ふらりかずたま　ひとり言　

[旅行・山関係] カテゴリの記事

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  入り鉄砲、出女を警戒する箱根関所　　　珍道中の４

  「どっこいしょ」とご飯で膨れたおなか（普段から出てるって、どこで見たの？）を持ちあげて珍道中第２日スタート。ゴンドラの乗り降りに苦労しながら宮ノ下まで上がり、国道１号線を走る路線バスに乗車。バスには子供連れの団体と青年たちの団体が乗っていて、ギュー詰め状態。間なしに１シートが確保できて、母ちゃんと足弱の私は座らせてもらえました。停留所を１つ行ったところで、足首を固定された松葉杖の欧米系外国人とその彼女（私は日本人と思った）が乗車。母ちゃんはすぐに席を立ち、青年を座らせようとします。母ちゃん「プリーズ、どうぞ」（なんで同時通訳やってんねん）彼は遠慮して、手を横に振り（断るときの手ぶりは万国共通か？）「センキュー、ドント　ウォーリー（と言ったような…）」「山道やから座ったほうがええよ」と、私は席を詰めます。彼は恐縮しながら（そんな風情）頭を下げて（これも万国共通や！）「センキュー、アリガトゴザマス」（なんでアンタも同時通訳やねん）「僕もヒザ骨折してますねん。骨折つながりですなぁ」と、私は同行の女性に話しかけたのです。彼女はにっこり笑って頭を下げてくれました。（無口な、つつましやかな人や～）この場面の解説１母ちゃんの意見では、彼女も外国の人、父さんの日本語は全く理解してない、と言います。でも、僕の話にニッコリしてたよ。あれは雰囲気でそうした方がいいと思ったんよ、持っていた観光案内も全部英語、運転手さんに話した時もカタ言の日本語だったそうです。この場面の解説２私はどうして欧米人にも日本語なのか？　忘れもしない高校での出来事。英語のリーダーの授業中に読まされたのは、小泉八雲ことラフカディオハーン作『怪談 KWAIDAN』。その中に収録されていたのが『むじな MUＪINA』。この作品はTôkyô 、Akasaka、 Kii-no-kuni-zaka 、Jinrikisya 、O-jochû、Soba-man、Kore Koreなど日本語がたくさん出てきます。読んでいる途中で教師からストップがかかりました。「もうええわ。君のは英語と違うで。大阪弁やで」「えー、なんでですのん、ちゃんと読んでますやん」「Tokyo にしても、Jinrikisyaにしても大阪弁のアクセントになってるで。そのままのアクセントで英語読むから全部大阪弁に聞こえんねん。soba-manも君が読むと蕎麦饅頭かと思うで」「はあ？　なんでTokyoをトオキョー言うたらアカンのでっか。トキョーのほうが変ちゃいますの？」「いや、それはともかく、troubleかてトラブルと発音してるけど、トゥラブゥと発音せえへんかったら、ただの大阪弁や」「はあ、そんなもんですか～？」かくして、同レベルのＮ君と私は２度と指名されること無く…（こんな２人が、ちゃんと一期校現役合格ですから、日本の英語教育はダメなんですね）。そんないきさつがあって英語が遠いものになってしまったのです。ついでながら、大学で第２語学にロシア語を選択してまた失敗。ジでもなくズィでもなく、声でもない発音（歯茎前舌摩擦音）とかで苦労しました。国道１号線・笛塚辺りの急カーブ閑話休題。バスの運転手は、相当のベテランらしく、箱根の山道をギュイ～ンとハンドルを切ってすごいスピードで走ります。そのうち、後部座席に座っていた青年グループの中から「気持ち悪いの？　我慢できる？」という声が。「いったん降りよう。このまま乗ってたらヤバイよ」とリーダーらしき女性の声。青年の団体さんは途中下車してしまいました。私と外人さんは足と脚がぶつかるたびに、言葉は交わさず、エヘヘと照れ笑い。（もうちょっと優しく運転してくれよ！）外人カップル（いまどきアベックは居てません）は元箱根で下車。私らは、本日の第１目標・箱根関所で降りました。箱根関所は、ご存じのとおり江戸を守り参勤交代制度を守るため、東海道の最大の難所・箱根に設けられた検問所。特に「入り鉄砲に出女」の詮議は厳しかったそうです。東海道を塞ぐように設けられた関所の江戸寄りの門を「江戸口御門」、反対は「京口御門」と呼ばれます。門をくぐると、湖側に大番所、向かいに足軽番所があり、それぞれの前面には、槍や刺股（さすまた）など捕り物道具が威嚇的に立てられています。写真左上：人見女、右上：頑丈な牢屋、左下：大番所前の捕り物道具、右下：姫に扮した私と雲助の母ちゃん関所では出女の詮議をするのに「人見女（通称：改め婆）」がいて、出女の髪を解き、「証文」に記載されている髪形や特徴を調べるのです。このとき「袖の下」を差し出すと検査は甘くなり、出さないと髷の中をくまなく調べ、着衣まで調べあげ、そのうえ不利な報告をして通行させないようにしたと言います。江戸口を出たところに資料館があり、当時の衣装や武器など展示されています。赤穂浪士で有名な大石内蔵助の宿泊記録や通行記録が当時のまま残っていました。資料館内は撮影禁止なので写真はありません。関所から元箱根への移動は、当時の面影を今に伝える杉並木を通りました。杉の大木が大きく枝を広げ日光を遮るため、道は湿り所々にぬかるみがあります。歌詞のとおり「昼なお暗き杉の並木」。母ちゃんと手をつないで「箱根の山は天下の険…」と歌いながら、江戸時代の往還に思いを馳せていました。杉並木を行く現代のアベック（死語ですが…）旅人本当は石畳の旧街道も歩きたかったのですが、防衛上の配慮でわざと石をでこぼこに敷いてあったり、急な登り下りがあるので今回は見合わせたのです。次回いよいよ最終回　乞うご期待！

  2009年07月16日

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  超人気！あじさい電車に乗って　　　箱根珍道中の２

  今回の旅行は「箱根フリーパス」という割引周遊券を利用。旅行コーディネーター・母ちゃんの徹底調査の結果、これが一番お得！ということになったのです。小田急線往復運賃プラス箱根登山鉄道・箱根ケーブルカー・箱根ロープウェイ・箱根登山バス・芦ノ湖海賊船の乗り放題、ショッピング・レストラン割引、箱根関所など名所旧跡・温泉施設・美術館・植物園・娯楽スポーツ施設など割引が付いて2日間有効なら1人5000円（特急指定席は別料金）。ちなみに、今回利用した各運賃の合計は1人9000円。さらにレストランなどの割引があるので、なんと！1人5000円のお得。4人連れですから合計20000円も稼いだことになります。母ちゃん、あんたはエライ！！経済問題（？）はさておいて、箱根歩行訓練＋温泉療法ツアーのはじまりです。足に故障があるというのは何かにつけて不自由なもの。負傷して分かる障害者や故障者のつらさ、です。箱根湯本に降り立った私らは子供みたいにはしゃいで、駅員さんに頼んで『メトロはこね』の前で記念撮影したり、車両の写真を撮ったり。ここで思わぬタイムロス。旅館まで手荷物を運んでくれるキャリーサービスに大きな荷物を預けに駅構内から出ることに。「とうさんはここで待っててね」と言われたけど、逆らってノロノロと後から付いて歩き、よせばいいのに、受付から少し離れた喫煙所で待っていました。ふと気づくと、母ちゃんたちは受付から駅舎に移動しています。追いつこうとしたところでガードマンに止められました。道とも言えない所へゴミ回収車がバックで入ってきたのです。やっと遮断が解かれ駅舎に急ぐのですが、スピードは出ません。エスカレーターに乗ったところで携帯電話。「どこにいるの！」「エスカレーター」「なんで、そんなトコにいるの！　電車が出るよ！！」「走られへん！」「バカ～ッ！」結局、電車に乗り遅れました。次の電車まで15分待ちです。「なんで、言われたとおり待ってられないの！？」「人が多すぎて、捨て子になった気持ち…」「子供か～！」「あぁ、還暦過ぎてるからね」「バカじじい！！」次の電車も超満員。線路脇に咲くアジサイで有名な登山電車ですが、アジサイを見る余裕などありません。膝の安全を確保するのが精一杯で汗が流れます。「この電車には何回も乗るから、まあエエか」と達観ぶりを発揮して、車内の写真などパチリ・パチリ。電車は、世界第２位の勾配をスイッチバック方式でゆっくり登って行きます。切り替えポイントは３ヶ所、その度に運転手と車掌が場所を交代。その歩き方が、これまたゆったりしているのです。強羅までの９キロメートルを約40分かけて登り切りました。ついで、箱根ケーブルカー。軌道脇にはアジサイが咲き誇っています。ふと、何か違和感に見舞われて、母ちゃんに、「このケーブルカー、なんか変ちゃうか？」「べつに～」「わからへんか、普通やったらケーブルカーは山の中を登るやろ。ここのは横にマンションやらホテルが建ってるから、おかしいんとちゃうやろか？」「そう？　横に道路が走ってるんだから、当たり前でしょ」「そう言ってしまえば、そうやけど…ええ～い！　この鈍感女！」(これは声に出しては言えませんが…)この感受性の違い！　問題意識の差！　母ちゃん、頼むで、ホンマに！読者の皆さん、あんたこそ変やとは、言わないでください。さらに、ロープウェイ。箱根のロープウェイは、余所と違って2本の腕で2本のケーブルをつかんでいます。風が強く、1本腕では揺れが激しくて運行できなくなるのだそうです。運転間隔は1分。スキー場のゴンドラと一緒で、次から次へとやってきます。先ほどのケーブルカーは20分間隔で長蛇の列でしたが、こちらの方は待ち時間なしと言っていいくらいスムーズです。左は２本腕のロープウェイ。左は大涌谷の源泉地帯いよいよ眼下に大涌谷の荒涼とした景色が見えてきます。吹き上げる源泉の蒸気。山肌のあちこちに固着する硫黄。圧巻です。地底の荒々しい活動が伝わってきます。中腹にある玉子茶屋（湧き出る熱湯を使って、箱根名物の黒玉子を作っている）へ、多くの観光客が登って行きます。オイラも挑戦するぜ！ロープウェイを降りて、まずは腹ごしらえ。大涌谷を望むスカイレストランで名物カレーライスをいただきます。温泉玉子付きですが辛い（私は、カレーが大好きなくせに、お子様みたいは甘口から中辛程度しか食べられないのです、ググッ）。でも、美味しい！！さあ、大涌谷玉子茶屋めがけて長い長い階段を登りましょう。膝が心配だなぁ。左右交互に登って行きますが、膝が悲鳴を上げ始めました。右で登り左足を引き上げるやり方に変えましたが、今度は右に負担がかかりすぎて、両膝がズッキンズッキン。またしても母ちゃんたちから遅れ始めました。一歩一歩に力が入るので汗が滴り落ちます。やっと到着！　茶店脇の高熱源泉では鶏卵を篭に入れて、黒玉子を作る作業。時たま、作業の青年が「アッチー」と悲鳴を上げています。本当に熱そうです。名物黒玉子は、1個食べると7年寿命が延びます（ほんまかいな！）。ということで、さっそく買い求め、いただきま～す。「1つで7年、2つで14年…約束どおり長生きするで～」「たんとお食べ！」「３つ食べたら21年、４つ食べたら…」「え～っ、そんなに生きるの～」「ひ～ぃ、鬼嫁じゃ～（と心の中で）」早速食べました。クルクルッと殻をむいて、パラパラッと塩を振ってバクッ！「あれっ、ひと口で食べたの？」「あぁ（千と千尋の顔なし風に）」「玉子は、パクパクでしょ」「いやぁ、玉子が早う食べてくれと飛び込んできた」「バッカじゃないの！　もう食べるな」「それは早よ死んでまえということか？　（心の中で）ひ～ぃ、鬼嫁じゃ～」下りはさすがにつらく、ミズノの登山サポーターを膝に巻き、ガクンガクンと長い時間をかけてロープウェイ駅に向かいました。宮ノ下駅に進入してくるレトロな登山電車。アジサイとの調和が素晴らしい線路は単線。宮ノ下駅ですれ違う新旧車両予定時間（ホントはどうでもいいような）をオーバーしながらも、ロープウェイ～ケーブル～登山電車を乗り継いで、本日の宿泊地・宮ノ下に到着。戻りの時間帯は電車も比較的すいていて、沿線のアジサイを堪能することができました。この続きは次回。乞うご期待！

  2009年07月10日

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  ロマンスカー『メトロはこね』でＧＯ！　　　箱根八里その１

  箱根の山は天下の険　　函谷関も物ならず万丈の山　千仞の谷　　前に聳え　後に支う 雲は山を巡り　　霧は谷を閉ざす 昼猶暗き杉の並木　　羊腸の小径は苔滑らか一夫関に当るや万夫も開くなし 天下に旅する剛毅の武士大刀腰に足駄掛け八里の岩根踏み鳴す斯くこそ在りしか　　往時の武士友人たちと箱根へ行ってきました。歩行訓練と温泉療法を兼ねての旅行です。なんで箱根かって？　新宿と箱根湯本を結んでいた小田急ロマンスカーが、地下鉄との相互乗り入れで、週末だけ東京23区の最北（大げさな）足立区の北千住駅から直通運転するようになりました。わが家の旅行コーディネーター（つまり母ちゃん）がパクッと食いついたというわけです。人生全てにこれくらい熱心だったら、とんでもなく出世したかもしれない、と感じるほどの集中力で旅行日程を組み立て、現地での交通機関のダイヤも綿密に調べていました。梅雨本番中の旅行ですから、家の中にテルテル坊主をやたらぶら下げて、ひっきりなしに天気予報をチェックして…もう大変！地下鉄北千住駅に入線する『メトロはこね』母ちゃんのテルテル坊主は効果覿面、当日はみごと傘マークが消えました。出発です。今回は松葉杖なし。装具もなし（きめ細かい柔肌がかぶれてしまいました！）。歩くスピードは遅いし、下り階段では相変わらずズッキーンと痛みますが、とりあえず頑張ることに。念のためミズノの登山用サポーターと湿布をバッグに入れました。ブルーのロマンスカーは『メトロはこね』と呼ばれ、ブルーの新型車両。内装もすっきりとして乗り心地はまずまず。シートが少し硬く、2時間座っていると結構つらかったです（お尻の肉がやせた私にとっては！）。『メトロはこね』は北千住駅を定刻9時１３分に発車。特急なので地下鉄線内は3駅しか止まりません。小田急線に合流するまで17駅。すごい！　先行電車をガンガン抜いていくぞ～！と思いきや、複々線でないこの路線は追い越しができません。何のことはない、止まらないだけ。ずっと各駅停車のあとについて走っているのです。かったる～。ロマンスカーの車内。絶賛するほどのことはない小田急線内に入っても、特段スピードアップするわけでもなく緩やかな走り。ナンじゃこの電車は！　ノンビリと景色でも見てくださいというスローライフの見本か？　沿線の大半は住宅街やないか！？　まあエエわ、焦ってもしゃーない！　定刻に着きさえすれば文句は言えんはなあ。どうです、この達観。それでも町田・小田原間はそれなりのスピードで、丹沢山系を望む田園地帯を走り、鮎釣り師が長竿を振っている相模川や酒匂川を渡ります。これはなかなかいい感じ、と思ったのは小田原まで。単線区間に入るや対面の電車待ちの連続です。小田急ロマンスカーの辛いところです。それでも、定刻11時14分には箱根湯本駅に到着しました。めでたしめでたし。この先の珍道中は次回から紹介します。乞うご期待！！

  2009年07月07日

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  バブルの名残り　鬼怒川温泉

  久しぶりの更新。帰宅してデスクに向かうのがけっこう辛く、サボり気味です。脚の具合は特段の変化もなく、装具を付けて松葉杖を１本携えての出勤が続いています。１時間半以上の通勤と装具で締め付けた状態でのデスク業務で、一日の終わりには脚がむくんでいます。母ちゃんの表現を借りると「象の脚みたい」。家の中と会社の中では装具をはずしてもＯＫと診断されたので、自宅では就寝時（母ちゃんの寝返りがダイナミックなものですから…）以外はずしています。会社では、外出予定がなければはずしますが、着脱のたびにズボンを脱ぐことになるので終日着用となることが少なくありません。装具をはずすと膝の屈伸もラクですし、脚全体が軽くなります。しかし、歩行時は不安定さが付きまといます。あと２か月！脚のことはさておいて、先日鬼怒川温泉まで行ってきました。目的は、昨年６月に母ちゃんが川に流された事件で傷めた腰を治療していただいた「足つぼマッサージ・くわさ」の玉川先生訪問。「足つぼ・くわさ治療」については昨年６月６日のブログを参照してください。http://plaza.rakuten.co.jp/kazutama58/diary/200806060000/母ちゃんの父親が神経痛で歩行困難になっているので、玉川先生に治療していただくためです。ついでに、母ちゃんも足つぼ治療をしてもらいます。加えて、私の脚の固まった関節を温泉でもみほぐす（これは自分でマッサージ）ためでもあります。宿泊地の鬼怒川温泉は、破たんした足利銀行がバブル期に見境のない過剰融資を行って、同行の破たんに伴い温泉郷全体が債務超過に陥るという事態が起こったところ。多くのホテルが「時代に乗り遅れるな！」とばかり、資産価値を度外視した融資を受け、巨大化あるいは豪華リゾートホテルに改装していきました。金融危機勃発。足利銀行が破たんし事実上国有化されます。その影響によって、過剰融資に依存していた温泉街全体が消滅しかねないほどの債務超過に陥りました。そうしたなか、栃木県は地域再生プログラムを策定して救済を開始。日光金谷ホテル系列とニュー岡部系列などには産業再生機構や整理回収機構から緊急支援がなされて話題になりました。真山仁氏の小説『ハゲタカ』（写真上）は、足利銀行と金谷ホテルをモデルに、当時の状況を描いています。鬼怒川沿いにはバブルの名残をとどめた巨大ホテルが立ち並んでいます。私たちが泊まった岡部グループの鬼怒川観光ホテルもその一つです。一時は火の消えたようなった温泉街ですが、最近は少し持ち直していると言います。それでも、廃業したホテルがいくつもあり、営業していても苦戦しているようなホテルも目につきます。鬼怒川観光ホテルの玄関先には「トレビの泉」を模した巨大モニュメントがあり、ロビーはゴージャスなシャンデリアが輝いています。案内された和洋室は、最近のホテルなら特別室扱いになるような、広々としたつくり。大浴場は巨岩を組み上げた岩風呂。サウナ室やいくつもの露天風呂も立派。大食いの私たちが選んだ夕食バイキング会場は、本格的照明設備を持った大舞台のある大ホール。どれほどの費用をかけて建設したの？と思ってしまう豪華さです。

  2009年05月20日

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  咲いた咲いたチューリップの花が！

  ２１日に無事退院して、リハビリを続けながら出勤し始めました。通勤で最も困るのが自宅と駅の間の移動。自転車は禁じられているので、１時間に１本程度のバスに乗るため停留所まで歩いて合計２０分。徒歩なら２５分。ついで、電車の中。混んだ車内では松葉杖など他の乗客の目に入るわけもなく、立っていると電車の揺れに翻弄され、ぶつかられたりつまずかれたり。座っていても、膝が曲がりにくく脚を前に投げ出すかたちになるため、松葉杖を足先に立てていてもつまずく人がいます。社長は「当分タクシーで通勤してくれ」といいますが、そうそう甘えているわけにもいきません。まあ、頑張るしかないようです。骨折に関する話題はちょっと横に置いておいて、旅の話。退院して間なしの２５・２６日、富山まで行ってきました。母ちゃんの友人（といってもウンと年齢の離れたお嬢さんたち）と４人連れ。私が運転しづらいだろうと、瞳をキラキラさせて「私たち頑張ります！」（少女マンガ風の図柄を想像してください）。彼女たちのケナゲな申し出に甘えて片道４５０キロ以上の長丁場に挑みました。とはいえ、甘えっぱなしというわけにもいかず、彼女たち（母ちゃん含む）は高速道路での運転。両端の一般道は私が運転することに。新発見（考えれば当たり前のことなんだけど）！　オートマ車でも左脚がピンと伸ばせるわけではなく、ゆるく曲げざるを得ません。このまま動かさないで１時間も運転していると、装具で締め付けた膝が痛み始めるのです。彼女たちに、可愛い声で「パパさん、大丈夫？」とか優しくされ、デレデレしている間に富山県砺波市到着。楽しい時間はどうして早く過ぎるんだ、と心の中でぼやきながら、地元の友人（こちらも年頃のお嬢さん）宅で一息入れて、当地の大イベントに出かけました。砺波市は日本一のチューリップ産地。あちこちの農地が色とりどりのチューリップで彩られています。切り花出荷とは別に球根出荷が盛んなため、畑のチューリップは開花と同時に花を切り取られてしまいます。畑のわきにはチューリップの花が積み上げられていました。チューリップ・フェア会場のチューリップ公園は花盛り。私の周りも（１名を除き）花盛り。ここでも彼女たちに労られながら、気持ちよく散策しました。４５０種類１００万本のチューリップたちの競演に、長旅の疲れも吹っ飛びます。　　咲いた咲いた　チューリップの花が　　並んだ並んだ　赤　白　黄色童謡どころでなく、新品種が年々発表され、色もオレンジ・ピンク・紫・黒…、花びらの形も「これがチューリップ？」と思うようなものが勢ぞろいしています。小雨の中、松葉杖に傘、コンデジを手に持っているので往生しましたが、お嬢さんたちに助けられつつ（へへっ、時間よ止まれ！）、広い園内を歩き通しました。昼食後、近くのスキー場のスイセン畑へ。ゲレンデの一部を黄色い花のじゅうたんが覆っています。こちらは最盛期を過ぎたらしく、枯れ始めている花も目につきます。東京ナンバーの観光バスもやってきました。砺波の観光名所の一つなのでしょう。スキー場の先にある展望台まで足を伸ばしました。「散居（さんきょ）の村」を一望できるのですが、ここは私一人の希望。雨はほとんど止み、霧が立ち込めるのであまり見通しはよくありません。しかも気温は９℃と寒く、お嬢さんたちはギブアップ。寒がりの母ちゃんは言うまでもなく、全員車から降りません。仕方なく、足の不自由な私は一人トボトボ、展望台への長い階段を登ることに。霧の切れ間から散居の村の景色が見えています。碁盤目の水田に点在する住居は、いずれも東向きに建てられ、西南面を背の高い防風林に守られています。ここ砺波平野は庄川の作った扇状地。戦国時代から用水路整備が進み、安土桃山時代には散居の方式で開墾が進んだそうです。住居の間隔は100から150メートル。文字通りの「散居」です。この日は天候が優れず霞んでいましたが、夕映えの水田に落日がきらめくさまは、一見に値すると地元の人が言っていました。山道を駆け下りてホテルにチェックイン。富山の、きときとな（新鮮な）魚料理をごちそうになるため、お嬢さんたちも母ちゃんも化粧直しに余念がありません。私は入院生活ですっかり軟弱になった体を休めるため３０分間爆睡しました。その後、地元の知人と合流し、きときとな魚とうまい酒を堪能。私は、傷に良くないのでお酒はＮＧ。ウーロン茶を何杯もお代わりして食いに徹し、ドライバーの役目を果たしました。早朝、ホテルの窓から見た虹翌日は遅めのチェックアウト。横風の北陸道を一路東京へ。車がふらつくほどの強風、トラックと並走するときの視界を遮る水しぶき。キャーキャー悲鳴をあげながら、お嬢さんたちの健闘は続いたのでありました。

