可能性がつぶされていく過程に外ならないその当たり前のことをどう受け止めていくかが人としての値打ちだろう北村　薫

2014/10/21

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治まる

身体が戻ってきた腫れが治まってきた毎日　毎日ほんとうに　いろんなことが起きるのだなと改めて思ういろんなことが起きてそのたびにあわてて　走り回ってときに転んで　怪我をしてそれでも時が過ぎるといつの間にか治まっているただ治まるということは解決したということと同意語ではないモノが散らかった部屋にお客さんを迎えるのでとりあえず押し入れの中にモノを押し込みました・・とそんな状況のように思える私の身体も　また・・

2014/10/20

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ロケット

だんだんと痛みが消えていくだんだんと腫れがひいていくいま身体の中でどんなことが起きているのか目で見ることができたなら面白いだろうなぁとそんなことを思ううとうとと眠りながら遠い宇宙に探査機を送りだすように自分自身の内なるところにちいさなロケットを飛ばすことができたらなら見えてくるものはきっと無数にあることだろううとうとと眠りながらそんなロケットを飛ばしてみる

2014/10/19

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滴る

昨日の夜から体中が赤く腫れた蕁麻疹のようだ身体のあちこちがメロンパンのようになって赤く腫れたあまりに酷かったもので病院に出かけたやはり蕁麻疹とのこと点滴をすると楽になりますよとのことで何年かぶりに点滴をしたこんなところで書くのも気恥ずかしいのだけれど５０歳を過ぎた年齢になってもいまだ身体に針を刺されることは苦手であるその部分を見ないように横を向いていたら「お嫌いなんですか・・」と看護婦さんに笑われてしまった点滴の液は滴るように落ちてくる一滴また一滴とその様子を見つめながらなるほど点滴とは　よくつけた名前だなぁと感心しながら横になっている時を刻む水時計のようにひとつ　ふたつと滴り落ちる家に戻ってすこし仕事をして夕方に　すこし眠って酷かった蕁麻疹もすこし落ち着いてきました

2014/10/18

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最初の質問　　今日、あなたは空を見上げましたか。

毎日　空を眺めている朝　起きて　窓を開けるときに仕事場へ向かうときに時折　ヘリコプターが通る音がすればあわてて外に飛び出しているし夕暮れ時に　街を走りながら雲を追いかけていたりもする夜も　仕事場から戻るときにお月さまは　どんな形をしているだろうと杉木立の向こう側を探してみたり星座を結んでみたりもするだけれど昔　山に登ったときに山頂の岩陰に座り込んで風に吹かれながら空を見ていたそんな時間は　なくなってしまった空の果てるところはどこなのか・・空と地平線が交わるところはどんなところなのだろうか・・とそんな　とりとめのないことを思いながらあるいは　なにも思わないままに空を見上げていたあの時間は好きだった雲はときに　はるか下のほうを流れ私と同じ目線の先にははるかに青い空が広がっている陽の光はゆるやかに射し込んできて遠くにひろがる町に陰影をつけていくこの世界を作り出した創造主はきっと自分と同じ風景を見ているのだろうなぁと思う自分も　創造主であったならばきっと同じ風景を作り出しただろうなぁと思う時間の流れは何時の時代も変わることなく同じ速度で動いているはずなのに一秒が永遠に思えることもあれば永遠に思える時間が　一秒のなかにおさまってしまうこともあるできることであるならばそんな時間の感覚のなかで空を見上げたい空と遊びたい

2014/10/17

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一杯の珈琲

珈琲というのものをあまり好まないもっとも　これは飲むか飲まないかの話でコーヒーを淹れているときに立ちのぼるあの香りは好きだコーヒーを入れる際に使われる道具の類も見ていて楽しい珈琲にしても煙草にしてももちろん紅茶　煎茶　抹茶などにしてもそこで使われている道具を見ているとあぁ　ほんとうに好きな人が考えたものなんだなと改めて思う美味しい一杯の珈琲を飲むために考え抜かれた道具なんだなと改めて思う人間って　凄いねぇ人間って　面白いねぇ

2014/10/16

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アキアカネ

玄関の壁のところにトンボがとまっていた垂直の壁に張り付くかのような恰好で２匹のトンボがとまっていた夏の頃のすっきりとした姿のトンボではなくどこか　寸詰まりの赤い身体をしたアキアカネくるくると指を回しながら近づくと一匹は　飛び立ちもう一匹はなんと　捕まえることができた子どもの頃アキアカネは秋になると遠い山から飛んでくるのだと聞いたことがある葉っぱが色づくのにあわせて山から里におりてくるのだと聞いたことがあるほんとうのことなのかどうなのかそれでも秋富士山　初冠雪手の中のトンボ刷毛ではいたような空に高く　高く飛んでいった

