北鎌倉駅の下りホームに沿って、
宮下小路(通称)と言われる細い路地を通って、
円覚寺の塔頭を巡るに都合よい小路がある。
道の右上には「八雲神社」があり、
それで「宮下小路」と言うようだが、その先に
「洞門山トンネル」なる小さなトンネルに出会う。
洞門山トンネル入口 洞門山トンネル出口
入口には、アーチ型の門があり、
「好々洞」の文字が刻まれている、
この奥に
好々亭という料亭があった名残だそうな。
トンネルを出て右へ坂を上ると裾には、
春は薇(ゼンマイ)がほどけ、菫(スミレ)が咲き、
夏は蛍袋、秋は野紺菊、ススキの花穂が揺れる。
坂を上ると「八雲神社」へと辿る。
境内に立つと北鎌倉の景色が一望でき、
左に瓜ヶ谷の山が連なり、
「東慶寺」のふっくらした屋根が見え、
右に「光照寺」が観え、遠くは丹沢賛塊、
富士山の雄姿も臨る。
この地域は室町時代に馬や紅花の市が開かれて繁栄したとされ、
八雲神社は都市化する町の鎮守として創建されたという。
神社の裏を右に歩を進めると、
いつしか円覚寺の寺域に入り、路傍には石仏、
塔頭の「雲頂庵」が近づくと、
道は整然とした石畳になる。
「雲頂庵」 「白雲庵」
雲頂庵は一般の立ち入りを許さないが、
前庭の牡丹を楽しむことができる、
更に、石垣と白壁に囲まれた石段を上ると、
白雲庵の生垣の緑が目に飛び込む、
白雲庵も鎌倉時代に始まる古寺で、
本尊の釈迦像や開山像など、
貴重な文化財を伝えている。
歩を辿ってゆくと、
「伝宗庵」・「富陽庵」の前を通り、「桂昌庵」に至る、
その間わずかだが木の間隠れに丹沢、
富士を遠望し、
冬から春にかけて一時期は落椿を踏みながらの道は
「円覚寺」の境内へと続く。