  2009年04月29日

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  木曽路はすべて山の中　過激旅行の２

  『木曾路（きそじ）はすべて山の中である。あるところは岨（そば）づたいに行く崖（がけ）の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道（かいどう）はこの深い森林地帯を貫いていた。…』島崎藤村の小説「夜明け前」の冒頭です。馬籠宿にある藤村記念館「マスダオカダ」や「オギヤハギ」、古くは「藤子不二雄」などという2人の姓を合わせたコンビ名が頭に染みついているらしく、この漢字を見たとたん「シマザキフジムラ」と読んでくれた息子。私はズッコケて危うく転倒しそうになりながら、妻籠・馬籠に向けて車をスタートさせました。松本城から国道19号線を塩尻経由でひた走り。妻籠までほぼ100キロの道のりです。「メシは妻籠宿に着いてから」と宣言してノンストップで走りますが、朝飯5杯は松本城の急階段で消化しきったみたいで、早くもひもじくなり、息子が松本城で買った焼き芋を恵んでもらいつつの運転。「どうしてお腹がすくんだろ…」という歌を思い出します。藤村的な山道を想像するとガックリするような、立派な舗装道路が延々と続く木曽路。コンビニもファミレスもあります。10トントラックもダンプも走っています。それでも中山道六十九次の宿場町の表示が道路沿いに建てられ、往時を偲ばせます。立派な国道を、当時の街道筋に置き換えて想像すると、藤村の表現がしっくりとくるような。奈良井宿の先、今は立派なトンネルができて通ることのない旧街道に鳥居峠があります。ここは「日本の分水嶺」と呼ばれていて、水はここを境に東西に分かれて流れ出ます。奈良井川に注いだ水は、犀川を経て信濃川となり日本海に注ぎます。一方、木曾川に注ぐ水は太平洋まで流れていきます。川に沿って走る１９号線を松本方面から走ると、奈良井宿までは車に対向して流れる川を、鳥居トンネルを過ぎた藪原宿付近からは車と並行する木曽川の荒々しい流れを、目にすることができます。自分がどちらの方向に走っているのか錯覚する瞬間さえあります。写真左：妻籠方向に流れている上松宿近くの木曽川。写真右：松本方向に流れる奈良井宿近くの奈良井川「とにかく急がなくては」。奈良井宿で買った漆塗りの茶漬け椀も買い替え時期なのですが、「木曾塗りは妻籠にも馬籠にもある！」と７年ぶりの奈良井宿も通過しました。気が急くときに限って、前には上り坂でドンドン速度低下する大型トラックや、ノンビリ運転するジモティー（地元住人）の軽自動車が前をふさぎます。それでも、追い越しをかけるわけには行きません。「中央ラインを越えての追い越し禁止」を表す黄色いラインが、ずっと続いている1車線道路ですし、遅いとか言っても速度は50～60キロくらい出ていますから。家で「道交法の権化（ただ覚えてるだけ？）」とさえ言われる私ですから、あおったりしません。適正な車間をほぼキープしながら、「どいたれや」「寝てんのとちゃうか」「なんで風景見ながら走ってまんねん」「あんたとこの道路ちゃいまっせ、天下の公道でっせ」などと、車の中で一人毒づいているだけ。かわいいもんです。母ちゃんは「車にマイクとスピーカー付けたげようか？」と言いますが、そんなことしたらケンカになります。母ちゃんは過激だなあ。創業２００年の旅籠･松代屋。モノクロ写真が似合うとか何とか言いながら、13時半ごろには妻籠に到着。妻籠宿は、ずっと前に来たときとあんまり変わっていません。町並み保存のために、すごい努力が払われているのでしょう。中山道を往還する道中合羽の旅人が、今にも出てきそうな旅籠。江戸の風情を色濃く残した妻籠宿。旅籠には当時を偲ばせる暖簾がかかり、現代の旅人も宿泊しています。不思議な感覚に見舞われます。宿場の端から端までブラブラと歩き、また戻ってくる。随所にある木工芸品の店。点在する和菓子の店。1箇所にまとまってある蕎麦屋さん。順番に覗いていきます。妻籠では気に入った漆椀は見つからず、なぜか鰹節削りを買いました。手ごろな大きさで、母ちゃんがひどく気に入ったので…甘いなあ、私は！木工芸品を商うお店。雰囲気があり誘い込まれる福島県の大内宿は茅葺屋根で有名な宿場町ですが、ほぼ全軒が土産物と蕎麦を商っています。その光景を嘆かわしいという意見も。たびたび訪れる私にしても違和感を抱くことがあります。それと比較して、長野県の宿場町は、そこに日常生活があり、旅人のための旅籠がある。うだつで有名な海野宿でもそれを感じました。ここ妻籠は特に素晴らしい。江戸時代の旅人が歩いていたとしても違和感がないほどです。帰宅して写真を整理しているとき、この宿場はモノクロ写真がふさわしいと感じました。ツアー客のマナーの悪さは、どこも一緒ですが。現代の旅人が散策し、憩う妻籠・寺下の町並み妻籠散策の最後は蕎麦。やっと昼食です。地元のオバちゃんに「お勧めはどこ？」尋ねて、教わった店に飛び込みました。地元の人おすすめの店、美味しい蕎麦にありつけました。ここで母ちゃんの可愛い質問先を急ぐ現代の旅人は次なる目的地・馬籠に向かいます。愛すべき母ちゃんが唐突に疑問を呈します。宿場と宿場の距離が短いのではないか？と言うのです。中山道は江戸・日本橋と近江・守山間約５２０キロ、宿場はその間に６７ヶ所。宿場間の距離平均約７．５キロです。最短は３キロ、最長は２２キロです。他方、東海道は約５００キロ、宿場は５３ヶ所。平均９キロで、最短は４キロ、最長（陸路）１７キロです。母ちゃんが想像しているとおりだと、宿場ごとに泊まるので、江戸と京都は２ヶ月かかるでしょう。３キロ歩いて泊まることはありえません。どういうことか、答えは簡単。旅人は自分の行程に合わせて１日歩き、ほどよい宿場町で泊まる、つまり宿場を飛ばしながら歩き、日が落ちないうちに宿泊地を決めたということです。江戸時代の旅人は、東海道を約２週間で歩きましたから１日平均３５キロ。中山道は山道が険しく１日平均３２キロ、日本橋～京都まで１７日か１８日の旅程となります（これはあくまで概算ですよ）。昔の日本人は健脚だったのですね。だから、京都に向かう旅人が妻籠（長野県・南木曽町）で泊まると、翌日の宿泊地は４つ先の大井宿（岐阜県恵那市）か、急ぎ旅なら更に進んで大湫宿（おおくて＝岐阜県瑞浪市）に泊まるというわけです。ちなみに、東海道は難所大井川、天竜川、富士川、六郷川等の川留めリスクがあって旅程が定まらないため、険阻で距離は長いけれど安定して歩ける中山道がよく使われたといいます。宿場入り口に高々と掲げられた高札馬籠峠を越えると、もう馬籠宿です。遠く恵那山がそびえる、眺望の開けた宿場町。ここは２００５年まで長野県でしたが、平成の大合併のために現在は岐阜県中津川市に属します。妻籠とは全く雰囲気の異なる宿場町で、全体が坂道沿いにあります。私たちは坂の上に駐車しました。これを下ってまた登る「行きは良い良い、帰りは怖い…」とはこのことでしょう。一気に下って、登りはお店を覗きながら（休憩しながら）という作戦をとりました。古い佇まいの旅館もありますが、想像よりも現代風。坂道全体が石畳できれいに舗装され、景観を乱す喫茶店、土産物屋さんがズラリ。普通の民家もあります。石畳の美しい馬籠宿「シマザキフジムラ」記念館もきれいに整備されています。立ち寄りませんでした。私は、藤村の作品は近代文学を代表すると思いますが、彼自身の生きざまを好みません。「夜明け前」だけでなく「破戒」など、問題認識はあったものの、結局は彼自身なんらの行動も起こさず、それどころか「生きて虜囚の辱を受けず」と玉砕を命じた『戦陣訓』起草に協力して、晩節を汚しました。また、姪との近●相姦、さらにそれを小説として公表した。このことを「藤村のヒューマニティ」と賞賛する意見もありますが、私は肯定できません。なお、その姪は小説公表後いったん台湾に逃避。その後帰国して、治安維持法で弾圧された人々を救援する活動に参加しています。藤村は、救援会活動を進めていたある詩人がカンパ要請に訪問したところ、玄関を開けず「戸の隙間からあの大きな鼻だけ突き出して、拒絶した」といいます。カンパ要請に出向いた詩人から（私が大学生のころ）直接聞いたエピソードです。馬籠宿の下入り口近くの巨大水車そんなことはともかくとして、「腿がパンパンになってきた」だの「のどが乾いた」だのと言う母ちゃんを、老体に鞭打って（都合のいいときだけ老人になる！）励まし、時には手を引いて、坂道を登ります。途中のお店で木曾塗りの程よい丼を見つけ、母ちゃんは「買って～」とおねだり。おねだり上手に、ついつい乗っかる自分が情けない。でも、漆の色調が良く、しかも手にしっくり来るのでＯＫとします。今度は息子たち。抹茶で栗きんとん（恵那名産）を食べたいなどと、生意気なことを言い出します。抹茶の味が分かるんかい！と思いつつ、まあ気長によく付き合ってくれたので許しました。その店から恵那山がきれいに見え、寛ぎのひと時を過ごしたのでありました。薄霞む恵那山。雪は少ない馬籠からは息子の出番です。私は、早朝の道祖神巡りに始まり、ここまで運転し続けたので、ちょっとお疲れモード。途中まででも運転を変わってもらえれば大助かりです。温泉と松本城と、妻籠･馬籠観光に恩義を感じたのか、息子はふたつ返事で「いいよ」。考えてみれば、あいつらは移動の間ずっと眠っていたのだから、当然元気なはず。　がんばれ～。中央道･初狩ＰＡまで２００キロ以上を一気に頑張ってくれました。ということで、過激な観光旅行は無事終了。ただし、その夜から私はダウンしてしまったのでした。（道祖神については、後日報告します）

  2009年03月11日

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  長野県・美ヶ原温泉と松本城　　過激旅行の１

  母ちゃんと私、息子と恋人の２ペアで長野県松本市に行ってきました。第１日は美ヶ原温泉に直行して早めのチェックイン。温泉三昧と美食を堪能する。第２日は国宝・松本城と安曇野のわさび園、気が向けば碌山美術館に寄って、夕方までには東京に戻る――という日程を組んでいました。１６時前に旅館「湯宿　和泉屋善兵衛」に到着。今回はなぜか豪勢に温泉付和室です。あろうことか、ぶら下がりの息子たちも温泉付の部屋。これは納得がいきません。私が全額負担するのですから。男はみみっちいことを言ってはイカンと、自分をなだめ、「キミらも（我が家では、オマエらとは言わない家訓があります）たくさん温泉に入りなさい」とか、太っ腹のふりをしました。部屋に荷物を置いて、すぐに貸切温泉「つかまの湯」へ。豪勢な部屋の特権か大浴場以外は全部部屋からすぐのところです。別に離れていてもいいから安くしてくれ～、と内心思いつつ（小さい男！　まだこだわっています）、ドボ～ン。ああ気持ちよか～。部屋からすぐなんだから息子らは温泉付でなくてもよかったのに（まだ言うか！）。和泉屋には、無制限の貸切温泉、時間制の貸切温泉、露天風呂、大浴場、それに足湯、歩行湯があります。加えて、部屋の温泉ということに（まだ、こだわってる）。夕食時間までに離れ家風露天風呂「こもれ日の湯」にも行ってきました。和泉屋自慢の温泉は弱アルカリ単純温泉で美肌の湯。たっぷり浸かり、年寄り（大きな声では言えないが私です）の肌さえスベスベです。１：足湯と歩行湯（奥の池）２：つかまの湯　３：こもれ日の湯　４：山の辺の湯　５：部屋の温泉　６：そば打ち処夕食はお部屋食。息子たちも自室で食べました。恋人が姑（と言っても、まだ結婚はしていない）つまり母ちゃんに気を使うと、和泉屋自慢の料理も堪能できないだろうという配慮です。母ちゃんのそういう心遣いは素晴らしい！食事中、記念写真を撮るために私は息子たちの部屋に突撃。いちゃいちゃと、仲良くやってます。バカバカしくて早々に退散しました。まるっきりのお邪魔虫ですから。この宿の食事は凝っています。会席風で前菜や椀物、揚げ物などは共通ですが、焼き物・お造り・台の物は、予約時に好みの品を選んで知らせておくのです。締めのそばは、宿の若主人が信州産そば粉を手打ちしたもの。そばはしっかりコシがあり、ツケ汁は濃すぎずダシが効いて美味でした。美味堪能の後は食休み。ゴロダラしながら部屋の風呂に温泉を溜め始めます。けっこう深いので小１時間かけて満杯に。さあ、部屋の檜風呂へ。何度入っても気持ちいいものです。窓からはまだ春遠い庭園が眺められます。若葉のころはきれいと思います。毎夜のことですが、私の睡眠パターンは３時間くらい爆睡して目覚める、しばらく起きていてまた眠るというもの。この日もそうでした。いい加減疲れているはずなのに午前２時ごろ目が覚めました。母ちゃんは高（猛）いびき。しかたなく縁側の椅子に腰をかけ読書して、煎餅をバリバリ食べていました。「そうや、温泉や」と部屋の温泉にまたもドボ～ン。そうのんびりもしていられません。夜明けとともにスタートして付近の道祖神を見て回る予定なのです。行くのは私だけですから、母ちゃんが起こしてくれるはずもなし…。この間、縁側の窓は開けっ放し。タバコの煙が室内に篭らないようにするためです。ジャージに素足、窓は開いている。外は氷点下。これで風邪を引かない方が不思議です。バカは風邪を引かないと言うのはウソ！　バカが風邪を引く見本を演じてしまいました。大阪から戻って風邪気味なのに…私はアホです。４時前に再び布団の中へ。目覚ましを６時にセットしました。ところが、子供の遠足と同じで熟睡できず、結局５時半起床。いろいろ思案して、自力で探して歩くという計画を急遽変更、タクシー会社に予約を入れました。観光地図が曖昧すぎて、場所の特定ができず、自分で運転しながら探すには時間がなさすぎるという賢明な（アホはアホなりに考えるのです）宿周辺の文学碑。１：文学の小径碑（折口信夫歌碑と伊藤左千夫歌碑は時間が早すぎて見られなかった。他の旅館敷地内にある）２：平安時代の源重之歌碑　３：芭蕉句碑　４：お湯かけ地蔵６時半には宿の周囲の文学碑を見て回り、７時にタクシーで道祖神めぐり。さすが地元の運転手、１０ヶ所ほどの道祖神を熟知しています。きっと私だったら見落としてしまったであろう、ひっそり佇む道祖神もいました。いまでもキチンと祀られているのが感動です。慌しかったですが見て回ってよかった。それぞれ写真に収め８時の朝食までに宿へ戻ることができました。道祖神については後日報告します。藤井の道祖神。男女２神が互いに肩に手をかけ、祝祭のお神酒を持っている朝食は広間。これには理由があります。会場で卵焼きを作り各テーブルに届けてくれるのです。それ以外にも盛りだくさんのおかず。わさび漬けだけでも何杯も食べられそう。私は大食漢の本領発揮。戦闘モードに切り替わり、結局５杯も食べてしまいました。車の運転があるというのに！部屋に戻って一息ついて、また風呂です。今度は有料の貸切風呂「山の辺の湯」に入ります。こちらは豪華です。３０分の時間制なので予約時間になるとフロント（帳場）でカギを借ります。息子たちは昨夜。部屋まで聞こえるほどの笑い声を上げながら入っていました。何をしているんだか、オヤジは気になる、気になる（スケベ！）。この温泉は、室内の檜風呂と露天の大きな岩風呂がつながっています。広々と開放感ある風呂はご機嫌です。温泉には５回入ったことになります。肌はゆで卵を剥いたように艶やかでスベスベ。また女子社員にモテテしまいます。オイラニホレチャイケネエヨ。あえて言わせてもらいますが、息子らは「湯を溜めるのが面倒だった」と部屋の温泉には入らずじまい。数千円の無駄遣いです（とことんこだわるチッチャイ私）。松本城正面この後、母ちゃんの大陰謀が待っていました。昨夜「妻籠・馬籠って遠い？」と聞いてきました。「当たり前や、岐阜やで～」と私。「そうかぁ、そんなに遠いの？　伊那の近くでしょ？」、「駒ケ岳がデ～ンと横たわっとるさかい、高速で岐阜の中津川ICまで行って山道を戻ることになるねん」、「無理かぁ」。これで終わったと思ったのが大間違い。女の（失礼！）母ちゃんのしぶとさを見損なっていた愚かな私でした。朝食後、唐突に「あのね、ヒデピ～（正月に和倉温泉に同行した、あのトラック野郎です）に聞いたらね、１時間半か２時間くらいで行けるって」と言い出した母ちゃん。「いや、そうかもしれんけど、子供らにはわさび園と言うた～るし。あの子ら早よ帰りたいんとチャウか？」「子供らも、特に予定はないから何時になってもいいって」「行きたいゆうてんのかいな？」「うん、行きたいって」見事に仕掛けられ、かわいそうな私は罠にはまってしまったのです。いまから思えば、あの時もっと頑張って、鼻の奥が痛い、咳がつらいと訴えれば、巻き返せたかも…。予定を変更して、とりあえず松本城。その後は妻籠宿に向けひた走り。昼食は妻籠に着いてから食べ、そのあと馬籠宿に向かい、中津川ICから中央道に入り東京へ戻るということに。国宝・松本城は、烏城と呼ばれる壁の黒い名城。明治政府の政策で、全国の天守閣が取り壊されることになったとき、地元で保存の運動が起こり、募金を集め買い取りました。そのおかげで４００年前の姿を今にとどめているのです。大阪城や会津城などは再建された代表格。創建当時の天守閣を保っている城は全国に８ヶ所しかない状態です。天井を支える太い梁。手斧の痕が鮮やか敵の攻撃に対抗するためさまざまに工夫された城内は、手斧の削り痕や武者走りの板敷きさえ往時を偲ばせます。逆に、当時の陣笠や陣羽織などは、それを身に着けた武士たちを想像させ、生なましすぎる気がしました。階段はどれも急傾斜で、手すりを放すと転げ落ちそうです。しかも４層目から５層目に上がる階段は１段が４０センチ。短足自慢の私には大変な作業です。当時に生まれてなくて良かったよ、と今の世を見当外れに感謝するアホでした。不況対策はどうした！と怒らんかい！！16倍ズームで撮った旧・開智学校。コンデジも進化している天守閣から松本市の市外を眺め、殿さんもこんなトコによう登ってたなあ、と一同感心して、急な階段を恐る恐る降りていったのでした。ついでながら、写真に写っているハイカラな建物は重要文化財・旧開智学校。天守閣から１６倍ズームで撮りました。最近買ったパナソニックのTZ５。なかなかの優れものです。天守閣の写真もピントがきっちり合っています。ニューモデルTZ7が発売される直前だったので、なんと17800円で手に入れました。（妻籠・馬籠に続きます）

  2009年03月07日

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  先週後半は駆け巡り過ぎ？　体調不良です！　

  好きでやっているわけではないのですが、今回も派手な移動となり、ご丁寧に熱発してしまいました。水曜日朝、大阪から訃報。母方の伯母が、とうとう逝ってしまったのです。私の母方は兄妹６人。その３番目で母の直上の姉。大正３年生まれ９４歳でした。これで母方の兄妹は全員いなくなってしまいました。葬儀は木曜日。当日早朝大阪に向かい、夕方まで葬儀・火葬・収骨・初七日に立会いました。私は、もともと金曜日に大阪へ日帰り出張だったのですが、先述の事情で私だけ先発し、金曜朝に他のメンバーと合流するように日程を変更しました。大阪で会いたい人たちがいたのですが、体が妙にだるく、新大阪駅前のホテルにチェックインするや沈没。２２時ごろ目を覚まし、近くのラーメン屋で寂しい夕食をとりました。会社から、重大ミス発生による出張メンバー変更の連絡が入りました。報告では、７０００部作った本にミスが発生し、作り直して納品した本に不具合品が混入したという二重ミス。お客様から全数再検品を依頼され、そのために臨時の動員体制を組むので出張メンバーを減らさざるを得ないというのです。ミス原因のあまりのくだらなさに、唖然としましたが仕方ありません。ドッと疲れを感じ、そのあとは心がざわついてうまく眠れませんでした。訪問先のビルから撮った、窓越しの大阪城。携帯電話にも及ばない画素数ではこれが限界金曜日の大阪は小雨。そんな中、お客様との打ち合わせ、あいさつ回りを続け、東京へターン。そう暑くもないのに汗をかく、節々が痛い、というような不安定な体調だったのに、自宅の最寄駅から雨に濡れて自転車で帰宅したのでした。土・日曜は、長野方面にドライブの予定が入っていましたので、土曜日は朝から自宅の清掃。午後１時に出発しました。土曜日の夜あたりから鼻の奥とのどが痛く、咳き込み始めました。でも、息子とその彼女が同行していたので「（志村けん風に）ダイジョーブダ～」と頑張り、木曾まで足を伸ばして、結局ロング・ランに。月曜日未明から発熱してしまいました。トラブルは続くもので、昨夜来マシーン故障発生で工程が大混乱しているという報告。半分くらい「思考停止」の頭で、現在の対応を聞き、対応強化を電話で指示。自分でもメーカーや代理店に迅速な対応と、併せて今後の再発防止策をまとめるよう依頼しました。対応が終わった後は、薬が効いたのか７,８時間眠り続け、いまは熱も小康状態です。機械は夕方に修理完了したそうですが、臨時に作業を引き受けてくれた取引先各社さんや、社員たちにすっかり負担をかけてしまいました。こんなことではいけません。大事な局面には必ず立ち会うという信条にも反します。猛反省です！というわけで、観光旅行の日記は後日書き込みます。