2014/10/15

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白と黒

夕焼けが終わって夕暮れがはじまる前のほんの　わずかな隙間世のなかは色を失くす光も影も白と黒に塗りわけられ茫洋たる風景が目の前にあらわれてくるそのほんの　ひとときの時間がとてつもなく好き風に　とけこめそうで草木と　ひとつになれそうで鳥の声さえ　聞きとれそうで・・いつもいつもぼんやりと佇んでしまう

2014/10/14

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自尊心

自尊心思わぬところでこの言葉を聞いて自分のなかが　すこし動揺したきっと自分自身のなかでずっと前から　大切な言葉だったからだと思うそしてこのところ大切に思っていることを忘れていたからだと思う自尊心Wikipediaによると自尊心（じそんしん self-esteem）とは、心理学的には自己に対して一般化された肯定的な態度である国語辞典によると自尊心とは自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度。プライド。「―を傷つけられる」明日も顔を真っ直ぐにあげて歩いていけるように自分自身を愛おしい存在だと思えるように大切な存在だと思えるように降り注ぐひとすじの光のような降り注ぐひとすじの雨の恵みのようなそんな生きる指標になりますように

2014/10/13

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北村薫

ここ何回か北村薫の言葉が出てくるのはここ何日かひさしぶりに読み返しているからなのです何年ぶりに読んだのだろうたとえば「夜の蝉」という本は１９９０年が初版です３年前の震災のあと部屋の中が崩れた本で埋まりましたその光景がなんとも淋し気で　悲しくて思い切って本を整理しようと思いましたどうしても読み返したくなる本だけを残しておこうと本棚二つに収まるだけに片付けましたそれでも頭の中に　本の記憶が残っていて失くしてしまった本をどうしても読みたくなってしまうことがありますそんなわけでいま　まただんだんと増殖しているのです

2014/10/12

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空は空

でも空はいいよね誰が　どう思うだろうかとか考えるわけじゃないそんなこと関係なくそれこそ自然に＜空＞をやってる北村　薫思いをもって見つめるとモノにも思いが宿っているようなそんな気がするときがある目の前にあるコップにも机の上の鉛筆にもオロナインの白いビンにも時計の針にもそれぞれに　物語があってそれを話したがっているようなそんなふうに思えるときがある

2014/10/12

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百千億兆

百千の人がいれば億兆のいや無限の心の形がある表に出る思いも内に秘められた思いもある考えられぬような動き方をする心もあるだろうそれは他人にはそして時には自分にもつかみがたい北村　薫だいぶ大きくなるまでというかほんとうに大きくなっても他の人も自分と同じものを見て同じことを思っているのだとあたりまえに信じていた風が吹けば　心地よいと感じ音楽が流れれば　安らぎを覚え空を見上げることは誰もが好きなことなんだと疑うこともなく信じていたそれがそうではないのだと気がついたとき同じ花をみて美しいと思わない人がいるのだと気がついたときとても淋しかったとても悲しかったそれが　あたりまえのことなんだと理解したようなふりをしているけれどいまでもどこか　隅っこのほうでもしかしたら・・と思う気持ちは消えていない

2014/10/11

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焼き菓子

ひさしぶりにお菓子を焼いた夏の暑いときは焼き菓子をつくるのを止めているので２か月　３か月ぶりのこと冷蔵庫から卵を出して粉を計って砂糖も計ってひさしぶりのことなのに分量を覚えていた我ながらすごいなぁとすこしだけ自画自賛をしながら卵を泡立てたオーブンから甘い匂いが流れてきて家のなか　いっぱいに幸せの匂い

2014/10/10

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微かに

人間っていろんなことを考えていろんなことをやっているけれどそれが昔の誰かや自分たちが消えた後の誰かとどこかでそおっと重なっているんだなぁってそんな気がしたの絵を見たり音楽を聴いたりしたってさそれで動かされるって　結局そこに自分を見つけるからじゃないのかなあ小さいころの自分を見つけて懐かしがったりする今の自分を見ることだってあるそれから未来の自分十年　二十年先の未来もあるだろうし何万年先の未来もある到底　手なんか届かない自分をさ微かに北村　薫鳥は空を飛びたいと思い続けて羽を得たのだろうか魚は水の中で生きたいと願ったときに呼吸ができるようになったのだろうか思いは消滅しないのかもふわふわと大気中に浮かんで風に流されてはなれてくっついて花開く時をじっと　じっと待っているのかもしれない

