久しぶり旭山動物園 秋の北海道2
9月24日。11時15分羽田発ADO-33便に乗るため、自宅を8時15分に出発し、首都高速経由で民間駐車場のある浮島ICに向かいます。予定では9時30分には空港に着くはず。「なんか、早すぎないか?」と思われるかもしれませんが、1つには、万が一途中で事故や渋滞に巻き込まれた場合でもギリギリ間に合うように、また早目に着けば、ゆっくり食事をして余裕の搭乗ができる、という理由から。首都高速の渋滞情報を頭に入れてコース選択し、9時前には浮島ICに着いてしまうほど快調な走行。ところが、浮島の手前で大渋滞が待っていました。東京湾アクアライン(神奈川・川崎~千葉・木更津)入口と浮島出口に向かうレーンが一部共有になっているために渋滞発生。浮島で降りる車はほとんどありませんから、ほとんどの車が「うみほたる」をめざして交通集中を引き起こしているのです。アクアラインの中間にあり、東京湾上に浮かぶパーキングエリアは家族連れで遊ぶにはもってこいの人気スポット。そんなことは想像もせず浮島ICを選んだ私がバカでした。ニホンザルの母子。母の慈愛に抱かれて眠る子ザル何とか渋滞をかわして、民間駐車場の空港送迎バスに乗り込んだのが9時30分。ロスタイム30分。でも、早目の行動が功を奏して食事にも搭乗にも影響ありません。ADOはANA(全日空)と全ての便を共同運行しており、33便はANAでは4733便といいます。同じ飛行機に乗り、同じサービスを受けるのに、羽田―旭川の普通料金はANA39,670円、ADO31,370円となっています。今回のような土壇場予約でもANA特割33,270円に対し、ADOならDOバリュー割引20,570円。2人で25,000ほども安くなります。不思議だぁ。12時50分、旭川空港到着。レンタカーをゲットします。スタッフから「交通安全運動期間中なので、スピード違反にはとくに注意してください。昨日も捕まった人がいます」と念を押され13時30分出発。第1日目は旭川ラーメンと3年半ぶりの旭山動物園。ラーメン村に直行して「工房 加藤らーめん」へ。情報を持っていないので、山頭火や青葉など全国展開の店はパスして、まだ入ったことのない店をチョイス。さほど待つこともなく入店できました。加藤家らーめん家系図、ちょぴ辛味噌らーめん店の入り口には加藤らーめん家系図なるものが掲示されていて、50年間ラーメン道一筋で頑張ってきた様子がうかがえます。この店の特徴は豚骨ベースに魚介を加えたスープと日本で最初に開発したという太縮れ麺。正統派のラーメンです。「味噌の札幌」「塩の函館」「醤油の旭川」と言われていますが、私は逆らって「ちょぴ辛味噌」。母ちゃんは定石通りの「熟成醤油」。ラーメンの味は「まずい」「おいしい」しか分からない私ですが、この店のスープは飲み干しそうになりました(実際に飲み干すと血圧によくないので止めましたが)。ふと外を見ると、青空は掻き消えて大粒の雨が音をたてて降っています。「通り雨やろ。すぐ止むよ」と気楽に構え、雨の上がったところで出発。空にまっ黒な雲の塊が見えます。「動物園方面に動いてるがな。園内で降られるかもしれんで」「いやだ。父さんの鼻息で吹き飛ばしちゃえ!」「どんな鼻息やねん」「着くころには、向こうも降り終わってるんじゃないの?」「クルマの方が圧倒的に速いから、雲を追い越してしまうがな」とか話している間に、黒雲を追い越したらしく道路が乾いています。かわいい表情のホッキョクギツネ「ねえ、前回は美幸さんのバスだよね」「そうやがな、真冬の動物園で皇帝ペンギンの散歩見たやんか」「そうそう、動物園の手前でダイヤモンド・ダストが見えたんだよね」「そうや、あれは感動モンやったなぁ」会話に出てくる美幸さんとは、宗谷バスの名バスガイド高橋美幸さんで、出逢いから3年半経った今も、絆は結ばれています。美幸さん紹介の日記旭山動物園の無料駐車場は西口と正門に250台分、ぐるりと回り込んだ東口に650台分。しかし、周囲には有料駐車場がズラリと並んでいます。東口の駐車場を知らずに有料に入ってしまう人も多いのでしょうね。この日も西と正面は満車になっていました。前回以降整備された施設のうち、訪れたいのは「オオカミの森」と「ホッキョクギツネ舎」。「エゾジカの森」とオジロワシの「もうきん舎」は知床で野生の個体を見ているのでパスします。そろい踏み。左からフンボルト、イワトビ、コウテイ過去に何回も見たはずの動物たちなのに、動物園というところは好奇心を掻き立てるようで、母ちゃんはバタバタと走りまわります。「イワトビ君が2羽しかいない」「ホッキョクギツネ、かわいい!」「(テンをみながら)あの子らが千曲川に居たんだよ」「ヒグマもシロクマも全然ジッとしてないよね。クマみたいに歩き回るって譬えはあってるんだ」どこか苛立ったような表情のシロクマまるで、初めて動物園に来た子供のようです。後を追って走る私は堪りません。「オオカミの森」。ちょうどモグモグタイム(食事)です。オス(ケン)とメス(マース)、5月に生まれた子どものオオカミが3頭。計5頭の家族が軽快な動きを見せてくれます。動物園で飼われているとはいえ、オスオオカミの目つきは鋭く、明らかにメスと表情が違います。鋭い眼のケンと優しげなマース。人間の手から餌をもらう悲しさ飼育員がオオカミの習性を説明し、日本オオカミが絶滅した経緯を語ってくれました。人間の勝手都合で居住区を破壊され、エサとなる動物が減り、里に下りるしかなくなったオオカミを「害獣」として処分し続けた結果、1905年(明治38年)絶滅。そして、捕食者のいなくなったエゾジカが保護され大繁殖して、現在では道内に65万頭が棲息。シカによる食害による樹木・作物の被害が急増し、年に10万頭が殺処分されているとのこと。人間の勝手な「保護」や「駆除」が自然界に重大な影響を与えている例として紹介されました。今、旭山にいるオオカミはカナダからやってきたシンリンオオカミです。アザラシのモグモグタイムを見ようと移動しはじめたところで、雨に追いつかれてしまいました。15分ほどで上がり、きれいな虹をプレゼントしてくれました。ラッキー!旭山動物園に2重の虹がかかる事件です。クモザル館で写真を撮っていると、上からポタポタッと水が袖や胸元を濡らしました。「雨のしずくか」と思って見上げると、なんと! なんと!! 大きなクモザルの股間から水滴が落ちているではありませんか。グェ~ッ。睨みつける私をニタ~ッと見下ろすサル(気のせいでしょうか)。振り向くと、若いカップルのオス(いや、男子)もニタ~ッ。母ちゃんは顔をしかめて「お~、臭い!」。実際には臭くありませんでしたが、念のためトイレで洗いました。そっぽを向いてしらばっくれる犯人クモザルこのあとは、70キロの道のりをパトカーに追跡されない程度のスピードで層雲峡のホテルに向かうだけ。2日目は大雪山系・初冠雪の赤岳に登ります。