  2009年03月02日

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  石段の温泉地　伊香保

  スケジュールが目白押しで日記が書けなかったり、書くことが多すぎたり。１月ドタンバタンの隙間でチョロッと行ってきた伊香保温泉の報告が、すっかりほったらかしになっていました。賞味期限が切れそうなので、さらっと書かせていただきます。泊まったお宿は、伊香保温泉の中でもかなり高いところにある「ホテルきむら」。有名な榛名山の中腹にあるといったほうが適切です。母ちゃんがここを選んだ理由。貸切露天風呂があり、すべての風呂が畳敷きになっている。値段が安いのに料理のボリュームがすごい（伊勢えびのグリル・アワビの踊り焼き・ズワイガニ１人１杯…）。しかも晩御飯はお部屋食。案内された１８か２０畳くらいの広い部屋からは上越国境の山々が見えます。いいねえ！でも嬉しいことばかりではなく、私がムッとすることもありました。母ちゃんがチェックインの手続きをしている間、私は少し離れたソファーでタバコを吸っていました。部屋に案内する段になって、フロントのおっさんが「お父様はあちらにいらっしゃいます」。「なにを～！！！　わしらが親子に見えるんかい！」と心の中でわめきました。次にフロントへ行ったときには、呼び方が「旦那さん」に変わっていましたが…。納得できん！！部屋から見える上越の山々。電線が邪魔ボリューム満点！　これで１泊２食８５００円畳が心地よい大浴場。貸切露天も全面畳敷きだった畳風呂は、床石のひんやり感がなく快適でした。アホはどういう構造になっているのか知りたくて、こっそり畳をめくってみました。柔道場で使うようなイグサ風ビニール畳。水はけがすごく良くて、すぐに乾いた状態になります。床に水が溜まるのは気持ち悪いですもんね。夜のうちに３回も風呂に入り、ほぐれた、ほぐれた。翌日は、伊香保の石段街へ。伊香保温泉は１９００年も前、万葉集にも登場する古い温泉で、戦国の武将・武田勝頼が温泉地として整備したと言われています。わが国の温泉都市第１号にも認定された伊香保の象徴が３６０段の石段です。石段を登り始めてすぐ左には、日帰り入浴の「石段の湯」があります。江戸時代石段の両側には１４軒の温泉宿がありました。伊香保の「黄金の湯」と言われる源泉を分け合っていたのです。ちなみに、伊香保のもうひとつの源泉は「白銀の湯」と呼ばれ、ホテルきむらはこちらの源泉を使用しています。２５０年前にそのうちの１２軒に対し、それぞれ干支を振り当てて干支の湯と呼びました。外れた２軒は干支ではなく乾・坤とか方角を振り当てられたのです（きっと、ムッときたでしょうね）。当時のまま営業している干支の湯は４軒だけですが、それぞれの旅館のあった場所には、階段に干支のプレートがはめ込まれています。左が寅、右は卯。十二支が順に並んでいるわけではない石段の左右は、旅館・土産物店・バー・喫茶店、昔懐かしい射的場まであります。この雑然とした雰囲気が石段街の魅力でもあると思います。階段に与謝野晶子の伊香保賛歌ともいえる詩が刻まれていました（右肩の写真）。母ちゃんの手を引きながら最上段まで上りきり、伊香保神社にお参りして帰宅の途につきました。

  2009年02月23日

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  飛騨高山　ぶらり散歩

  １０時ギリギリに、自動チェックアウト機でホテルとはバイなら（バイバイとさようならの合成語）。お見送りもなく、あっさりしたもの。まあ、混んでいたしね。朝、車だったために１０分以上かかった上三之町まで歩いていきました。車は１２時までホテル駐車場にオキッパ（置きっぱなしという若者言葉。分かるかなあ）できるので助かります。よく行く観光地に対する母ちゃんのスタンス。福島・大内宿でも、軽井沢でもそうですが、観光客目当ての商品（雑貨・食品・その他いろいろ）が多すぎる。どこにでも売っているような物、品質の良くないバッタ物を扱っている店が多くて、入っても仕方ない。町の風情と本物を扱っている店、自分の好みの店以外はパスするのです。あっ、それと入ると高額の買い物をしてしまう店（例えば、飛騨春慶塗の店）も避けているようです。「ルイ・ヴィトンも避けてくれればなあ」というのは声に出せない私の声。うかつには言えません！うさぎ舎。右下は今回買った、うさぎのコースターぶらぶらと高山の風情を楽しんで、観光客があんまり行かない街もウロウロして回ります。高山＝上三之町と朝市のように思われがちで観光客が集中しますが、その周辺の町にも隠れた名店があるのです。もちろん上三之町にも本気モードの老舗が軒を連ねていますよ。今日は、１３～１４時には高山撤収、２０時には自宅に戻って大河ドラマ「天地人」を見る予定（どうでもよいスケジュールだな）。あまりのんびりもできないので、目的地を数か所に絞って、あとは次回のお楽しみということに。飛騨さしこ本店。店内では一針一針さしこ作業をやっていた左は私が使う巾着、右はランチョンマット。さしこの文様が魅力母ちゃんの今回の行先は決まっています。うさぎ小物だけを扱う「うさぎ舎」、味噌と醤油の「大のや醸造」、片原町の「飛騨さしこ」、さんまち通りに面した小物を扱う「遊朴館」。そのほかは成り行きです。大のや醸造本店。下の写真は軒先の看板「かうじ」と書いてある買い物にあんまり興味のない私は、たいていの場合、店の前か周辺でぶらぶらしています。この間ヒマなものですから、今回も歩行喫煙をしている人を捉まえては注意。「君！　ここは歩行喫煙禁止だよ。すぐに消したまえ」などと、キザな言い方はできません。「われ、ここは歩行禁煙やんけ、ボケ！　気ぃつけさらせ。チャッチャと消したらんかい」というようなコワイ河内風ではケンカになります。フツーの大阪のオッチャン風に、ちょっとエヘラエヘラしながら、「お兄はん、この地区は歩行喫煙禁止でっせ。見つかったら怒られまっせ」と、柔らかく注意して携帯灰皿を差し出します。揉め事を避けつつ相手を巻き込む、ああ、なんたる深謀遠慮。でも、余計な節介ですわ。足元が良くないのに「古い町並み」の上三之町は観光客でいっぱいになってきました。えらいパワーや、何しに来るねやろ？と、自分らのことは棚に上げて感心しながら、ホテルから車をピックアップして移動。観光客で混雑する上三之町桜山神社に隣接する「高山祭屋台会館」へ。ここには、春と秋の高山祭で市内を練り歩いた屋台の実物が、交替で展示されています。上三之町の神楽台も今の時期は会館にいました。人ごみが苦手な私たちは、毎年何十万人という人手のある春と秋の大祭に来る勢いなんぞありません（そのわりには秋の京都だの、夏の海だの、よく出かけていますが…）。この会館でガマンです。館内はフラッシュ禁止ですが撮影はOK。私のおんぼろカメラはISO感度の最大値が400。最大値にセットしてもシャッタースピードは1/16にしかなりません。手ぶれを防ぐため、ガラスにカメラを押しつけて撮ったのが下の1枚（いいカメラ買わなくちゃ！）。手前が上三之町の「神楽台」です。イケメンはマネキン人形。桜山日光館。日光東照宮の建造物と行事を実物の1/10模型で展示してある建物。この模型は、大正時代に、当代の左甚五郎とも言われた長谷川喜十郎氏はじめ三十三人の技術者によって、15年間の歳月をかけて製作されました。陽明門をはじめ、本殿、拝殿、五重塔など二十八の建物と、鳥居などの附属物をすべて再現しています。日光東照宮を造営するときに大量の飛騨の大工（いわゆる飛騨の匠）が動員されたことに因んで模型を作ったとのこと。日光東照宮をちょこちょこ訪れている私らから見ても実に精巧な作品です。日光東照宮陽明門の精巧模型。右は実物ハタと気づいて母ちゃんと討議（そんな大問題ではあるまい！）しました。その結果、日光に近い鬼怒川にある東武ワールド・スクウェアは、この精巧模型からアイデアをパクッタのではないかと、勝手に結論付けました。以下、私らの無責任なイメージ（妄想か？）。栃木弁は分からないので、大阪弁で表示します。時は昭和の63年、東武鉄道のエライサンが飛騨高山へ出張旅行でやってきたときに、新築の屋台会館を訪れ、付設の日光館でこれを発見。「なんや、日光やったらうちの会社が本家やんか。いっちょ事業化してみたろか」と、きっと思った（と思う）。会社に帰って「どないや？」と提案したら、「日光はうちの電車で直接行ってもらわなアカンのとちゃいまっか」「そやな、ほな、東照宮は諦めて、清水寺や東大寺なんかはどうや」「いっそのこと、世界を相手にした方が客呼べまっせ」ということで、その5年後、平成5年に「東武ワールド・スクウェア」としてオープンした。こんな感じと違うでしょうか？なんの得にもなりませんが、ついでに「東武ワールド・スクウェア」の紹介。世界文化遺産登録されている４５点の建造物をはじめ、世界中の有名建造物102点の精巧模型が園内に展示されています。こちらは実物の1/25です。入場料は大人1人2500円也と、ずいぶんお高くなっております。閑話休題。隣の獅子会館へも行きました。ここは、飛騨の匠が腕によりをかけて作ったからくり人形の実演が見られる所。牛若丸の乱杭渡り＝牛若が階段状になった杭を一段一段渡り、最後は台上で見得を切る仕掛け。次は角兵衛獅子の離れからくり＝いくつもの空中ブランコをヒョイヒョイ渡っていきます。恵比寿の獅子舞＝恵比寿さんが途中で獅子頭をつける早変わりが見もの。定番のお茶運び人形＝茶碗を盆に載せると動き始めて、客が茶碗を持ち上げると止まる。そして戻っていく、不思議なからくり。メインイベントは文字書き大黒天＝半紙をセットし、筆を持たせると字を書きます。大黒さんの乗っている台の下で人形の腕を操作して字を書かせるのです。操作するお姉さんの紅潮した顔のきれいなこと。大黒さんそっちのけで見ていました（私は！）。この会館、名前のとおり全国の獅子頭を集めて陳列してあるのですが、札を立てびっしり並べて違いがよく分かりません。せっかくのコレクションが台無し。「ナンじゃこれは？」と思っている私に、母ちゃんの一撃。「あの獅子頭、とうさんが怒ったときと同じだ」「なんでやねん」「鼻の穴ひんむいて、歯むき出して、おお怖～」「失礼やな、君は！　もう行くで」と、鼻の穴を膨らませながら、高山を撤収しました。帰路は松本IC経由。ICそばのガソリン・スタンドで給油します。すると「いま手洗い洗車の半額キャンペーン中です」とお兄さん。たしかに、雪道走行でボディは汚れまくり、白い愛車がグレーに見えます。「まあ、天地人は10時からBSでも見れるし、やってもらうか」と、なぜか大河ドラマ「天地人」にこだわって、「やって頂戴」と任せました。その洗車の丁寧なこと。すごいなあと感心して見とれていると、突然母ちゃんが「あれ～！」と絶叫。また、忘れ物でもしたのかと思いきや、ETC割引の時間制限にひっかかるというのです。高速道路のETC割引が拡大され、休日の昼間）9～17時、大都市圏以外の道路は100キロ以内なら半額なのです。これをうまく利用すると、八王子まで全線半額でいけるのです。そのために、韮崎ＩＣで一旦降りてすぐに乗り直すという技を使わなくてはなりません（これを説明すると、ややこしくなるので省略）。韮崎ＩＣまで約８５キロ。平均時速１００キロで走り抜ければ１７時までに料金所を通過できると、私のスーパーコンピュータ（私の頭です！）が即座に計算。スタンドの兄さんに無言の「急げ！」圧力（時計を見ながらそばに立つ）をかけます。でも最後は「ピッカピカや！ありがとう。冷たかったやろ、ご苦労さんでした」と、内心の焦りを隠してにこやかにお礼を言いました（おとなやね～、私は）。いざ、出発。私はかなり真剣にハンドルを握って時間との闘いに挑みます。岡谷ＪＣＴの混雑がカギ。ここさえスムーズに通過できれば楽勝です。運転にクソ（失礼！）忙しいのに、母ちゃんは助手席でカメラを構え、雪の八ヶ岳連峰をガラス越しに狙っています。車が道路の継ぎ目でガタンとなるたび「もう！」とわめきます。「キミは牛か」と腹の中でののしりながら、私はひたすら運転します。諏訪南を過ぎ小淵沢あたりになると、正面に富士山が見え隠れします。今度はそれをカメラで狙い始めます。少し時間的に余裕が出てきた私は「もうじき正面」とか「あの林が切れたらＯＫ」とかアドバイスをしますが、１２０キロの車中からでは、すぐにタイミングがずれます。シャッターの落ちるのが遅いのです。結局、双葉ＳＡまで何十枚も撮影して「もういいや！」。やっと静かになってくれました。以降、都心も渋滞なく無事に帰宅しました。走行距離約８００キロ。大河ドラマ「天地人」にも間に合いました。なにをそんなにこだわっているのか！ですって？　あの作品の制作にはわが社も関わっているのです。だから、気になります。

  2009年02月14日

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  雪化粧の飛騨高山（夜～朝）

  早々に白川郷を後にして、高山市内に向けひた走り。フロントガラスには雨粒に交って雪か氷の結晶がぶつかり始めました。「この分じゃ明日の朝は雪だべなあ」「しばれるのはやんだあ」という趣旨の会話を、大阪弁と江戸っ子弁で話しながらも、気持ちは「飛騨牛！　ひだぎゅう！　ヒダギュー！　HIDAGYU～！」。高山陣屋の裏にある「吉ぽう」へ急行しました。ホテルのチェックインを後回しにして「喰い」に走るのが、旅慣れたというか、食い意地が張っているというか、わが家流です。母ちゃんは、何が何でも「飛騨牛ステーキ膳」。私は飛騨牛尽くし「吉ぽう御膳」。写真を撮っておこうと、いつになく（というのも、いつも食い気が先に立て、気づいた時にはあらかた食べてしまっている）キッチリ準備したのに、レンズに霞がかかってしまいます。レンズを拭き、モニター画面を拭いたのに、曇りが取れない。あっ！と気づいて愕然。白川郷で雨の中、カメコのおっさんたちのようにカメラに傘をさしたり、乾いたタオルで覆うこともせず酷使したコンデジが、造反したのです。たっぷり濡れたうえ冷え切ったカメラを、いきなり暖かい部屋で使おうとしたため、カメラの中で結露が発生してしまったわけで、無知のなせる技というか、オオザッパ星人らしい考えなしの行為でした。結局、お勧めメニューは店のＨＰから写真を拝借することに。飛騨牛尽くしの中身。にぎり寿司、牛刺身、陶板焼き、ひつまぶし、小鉢など９品。どれも工夫の逸品でしたが、なかでも飛騨牛のひつまぶし（ウナギではよくありますが）は、甘辛く蒲焼き風に味付けした牛の細切りを、１杯目は普通に熱いご飯に載せて、２杯目は薬味を足して茶漬けで頂きます。お・ひ・し・ひ（熱くておいしいと言えない）。左はステーキ膳、右が飛騨牛尽くしの吉ぽう御膳ご主人こだわりの品々をおいしく頂いて、９９％満足（飛騨の銘酒「氷室」が品切れだったので母ちゃんはガクッ）ということで、今夜のお宿へチェックイン。「スパホテル・アルピナ飛騨高山」。最上階に露天風呂付き大浴場がある、オープンして４ヶ月の新築ホテルで、高山駅から徒歩３分、「古い街並み」上三之町はじめ市内観光も歩いていけます。（右肩写真）いまはオープン記念ということで、片泊まり（１泊朝食付・大人１人）６５５０円、じゃらんポイントを使って５９００円という安さ。こんな立派なホテルがこの値段？という感じ。ただし、自動チェックイン・アウト機が入口にあって、これがなんとも味気ない限り。フロントには美人の係員がいて、朝食などの説明はしてくれるのですが…。気に入ったのは、そこいら中が禁煙。たばこを吸うくせに、部屋にたばこ臭が染みついているのがいやで、旅館なんかでも、窓を開けて喫煙するほど。変人なんです。マメに６階から１階の喫煙ルームまで通いました。夜明け前、ふと目が覚めて窓の外を見ると、予報どおり雪がしんしんと降って、高山の町はすっかり雪化粧。ホテルの部屋からその景色を撮影し（この頃にはカメラ内部の結露解消）、「雪見露天だ」とばかり風呂場に急行しました。おお、さぶ（寒いの大阪なまり）！　それでも、裸でガラス製のフェンスにへばりついて外を眺めるアホでした。他所から丸見えちゃうんかい（標準語＝違うのか）。この日は泊まり客が多いらしく、朝食は６時半からOK。食い気にとりつかれている私らは、当然オープンと同時にレストランへ。部屋を出るとき「ジャージ（私らはホテルのパジャマや浴衣を使わないので部屋着とパジャマ兼用）はまずいかしら」「いや、大浴場があるやからパジャマでうろついてもOK（オッケーと読む）やろ」などと相談して、結局ジャージ上下のいでたち。ジャージ姿の人もチラホラいましたが、洋服に着替えている人が大半です。そこへ１人の青年がホテルのパジャマ姿で登場。彼の一瞬ひるんだような表情を私の眼は見逃しませんでした。それでも、彼は思い直したように、トレンチを手にバイキングに向かいました。勇気ある行動です。このホテルのパジャマは、色が白っぽくて、ズボン丈が短いので、ちょっと見、人間ドックの検査衣のような印象。彼には気の毒でした。部屋に戻るや、母ちゃんが「今のうちに三之町の写真、とってきたら～。あとからだと人でいっぱいになるよ」と適切なアドバイスをくれました。根がアホで、オッチョコチョイで、温度変化に鈍い私は、ジャージ姿で素足のまま「ほな、ちょっと行ってくるワ」と。「歩いていくの？　寒いよ」「大丈夫や、車で行くさかい」。ヘナヘナ三脚とカメラをショルダーに入れて駐車場へ。な、なんと！　車が雪で真っ白だ！　まず、車の雪を落とさないと乗れません。ちめた～（冷たい）、さぶ、と悲鳴を上げつつも、そこは男の子、頑張りました。足もジャージもべちゃべちゃ（濡れている様子）です。歩いていっても５分で着くのに、車だったから１０分以上かかってしまいました。宮川にかかる中橋。雪景色に欄干の朱が鮮やか上三之町（古い街並み）にようやく着くと人影はほとんどなし。いくらなんでもこんな時間に来る客はおらんやろ～（チッチキチー）と思っていると、タクシーが停まり、中からド派手なダウンジャケットを着たオバチャン（コテコテの関西弁！）が２人降りてきました。無人の古い街並みを撮影しようと思っているのに台無し！他にも観光客らしい人が、ピンクの花柄の傘をさして登場、アチャ～。旧高山市役所。今は市政記念館になっている先にカメラをセットしていたダウンコートの人に見習い、寒さこらえて待機です。雪は降ったりやんだり。薄手のジャージは寒い、寒すぎる！　オバチャンら早いことどっか行ってくれ（なんという身勝手、自己中心）。やっと誰もいなくなったところで、まずダウンコートのオジサンが三脚に一眼レフをセットして撮影。そのあとを譲ってもらって、コンデジをショボイ三脚にセットしてパチリ。彼と私の違いは「粘り」。じっくり狙って撮るダウンコートの人、無造作にシャッターを押す私。いい写真が撮れるわけがない。人気のない上三之町。早くも店前の雪掻きを終えた店が多い突然雪が激しく降ってきた。寒すぎるようようホテルに戻って、ベッドに再度もぐりこみ、チェックアウトぎりぎりまで惰眠をむさぼりました。（高山観光編に続く）

  2009年02月11日

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  白川郷・ライトアップ

  母ちゃんの会社は、毎年2月から4月まで繁忙期勤務となり、土曜日が完全に出勤となります。そのため、うまい具合に祝日が重なってくれないと、どこへも行けないのです。たとえば3月の3連休、20日が春分の日、21日は土曜日となるので、飛び石になってしまいアウトです。適当に仮病でも使って休めればいいのでしょうが、会社と家は至近距離。しかも、母ちゃんの仕事は「購買」の一人仕事。休めば仕入れ関係の処理がストップします。責任感が妙に強い母ちゃんは、休むこともなく10時、11時までも残業して乗り越えていきます。というわけで、繁忙期突入前日、白川郷と高山へ行ってきました。体はきついですが心が癒されるでしょうから。土曜日、天候は最悪。深夜に出発して早朝高山着、散策してから白川郷へという計画を急遽変更し、ゆっくり出て白川郷へ直行することに。気が緩んだ私は、未明まで仕事を続けてしまいました。これが失敗でした。眠気覚ましに、運転しながら撮った南アルプス（良い子はマネをしないでね）中央高速の途中から眠気に襲われたのです。助手席で居眠りする母ちゃんを起こすのは忍びなく、歌を歌ったり、あごを動かすようにせんべいを食べたり…。松本ICで一般道に入る頃には、持ち直しました。ボリュームいっぱい。いがやのそば定食乗鞍あたりで地元のおばちゃんたちが運営する「そば処　いがや」を探して昼食。そばやおやき、まぜご飯など腹いっぱい食べたのが第２の失敗。長野と岐阜の県境にある安房トンネルを越えて、飛騨の山道を過ぎるあたりまでは頑張れたのですが、眠くて仕方ありません。ここから先、高山市内までは雪もなく安全な道なので、ついに運転を交代してもらいました。安房トンネルを抜けるとそこは雪国だった３０分ほど（とのこと）して、母ちゃんに起こされました。中部縦貫道の高山西IC入口そばの「道の駅きよみ」です。ここから先、白川郷までは私の出番。雪・凍結情報があるので母ちゃんに負担はかけられません。東海北陸道・白川郷ＩＣまでは、11キロもある飛騨トンネルはじめトンネルの連続。工事完了後も漏水が激しく永らく通行止めだったのが、昨年無事開通しました。この道路を使うと、白川郷まではいままでの1/2の時間で行けます。全長11キロ、全国２位の東海北陸自動車道の飛騨トンネル白川郷に到着。ここも雨。夕方には上がるとの予報ですが、「どうだかね！」と言うくらい、しっかり降っています。ライトアップ開始の17時半まで2時間半あるというのに、続々と車が駐車場に入っていきます。高速を降りてすぐにある道の駅。合掌造りの屋根がユニーク村内をブラブラして、合掌造りの景色を楽しみました。昨年と違って雪が少なく、屋根にはほとんど雪がありません。1週間前の新聞では雪をかぶった合掌屋根が紹介されていましたが、融けてしまったのです。残念！村内最大の合掌家屋である明善寺。屋根に雪が全然ない時間は早いですが16時半に村内を見渡せる展望台へ。雨に煙ってはいますが、やはり風情はあります。17時半までどうするか、雨の中に立っているのも辛いし…。茶店に入って休憩！　店内は、同じようなことを考える人でいっぱい。おでんを食べたり、温かいそばをすすったりしています。白川郷全景。屋根に雪があるともっと風情がある最初コーヒーだけで済ませるつもりだった私らは、気の弱さゆえ追加せずにはおられず、おでんと白川郷名物「石割豆腐」を注文してしまいました。お茶1杯で粘れる人、何も注文せず座っていられる人がウラヤマシイ！「石割豆腐」は、厚揚げを作るときに重石を載せて水切りしますが、あの感じの硬い豆腐。箸に刺して走っても落ちないでしょう。一口食べて見直しました。甘く感じます。美味しいです。おでんをパクパク食べる母ちゃんに小声で注意。「そんなに急いで食べると、また注文することになって、高山で飛騨牛を食べられへんよ」名物・石割り豆腐。落としたら石が割れるほど硬いというそんな苦労（？）をしながら17時半を迎え、店の外へ。あっと驚く光景です。展望台は人、人、人。傘以外何も見えません。気の弱い私らは途方に暮れてしまいました。幸い傘を持たずポンチョだけだった私たち。私が大阪弁で「エライ、スンマヘン」と言いながら先導、身をかがめ傘の隙間を縫って前列までたどり着きました。でも、そこには通称カメコ（写真愛好家）たちが最前列にゴツイ三脚をならべ陣取っています。ご丁寧なことに、カメラを濡らさないため、傘を高々と差し掛けて視界を遮って…失礼な人たちです。ここまで来たら引き下がれません。「ええい、厠の火事や」とばかり、「ちょっと、寄ってもらえまっか、先にちょこちょこっと写真撮らしてください」と声をかけ、僅かな隙間に愛用のコンデジを付けたヘナチョコ三脚を差し込んで、体をねじって撮影。見事にぶれてしまいました。ちなみに、「厠の火事」について。厠の火事は糞が焼ける、つまりヤケクソというお上品な洒落です。白川郷ライトアップ。雪があればもっと幻想的雪がなくて、どうにも冴えない和田家のライトアップ上の２枚は昨年の白川郷・ライトアップ写真　「これはね、来年またおいでって、神様が言ってんだよ」とか、気持ちの大きな母ちゃんは仰って、早々に撤収を促します。心優しい旦那さん（私です）は、腹の中で「何言うてんねん。来年もおんなじバトルせなあかんがな」と思いつつ、「そやな、そういうことか」と、予定時間より1時間も早く白川郷を撤収したのでした。（高山編に続く）