2014/10/09

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業

人と人とは操られるように巡り合い別れる心の器である人間はそこで愛し　敬い嫉妬し　軽蔑し絶望し　悲しむ北村　薫人と人とが出会うことは必然であり定められたことなのだろうかとふと思うときがある私と出会った誰かはきっと　どこかに私の思いを宿して生きていく私もまた誰かと出会ったときに誰かの思いを宿して生きているそれが互いの人生を深めていくことになるのだろうけれどそれが　あらかじめ定められたことだったとしたならなんだか胸が詰まるそんな思いになるときがある

2014/10/08

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圧力鍋

恥ずかしい話だけれど圧力鍋というものがいまのいままで怖かった重りが揺れて蒸気が出始めると腰が引けてどこか逃げる姿勢で構えながら台所に立っていたそんなことだからもちろん自分では圧力鍋は使うことなくもっぱら母が手にしていた「こんな便利なものなのに・・」と云いながらある日　突然に圧力鍋を使ってみようかと思い立ったそして新しい圧力鍋を買ってしまった考えてみれば　いつもいつも私が　なにかを始めるのはある日突然のことが多いじっくりと予定を組んで慎重に下調べなんかをして物事を始めるなんてことはいまだかつて・・ないなぁと　そんな回想は後にまわして今年　はじめての「おでん」を作ったときに大根の下茹でに圧力鍋を使ってみたのですこれが・・ものすごく便利だったもっと早く使っていればよかったととてもとても思ったものでした今日は　豆の料理を作りましたとさ・・

2014/10/07

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野分

台風が去ったあと金木犀の花が落ちた木の根元を埋め尽くすようにオレンジの十字の花が一面に散っていたもう香りも放たずもう秋を告げることもなく

2014/10/06

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野分

大きな台風がくるという南の海から台風がくるという雲が急ぎ足で駆けていく風が急ぎ足で駆けていく雨が降りはじめた

2014/10/05

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乞うご期待！のほど・・

ホームページを更新してブログも再開したと何人かに話すとみなが皆一様に「そう・・」とそっけない返事みなが皆同じように「今度は　いつまで続くやら・・」とそっけない返事まぁ自分自身も同じように思っているところがあるのでこればかりは　なんとも云えないのですけれどいまのところ続いています乞うご期待！のほど・・ゆるりと　お付き合いいただけると嬉しいです

2014/10/04

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茜

夕方５時を　すこし過ぎた頃低い雲が幾重にも　かさなったその　わずかな隙間があかく染まったあぁ茜の色はこんな色だったなぁとそんなふうに思えた夕焼けだった

2014/10/04

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ひとつ星

雲の切れ間からひとつだけ星がみえたあの星からもひとつだけ地球が見えているのだろうか・・見上げている私の姿が　見えているのだろうか・・・

2014/10/03

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人は

対立や憎しみは国と国との間だけでなく違った宗教との間にも続く人は愛よりも憎しみに寄って結ばれる人間の連帯は愛でなく共通の敵を作ることで可能になるどの国もどの宗教もながい間そうやって持続してきた遠藤周作　深い河人間は長い時間をかけて学んできたことはなんだったのだろうか対立や憎しみはもしかすると人間の遺伝子の中　深く深いところに入り込んで消し去ることのできないもの・・そう思えてしまうことがある人間はそんな存在として作られたのだろうか・・否！と叫びたいのだけれど現実は重く悲しく　圧し掛かってくる

2014/10/02

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最初の質問

今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。　窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。雨の雫をいっぱい溜めたクモの巣を見たことがありますか。樫の木の下で、あるいは欅の木の下で、立ちどまったことがありますか。街路樹の木の名を知っていますか。樹木を友人だと考えたことがありますか。　このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。砂のうえに坐ったのは、草のうえに坐ったのはいつでしたか。「うつくしい」と、あなたがためらわず言えるものは何ですか。好きな花を七つ、あげられますか。あなたにとって「わたしたち」というのは、誰ですか。　夜明け前に啼きかわす鳥の声を聴いたことがありますか。ゆっくりと暮れてゆく西の空に祈ったことがありますか。何歳のときのじぶんが好きですか。上手に歳をとることができるとおもいますか。世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。　いまあなたがいる場所で、耳を澄ますと、何が聴こえますか。沈黙はどんな音がしますか。じっと目をつぶる。すると、何が見えてきますか。問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。これだけはしないと、心に決めていることがありますか。　いちばんしたいことは何ですか。人生の材料は何だとおもいますか。あなたにとって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたを知らない人びとにとって、幸福って何だとおもいますか。時代は言葉をないがしろにしている--あなたは言葉を信じていますか。長田　弘もう　何度目になるだろうこの長田さんの質問に答えようと思ってから・・いつも途中までで答えることを止めていた・・しかも２・３問のことが多かったなぁ・・性懲りもなくとそんなことを云われそうですけれどまた　答えてみようかなとそんなことを思いました何時まで続くか・・そんなことをも含めてお付き合いください

2014/10/01

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