  2009年02月06日

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  走り正月―東京・那須・東京・長野・能登　その２

  今日は七草。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、そんなに旨い物ではありませんが、さっぱりとしていて胃には優しい食べ物です。しきたり通り、毎年いただいています。能登旅行の続きさて、１月２日午後からの旅行記です。念のため、登場人物を再度説明します。ダンナ＝友人の長距離ドライバー、ママ＝その妻、ジイジ＝妻の親父さん、高校生＝友人の息子、母ちゃん＝言うまでもなく私のかみさん。金沢の観光を済ませた私たちは、持ち前の学習能力を発揮して、能登・和倉温泉までの道順を調べ、迷子再発防止対策をしました。これで安心して眠れます。ダンナの横には「人間ナビ」として略図を持った高校生の息子が座り、用意万端。あとはホテル前で起こしてもらうだけです。車は順調に進み、私が次に目覚めたのは能越有料の和倉ＩＣ手前でした。気心の知れた、家族のような友人家族ですから、年末以来の緊張が一気に解け、気が緩んだのだと思います。「眠る係」の役割をカンペキに果たしています（早い話、寝続けということ）。ホテルは、日本のホテル第1位に君臨する「加賀屋」でなく、もっと安くて小ぢんまりした「和倉パークホテル十番館」。客室は２４部屋しかなく、巨大な加賀屋と違って、館内に劇場もショッピングモールも、クラブもありませんが、「じゃらん」口コミで高得点を取っています。七尾湾に浮かぶ能登島を望むお宿です。客室から見た七尾湾。沖には能登島、手前にシーサイドパーク良質の温泉と心のこもったサービスは定評があります。料理も食べきれないほどボリュームで山海の美味が並びます。何といっても名物支配人・伊藤さんの気配りは評判通り。沢田亜矢子似のフロントチーフも、こちらが恐縮するほどの心づかいです。早速、予約しておいた貸切露天風呂へ。問題は割り振り。2つある貸切露天を借り切っても、2家族6人が同時に入ることはできません。思春期の息子がいる長野のママは、男どもとは入れない。うちの母ちゃんは当然、私と一緒に入りたがるし…。かといって、ママと私ら夫婦が一緒に入るというのは、私はＷＥＬＬ　ＣＯＭＥですが、女たちが嫌がります。結局、私ら夫婦がパパッと入り、そのあとママが1人でのんびり入るということに（残念！）。夕食はホテルの計らいで個室が用意されました。12人用のテーブルに6人分の膳、これだけでも豪勢な食卓なのに、船盛り、2人に１台ずつブリしゃぶ＆カニ・エビ鍋が大テーブルいっぱいに並びました。とても食べ切れる量ではありません。伊藤支配人が何度かテーブルにやってきて「がんばろうね～」と追い込みます。３時間近くかけて食べましたが追いつきません。特に、ジイジの前にある料理はダイナミックに残りそう。私と高校生が果敢に挑みましたが完食できませんでした（残念！）。板前さんごめんなさい。「あしたの朝、この続き食えないかな、雑炊うめ～えぞ」とダンナ。「部屋に運んでもらって、ひと風呂浴びて再挑戦できないか」とは私。　　：2人のアホな会話を、やさしく微笑みながら聞いている支配人。バカか、という目で見ているママと母ちゃん。長い時間をかけて賑々しく夕食を終えました。ちなみに、デザートは完食。私はお茶漬けも頂きました。また、酒は石川の銘酒「天狗舞」山廃仕込み。私の好きな銘柄の一つで、超オススメ。冷酒がおいしいのに、ジイジは「燗はつかね～のか」と言いだします。私は「燗酒飲みたいなら、鍋の横にしばらく置いときゃ温まる」と突き放しました。かくして、能登の夜は更けていき、運転疲れのダンナ、続いてジイジは早々に沈没。女子供と私はラウンジでコーヒータイムと洒落こんで、海を吹き渡る風の唸りに耳を傾けていました。そのあと大浴場に出かけ、身も心も温かく就寝したのでした。翌朝、雪はないけれど日本海は鈍空に覆われています。ホテルからまっすぐ長野へ向かうかと思いきや、「のとじま水族館」に立ち寄ることに。金沢の石川県物産館でアクリル・トンネルを泳ぐイルカのポスターを見てから、ずっと行きたいと言っていたダンナの切なる願いを叶えてやることにしたのです。南相木村という山村で生まれ育った彼は、海の生き物を見る機会が極めて少なく、水族館も大昔に伊豆の下田水族館に行ったきり。ダンナ「トンネルになっている水槽が金沢八景にあるって聞いてたが、　　　　見たこともねえ」　私　「旭山動物園、葛西臨海公園、品川水族館そのほかの水族館でも、　　　　トンネル水槽はフツーにあるよ」ダンナ「せっかく近くにいるんだから行きて～ぇ」母ちゃん「子供か！　（高校生に）あんたも行きたいの？」高校生「べつに～」　私　「どうするか…まあ行くか。俺らも水族館好きだし」母ちゃん「（沢田亜矢子似に）すいません、水族館の割引券ありますか」沢田亜矢子似「どうぞ、どうぞ。1枚で5人まで使えますから」という次第で、「のとじま大橋」を渡り水族館のある海浜公園へ向かいました。この日も運転手はダンナ。一応「眠くなったらいつでも交代するよ」と声を声はかけましたが、「で～じょ～ぶだ」とのことなので、私は定位置3列目へ。今日も「眠る係」を真面目に果たしましょう。童心に返って、イルカにエサをやる見学者。エサのオキアミは１００円「のとじま水族館」は、地元・能登半島や富山湾に生息する魚介類の展示に力を入れています。イルカやペンギン、アザラシなどもいますが、何気に愛着の湧く水槽の構成です。イルカショーなどはパスして、なじみのある魚たちを見学して回りました。ブリやエイ、タイ、スズキ…などが泳ぐ回遊水槽で、お正月らしく振袖、紋付き袴を身に着けたマリンガールが、水中で餌をやるというので人が集まり始めました。振袖姿の方は裾がめくれ易く、そのためかオヤジたちが多く、必死にカメラを構えます（何を考えてるんだ！）。清く正しい私は袴姿の方。男子と思い込んでいたのは私だけ。こちらも女性（マリンガールだから当たり前です）。そうなると袴の裾も…気になる、気になる。最後に水槽の彼女たちをバックに記念撮影会。私たちの中で唯一勇気があったのはジイジ。結局、私も引き出されて2人でピースしながら写真を撮ってもらいました。目当てのトンネル水槽は、来たがっていたダンナはもとよりジイジも高校生も大喜び。イルカがスマートに泳いでいる姿がよく見えます。でも、写真はうまく撮れませんでした。大ホールは吹き抜け。高さ７メートル幅１２メートルの曲面巨大水槽に嘆声が漏れます。きれい！ジイジが「このガラスは相当厚いべな」と言いつつ「割れたら、て～へんだあ」と心配しています。博識の私は「アクリル樹脂を何枚も重ねて、特殊技術で作ってあるから歪みもないしガラスより透明。しかもヒビがないから丈夫なんだ」と説明しました。でも、やっぱりジイジは信じられないらしく「地震があってもで～じょ～ぶだか」と何度も聞いてきます。言われてみれば不思議です。以前テレビで放送していましたが、巨大水槽の素材はアクリル樹脂。石油から作られるプラスチックの一種です。アクリル樹脂をどんどん重ねていき、水圧に耐えられる極厚アクリル板を作ります。しかもアクリル板は、重ねて厚くしてもガラスより透明。沖縄の美ら海水族館のアクリル板は６０センチもあり、ギネス認定を受けています。ガラスの場合、厚くしていくと不純物のせいで緑がかって見えてしまい、厚くなればなるほど水槽内が見えなくなっていきます。しかも、ガラスの変形加工には720℃もの高温が必要なため、冷却スピードの差によって製造工程でひずみが出て割れる危険もあるのです。のとじま水族館のアクリル板は３０センチ（だったと思う）。「魚の群れと海藻の海」と名付けられた大水槽水族館を堪能して、一路長野を目指します。が、ここでまた問題発生。有料道路を使うと少し時間短縮できそうですが、金沢まで行ってしまうので遠回り。海岸沿いの一般道の方は近そう。でも、北陸道のどのＩＣに向かうのが正解か？　地図がない！そうだコンビニにある。コンビニに駆け込んで、地図を確認してＩＣまでの道順を調べたものの、なかなか一度には覚えられません。地図を睨みつけていると、親切なおじさんがいて「レジから見えないからコピー取っちゃえばいいよ」とアドバイスしてくました。ダンナは「まずいんじゃね～の」と言いましたが、おじさんは「いいから、いいから」と、サッサと地図をコピーしてくれました。「それでは、お言葉に甘えて」とカラーコピー代50円をおじさんに渡して、コンビニから「逃亡」しました。申し訳ございません。その地図を頼りに能登から長野まで無事帰りつきました。「眠り係」の私はトイレ休憩にも気付かず爆睡して、役割を見事果たしました。すっきりした～！帰りに立ち寄った佐久平の企業イルミネーション４日は、ゆっくりめの起床。渋滞前に関越道を通過するために13時に佐久を出発。内山峠を越えて下仁田ＩＣから上信越道に乗るつもりが、浅間山の写真を撮りたくてＵターン。結局、佐久ＩＣから東京へ向かいました。噴煙を上げる浅間山

  2009年01月07日

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  走り正月―東京・那須・東京・長野・能登　その１

  大晦日～元旦前半急転直下、大晦日がＯＦＦになって、正月休みが5日間取れました。「拍子抜け」感と「得した」感が入り混じった、生煮え状態で31日から那須に行ったのです。先日書いたように、那須は母ちゃんの両親に同行しての年越しミニ旅行。「アズール」はペンションですが、和洋室と和風創作料理、温泉の三拍子そろった年寄りにはありがたい「お宿」。ペンション村周辺の路面はガリガリ。でも、スタッドレス・タイヤのおかげで難なくチェックインできました。そして、いきなり貸切露天風呂にドボン。ぬるめの源泉が心地よく、しかも体が温まる、いいお湯です。食事もおいしい！　夕食はごはん。白河の遠藤さんの有機米コシヒカリ。めちゃくちゃ美味しくて、毎度のことながら写真も撮らずに、大飯を食らいました（私だけです）。ちなみに、母ちゃんはそれなり。糖尿で腎臓透析で、心臓が悪くて目の見えない母親は、ほんのちょっぴり。父親も健康を気にして軽く済ませます。私は何人分の料理とデザートを食べたのでしょうか？　「メタボが気になる」とか言いながら、作ってくれた人に失礼なので、残さずみんなの分を頂いてしまったのです。嗚呼、何たる思いやり！？ビールとワインですっかり出来上がった親父サンは、「紅白見てから温泉に行く」と「紅白第1部」を見ていましたが、24時間勤務明けの悲しさ、21時には爆睡状態です。ちなみに親父サンの起床は、何と！4時半。しかも、いきなりテレビ観賞ですから、タマラン・タマランです。母親は、母ちゃん（つまり娘！）と仲良く温泉に行ってご機嫌です。こっちは病人だというのに宵っぱりで紅白を最後まで見て、日付が変わったとたん「おめでとう」の挨拶までする始末。やはり、娘と一緒に過ごすのは楽しいらしいです。しかも、娘のダーリン（つまり私）は優しい男前だしね。朝、また温泉に浸かり、朝食に備えます。朝は洋食。オーナー夫人の手作りパンは絶品でした。食い意地の張った私は、母親の残したおかずもパンも、ジュースも「いただきま～す」。申し訳ありませんが、これも写真を撮り損ねました。それにしても、透析病院というのは大変です。患者さんも大変でしょうが、元旦から透析患者が詰めかけます。母親も元旦透析の予約が入っています。朝食が終わって、すぐに東京へ。病院直行です。がんばれ！婆さん！　頑張れ爺さん！ということで、元旦の前半は無事に終了しました。元旦後半～4日自宅で頂いた年賀状を整理。自分は1通たりとも出さないのに頂戴するばかり。恐縮です。このあとは、忙しくて家族旅行もままならない長野の友人家族、特に世話になっている爺さま（友人の父親・傘寿＝以下ジイジという）への慰安旅行。プロデューサーは当然うちの母ちゃんです。一息ついて、すぐに車の荷物を降ろし新たに積み込んで、いざ長野へ。と思いきや不覚にも昼寝、なんせ4時半からテレビ攻撃受けましたから。初日の入り（？）。外環自動車道から見た夕日に包まれる富士山16時過ぎて大慌てでスタートです。一部凍結はありましたが、トラブルも渋滞もなく佐久に到着。友人宅でワイガヤと夕食を頂きました。翌朝は5時に出発ですから、早く寝ればいいのに結局1時過ぎまで起きてしまいました。友人の旦那（以下ダンナという）は早い時間に沈没しました。実を申せば、翌日の運転はダンナ。私は後部座席で居眠る係です。雪がきつそうなので、私の２駆のノアでは心配、ということでダンナの４駆エルグランド出動に切り替えたのです。但し、エルグランド君にはＥＴＣがなく高速の割引を利用できません。また、ナビもないので、それが不安。でも安全優先です！　大きな声では言えませんが私も楽チンだし…。行先は金沢から能登・和倉温泉。いざ、出発！と威勢はいいですが、私は眠る係ですから、最初から３列目の座席。すべてお任せです。なにせダンナはプロの長距離ドライバー。眠くないのかと聞くと、「昼間だったら、眠くなんかなんねえよ」とのこと。頼もしいお言葉。これで私は心置きなく爆睡できます。上信越道は途中から激しい雪と圧雪。あたり一面真っ白です。そんな道を７０キロ～８０キロも出して突っ走るとは！　さすがというか無謀というか…。それでも居眠り続けた私も、さすが「太っ腹」。北陸道はほとんど雪もなく快調そのもの。金沢ＩＣに着いたのは１０時です。真っ白な上信越道路面雪に埋もれそうな妙高ＳＡ金沢に着いて、さあどう行けばいい？　「地図は？」「ねえよ」「え～っ」「でーじょーぶだよ」「そうかなあ？」などと会話しながら、案の定道を間違えてしばしウロウロ。「道知ってるんだろ？」「北陸は来たことねえから」「え～っ」まあ急ぐ旅でもないし…いいか。そんなこんなでしたが、「ひがし茶屋街」に到着。昔の花街の風情漂う街並みが観光客には人気です。いまでも営業している「お茶屋さん」があります。ジイジに尋ねました。「どう、懐かしい？　会社やってた頃は長野で浮名を流したのとちゃうか？」「佐久じゃあ岩村田あたりにあるさぁ」「やっぱり、行ってたな～」母ちゃん参戦します。「行ってみた～い」「女が行って何が楽しい。旦那衆が遊ぶとこだ」……ガヤガヤと騒ぎながら茶屋街を見学させてもらいました。風情ある茶屋街のたたずまいそのあと、またしても道に迷いながら「兼六園」到着。金沢の天気は移り気で、雪、みぞれ、あられ、雨とめまぐるしい変わりよう。母ちゃんお勧めの鮨屋で気前よく地魚の鮨を頂いて、止んだ頃合いを狙って兼六園へ。正月は入園無料です。「雪吊り」をした庭園を散策。ジイジは３度目、ダンナ家族は初めて、私ら夫婦は２度目ですから、ジイジの案内で園内を巡ります。雪はほとんどないですが、風流です。散策終了と同時に、あられが降り始め、瞬く間に雹に変わり、頭も地面も叩きます。昔に比べ髪の量が少なくなっている私とジイジには過酷。大慌てで土産物屋の軒先に駆け込み、店内でお茶と団子、煎餅の接待を受けました。不思議なことに、お茶以外は有料。「お団子いかがですか、煎餅も焼きたてですよ」と勧めてくれたから、食べたのに…（とは冗談）。さあ、能登に向けて出発です。が、初出社早々いろいろあったので今日はここまで。(次回に続く)

  2009年01月05日

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  ゆ～きやこんこん

  長野県佐久市は、県内でも雪の少ない地域。毎年、雪はないのに冷え込みがきつく、真冬マイナス５℃の朝に「今朝はあったけー」というような土地。今朝起きてみると一面の雪景色。今年の初雪だそうです。気温はあまり低くなくマイナス１℃。そのせいか湿気の多いぼた雪が音もなく降っています。それでも江戸っ子の、うちの母ちゃんは「わ～い！　ゆきだ～！」と叫び、庭に出て携帯で写真を撮りまくっています。根っからの地元民である友人の亭主は、こたつに潜り込んで、「やんでくれなきゃ～、今夜和田峠あたりは越せめえ」とボヤイテいます。彼は１０トントラックのドライバーで、今夜スタートの仕事が入っているのです。そこで１曲！　「雪やこんこん」の佐久バージョン。　　ゆ～きや　こんこん　　ぼたゆき　こんこん　　ふっても　ふっても　まだ　ふりやまず　　かあちゃん　よろこび　にわ　かけまわる　　だんなは　こたつで　まるくなる

  2008年12月14日

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  ふたご座流星群と満月

  本日は長野の友人宅からブログを書いています。所用でこちらまでやってきました。ついでに、ふたご座流星群を見ようということで、調べましたが極大（いちばん沢山流星が飛ぶ）は１３日夜半から１４日にかけて。ところが１３日夕方から天気は下り坂になる予報なので、１３日未明に見ることに。信越自動車道を下仁田（こんにゃくとねぎで有名）で降り、群馬・長野県境の内山峠へ向かう途中で山中に入って行きました。天気予報に反して、空にはうすく雲がかかり条件は良くありません。それよりももっと良くないのは満月。しかも、この夜の月は地球に最も接近し（近地点）、明るさと見かけの大きさが通常の満月よりすごいのです。何の変哲もありませんが、明るくて大きな月その満月がふたご座の近く、正確には輻射点（流星が飛び出す中心）の脇にあるのです。これでは、ささやかに輝く流星はかき消されてしまいます。そのうえ、月光が雲を明るく照らし、周辺は白っぽい夜空。手のひらで月を隠し、目につきの光が入らないようにして、ジッとふたご座あたりの空を見つめていました。わりと温かい夜。しかし、やや風が強く、外気温は２℃。真冬の服装ですが、やっぱり冷え込みます。現場に４０分くらいいましたが、私が見たのは３個、母ちゃんは１個。そのうちの一つだけが雲のスクリーンを通しても、強く輝き長い光跡を見せてくれました。あとは、チカッと光るか細い光跡を残す程度。その後、内山峠から佐久市に入りました。この周辺の空は雲に覆われていました。天気が下り坂のせいか、今夜も佐久は暖かいです。流星群の極大日ですが、空は厚く雲が覆い、月も見えていません。来年に期待します。

  2008年12月13日

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  秘湯　初谷（しょや）温泉　長野・佐久市　

  長野・群馬県境、国道254号線から車同士のすれ違いもできないような山道に入ること１キロあまり、一軒宿の秘湯「初谷（しょや）温泉」があります。先日、長野の友人宅で風呂が故障したため、銭湯代わりに日帰り入浴してきました。あまり知られていない温泉ですが、泉質は日本屈指、知る人ぞ知る名湯なのだそうです。源泉の発見は１８８５年（明治１８年）で１２０年以上の歴史を持っています。裏山から湧き出す冷泉（水温１４．３℃）を加熱して浴用に。泉質は含二酸化炭素・ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で弱酸性。飲用可能で胃腸病、リューマチ、神経痛、婦人病　冷え性など に効くと言います。風呂は２槽に分かれていて、一方はさら湯（普通の沸かし湯）、もう一方が源泉。脱衣室に効果的な入浴方法が書いてありました。まず、さら湯に浸かり、程よいところで源泉に入る、そうすると温泉成分が皮膚から吸収されやすくなる、宝冷水（源泉の湧き水）を飲みながらの入浴が最適、フロントにビンが用意してある、とのこと。源泉は赤茶色に濁って、湯の花が浮かんでいます。湯は体にまとわりつくような感触があり、湯温はぬるめ。眼下に渓流を眺めながら、長い時間ゆったりと浸かっていられます。残念ながら加熱によって炭酸分は消えていました。風呂から上がり、宿の裏にある「宝命水」と名付けられた自然湧出の源泉へ（写真右肩）。１分間に２リットルほどしか湧き出さないようで、ステンレス蓋で保護された源泉は２０センチほどしか溜まっていませんでした。備え付けのカップで飲んでみましたが、苦くてしょっぱくて、しかも炭酸の刺激がある、非常に飲みにくいもの。ひと口でギブ・アップしました。　　　　　　　　佐久の小学校では、徒歩でこの温泉まで来て、入浴して帰る遠足があるそうです。初谷温泉：佐久市内山３５２　 ＴＥＬ：０２６７－６５－２２２１ 日帰り入浴利用時間：１２時～１４時 日帰り入浴料金：大人７００円　子供３５０円　

  2008年12月03日

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  秋の京都　最終回　出会い編

  秋の京都第３日を報告する前に、今夕（１１月２９日）の出来事を。天気がよく空が澄み切っていた今日、高いビルなどからは、丹沢山系・富士山・奥秩父山系が夕焼けを背景に、黒々と横たわっていました。やがて、薄暮は徐々に夜の闇に追われ、西の空には金星が大きく輝き始めました。ふと、金星の真上にも星を発見。強まった風にも瞬かないので惑星と分かります。「三の酉」参りの途中だったので、とりあえず携帯電話のカメラで撮影（右写真）。帰宅後、天体ソフト「Stella」で調べると木星でした。地平線ギリギリに水星もいるのですが、これは太陽に近すぎて直接見ることはできません。でも、西の空に水星・木星・金星が集まっていて、土曜日の地球から見ている！　水木金土だと一人で喜んでいました。京都報告最終回のテーマは、「惑星の出会い」にあやかる訳ではないですが「出会い」。第３日は、午前中だけを観光に充て、午後からはブログで知りあった京都の「ルツ３」さんと初めてお会いする行程です。朝食をホテルで摂ったあと、スーツケースを宅配手配して、バッグにカメラ・傘を押し込んで南禅寺へ。ショルダーひとつの軽装で歩いていきました。まだ朝早い南禅寺周辺は人も少なく、目指す塔頭・天授庵は開門前でした。門前で待機していた「カメコ」たちが、開門と同時にカメラ・三脚を担いで庭園に飛び込んでいきます。天授庵本堂から窓越しに。まるで額縁に飾ったような光景この寺の紅葉の見事さは、南禅寺塔頭のうちで随一ではないでしょうか。何度訪問しても、気に入った場所は再訪、再々訪するのが我が家流。天授庵は今年も裏切りませんでした。圧倒的な色彩。天授庵本堂前庭を染める紅葉今にも降り出しそうな重い空。その中で前庭の枯山水は燃え立っています（カメラで十分再現できないのが残念！）。本堂裏の池泉回遊庭園も紅葉が映え、記念撮影の顔が赤く染まるほど。本堂越しに窓から見える景色は額に入った絵画そのものです。本当に素晴らしい！天授庵書院前に広がる池泉回遊庭園の紅葉続いて南禅院。元は亀山天皇の別荘で、南禅寺発祥の地として今も大切にされています。この寺の池泉回遊庭園は、亀山天皇の作庭を夢想国師が受け継いで現在の姿に完成させたと言われています。池の水まで染める紅葉、緑と赤・黄のコントラスト、計算しつくされた美の結晶です。池を彩る南禅院の紅葉色彩のコントラストが見事な南禅院庭園その後、南禅寺境内を一巡り。大盗賊・石川五右衛門の「絶景かな」で有名な三門には、今回も登りませんでした。南禅寺三門を仰ぎ見る雨が予報より早まりそうな空模様。タクシーで清水へ。観光目的ではなく、二年坂・三年坂など、清水寺に至るいくつもの坂道を徘徊するためです。お気に入りのお店がいくつかあって、味噌こしなど金網製品の「つじ」、清水焼の朝日堂ほか、京扇子の錦古堂ほか、京小物のあけぼの亭井和井など、喫茶店「真呑奈」かINODA、といった具合。ほとんどが「見てるだけ！」ですが…。雨が降ってきました。早めに昼食を摂ることにして大奮発で京料理「日月庵」へ。昼食にしては高いと思いますが、満席状態です。「みんなすごいなあ」と感心しながら私たちも「湯豆腐懐石」と「日月懐石」を注文。各３１５０円（税込み）です。美味しいし、繊細な盛り付けが女性に人気があるのも頷けましたが、京野菜懐石は５２５０円（税込み）。これを注文している観光客もいました。これこそ「清水の舞台から飛び降りたつもりで」と言うことでしょうね。いよいよ、「ルツ３」さんとの初デート。ドキドキします。私がブログを始めたとき、一番最初に書き込みをしてくれた、京都在住のご婦人です。住所だけを頼りに、お会いする教会に向かって鴨川沿いの道を母ちゃんと歩きます。川の向こうに立派な尖塔を持つ教会が見えてきました。でも、そこは住所が違います。住所は合っているのに教会らしい建物が見えません。焦りました。母ちゃんが「あそこ！」。工場のような建物の脇に看板が立っています。恐るおそる建物に近づくと１階が目的の教会でした。先ほど見た豪勢な教会とはあまりにも違います。傘をたたみ、服に付いた雨を落としていると、内側から扉（といってもアルミサッシのガラス戸）が開きました。若くてたくましそうな男性が笑顔で「どうぞ！」と招き入れてくれました。奥から小柄な女性が近づいてきます。「ルツさんですか？」「かずたまさん？」ルツさんの顔がほころびました。私のゴツイ顔もほころびます。本棚に飾られたイエス親子像牧師さんがストーブを焚き、椅子を進めてくださいました。改めて、教会内部を見まわすと、小さな祭壇が正面にあり、ツリーとポインセチアの鉢がある程度。片隅にはドラムやギターなど楽器が置いてあります。信者の若者がバンド練習するのでしょうか。この質素な部屋が、「癒しの教会」とルツさんのおっしゃっている教会なのです。病気で臥せりがちの彼女は青白い顔をしていますが、さわやかな笑顔です。自己紹介し合って、牧師さんとも初対面の挨拶。好感の持てる青年です。体調が良くないのに雨の中、出向いたくれたルツさんに感謝しながら、いろんな話をしました。初対面だというのに、旧知の友人と再会したかのような自然な時間が流れます。母ちゃんも打ち解けて、３人で談笑。あっという間に京都駅に向かう時刻が来てしまいました。ルツさんから、ご自身とご主人が撮影された写真、聖書の言葉をプリントしたポストカードを何枚も頂きました。また、幼いキリストを抱いた母マリア、父ヨセフの像を頂戴しました。ありがとうございました。いま、その像は本棚に飾られています。最後に、居合わせた青年に頼んで３人で記念撮影。ブログを通じて知り合った方と、このような出会いができたこと、大変嬉しく思います。おかげで、今回の旅行を幸福感に充たされて締めくくることができました。（おわり）

  2008年11月29日

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  秋の京都　その５　保津川下り編

  保津川下り乗船場。外の売店にも多くの客。川沿いのベンチなどにもズラリと客。まさかこの人たち全部が乗船待ちとは思いませんでした。2時間以上待っても乗船できないお客さんが、相当イライラして怒っています。チケット売り場で苦情を言っている人も多数。「これはエライことになっているぞ」と思っていると、さらに良くない知らせです。「激しい交通渋滞のため、船を陸送するトラックが戻ってこられません。キャンセル待ちのお客様は本日乗船できませんので、ご了承ください」と場内放送。嵐山まで下った船はクレーン車でトラックに載せ、３艘ごとに亀岡まで陸送しています。そのトラックが動けないというのです。長い長い時間キャンセル待ちしていた客が、窓口に殺到してわめき散らしています。諦め顔で乗船の呼び出しを待つ乗客大混雑の中、バスのガイドさんが遊船組合の事務所に出たり入ったり走り回っています。バスの中でも言っていましたが事情を説明して早めの便に乗れるよう交渉しているのでしょう。30分ほど待っていると、乗船の呼び出しがかかりました。２時間以上待っている人たちの怒りが目に浮かぶようです。それはともかく、3艘ワンセットで下るので、観光バスの私たちも分乗です。たまたま階段近くにいた私と母ちゃんは指定された船の先頭に座ることに。出発を待つ川下り船。この日の船頭さんは３人一組舳先で竿を操る、そのそばで艪を漕ぐ、艫で舵を取る、この３人の船頭さんが一組で船を嵐山まで流していきます。全長１６キロ、日本で一番長距離の川下りが始まりました。水量が少ない時期なので２時間くらいかかるとのこと。両岸の紅葉、渓谷の巨岩、シラサギやアオサギがのんびり羽を休めています。角倉了以の開削した水路。ここも流れが渦巻いている３人の船頭さんは竿、艪、舵を交代していきますが、主に竿を操っている船頭さんは私たちに常に話しかけます。その話の面白いこと。１８０センチくらいの体格の良い、４０歳くらいの人で、椹木（さわらぎ）浩二さんと言います。毒舌は「綾小路公麿」ばり。なのに観光案内はキチンとやってくれます。保津川渓谷の景観に加え、とても楽しい説明で船下りを堪能できた２時間でした。例えば、川が左右に分かれるポイントに差し掛かったとき、彼は「女子高校生のときは向こうの緩いながれをゆっくり行くけど、今日のお客さんは……こっちの最短距離だ！」と言って笑わせます。コースは決まっているから、そんな区別がある訳ないのです。２メートルの落差に船が突っ込むと、乗客は「ワーッ！」と声を上げます。すると彼は「女の人はワーッと言わないで可愛くキャーッとか言ってくれ。この次ワーッと言ったら川に落とす」。そこで私が「キャーッ」と言ってみました。彼はすかさず「オトーさん、気持ち悪い」。落差２メートル。激しい水しぶきが襲い掛かったまた、彼は「角倉了以の開削で川幅が広がり、丹波の品物がどんどん京都に運ばれるようになった」と説明していて、「川を下った船は、今でこそ日通ペリカン便で川上へ運んでるけど、昔は船頭がロープで川を引っ張り上げてたんだ。俺だったら３日で辞めるよ」と曳き船の苦労を笑いを誘いながら話してくれます。北山杉の見事な植林が見えると「北山杉は床柱になる高級品。だから、ちゃんと枝を払い、まっすぐ伸びるようにピアノ線で吊り上げているんだよ。見えるかな？」。客はみんなジッと見つめますが、そんなものがあるはずもなく、彼は「ウソだよ。ある訳ないだろ」と言い放ち、船内は大爆笑。船を操り、汗びっしょりになりながら、この語り口。これは感動モノ、大拍手です！！Mr.サワラギ。鉄橋は山陰本線ちなみに、彼らはこの日３回乗船したと言います。つまり４８キロも漕ぎ続けているわけです。素晴らしい！！　そこで、組合に電話して「貸し切った場合、船頭さんは指名できるか」聞いてみました。答えは「できない」とのことでした。３艘の船は舳と艫を接するように下っていきますが、私たちの船で大爆笑が起こるたびに、前の船の客が「何事？」という表情で振り返ります。前の船は全体として静かなのです。船頭さんによって、川下りも笑いながら体験できるか、生真面目に体験するか、変わってしまうものだと思いました。トロッコ列車がやってきました。お互いに手を振り合って束の間のコミュニケーションを取りました。いい年をしたオジサン・オバサンたちが、聞こえるはずもないのに声を上げて手を振り合っている光景は微笑ましいものです。嵐山に近くなり、流れが緩やかになってきたあたりで、下手から船が近づいてきます。嵐山名物・川のコンビニ、物売り船です。果物、おでん、イカ焼き、団子、ドリンク…。私たちは、おでんとイカ焼きを買ってムシャムシャ。冷えた体が温まりました。川のコンビニ、物売り船。右端の人はテレビで紹介されていた１６時過ぎ嵐山の船着場に到着。もう夕方間近です。でも、観光客は減るどころか増えているようにさえ感じます。まだ、手漕ぎボートは川面に浮かび、嵐山遊覧船にもお客さんがたくさん乗っています。渡月橋付近は警察車両が停まり、警察官多数が声をからして交通整理していました。ガイドさんは、新幹線などスケジュールが厳しいツアー参加者に、鉄道で行くように説明し乗り換え方法など教えています。１９名が離脱しました。ガイドさんのこの判断は的確でした。１６時３０分にスタートしたバスは、京都中心に近づくにつれ、渋滞に巻き込まれ始めました。まだ年の若い運転手さんは、センターと情報交換しながらコースを選択しますが、それでも渋滞からは逃れられず、１８時前、やっと京都駅バスターミナルに到着したのでした。ドライバーさん、ガイドさんお疲れ様。笑顔のかわいい、それでいて凛とした、心に残るガイドさんでした。今夜は、木屋町通りそばの「忍庵はなれ」で２人だけの誕生祝い。３０云歳などと年齢詐称している母ちゃんですが、めでたく１歳年をとりました。飲み屋街にある雑居ビルの２階なのに店内は個室風。しばらく居るとビルの中ということを忘れるような落ち着いた店。白で統一されたモダンな器で供される料理は、少し味が濃いものの、どれも美味しく、盛り付けにも工夫がありました。なんでも、生鮮品は店長が金沢や和歌山まで出かけて目利きした仕入れ先からのものとか。漬物は錦小路・打田のものでした。酒は母ちゃんが惚れこんでいる福井の銘酒・黒龍です。気持ち良く酔った２人は、先斗町から祇園花見小路を散歩。このあたりでは本物の舞妓さんや芸者さんとすれ違います。昼間見る「舞妓風」とは明らかに違う歩き方、立ち振る舞いを見て、失礼なことに母ちゃんはカメラを向けてフラッシュを浴びせていました。そして曰く「一力（仮名手本忠臣蔵にも登場する祇園の有名な料亭）」に行きたい！」。祇園花見小路「一力」（左）と座敷を跳ねた舞妓さんそんなこんなで京都第２日を終えたのでした。（第３日＝最終日へつづく）

  2008年11月28日

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  秋の京都　その４　トロッコ列車編

  第2日。今回のメイン企画。トロッコ列車と保津川下りです。トロッコ嵯峨駅から亀岡までトロッコ列車で25分。亀岡駅からバスに15分ほど揺られて、保津川下りの乗船場に向かいます。船は定員20人ほどの昔風の手漕ぎ船。増水しているときには50分くらいで嵐山に着くそうですが、渇水のこの時期は約2時間の船旅です。保津川というのは丹波地方に水源をもつ桂川の上流で、亀岡・嵐山を貫流し、伏見区で鴨川と出合い、淀川に合流して大阪湾に注ぎます。亀岡盆地を南に向かい嵐山に至るまでの谷あいを保津川渓谷と呼び、紅葉の名所として名を馳せています。保津川下りの歴史は古く、古くは長岡京の時代から、都造営のための材木や石材を運搬していました。慶長年間、川大名と異名をとる角倉了以が、激流を制し、物資運搬に適した川とするために開削。川幅を広げ、水路を確保したのです。以来、丹波地方の木材・穀類・薪炭などが京阪に届けられるようになりました。観光のための川下りは明治に入ってから始められ、全長16キロの川下りは世界的にも有名なスポットになっています。また、トロッコ列車は元々山陰線の一部でした。電化・複線化のため別ルートが開発され、20年ほど前に廃線となりました。しかし、保津川渓谷に沿って走るこの路線からの景観を惜しみ廃線から3年後の1991年復活を遂げたのです。当初の予想を覆し、現在では年間100万人もの観光客がレトロな車両に乗って保津川の景観を楽しんでいます。超人気のトロッコは、ハイシーズンには予約で満席となるため当日券は無理。個人で予約するにもネットでの申し込みはできないので、旅行代理店に依頼するか、自分でトロッコの駅まで購入に行くしか方法はありません。保津川下りは事前申し込み不可。早朝から行列ができて、早い時には朝の10時で完売するほどの盛況ぶりです。2時間以上待ちは当たり前。15時半の最終便までキャンセル待ちを含め、待合所は混雑を極めます。そのような事情のため、京都定期観光バスの「トロッコ列車と保津川下り、嵐山散策」コースを２ヶ月ほど前に電話予約しておいたのです。当日は9時50分京都駅バスターミナル出発なので、私たちとしては珍しくゆっくりホテルで朝食を摂ることができました。京都駅バスターミナルに到着してビックリ。乗車券の発売所は長蛇の列。でも私たちは、予約の際に担当してくれた女性から、当日は長時間かかるから前日夕方購入しておきなさいとアドバイスを受けていたので前日に入手。正解でした。しかも、チケット販売の窓口にいた女性は乗車するバスのガイドさん。前日にガイドさんと「明日はよろしく」とあいさつできて、親密感が生まれました。私たちの席は3列目。ガイドさんが目線を置く場所です。前日にコミュニケーションをとり、顔をしっかり覚えてくれているので、うっかり居眠りできません。気を引き締めて1日過ごしましょう。切符売場の混乱を受けて、バスは定刻より10分遅れて発車。嵐山周辺の道路は渋滞がひどいうえ、時間がギリギリなので集合時間に絶対遅刻しないこと、遅刻した場合は全員が列車に乗れないことも起こりうるので、その人を見捨てて発車せざるを得ないことなど、説明を受けました。名所案内のときは標準語、一般的な会話や注意事項などは京都弁。うまく使い分けています。まず、嵐山散策。予定では120分のはずが、出発遅れと渋滞で90分に短縮されました。もちろん昼食時間も含まれます。これではゆっくり天竜寺などの拝観をする時間もなさそう。渡月橋は橋が落ちるのではないかと心配するくらいの人。道路も人で埋まっています。嵐山は毎年訪れていますが、こんな状態は初めてです。展望台に向かう道。頭上を覆う紅葉天龍寺塔頭の宝厳院のそばを通って、嵐山展望台に向かい、そこから竹林の道に出ることにしました。昼食はトロッコ列車の中で食べればいいね、と相談して弁当にします。宝厳院も紅葉の名所です。拝観の人たちの長～い列。あの人たちはどれくらいで入山できるんだろうねと言いながら、私たちは比較的人の少ない展望台の道をたどりました。眼下に保津川を望む展望台からの眺めを堪能して、竹林の道へ。来た道を戻らずに大河内山荘脇の急な坂を滑りそうになりながら下り、髪神社前に到着。最短コースで竹林の道です。母ちゃんからは「転んだらどうしてくれる」と叱られましたが結果オーライです。竹林の道も、大河内山荘・天竜寺・展望台遠回りの観光客で、歩くのも容易ではないくらい。そんな中でも、竹林は青々とした静けさを感じさせ、私まで背筋が伸びます。萩原朔太郎の「竹」という作品を思い起こしながら人波をかき分けて歩きました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　光る地面に竹が生え　　　　　　　　　　青竹が生え　　　　　　　　　　　：　　　　　　　　　　かたき地面に竹が生え　　　　　　　　　　地上にするどく竹が生え　　　　　　　　　　まっしぐらに竹が生え　　　　　　　　　　凍れる節節りんりんと　　　　　　　　　　青空のもとに竹が生え　　　　　　　　　　　：嵐山のメインストリートは、完全に車両通行止め。道いっぱいに人があふれ、食べ物屋さんは軒並み客の列。屋台のようなところでも客に取り囲まれている状態です。弁当を買うことも無理かと思っていたら、商店の隙間に車を停めて、きのこ弁当を並べている女性。まだお客はいません。「ラッキー！」と弁当を買い、バスの待っている場所に戻りました。ついでに嵐山名物「豆腐コロッケ」「湯葉コロッケ」も買ってしまいました。集合時間になりました。人数確認すると4名足りません。ガイドさんは周辺を駆け回り大声で探し回りますが、とうとう時間切れ。道路混雑のためトロッコ列車に全員が乗り遅れる危険がでてきました。他のバスのガイドさんに後を頼み、４名を残したまま見切り発車です。ガイドさんの究極の選択に文句を言う人はいません。トロッコ嵯峨駅で列車を待っているところへ、不明の４名も到着。別のバスのガイドさんが見つけ駅まで連れてきてくれたのです。ご当人たちは憤慨するどころか、平身低頭、間に合って感謝感激の様子でした。ガイドさんたちの判断力、機転、連係プレーに感心させられました。トロッコ列車の車窓から見える保津川渓谷の景色に、船下りへの期待は高まります。鉄橋の上で列車は一旦停車、そこへ川下りの船が通りかかり、お互いに手を振り合ってつかの間の交歓を楽しみました。弁当をパクつきながら、景色とレトロな制服の車掌さんの説明を楽しんだ、懐かしさいっぱいのトロッコ列車の旅でした。車窓から見た保津川渓谷。山紅葉が見事（ガラス越しでボケている）保津川駅ホームの狸たち。亀岡駅にも居たレトロな車掌さんと突然出てきた酒天童子（？）の記念撮影トロッコ亀岡駅に13時15分到着。駅からは待機している路線バスに乗り込み乗船場まで１５分。少しでも早く着いて乗船順を早めないと、面倒な事態が起こります。この日は好天に恵まれた3連休の中日。朝6時半ごろから順番待ちの列ができて大混雑。団体さんの予約も満杯で、定期観光バスといえども到着してから乗船順を割り振られるほど。加えて、ツアー参加者の中に、夕方の新幹線に乗らなくてはいけない人がけっこういたのです。ガイドさんはそうした人たちの事情を聞いてアドバイスしています。最も早い人は１７時３０分。この人たちはトロッコ列車を降りたところでツアー離脱。そこから山陰線でUターンしました。問題は18時発の新幹線組。16時までに嵐山を出発できればバスで京都駅に戻って新幹線に間に合いますが、そうでなければ渋滞は必至なのでアウト。バスに乗り込んでさっそく人数確認。間の悪いときには重なるもので、外人さん2名が行方不明です。同行の日本人だけバスに乗ってしまい、外人さんが置いてきぼりにされてしまいました。ガイドさんと同行者が駅に向かって駆け出し、ようやく発見。10分間のロスタイムです。この後の行程はうまく行くのでしょうか？（第２日後半　保津川下りにつづく）

  2008年11月27日

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  秋の京都　その３　醍醐寺編

  スタートの東福寺をパスしたおかげで時間的に余裕のできた第1日。瑠璃光院拝観が終わって予定は1時間前倒しになっています。午後の予定は伏見の醍醐寺。途中、母ちゃんの希望を入れて買い物、ホテルにスーツケースを預ける行程です。まず、ちりめん山椒の「楽珍」で買い物。哲学の道から徒歩1分の小さなお店で、職人気質の親父さんがこだわりをもって作り上げています。京都にはちりめん山椒の店が数えきれないくらい。大はデパートにまで進出している「名店」、小は町の佃煮屋さんくらいの規模まで、各店に工夫をして独自の味を出しています。甘辛い物、柔らかい物は好みではないので除外して、いろんなお店の味を試してきましたが、我が家のイチ押しはこの「楽珍」。間違いなく京懐石の下鴨茶寮に勝っています！続いては、お家騒動ですっかり有名になった「一澤帆布店」の弟の店「信三郎帆布」へ。丈夫な帆布を熟練の職人が丁寧に縫い上げた優れもの。ほとんど並んで兄と弟の店がありますが、弟の信三郎の方が繁盛しているようです。なぜか、3連休の初日だというのに兄の店は閉まっていました。ワイドショー的に気になります。ホテルに荷物を預けて、交通渋滞の巣「東山通り」を南下。この時間帯は比較的スムーズに知恩院～高台寺～清水寺前を通過できました。五条坂下から国道1号線に入って、醍醐寺に向かいます。醍醐寺の創建は平安時代。その後の戦乱で荒廃していましたが、太閤秀吉の絶大な庇護を受けて復興されました。三宝院もその時にバージョンアップされ、庭園は秀吉自らが基本設計したとのこと。また五重塔は戦乱による焼失を免れ創建当時の姿をとどめています（右肩写真）。醍醐寺周辺は拍子抜けするくらい混雑もなく、駐車場もラクラク。広大な境内はのんびり散歩できる感じです。醍醐寺は、秀吉の「醍醐の花見」で有名な桜の名所。花見シーズンの賑わいは半端ではありません。カエデよりもサクラが多いので、全体として桜紅葉が目立ちますが、紅葉の時期も見逃せないポイントがあるのです。惜しむらくは拝観料が高く、境内全部を回ると3か所で拝観料を徴収されます。私たちは霊宝殿を除く2か所、国宝・三宝院と国宝・五重塔、紅葉のベストポイント弁天堂を拝観しました。三宝院庭園は撮影禁止。庭園に面した表書院が国宝指定を受けており撮影禁止とされていることに関係がありそうです。マナーの悪い「カメコ」のせいか？　続いて五重塔。1000年以上この地で歴史の変転を見守ってきた塔の凛々しい立ち姿は思わず手を合わせたくなるほどの清々しさ。弁天堂に向かう途中の広場は、遊ぶ親子連れやおしゃべりに花を咲かせるカップルなど、京都市中の大混雑がウソのような長閑な雰囲気です。景色がいきなり変化。旧伝法学院を真っ赤な紅葉覆っています。そこから少し歩くと弁天堂。池とお堂を紅葉が囲みます。周囲に緑が多いので、その一角は燃え立つような強烈な印象。母ちゃんが「ああ、来てよかった！」と嘆声をあげていました。男はムスッと「ああ」とシャッターを切っただけ（渋いね～）。第1日は万事順調で、予定より30分以上早めに車を返却。夕食の予約時間まで京都駅ビルでお茶をして、定刻に四条烏丸にほど近い錦小路にある「まんざら亭Nishiki」に入りました。ここも京都へ来た時には必ず立ち寄る馴染みのお店。ちなみに事前予約しないと入店は難しいです。京都駅のクリスマスイルミネーション。多くの人が階段に座って見ていた「おばんざい」を全品盛り合わせてもらう裏メニューに始まり、締めの「まんざらでもない手打ちそば（スタッフの手打ちです）」まで、京料理とうまい日本酒を堪能して、第1日は終了しました。（第２日　嵐山・トロッコ列車につづく）

  2008年11月27日

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  秋の京都　その２　八瀬・大原編

  春の桜、秋の紅葉。京都はどこもかしこも人と車であふれかえります。鑑賞の対象が樹上なので、とりあえず見ることはできますが写真を撮るのも大騒ぎ。最近はカメラブームで、礼儀知らずの「カメコ」も増え、三脚をガッチリ立てベストポイントに陣取るので、歩くことさえままなりません。三脚禁止のところは一脚にして、一脚も禁止のところは建物の一部にカメラを押しつけて頑張ります。かく言う私も、たかがコンパクトデジカメ（画素数も少ない）しか持っていないのに、人のいないところでは同じことをやるので、カメコの気持ちは解らなくないです。母ちゃんの誕生日祝いというのに、みみっちく夜行バス「きらきら号」で東京八重洲口から京都駅まで行きました。利点は食事に費用を回せる、早朝に京都着できるということ。以前は自分で車を運転して行ったのですが、体力と京都のマイカー渋滞の問題で、このところ公共交通をできるだけ利用することにしているのです。今年のＪＲのＣＭ「そうだ京都へ行こう！」は大原三千院。ここは絶対カットできないので、できるだけ早く着かなくてはなりません。母ちゃんと計画段階からいろいろと相談して、第1日は例年通りレンタカーにしました。朝6時京都駅到着。朝ごはんも食べずにジャパレンへ。ごちゃごちゃとした説明や手続きを省略する「クイックスタート」で予約してあったので、すぐさま車に乗ることができました。まずは東福寺。８時開門と同時に長蛇の列でとんでもない待ち時間となるので6時半ごろには門前へ。最大のビューポイント通天橋を望む場所に行ってみました。残念なことに「見頃」情報は間違いというかウソ。まだ半分くらいしか紅葉が進んでいません。逆光で見えにくく撮影しにくい状態で「証拠写真」をパチリ。すぐさま車に戻りました。まだ緑の葉が目立つ東福寺の紅葉大原に向かう途中にある、なじみのドトールで朝食。東福寺で時間が稼げたので、母ちゃんとおしゃべりしながらミラノAサンドをいただきました。三千院への参道は道が細く、車同士のすれ違いが困難。そのため、少しタイミングをずらすと渋滞に巻き込まれ身動き取れません。私たちは８時半に到着したので三千院直近の駐車場まで一気です。今回は、三千院に入る前に１５分くらい奥にある音無の滝（右肩写真）を目指します。来迎院門前を通過して山道へ。音無の滝付近の紅葉は終盤。日当たりが良くないせいか、黄色いカエデが目立ちます。ここまで訪れる人は疎らです。その昔、来迎院の良忍上人がこの滝で声明（しょうみょう）修行をしていると、滝の音と声明の声が和して、ついには滝の音が聞こえなくなりました。以来、音無しの滝と呼ばれているそうです。杉木立に囲まれた来迎院。訪れる人もまばら戻って三千院山門をくぐり反省。三千院を先にすべきでした。拝観受付前は大混雑。私たちは観音講会員なのでフリーパスでしたが、入るだけでも一苦労です。本堂内も、三千院のシンボル・往生極楽院周辺も人だらけ。境内奥の観音堂を目指す私たちは写真も撮らないで進みます。観音さまにお参りして、境内を一周。紅葉は、まずまずといったところでしょうか。三千院そばにある実光院。庭から外に突き出している巨木の紅葉は、この数年で一番色褪せていたので、パスさせてもらいました。三千院の見事な紅葉。人の多さには閉口山門前の食事処は開店と同時にごった返しています。私と母ちゃんは、予め決めてあったお店まで歩き、早めの昼食を摂りました。昨日紹介した、京うどんと漬物の店「とり山卯吉」。茅葺屋根の雰囲気のあるお店で、ゆったりと食事することができました。オーダーしたのは「卯吉御膳」。細めのうどんに漬物の盛り合わせ、しば漬けごはん、デザート付き。これで１５００円ですから、けっこうな値段ですが満足できる味だったので「OKボクジョー」です。とり山卯吉の卯吉御膳。趣味のいいメニューに舌鼓冷えた体も温まり、お腹もいっぱいになった母ちゃんは眠そう。でも寝かせるわけにはいきません。第１日目のハイライト、八瀬・瑠璃光院へ向かうのですから。車で１０分ほどだから「寝るな！」と言い聞かせました。八瀬の高野川に沿った瑠璃光院は期間限定で公開される名庭を持つお寺。明治の元勲・三条実美ゆかりの地で、大正末から昭和初期にかけて、建物を数奇屋造りに大改築するとともに、自然を借景とした庭園を造営したのです。いわゆる名刹とは言えませんが、庭のすばらしさには目を見張ります。それなりに拝観者はいますが、この時期の京都では珍しいくらいの隠れた名所です。母ちゃんもご満悦で「いいね。穴場だね」。以下、瑠璃光院の写真です。瑠璃光院山門にかかる紅葉苔むした名庭を彩る紅葉２階窓越しの紅葉茶室から見える紅葉が奥ゆかしい瑠璃光院の前を流れる高野川（今日は多忙だったのでエネルギー切れ。第１日後半につづく）

  2008年11月25日

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  今年も秋の京都へ行ってきました。予告編

  ここ数年、秋の京都は恒例。母ちゃんの誕生日が「勤労感謝の日」なので誕生祝というところでしょうか。今年も行ってきました。今回は、東福寺、観音像を奉納してある大原・三千院など定番に加えて、特別公開中の八瀬・瑠璃光院、秀吉の花見で有名な醍醐寺、嵐山・トロッコ列車と保津川下りなど体験してきました。報告は明日から徐々にさせていただきます。先ほど帰宅して、さっそく京都で覚えてきた「しば漬けごはん」を作ってみました。さっぱりとしていて、すごく美味しいです。いくらでも食べられそうで、また太ってしまいます。写真右はナスとキュウリのはんなり漬け（はんなりとは京言葉で、上品な落ち着きと明るく華やかな状態を表しています）。三千院の近くにある、京うどんの店「とり山卯吉」で教えてもらったメニューです。材料は米２合に対して、刻みしば漬け７０グラム、昆布茶の粉末５グラム、水２カップ。研いだ米に刻みしば漬けと昆布茶粉末を、水と一緒に混ぜて炊きます。今後、わが家の定番ごはんに仲間入りです。（秋の京都報告　つづく）

  2008年11月24日

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  闘病の褒美は伊豆旅行

  先週末、母ちゃんの両親（私にとって義父母）への褒美と慰労を目的とした伊豆旅行へ行ってきました。義父母と言っても普段から「Ｙちゃん、Ｕさん」とか呼んでいるので気楽な関係ですから、お互い気兼ねはありません。７日は大阪で親戚の葬儀。朝一の飛行機で行き最終便で帰宅。８日は早朝から草刈り。その翌日から伊豆一泊二日旅行に出かけたのです。強行日程ですが、たまたまそのスケジュールでなら両親も私たちもＯＫだったので実行しました。何の褒美と慰労だ？と思われるでしょうが、母親には闘病で頑張っている褒美、父親には２４時間勤務と看病への慰労なのです。糖尿病と合併症義母は１０年ほど前、心筋梗塞で倒れ緊急入院しました。検査の結果、それが糖尿病に起因することが判明したのです。糖尿病は怖い病気。入院中から次々と他の症状が発生し始めました。まず、視野狭窄と急激な視力低下。ついで、足の壊疽（えそ）。血管が詰まって足の先まで血が行かないため細胞が死んでしまうのです。指先が紫色に変色しはじめ、足全体にまで広がりました。視力の急激な低下で、当時、母親は生きる気力もなくし自暴自棄に。娘の近く（つまり我が家の至近）に転居してもらって関わりを強めました（そういえば、３か月ほど我が家で暮らしていたことがあったなあ）。義兄や義弟家族も頻繁に顔を見せ、励ましました。弟クンの娘（つまり孫娘）の天真爛漫な笑顔などにも支えられ、なんとか持ち直していったのです。それでも、自宅での糖尿病治療は容易には進まず、数年前から心臓発作での入院が日常化。夜討ち朝駆けでＳＯＳの電話、救急隊からの連絡、病院からの呼び出し…、我が家のてんてこ舞いもすっかり日常化してきました。糖尿病による血管合併症は腎不全も引き起こしました。医師が心臓発作と腎臓の連動に気づいたときには、すでに病状はステージ４から透析が避けられないステージ５にまで進行していたのです。伊豆・片瀬海岸。遠く左に大島、右に利島が見えるもともと血管が細い上に糖尿による動脈硬化が発生し、加えてインスリンの作用低下が起こるわけですから、心臓発作が週１くらいのペースで起こり始めました。心臓のバイパス手術をするか、それとも透析治療で症状を緩解させるか、病院から判断を迫られ、またしても皆で苦悩の日々です。義母は怖がり、手術を怖がり拒否し続けます。脅かしたりなだめたりして、やっとバイパス手術を受けると決心したのですが、いったん透析にチャレンジしてみようとの医師のアドバイスで、週に３日透析治療に通うようになりました。これとて、最初は嫌がって突然「どうなってもいいから透析には行かない」などと駄々をこね、私たちも苛立って「勝手にしろ」と突き放したこともありました。いまは１回４時間の透析を週３回まじめに受けています。また、ほとんど見えないながら、昼はヘルパーさんに助けられ、夜は一人でなんとか生活しています。親父さんが２４時間勤務なので全くいない日があるのです。何か異変があれば、母親はもとより救急隊も病院も、真っ先に我が家か母ちゃんの会社（自宅から近い）に連絡してきますから、即対応できるようにはなっています。今回の旅行はそんな事情による褒美と慰労というわけです。片瀬館「ひいな」行き先は伊豆・片瀬温泉。「ひいな」という旅館に宿泊します。２０室ほどしかない小ぢんまりした宿。海の幸料理と温泉が優れており、全室オーシャンビューで目の前には太平洋が広がっています。屋号の通りロビーには、日本で３指に入る伊豆つるし雛が飾られ、遠来の客がホッとできる空間になっています。両親は露天風呂付きの特別室。スペースは私たちの部屋の倍以上、豪華です。目の悪い母親にとっては露天風呂付きの部屋なら移動の心配もなく、いつでも自由に入れます。露天風呂は全部崖の上にあり、４階まで行って外に出る構造ですから、視力の弱い母親には辛いでしょう。ちなみに、この宿は小規模にもかかわらず、温泉がたくさんあります。有料貸切露天風呂１、女性専用露天風呂１、無料貸切露天風呂３、子供に合わせた少しぬるめの家族風呂１、露天風呂付き大浴場が男女各１。各部屋に内湯が付いています。１泊では全部に入るのは無理ですが、居ながらに温泉巡りを堪能できます。３時過ぎにチェックインして、すぐさま温泉のハシゴ。有料の貸切露天は元・男性用露天風呂で１０人くらいはラクに入れる広さの岩風呂です。３時間借りっぱなしですから、数組で行ったときなど交代で利用できます。無料の方は好きなだけ入っていられますが手狭感はぬぐえません。女性専用露天風呂は（といっても入ったわけではありませんが）一段高い所にあって覗き見の心配は無し。入口の引き戸が洒落ています。広々とした貸し切り露天風呂１８時、待ちに待った夕食。ゆったりした座敷が用意されていました。大きなテーブルに「これでもか」と言わんばかりの海の幸が並べられていきます。きれいな前菜、地魚の刺身盛り合わせ、伊勢海老のお造り、アワビの地獄焼き、金目鯛の煮付け…出てくる出てくる。特に特別室用の料理は大迫力です。両親はそんなに食べられないので、どれも少しずつ食べて、この大食いに払い下げ。うれし～い！　腹がパンパンになってしまいました。さまざまな地魚料理食後、両親の部屋を訪れてダベリング。そのうち親父さんは酔ぱらって高鼾。母親は母ちゃんと一緒に露天風呂へ。母娘の笑い声が室内まで聞こえます。母親のあんな高笑いを聞くのは久しぶりです。翌朝は母ちゃんのリクエストで、日本三大つるしびなを展示している稲取文化公園内の雛の館へ行きました。さまざまな飾り物を糸でつなぎ、お雛様の前面に天井から吊るすというもの。山形・酒田市の「傘福」、福岡・柳川市の「さげもん」と並ぶ静岡・東伊豆町稲取の「つるし飾り」です。由来はお雛様を飾れなかった庶民が着物の残り布を使って人形などを作り、吊るして飾ったということですが、今は雛飾りを一層華やかに見せるため飾られています。華やかな、雛のつるし飾り糖尿病とは？フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の説明を要約してみます。糖尿病とは、血液中のブドウ糖濃度が病的に高まり、糖代謝異常が発生することで発症、さまざまな合併症を引き起こします。本来、血液中のブドウ糖濃度（血糖値、血糖）は、正常なら一定範囲内に調節されています。これは、ブドウ糖が脳をはじめとした各器官の主要なエネルギー源であると同時に、組織の糖化をもたらす有害物質でもあるからです。血中にインスリンが必要なだけ分泌されなければ、血糖値が上昇したときの調節能力（耐糖能）が弱くなり、血糖値が病的に高まった状態を糖尿病と言います。同時に、肝臓や脂肪、筋肉等で血中のインスリンを消費されなければ、グリコーゲンの合成や脂肪の合成、タンパク同化に支障をきたします。国内の糖尿病患者数は、この40年間で約3万人から700万人程度にまで膨れ上がってきており、糖尿病予備軍を含めると2000万人に及ぶとも言われており、糖尿病や糖尿病合併症は現代の日本人が抱える難病の一つとされているのです。糖尿病による合併症は、タンパク質の糖化によって起こります。「血糖」は、血液中である濃度以上の状態が続くと、体を作るタンパク質と化学結合してしまい、進行するとタンパク質本来の機能を果たさなくなってしまいます。　 極めて危険な血管合併症がいくつも起こります。例を挙げると…。冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害される虚血性心疾患、いわゆる狭心症・心筋梗塞が起こります。脳に栄養を補給する動脈の閉塞、または狭窄のため、脳虚血が発生。脳組織が酸素・栄養の不足により壊死して、脳梗塞・脳卒中を招きます。閉塞性動脈硬化が進行します。主に下肢の、主に大血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症なら下肢の壊死にまでいたります。糖尿病性壊疽とは、閉塞性動脈硬化症と密接に関連する合併症。手足の末端への血管がほぼ完全に閉塞することによって栄養が行き届かなくなり、先端から手足の細胞が壊死します。糖尿病性腎症・網膜症。腎臓の糸球体、眼球の網膜は極めて細い血管。それが硬化して数を減し、機能低下していきます。末期腎不全で透析導入される患者の原因のトップは糖尿病で35%にも及びます。母親の視力低下、腎不全もこれに起因します。目にスクリーンをかけたようになる場合、水晶体が濁り始めているのです。また、細胞の老化、反応の鈍化、免疫低下などによって、年齢よりもずいぶん老けた印象になります。

  2008年11月16日

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  芭蕉の気分で一句　　日光街道徒歩行軍の３

  回向院のあるあたりは小塚原と呼ばれていて、時代劇でも名の知られている小塚原刑場があったところです。日光街道の沿道に刑場を作るとは何とも悪趣味ですが、見せしめだったのでしょう。東海道・品川宿の近くにも鈴ヶ森刑場が設けられていました。小塚原刑場では、明治初年に廃止されるまで磔・斬罪・獄門などで20万人が刑に処せられたそうです。当時の記録によると、処刑された人の遺体は埋葬されるのですが、浅くしか埋められなかったため、雨が降ると遺体が露出して腐乱し、それを野犬が食べるといった凄惨な光景だったとのこと。いま、刑場跡には延命寺が建てられ供養の首切り地蔵（右肩写真）が安置されています。その北隣が回向院。刑死者・牢死者数万人が葬られています。品川の鈴が森には八百屋お七、白井権八、天一坊など芝居で有名な人物の墓があり、小塚原にも高橋お伝、ねずみ小僧次郎吉などがいます。回向院に設けられた吉田松陰の墓（合掌）しかし、小塚原は尊王攘夷以来の国事犯の墓が多くあります。有名人では吉田松陰、橋本左内。安政の大獄、桜田門外の変、坂下門外の変などで刑死した志士の墓もズラリと並んでいました。また、回向院入り口には解体新書のレリーフが掲示されています。「ターヘル＝アナトミア」という解剖学の書籍を片手に、前野良沢、杉田玄白などが刑死者の解剖を行って検証したのがこの場所。のちに「解体新書」として翻訳・出版され、日本の医学発展に多大な貢献をしました。回向院門前（右）と観臓記念碑のレリーフ回向院前で他のチームを待っている間、ほろ酔いのじいさん・ばあさん集団と会話。日光街道について教えてくれたり、ついには「千住新橋を越えて旧日光街道に入ったところに、モツ鍋の●●（店名忘れた）という店があるから、千住のＳに聞いたと言って寄んな。サービスしてくれっから…」と、何とも親切な話まで。ありがたいことです。また、解体新書のレリーフを見ていると、老夫婦が「なんで解体新書なの？」と話しています。説明文はありますが、薄暗くて読みづらいようです。「袖振り合うも多生の縁」とはこのこと。「あのですね」と解説して、事のついでに「この奥に吉田松陰や高橋お伝の墓もありますから是非」と、臨時観光案内ボランティア。親切は気持ちいい！コツ通り（骨が散らばっていたから、そう呼ばれるとのこと）という悪趣味な名前の道を北上して4号線との合流点に向かいます。4号線に入ってすぐに「素盞雄神社」。荒々しい神輿振りの大祭と子育て銀杏（いちょう）、松尾芭蕉句碑で、参拝者は少なくありません。蘇芳に近い色彩の社殿に、やや黄金に色づき始めた銀杏の枝がかかり、風情を醸し出しています。本殿ではお宮参りと見えるご家族が祈祷を受けていました。社殿にかかる子育てイチョウの黄葉。右の石碑は芭蕉句碑この神社は安産と子育てで御利益があるとされ、今も信仰が絶えません。子育て銀杏は高さ30メートル、幹の周囲は3メイルの巨木ですが、その太い幹には子供の成長と安産を願う絵馬がびっしりと掛けられています。ここでも、地元の老人に話しかけられ、神社脇にある派出所のおまわりさんたちからも「日光まで行くのか？　気をつけてな」と励ましを受けました。ここまでで約半分。草加まではあと11キロほどあります。しかし、ひざの痛みを訴える人が出てきました。わがチームのリーダーとＹさんが足を押えています。「彼らもか」と心配していたら、木立のなかのやぶ蚊にボコボコ刺されていたのです。「前の晩に酒飲んだから体が酸性になってるんだよ。蚊は酸性体質の血が好物なんだ」などと、憎まれ口をきく私でありました（年のせいか？）。隅田川に架かる荒川大橋を渡ってすぐ左に「奥の細道　矢立初めの碑」が建てられています。階段を下りて川岸に降りるとそこは芭蕉「奥の細道」旅立ちの場所。深川から千住までは見送りの人たちと舟でやってきました。芭蕉の矢立初めの句はあまりにも有名です。　　　 行春や鳥啼魚の目は泪（（ゆくはるや　とりなきうおの　めはなみだ）別れに際し、見知らぬ東北への長い道中に不安と惜別の思いが込み上げてきたのではないでしょうか？　護岸には、千住宿の浮世絵、旅立つ芭蕉と弟子の曽良（そら）の姿が描かれています。私も負けずに俳句に挑戦。でも難しい！　 宮参り　社殿かざりし　黄の公孫樹　 後れ蚊の　ひそと寄りくる　芭蕉句碑　 秋陰り　映す隅田に　舟ひとついよいよ、草加に向けて国道4号線を北上し続ける単調な行程が始まります。次の集結ポイントは草加市の富士浅間神社。普段歩き慣れていない人には、足の疲れも加わってキツイ9キロになると思われます。私は足立区の地元民ですから、この先の単調さを紛らわすために、あまり知られていない「観光スポット」を案内することにしました。北千住駅入り口交差点を越えて、荒川本流に架かる千住新橋を渡ります。「整備された河川敷で草ぼうぼうの個所には、ホームレスの小屋が必ず建っています」「高層の建物は足立区の生涯教育施設で、上層階は都営住宅です」橋の上で説明していると、自転車のオジサンが「どこまでだ～？」と声をかけてくれました。下町の人たちは心優しい気さくな人ばかり。話しているうちに疲労感が消えて、「よっしゃ～」となるから不思議です。この後も、おじさん・おばさんたちの声がけで、背中を押してもらったと感謝しています。町の人たちに背中を押され、元気いっぱいの黒チーム「あそこが元キャンディーズのスーちゃん（田中好子）の実家」「ここで殺人事件があった」「ここの鮨屋はいい値段をとるがおいしい」「この卸問屋は、会員になると問屋価格で食料品が買える」「超ムダな足立区役所。でも最上階のレストランは安くて見晴らしも良い」　　：私の変な「観光案内」は果てしなく続き、会話も弾んで歩行ペースは快調、黒チームは集団の先頭を進みます。リーダーの携帯に実行委チームから、途中で1時間ほど休憩するように指示が出ました。「？」と首をひねりましたが、とりあえず「デニーズ」で大休止。そうこうしている間に他のチームも次々と入店してきました。店内はオレンジのヤッケがやたら目につきます。再出発！　秋の日はつるべ落としと言いますが、もう夜です。相も変わらず、私の「観光案内」は続きます。「ド●キ●ーテはこのマンションの住民ともめた」「あのホテルは、もと目●エンペラー。繁盛してる」「このラーメン屋はラーメン220円、餃子150円で結構うまい」　　：「じゃぽん」の看板と激安ラーメン店「夢屋」（別の日の写真）足立区北部の保木間には「じゃぽん」という温泉施設があります。その案内板を見たときにチームみんなが「あっ！」と気づきました。ここで休憩すればよかったのに。ただし、温泉に入ったら、そのあと歩けなくなるのは確実！　ということで、埼玉県境向けて前進です。草加・富士浅間神社に到着。すでに真っ暗です。富士浅間神社は富士山信仰に由来し、江戸時代初期に建立されたそうで、境内には高さ5メートルほどのミニ富士山が作られています。今はフェンスで囲われていますが、以前はこれに登れば富士山に登ったと同じ御利益があるとされていました。同じようなミニ富士山は都内の浅間神社でよく見かけます。他県にもあるのでしょうか？弱い外灯の光を頼りに神社の境内を見て歩きました。お寺と違って怖くは感じません。ここを出ると本日のゴール草加駅入口交差点は目前。街道の両側には草加せんべいのお店が多数あります。昔、おせんというお婆さんが、残りご飯を搗いて餅にし、薄く延ばして焼き、醤油をつけて売り出したのが草加せんべいの始まりとか。そういえば、お腹もすいてきました。ゴール！　実行委員会のメンバーがドリンク・サービスをしてくれます。冷たい飲み物がのどを滑り落ち、同時に、胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。そのあと、チームのメンバーが手をつないで本日の感想を発表し合いました。私は、日本橋を出発するときに定めた目標「楽しく、思いやりを持って」が達成できたことを感謝するとともに、背中を押してくれた町の人たち、サポートし続けてくれた実行委員会の人たちへの感謝の言葉を述べました。当初スケジュールより1時間以上遅れましたが、参加者全員がみごと歩き切ったのです。徒歩行軍、参加できてよかった！　ＥＳ開発協会、実行委員会、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

  2008年11月01日

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  「私の墓碑銘は何？」　日光街道徒歩行軍の２

  開校式が終了して、いよいよ出発地点の日本橋へ移動。日本橋というのは「お江戸日本橋　七つだち～」で有名な橋。1603年に初めて架けられ、東海道・中山道などの五街道が確立されてからは日本の道路の中心となりました。明治時代、橋の中央が国内諸街道の起点と定められ、今も橋の中央に日本国道路元標が埋め込まれています。橋の中央は車道のど真ん中なので、元標のレプリカが橋の袂の元標広場に据え付けられています。ここが出発点。私の属するのは黒チーム。リーダーは若くてガタイのいい（おまけに顔まで良いからムカツク！？）男性社労士・Ｋさん、メンバーは若くてスリムな女性社労士・Ｙさん（きゃしゃな脚で歩き通せるか？）、若くて勢いのある民間企業の営業マンＳさん、それに高齢者の私、計4名です。そのほかに赤、黄、本隊チーム、先導や救護を受け持つ実行委員集団に分かれて班ごとに歩きます。とはいえ、昼食ポイント・浅草寺までは各チーム団子状態。チーム内でペアになり自己紹介ワークをしながらの移動です。マイクはないけれど勝利者インタビューのように相手のことを聞き出し、その後チーム全員に紹介していくという趣向です。今回は第1回ということで不十分感は拭えません。歩きながらですからメモは取りづらいし、国道沿いなので聞こえづらい。それでも、ワイガヤと質疑応答、昼飯のときにいろいろ話せましたから互いのことが少しはわかったかな。現在、国道4号線は日本橋からまっすぐ北上して上野を経由していきますが、今回は南千住あたりまでは旧街道を経由します。最初の集結ポイントは小伝馬町牢屋敷跡、今は十思公園と言われているところ。出発から15分くらいで到着です。公園内には吉田松陰が処刑された終焉之地碑があり、死刑執行時に打たれた鐘もあります。隣接する大安楽寺は境内が処刑場だったとのことで「江戸伝馬町処刑場跡」の碑が建てられ、延命地蔵が祀られていました（皮肉な命名！）。牢屋敷は明治になって間もなく市ヶ谷刑務所に移されて廃止されています。ここでのワークは、自分の墓碑銘を考える。園内にある吉田松陰の辞世を刻んだ「終焉之地碑」に因んで考えられたワークです。周知のように、吉田松陰は長州藩出身の思想家・教育者で、安政の大獄で死刑になった人物。彼の松下村塾から輩出した青年たちが回天の志をもって明治維新を断行していきました。処刑にあたって松陰が詠んだ辞世は「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも　とどめおかまし大和魂」。この歌が当時の志士たちに与えた影響は計り知れません。ワークでは、自分が死んだら墓石にどんな言葉を刻んでほしいか、裏を返せばこんな人間になりたいか言葉にする、つまり自分軸を明確に表現するということが求められます。実行委員の説明を受けて実際に作業したのは私くらいでしょうか、時間が短かったように思います。私が書いてほしい墓碑銘案は、　　　思いとおこないを分かち難く　　　　自他共の幸せを追い続けた人　　　　　ここに眠る自分軸として、　　　私の喜びは自他共に笑顔で生きていけること　　　　私の楽しみは自他共に心豊かに成長できること　　　　　私の願いは人間が人間として尊重される社会をつくること公園を出発した私たちが次に目指すのは、浅草寺雷門。ここに到着すれば昼ごはんにありつけます。徒歩行軍の幟を掲げて「ＧＯ！　ＧＯ！」。ニンジンがぶら下がって勢いが出始めたのか、このあたりから各チームのスピードに差が出始めました。　若手が集まる我が黒チームはさすが早いです。人気アニメのフィギアが並ぶBANDAI新本社国道6号線、通称水戸街道に沿った浅草橋・蔵前周辺は雛人形や玩具、店装品を扱う会社がズラリと並んでいます。ドジョウ料理で知られた「駒形ごぜう」本店は開店早々で外にも来店者。「食べたい！」とかわめきながら、写真をパチリ。でも、写真では腹は膨らみません。ハラヘラシの我がチームは、どこで昼食をとるか歩きながら相談。3代目の父親と4代目で元経営コンサルだった息子の、「店舗経営バトル」がテレビで紹介された、雷門脇の老舗「ときわ食堂」が面白そうということで早々に決定してしまいました。食欲をそそる「駒形どぜう」本店のたたずまい先導の実行委チームに次いで雷門に到着です。「各チーム自由に昼食をとって、14時25分までに南千住・回向院に集結してください」との指示。あらかじめ食事場所を決めてあった我がチームは一目散に「ときわ食堂」へ。ラッキーなことにテーブルが１つ空いていました。広くもない店内は満席。数分後くらいから店の外に列が出来始めました。「先んずれば人を制す」とは、まさにこのことです。テレビで紹介されたとおり、「ときわ食堂」のメニューは新旧入り混じっています。昔ながらの丼物や定食があり「たこのカルパッチョ」があるという具合。番組によると「3代目と4代目が注文の多寡を競い合っている」のだとか。全体として、4代目の新メニューは値が高く設定されています。私たちは好みが揃って「ネギトロ丼定食」を注文しました。洗面所を借りたついでに厨房をのぞきこみました。4代目らしき人が奥で調理しています。戦場のような厨房に声をかけるわけにはいかないので、チラ見で席に戻りました。観光客で込む浅草寺雷門と「ときわ食堂」（写真左）込み合っているので、のんびりするわけにもいかず、食事を終えてすぐに出発しました。とはいえ、集合までまだ1時間以上あり、移動距離は２．5キロほど。「食べたすぐだから、おなか痛くならないようにゆっくり行こう」と決めて歩行開始です。東武線浅草駅前で6号線とはお別れ。都道464号線、通称吉野通りへ。この道路沿いには皮革関係の会社が多く、良質の靴や鞄などが安く入手できます。皮革産業は台東区の地場産業として全国に名をはせています。今戸を抜けると、いわゆる「山谷のドヤ街」になります。江戸時代から木賃宿（素泊まり専門の安宿）が密集していました。現在も「ドヤ」と隠語で呼ばれる簡易宿泊所が多くあって、日雇い労働者などが集まってくる場所。今は地名変更で「山谷」という住所はありませんが、南は東浅草から北は南千住、東は橋場から西は千束までに及び、大阪・西成のあいりん地区（釜ヶ崎）に次ぐ規模です。建て替えが進み、町並みはずいぶんきれいになりました。その代わり、昔のように200～300円で泊まれる宿は無くなりました。歩きながら見た看板では、鉄筋建ての個室で素泊まり2000円台、ＬＡＮケーブルなど完備でも3500円以下、古い雑居部屋なら1000～1500円くらいの料金設定です。アパートのような簡易宿泊所。室内設備はビジネスホテル並みという町は小ぎれいになり一見しただけでは分かりませんが、山谷に集まる日雇い労働者は、相変わらずピンハネ・賭博など暴力団などに食い物にされています。現在もキリスト教会などの炊き出し等が行われ、救済活動が続いています。聞いたところによると、最近はコミックマーケット（同人誌のイベント）で上京した若い人たちが、節約のためこのあたりの簡易宿泊所を利用しているそうです。時代の変化を感じます。足立区に住み、馬齢を重ねている私は周辺の道案内役。このあたりから草加までは詳しいのです。歩きながらニート・フリーターの問題も話し合いました。日雇い派遣をやめる必要があること、彼らに安定した職場を提供すること、あるいは「社内ニート」の声を取り上げ、仕事を通じて生きがいを見つける援助をすること、そのためにESクレドが有効だということ…泪橋交差点を過ぎるまで議論は続きました。地下鉄日比谷線・南千住駅下の陸橋を越えると、もう集結ポイント回向院です。予定より30分も早く到着しました。（また、長くなりました。回向院から草加までは次回へ）

  2008年10月29日

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  紅葉を訪ねて　日光・草津　その１

  今年も行ってきました草津白根山・芳ヶ平の紅葉トレッキング。当初予定では土曜日に芳ヶ平、日曜日は志賀高原方面に足を伸ばす計画でした。ところが天気予報では土曜日の降水確率が日に日に高くなっていきます。金曜日夜になって土曜日の芳ヶ平は諦めることに。卓越天気予想を時系列で追いかけると、志賀高原も午前中は雨予想。同行する友人には待ち合わせ時間だけ連絡しておきました。さあどうする？　こんなとき、あっと驚く発想をしてくれるのが母ちゃんです。卓越天気予想とピンポイント天気予報を見比べていて、突然「まず日光、金精道路経由で草津へ行く。日曜は晴れ予想だから芳ヶ平。志賀高原は諦める」と。神のお告げ状態です。タイムスケジュール係の私は、走行距離などを計算し、母ちゃんの「お告げ」を検証します。日光湯の湖から草津まで１２０キロ。ずっと一般国道で移動です。「行けるかも知れんけど、草津は夕方になるよ」と答申すると、「日光は竜頭ノ滝と湯滝だけでいい。いろは坂渋滞は朝７時過ぎから始まるから、それ以前に通過。１５時までには草津に着くこと」とキツイ要求です。竜頭ノ滝を横から見るポイントで。私にしては芸術的出発前の計画変更などで結局ほとんど眠れないまま出発。７時過ぎには竜頭ノ滝に到着。直近の駐車場は早くも満車でした。少し離れた無料駐車場に車を停めて滝まで徒歩。駐車場に向かう途中で、男鹿川河川清掃に参加していた「こげ」さんにバッタリ会いました。世間は狭い！竜頭ノ滝前は観光客だらけ。見頃を迎え、鮮やかな紅葉が滝に映えています。最前列には「カメコ（カメラ小僧の略）」オヤジたちがごつい三脚を据えて、ズラリと陣取って動きません。ふざけんな！と思いつつも、朝っぱらから口論になってもイヤなので、彼らの隙間、頭越しにデジカメを差し出して連写。光量不足でシャッター速度が遅いうえ、無理な姿勢で撮影のしたため、手ブレ写真だらけになりました。右肩の写真は竜頭ノ滝茶店の街灯にかかる紅葉。滝を横から眺める位置を発見し、「ちょっとすみません」と写真を撮らせてもらいました。私にしては珍しく「芸術的写真だ」と思っています。滝の茶店で、名物・草団子を食べ、熱いお茶を飲んで、次のポイント・湯滝へ移動します。途中、竜頭ノ滝を上から見るポイントで路駐し紅葉を観賞。パトカーから速やかな移動を促され、早々に撤収しました（写真上）。奥日光・湯の湖から流れ落ちる湯滝。落下というより斜面を滑り落ちる感じの滝は高さ５０メートル、幅２５メートル。ここは広葉樹の黄葉が目立ちます。滝の上から滝壺まで階段が設置されて滝を横から見ることが出来ます。湯の川を跨ぐ歩道橋から見た湯滝滝壺から流れ出る湯の川は、マス釣りのＣ＆Ｒ区域で、夏場に行ったときには釣人が竿を振っていました。また、湯の川沿いに散策路が設けられ、森林浴が楽しめます。この散策路は心を癒すにも、愛を語るにもいい雰囲気ここでも「こげ」さんに遭遇しました。レストハウスで、温かいキノコ汁とアユの塩焼きを食べて、トイレも行って、この後のロングランに備えました。（草津へ続きます）

  2008年10月14日

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  雨でも楽しい！　南伊豆旅行の１　

  夏はどこに行ったのかというような天気が続いて、夏休み終盤は散々な思いをした人も多いでしょう。わが家の夏のイベントのラストを飾る伊豆旅行も雨で大きく計画変更。でも、わが家には凄腕の旅行プロデューサー･母ちゃんがいます。なんとも当てにならない天気予報の「猫の目」変化に対応して、次々とアイデアを出してきます。助手の私は、その都度タイムテーブルの変更を行います。今回の旅行は、南伊豆の穴場海水浴場「ヒリゾ海岸」と創業１２０年の「河津海苑」が目的。それに釣りなどセットするのが当初計画でしたが、１日目は夜来の雨が降り続き、しかも風が強まってきて海水浴は断念しました。「母ちゃんどうする？」雨でもＯＫの「下田海中水族館」に決定！魚を見て、イルカやアシカのショーを見る、ただそれだけなのですが童心に返り歩き回りました（雨なので走ると危ない）。息子と恋人も同行していましたが、若い２人もさまざまな海の生き物に大喜び。８時開園と同時に入園し午前中楽しみました。右肩の写真はカマイルカの豪快なジャンプ文章で説明しても間延びするので、以下写真をお楽しみください。バンドウイルカと一緒に遊ぶドルフィンスノーケリング。私たちはやりませんでしたが早朝からイルカとのふれあいを楽しむ人たちがいました。アシカの宙返り左はアニメ映画で大人気クマノミとイソギンチャク、見事な共生です。右はイズヒメエイ、目のように見えるのは鼻の穴。その下に口があり、エラ孔が左右に並んでいて、愛嬌があります。１ウミガメ、２シーパレス大水槽、３アカシマシラヒゲエビ、４イセエビ、５日本近海に棲む世界最大の節足動物タカアシガニ、６珍種ソウジヒトデ７イガグリガニ、８水中での給餌、９ハナイソギンチャク、１０希少種イズハナトラザメ(卵をぶら下げている）、１１トビエイの子、１２カエルアンコウ、１３ホンフサアンコウ１４アオリイカの子供、１５ミズクラゲ、１６ラッコ、１７満腹なのかあまり寄ってこないドクターフィッシュ、１８多彩な伊豆近海の魚たちジャンプするバンドウイルカ。人が多すぎて海上ショーはほとんど見えず２日目につづく。

  2008年08月27日

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  福島・浄土平から一切経山

  夏休みの恒例は、塩原を基点にして福島と男鹿川釣行。今年は友人と一緒に行動しました。第1日は福島・浄土平から一切経山、酸ヶ平（すがだいら）トレッキング。一切経山は何の変哲も無い山容ですが、標高は１９４８.８メートルあります。但し、浄土平の標高が１５７０メートルなので標高差は僅か３７０メートル程度の山行です。安倍貞任(一説では弘法大師）が仏教の一切経を埋めたといわれる一切経山前半、小1時間ほどの登りは以外にきつく、徹夜で車を走らせた不摂生の体が悲鳴を上げます。30分くらい登り続け小休止。このポイントから、道路を挟んでどっかりと噴火口を開く吾妻小富士（１７０７メートル）が見下ろせます。火口縁まで階段がジグザグに設置されているので観光バスで来て、ぞろぞろと登る光景が見られます。今日は朝が早すぎて誰も登っていませんが･･･。この辺りは、火山ガスが漂い硫黄臭が鼻を突きます。噴火口を間近に見られる吾妻小富士いよいよ斜面はきつく、息は上がり、疲労感で下半身は力が入りません。ガレ場で足を取られて滑ってしまいそう。タバコを減らさずに山に登った罰でしょう。15分に1回休憩する体たらくで、なんとか急坂をクリア。私より一まわりも若い同行の友人は「引き返したくなる」とボヤキながらの登坂でしたが、無事到着。あとは緩やかな稜線を頂上へ向かいます。中間地点の急坂。岩礫に足を取られながら登る予定より20分くらいも遅れて山頂着。草木が一本も無い山頂は360度の眺望が開け、吾妻山系の山並みが見渡せます。気温２０℃、弱い風。大汗かいた体には心地よい気候です。祠が祀られた荒涼とした山頂一切経山山頂に立った者には大きなご褒美があります。眼下に見える「五色沼」。地元では「吾妻の瞳」とも「魔女の瞳」とも呼ばれる青く光る沼です。曇りのときは濃いブルー、晴れているときには翡翠のように色づく神秘的な沼に、思わず歓声が上がります。「来てよかった！」と同行者。私たち夫婦が何回も一切経山を登っているのは、この光景に魅せられているため。頂に立った者だけに姿を見せる五色沼まだ、登山者はほとんどいません。小鳥の声以外何も聞こえない静けさに包まれて、見事な景色にただただ見惚れるばかり。下りは、酸ヶ平から鎌沼に広がる湿地帯を眼下に収めながらの別ルートを下り、浄土平に戻りました。荒涼たる山容に対し、鮮やかな緑の酸ヶ平湿原。奥は鎌沼浄土平と一切経山中腹までは多くの高山植物が見られます。下界は猛暑日が続いているのに、この辺りは初秋の風情。アキアカネが群れ飛び、ススキが帆を揺らしています。残念ながらミヤマリンドウなどは発見できませんでしたが多くの花を見ることができました。なかでも、ヤマハハコ、オンタデの群落が草原を白く彩っていました。以下、花の紹介です。ヤマハハコオンタデの雌株コガネギクシラネニンジンマルバダケブキオトギリソウハナニガナまだ頑張っているハクサンシャクナゲ花が終わり実を結ぶクロマメノキハイマツも多くの松ぼっくりをつけている

  2008年08月18日

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  那須ハイランドパーク

  那須高原と言えば、標高600から1000メートルに広がる関東の避暑地として有名。野生動物の姿も見られる高級別荘地の中に、那須ハイランドパークがあります。敷地面積は東京ドームの10倍、富士急ハイランドと同じ広さで50万平方メートル。40ものアトラクションが用意されています。山梨県の富士急ハイランドは、ギネス・ブックものの絶叫コースター「ええじゃないか」「ドドンパ」「FUJIYAMA」などがズラリ。若者たちに大人気で、週末などは２～３時間待ちが当たり前の盛況ぶりです。那須ハイランドパークは自然に囲まれた遊園地。１～２月は冬季閉鎖、風の強い日が多く（標高は高いし、春先や秋には季節風の影響があるし）絶叫系アトラクションの運転中止が多いところです。絶叫系アトラクションの数も多いですが、小さな子どもが楽しめるアトラクションや施設が充実しており、ファミリー向けレジャーランドといえます。したがって、絶叫系はあまり待ち時間がなく、子どもが参加できるアトラクションに列ができるという、他の遊園地とはちょっと違った光景が見られます。息子と彼の恋人を伴って、1泊2日の那須高原旅行。私は「この年になって絶叫マシーンに乗れるか！　運転手として同行してやる」とアトラクションを拒絶しました。9時開園前にゲート到着。母ちゃんは早くもパワー全開、1人500円引きの割引券を握って一目散にチケット売り場へ。私はシニア料金適用でフリーパス3600円。大人の定価は4900円、割引きで4400円ですから、定価の27％OFFです。しかし、激流下りなど２～３つアトラクションしか乗らないのに「もったいない！」と思いつつ、母ちゃんには「でかした！　偉いぞ！」と褒め言葉。9時開門！　母ちゃんの事前調査で待ち時間が長くなるアトラクション優先で移動。子どもじゃないので走ったりはしませんが、何気に早足です。最初は「激流下り」。遅れるとあっという間に1時間待ちくらいになる、段取りの悪いアトラクションなのです。結果は2番目。当然待つこともなく乗り込みました。人工の激流を下りますが、座席と座席の間が大きく開いていて、しかも底にも穴が開いています。流れに突っ込む角度によってはびしょ濡れになるのです。以前、レインコートを着ないで乗って、ずぶ濡れになりストーブで乾かしたことがあります。夏場のせいかインコートを着ている人はいません。次は「スピンカート」。ここも待ち時間の長くなるアトラクション。ツルツルの自動車コースで、急ハンドル・急ブレーキ・急発進で車がクルクルと回転するアトラクションです。ここは、係のお兄さんが試験走行を終えたとき到着して一番乗り。4人で一斉にスタートしました。運転がうまいのか、コースの滑りが良くないのか、フル・アクセルでも私と母ちゃんはノースピン。息子と彼女は1回ずつ大スピンしただけ。このあたりで、私の「怖いもの好き」「絶叫マシーン好き」に火が点きました。高血圧に加え心臓にトラブルを抱えているので、絶叫マシーンに乗ってはいけないことになっているのですが、血圧の薬（ノルバスク）と血液をサラサラにする薬（オパルモン）、さらに「救心」を飲み、絶叫マシーンに挑戦。「アホと煙は高い所に登る」のサンプルみたいな男です。もともと恐怖心が乏しいのかもしれません。まずは「F2」。車に乗るのではなく、スキーリフトに乗る要領で足は宙ぶらりん！　時速80キロで落下、宙返り、ひねり、ダブルスピンの連続技が楽しめます。「F2」は「走行」でなく「飛行」と形容されており、下半身が風を切り、空に放り出されるようなスリルが味わえます。このパークの中で、私が一番好きな乗り物です。なお、昼過ぎもう1回乗りました。「スペースショット」。シートに腰掛け足はブラブラ。55メートルの垂直タワーを一気に上昇。このときの加重は４G（本物の宇宙ロケットが発射した時の加重）。上昇から下降に転じる瞬間、マイナスのGがかかり、一瞬ですが無重力状態に。この浮遊感がたまりません。左からスペースショット、ビッグバーンコースター、ウォーターコースターここから、コースターを連続体験します。まずは、待ち時間が長くなる「ウォーターコースター」。丸木舟に乗ってプカプカとコースを流されていきます。最後に急傾斜を滑り降り、盛大な水しぶきを浴びながらゴールします。赤いレールの「キャメルコースター悟空」。全長1270ｍの長距離を時速８０キロで走行。オーソドックスなコースターですが、急カーブで体が左右に激しく振られ、そのたびにシートに頭をぶつける過激さ。青いレールの「ビッグバーンコースター」。傾斜角75度を落下。ほとんど真っ逆さまの感覚で、じっさい尻が持ち上がります。そのあと再度、急上昇・急落下して大宙返り。恐怖感は園内随一と評判です。とはいえ、富士急の「ドドンパ」90度、「ええじゃないか」89度に比べれば、かわいいものです。ちなみに、地上80メートルの高さから落下する富士急の「FIJIYAMA」は傾斜角65度。スカイバルーンから見たコースター・ランド。周辺の森が美しい緑のレールは「サンダーコースター」。妙にせせこましい座席でセイフティーバーを押さえ込むと肩が痛くてつらい乗り物。これが連続スクリュー回転して、怖いよりもちょっと不快なコースターでした。黄色いレールは「スピンターンコースター」。あまり乗る気がしなかったのでパス。座席自体が不規則回転しながら走行します。そのほか、お子様向けコースターが3種類ありますがパスしました。コースター系では、F２のほか赤・青も2回乗りました。やっぱりアホですね。それ以外では、母ちゃんが大好きな空中ブランコ「ウェーブスインガー」、バルーンに乗って高原を見渡せる「スカイバルーン」など。大観覧車は時間の都合でカットしました。風を受けて高々と舞うウェーブスインガー園内入口付近へ移動。子ども向けのアトラクション、パビリオンが目白押しです。母ちゃんの強い希望で、なぜか「水上バズーカ」へ。エアガンのバズーカバージョン。ゴムボールを打ち出して、水上に浮かぶ河童などに当てて鳴き声を聞かせるというもの。これがなかなか当たりません。ボールをセットするたびに銃が動き、照準が狂うのです。10発撃って１発命中でした。大人の私はやりませんでした。感心させられたのは「レゴスタジアム」の展示。スターウォーズやら東京名所などレゴを使って精巧に作ってあります。レゴで作られた絵画「モナリザ」、これには度肝を抜かれました。近くで見るとそうでもないのですが、離れて見ると、まぎれもなくダヴィンチの「モナリザ」が謎めいた微笑をたたえて再現されていました。この日の那須高原は曇り。無風状態で湿気がすごく、高原の風どころか蒸し暑いことこの上なし。カンカン照りよりはマシですが大汗をかきながらアトラクションめぐりをしました。おなかもすいたので14時撤収。5時間の滞在でした。

  2008年08月06日

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  隅田の花火より冬花火

  ２６日は江戸時代中期から続いている隅田川花火大会。狭い隅田川沿いの会場に１００万人近い観客が集まるので、人、人、人の波。開始時間は午後７時からですが、場所取りのために気の早い人は前々日くらいからシートを広げ見張り（これ自体が違法です！）するほど。直前に行った人は座る場所どころか見る場所さえ確保できません。街中での打ち上げなので、打ち上げる高さが低い、ビルが林立していて見える場所が限られている、規制が厳しく立ち止まれない…などの悪条件があります。数年前に、友人たちと「行ってみるか」と相談、隅田川に出かけたことがあります。東武線浅草駅に到着したものの、歩くことさえママならない。目星をつけておいた会場も立錐の余地がないほどの人、人、人。立ち止まることもできず、放浪が始まりました。ときどき空を見上げて「おー、上がった上がった！」などと言いながら、座れそうな場所を求めてウロウロ。終わる頃になって、何キロか川を遡ったところの町内でやっと一息。ここも、安息の地ではなく地元の住民にヘコヘコ頭を下げながら受け入れてもらった次第です。ヒートアイランドでただでも暑い東京、人いきれで、ムワーとしています。汗びっしょりで服は絞れるほど。顔は汗と埃でベタベタ。気持ち悪い！　納涼なんて、看板に偽りあり！帰るといっても、電車は殺人的でなるまでに長い時間並ぶよう。またも延々と歩いて、どうにかタクシーが拾えたのです。６時半頃からタクシーに乗るまで３時間半歩き回っただけの隅田川花火の思い出です。２度と行くことはないでしょう。大内宿雪まつり。陣屋の上に花開く冬花火この日は、久しぶりに母ちゃんの両親のご機嫌伺い。２人とも体調が優れず外食がつらいようなので訪問しました。食事をしていると遠雷のような響き。隅田の花火が始まるよ、と言いながらベランダへ。直線距離８キロくらい離れているのですが、ビルとビルの間に花火が見えます。高く上がる花火だけ見えるのです。テレビ東京の中継番組では、花火の様子と会場の大混雑を報じています。相変わらず激しい人出です。母ちゃんが、「夏の花火はどこに行っても混雑しているし蒸し暑いばかり。冬の花火が素晴らしい。ものすごく寒いけど幻想的で忘れがたいよ」と両親に説明しています。母ちゃんと見に行った冬の花火は本当に感動的でした。中でも、朝から夜まで楽しんだ大内宿の雪まつり。ライトアップとスケールの大きさで魅了する極寒の北海道・層雲峡氷瀑まつり（右肩の写真）、どちらも寒さを忘れて「素晴らしい！」。そのほか、各地で冬花火の催しがあります。規模の大小はありますが、地元の工夫・努力が感じられます。冬の夜空に大輪の花を咲かせる花火の魅力、味わってみてください。但し、防寒着・ホッカイロと滑り止め（スパイクシューズなど）は忘れずに！

  2008年07月27日

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  「一期一会」最北からの便り

  私たち夫婦はよく旅に出かけます。二人きりで車で観光地を回る、家族や母ちゃんの両親と同行する、気心の知れた友人たちとワイガヤと旅する、安いツアーを見つけては参加する…いろんな旅を経験しています。訪れる土地ごとに「食べ物」「名産」「遺跡など観光スポット」「人々とのふれあい」…を体験し、教えられ、そして大きな癒しと元気をもらって日常に復帰する。旅は素晴らしい！！私と母ちゃんは、でかい図体のわりには「人みしり」が激しく、ツアーなどでもほかの同行者と会話するなんてことを自分から進んでやれません。話しかけられて、巻き込まれて、初対面の人たちとのコミュニケーションが広がるといったレベルです。でも、旅の記憶をよみがえらせるツールとして「集合写真」には必ず写っているし、高めの値段設定でも写真を申し込み、写真を見ながら旅のエピソードを母ちゃんと思い出し、次の旅行企画を立てているのです。そんな希薄な「人々とのふれあい」しかできていないのに、付き合いが深まる人々や心に残る人々がいます。たとえば、男鹿川のそば処「古代村」さん。１０年近く前から男鹿川釣行を続けていますが、無愛想な私はそばを食べて帰るだけの客。それでも、この店のなんとも言えない居心地の良さで釣行―そば―休憩を繰り返してきました。数年前、増水で釣りにくい状況下、釣りを終えて店に顔を出したとき、オーナーの塩生（しおの）さんから釣果を尋ねられたときから、だんだんと親密になっていきました。悪条件化でどんな餌を使いどんなところで釣るのか、そんな私のボソボソ回答を釣り情報に掲載してくれたのです。その後も、男鹿川釣行―「古代村」休憩のパターンが続き、他の釣り人とも話せるようになり、「じねんと倶楽部」のそでピーさんなどとも裸のつきあいができるようになったのです（文字どおり一緒に温泉にも入りました）。昨日、今年２月２１日付の日記に書き込みがありました。「室井滋（芸名）」さんというハンドルネーム。内容を見てビックリ！！！　紹介させていただいた宗谷バスのガイド・高橋さんご本人からだったのです。ぜひぜひ再会したい、心に残るガイドさんでしたから、うれしくて、「高橋美幸さんからの書き込みだ！」と母ちゃんと２人して大はしゃぎ。しかも「４０歳過ぎてからの高校進学・卒業」とのことで「やっぱり、あの人はすごい！」と感動して、オホーツクツアーの思い出話に花が咲きました。先月末に利尻・礼文ツアーに行ったときにも、宗谷バスを見るたびに会えるんじゃないかとドキドキしていました。ほかのガイドさんに「高橋さんは元気ですか？」と声が掛けられず、また稚内の宗谷バス本社を訪問する勇気もなく、帰郷してしまっただけに、飛び上るほどうれしい便りでした。高橋さん自身、読売新聞の取材に答えて「『楽しかったよ』以上に、『また来るよ』と言われたくて」とおっしゃっていますが、最北の地に「また、また、また行くよ」の気持ちがいっぱいです。利尻・礼文の添乗員・Ａさんからもお便りがありました。母ちゃんの忘れ物を回収してくださったのです。こちらは写真入りはがき。Ａさんがご自身で撮ったオオカサモチとレブンシオガマの写真に添えて楽しかった旅の思い出がビッシリと書かれていました。ツアー内容の大幅変更という不満足な状況で、誠心誠意のサービスをしてくれたＡさん。彼女のおかげで、感動的な花めぐりができ、「また行こう」という気持ちがいっぱいです。高橋さんとＡさんに共通しているのは、一期一会の気持ちで私たちに接してくれたということでしょう。「一期一会」。この出会いは、二度と巡っては来ない生涯一度きりのもの。だから、この一瞬を大切に思い、今できる最高のおもてなしをしましょう。という茶道の心得です。再会することはあるかもしれないが、二度とは会えないかもしれないという「覚悟」で接遇する、ということ。そんな思いでお二人が接してくれたからこそ、いつまでも心に残っているのだと思います。旅行や釣りに行って、「食べ物」「名産」「遺跡など観光スポット」「人々とのふれあい」…に感動し、日頃の無理や苦悩にリセットをかけ、大きな癒しと元気をもらって日常に復帰する。童話作家・アンデルセンの言葉「旅することは生きること」が実感されます。写真は礼文を発つときに乗った「サイプリア宗谷」。レブンアツモリソウの学名（サイプリペディウム）に由来するそうで、アツモリソウの花言葉は「君を忘れない」

  2008年07月18日

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  利尻･礼文ツアー　場外編

  ツアー会社の無能力で、３日間のうち２日は移動日状態になって、強行スケジュールだったけど、かわいい添乗員さん（ハイキング担当)、花ガイドさん、バスガイドさんの心のこもったアシストで大満足の利尻･礼文ハイキングレポートも最終回です。エピソードをいくつか。また来るよ、礼文島３日目、稚内に向かうフェリーから礼文島香深港を振り返りました。次回はたっぷり時間をとって島内を歩きます。出港のとき礼文の名物ユースホステル桃岩荘の見送り風景を目にしました。写真のように、波止場に並んだYHのヘルパーさんや滞在客が、礼文を離れるYH宿泊者を踊りと歌で見送るのです。フェリーが見えなくなるまで延々と続きます。宿泊すると歌と踊りを毎日練習するそうです。船上の見送られる側も感動を隠せないようで涙ぐんでいました。サロベツ原生花園から利尻富士に再見の挨拶稚内から増毛方面へ海岸沿いの日本海オロロンラインを走り続けます。稚内市から隣町の豊富町へ入ると道路から電柱が消えます。右手に利尻富士が見える絶景ポイントでCM撮影にも使われるところ。利尻水道を挟んで海に浮かぶ利尻はまさに夢の浮島です。ノンストップのバス車内から撮影しました。直ぐにサロベツ原生花園に到着。一面の花を想像していましたが若干ずれたようでエゾカンゾウ、エゾイソツツジの小群落があった程度。残念！　でも原野の先に見える利尻島に再見の挨拶をしました。湿原の乾燥が進み、サロベツ原野一帯が熊笹に侵食されています。この湿原自体この７０～８０年の間に６分の１程度にまで減少しています。原因は農地開拓、泥炭採取、さらに河川改修や排水設備のため地下水位が低下していることが指摘されています。そのため自然再生事業が０２年から続けられていますが、回復への道のりを果てしなく遠いようです。それでも原生花園の木道下にはミズゴケ類がしっとりと水分を含んでいます。新千歳空港厳戒態勢洞爺湖サミットの会場直近空港が新千歳。周辺道路も空港内も警察官だらけ。全国から応援の機動隊が集結しているらしく、他県ナンバーの装甲車がズラリとならび物々しい限りです。搭乗口付近は神奈川県警の持ち場。私の人相がよくないのかギロッとにらまれました。怖くなって写真は遠慮しておきました。おまけ(蛇足？）「洞爺湖サミットが閉幕して」感想恥ずべき「主要国」の無責任姿勢膨大なエネルギーとぜいたく三昧な食物を費やして、主要国首脳会議（Ｇ８サミット）が閉幕しました。日本、アメリカなど主要８カ国に、アフリカ諸国や中国・インドなど新興国を交えての開催です。今回の課題は、世界的貧困と格差拡大、投機マネーなどによる原油や食料の急騰、地球温暖化問題など世界的（というより）地球的なもの。しかし、宣言に盛り込まれた対策は、福田総理の自画自賛にも拘らず、実効性が疑われる中途半端な内容でした。エコを論じるべき場で「主要国」のエゴがむき出しとなった恥ずべきサミットではなかったでしょうか。そのことを曝け出したのは地球温暖化問題。異常気象や生態系破壊などが急激に進行しているなか、地球温暖化対策は待ったなしのはずです。温暖化被害を食い止めるための温室効果ガスの排出削減は世界全体で直ちに取り組まれるべきです。しかし、Ｇ８宣言は、２０５０年までの世界全体の排出量５０％削減を国連で検討し、採択するというだけ。先進８カ国が自国の工業生産優先のために犯してきた温暖化ガスの大規模な排出。８カ国の温室効果ガス排出量は世界の４８％です。だから先進国は自らの歴史的責任を自覚し、いつまでにどの程度の削減を目指すか明らかにしなくてはなりません。アメリカのエゴと追随した日本Ｇ８がその責任にふさわしい目標を掲げられず、具体的な２０２０年までの中期目標を設定できなかったのにはアメリカとそれに追随した議長国日本の責任が大きいといわなくてはなりません。アメリカがあくまでも新興国にも長期目標を課すことに固執し、日本もそれに従ったのです。確かに今回参加した中国･インドなど新興国が排出しているＣＯ2は３０％に達しています。「経済発展途上にあり、一方的な排出規制は国民生活を苦しくする｣とそれらの国々は主張。「先進国がＣＯ2削減の中期目標を明確にせよ｣といいます。これらの国々が温暖化防止のために真剣に取り組むべきなのは当然です。しかし、それがないからと先進国側が具体目標も示さないのは、責任転嫁であり無責任のきわみであると言えます。福田総理は記者会見で、中国、インドなどを含む「主要経済国の貢献」を強調。先進国８カ国が果たすべき責任をぼやけさせました。世界「共通の決意」だというだけで自らの目標を明確にしないのは、世界に冠たるＧ８の一員であり今回の議長国である日本の総理としては、許しがたい無責任な態度としか言いようがありません。投機マネーを規制できない事情世界の経済を混乱させ、各国とくに新興国の国民に塗炭の苦しみを与えている原油や食料の高騰。Ｇ８は投機の規制についても、なんら実効ある対策を打ち出せませんでした。経済宣言は原油や食料の高騰が「世界のインフレ圧力を高める」と「懸念」を表明してますが、原因となっている投機についてはなんらの規制策も示すことができませんでした。サブプライム問題に端を発した世界的ドル安と金融不安。投機マネーがドル資産を離れて先物市場に流入していることが原油や食料高騰の大きな原因とされています。先月末サウジアラビアで開催された産油国と消費国の会議でも、投機規制することで合意しています。しかし日米はなんらの規制も行なっていません。巨大な投機マネーを動かすヘッジファンドはアメリカに本拠地を置いています。さらにトウモロコシからバイオ燃料を抽出するのはアメリカのもっとも重要な国策です。こんな国が真剣に投機マネーを規制できるのでしょうか？　加えて、投機資金を低利で提供し続けているのは日本の大手金融機関です。だから、ブッシュ大統領も福田総理も掛け声だけで具体的な直接規制を口にしないのではないでしょうか？彼らが口を濁し、美食を堪能している間にも、飢餓に陥り命を落とす人々がいるというのに、投機を放置し、自国のファンドの利益を擁護する姿勢を取り続けていることは、厳しく指弾されなくてはなりません。一人一人が行動を地球温暖化にせよ、原油高騰、食糧危機にせよ、Ｇ８の政府にだけ任せておくことはできません。先進国に果たすべき役割を明らかにし、地球的課題を解決するために、一人一人がこの問題を真剣に考え、小さな小さなものであっても行動を起こすことが大切だと考えます。「ひとりの小さなため息も、みんな合わせれば嵐になる」のです。　写真は夕暮れの洞爺湖。湖の向こうに羊蹄山が見える(０４年)

  2008年07月11日

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  星の子のウスユキソウ（利尻･礼文　４）

  礼文島ハイキング後半は林道コースを通ってレブンウスユキソウ群落地への往復。桃岩コースで疲れた人をバスに残し、長い上り坂をゆっくりと登ります。途中まで同行した人が何人かギブアップして、バスへ戻っていきます。強かった風も収まり気温が上がって暑いくらいです。振り返ると靄にかすんだ利尻富士が遠くに見えて、気持ちいい。ガイドさんに教えてもらった花を紹介していきます。あまりのピンボケ、名前が特定できない花は省きます。かわいいシャクの花が疲れを癒すツマトリソウ。清楚な花が印象的葉が車輪のようなクルマバソウ小さな花が群れなして･･･。ピンボケで花の紅斑点が見えないアキグミの花。秋には赤い実が熟れるたった一輪、健気に咲くエゾカワラナデシコつぼみ膨らませるチシマアザミあでやかな紫、ハクサンチドリちょっとピンボケ。薄紫のキクバクワガタ戦の采配に似ている？サイハイランしずやしず、しずのおだまきくりかえし…静御前を思い浮かべるミヤマオダマキ鳥のキジが座る蓆に見立てたキジムシロ実にはカギ状の毛があり、動物や人の衣服について運ばれるオオダイコンソウめでたい名前、延齢草。白い花は華やかだが紫は地味立ち姿が蝮に似ている？マムシソウエゾノハクサンイチゲ。散り遅れた感があるレブンウスユキソウの群落地到着。エーデルワイスの名で知られています。まだ満開ではないが斜面を白く染めています。夏に花開き、輝く産毛を持つ白い苞葉（ほうよう）が中心の花束を守っています。星の形のまま最北の秋を迎え綿毛に包まれた種を宿し、ドライフラワーのようになっても丘に立ち続けて雪を待つ「星の子」レブンウスユキソウ。なぜか心揺さぶられました。感動に満ちた花の浮島ハイキング、花ガイドさんありがとう！！次回は夢の浮島、花の浮島ツアーこぼれ話。

  2008年07月08日

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  花の浮島ハイキング（利尻･礼文　その３）

  礼文島は人の住む島としては日本最北。島名はアイヌ語の「レブン・シリ」＝「沖の島」という意味の言葉に由来しています。火山島の利尻とはまったく様子が違って、最高峰の礼文岳でも標高は４９０メートル。南北２９キロメートル、東西８キロメートル、馬の顔に似た縦長のゆるやかな丘陵性の地形です。日本海を渡る厳しい偏西風をまともに受ける西海岸は断崖絶壁が連なり、東海岸はなだらかな山並みが海まで続いています。この時期、約３００種の高山植物が咲き乱れ「花の浮島」という美称に恥じません。礼文島の緯度の高さと特有の厳しい気候条件が気温低下させるため、本州では２０００メートル以上の高山でなければ見られない高山植物が、海岸付近でも見ることができます。礼文で一番有名な花は、島の固有種「レブンアツモリソウ」。今回の旅行はよりたくさんの花を見たいため開花時期をずらしました。今回のメインは「レブンウスユキソウ」と呼ばれる「エーデルワイス」、草原をピンクに染める「レブンシオガマ」｢イブキトラノオ」、紫色の「レブンソウ」「オダマキ」「チシマフウロ｣、白い花は「オオカサモチ」「エゾノシシウド」など。桃の形をした｢桃岩」。風浪の侵食の激しさが分かる礼文島には、ハイキングに同行して花々を紹介してくれる「はなガイドクラブ｣のガイドさんたちがいます。すらりとカッコイイ女性ガイドさんに引率されて、桃岩と林道の２コースに咲き乱れる花を見て歩きました。花ガイドさんによると、前日までは気温が低く風が強くて防寒対策をしっかりしていたそうです。この日は比較的風が弱くしかも気温上昇で、歩いていても汗ばむほどでした。ガイドさんが教えてくれた花は全部で５０種類くらい。写真を撮ってメモしている間にガイドさんと同行のツアー客は先行して行きます。追いつくために駆け上がる、また遅れるの繰り返しで、結局不十分なメモと写真になってしまいました。写真がピンボケの花、写真はあるのに名前を思い出せない花があります。桃岩コース入口の咲くハルザキヤマガラシ桃岩という桃の形をした大きな岩を望む尾根コースでは、白とピンクを基調に「チシマフウロ」や「エゾカンゾウ」などが混じります。今日は桃岩コースで教わった花々のいくつかを紹介します。左はイブキトラノオ、右・レブンシオガマ咲き乱れるチシマフウロ草原を紫に染めるレブンソウレブンソウとそっくりだが花が下を向いているカラフトゲンゲ左･バイケイソウ、右は希少種チョウノスケソウ鮮やかな色彩エゾカンゾウ、右下はヤマブキショウマ可憐なミヤマキンポウゲ輝く黄色い花レブンキンバイソウ歌舞伎の演目にもなっているセンダイハギ慣れないと見分けがつかない白い花。上からエゾノシシウド、オオハナウド、オオカサモチエゾニュウのつぼみ。軸は真竹ほどもあり不気味次回は、林道コース奥に咲く「ウスユキソウ｣など紹介します。

  2008年07月06日

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  夢の浮島・利尻島　花の浮島・礼文島　その１

  念願の日本最北の島へ行ってきました。次回から、初めての利尻島・礼文島ハイキングツアーの内容を連載していきます。観光日記そのものより、同行してくれた花ガイドさんが紹介してくれた花の写真の整理に手間取っていますので、もどかしい日記の進行になりますがお許しください。東京から稚内までクラ●ツー●リズムのとんでもない段取りで、行きの飛行機は稚内空港着のはずが旭川空港に変更。いくら但し書きが付いているとは言え、いきなり長距離バスで移動となってしまいました。羽田発朝７時４０分、旭川着９時。そこから稚内まで２５０キロ以上、５時間以上もバスの中です。フェリーの関係でトイレ休憩以外立ち寄りできないので昼食もバスの中でお弁当という状態でした。それはそれとして、与えられた条件で目一杯楽しむのが我が家流。途中の道の駅で短いトイレ休憩の合間に、美味しいコロッケを買って食べたり、新鮮なグリーンアスパラを自宅に送ってもらう手配までしたり、チャッカリしたものです。利尻富士の秀麗な姿。その右（写真では利尻から４センチほど右）に平たい礼文島がうっすらと見える。左端はノシャップ岬先端１５時３０分、稚内港から利尻島の最終便フェリーに乗船。夢の浮島・花の浮島への旅が始まりました。稚内港を出てノシャップ（野寒布）岬を出たところで、傾きかけた日に照らされた２つの島影が前方に見えてきました。期待が高まります。

  2008年07月01日

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  千曲源流・川上村VS男鹿源流・三依地区（前編）

  繁栄集落と限界集落を見て、どうあるべきか思案がまとまらないまま（そんなに簡単に答が出る訳ないか）書いてみます。長野県川上村は標高1300メートルの高地にあり、日本一の高原レタスの村としてあまりにも有名。千曲川に沿って拓かれた畑地、周囲は緑の山なみ。レタス畑を渡る風は涼しく「南の軽井沢」とさえ呼ばれています。川上村のレタスは冷涼な気候を活かして栽培され、ビタミンEやKが豊富で、その他にもミネラルをバランスよく含んでいます。まさに日本一の高原野菜です。3年ほど前からは台湾に輸出を開始、これからも香港、シンガポールなどに輸出する計画が進んでいます。そのほか全国的キャンペーンやプロ野球スポンサーになり宣伝を強めるなど、「守りから攻めへの農業に転換」を全村挙げて推進しています。しかも、耕地面積は年々拡大し、機械化された大規模農法を展開しています。全国的に農村人口が減り高齢化している中、川上村の主力は40～50歳代。後継者問題も全く心配ないということです。GWに川上村に行ったとき、風が強くて釣りにならなかった話は、５月１０日ブログで報告しました。そのとき、風のなさそうな支流を探して山道に車を乗り入れたのです。細いけれどもしっかりと舗装されていました。広々とした高原野菜の畑が途切れ、山中に入り込むと車の前をリスが横切ったり、さまざまな鳥の声が聞こえてきたり…。ナビはこの先に渓流があることを示しています。ところが、いきなり視界が開け、眼下の色彩が赤茶色に変わりました。車から降りて呆然。「＊＊組」の現場事務所、重機があちこちに配置され、山を拓き広大な畑が造成されていたのです。千曲川の川原からは全く見えていなかった光景がそこに展開されていました。なぜか、見てはいけないものを見た気持ちになり、写真を撮るのも忘れて大急ぎで車をターン。「見たな！」と誰かが追いかけてきそうな恐怖感すらあり、一目散に山を駆け下りたのです。車は赤茶色の土ぼこりだらけになりました。友人宅に戻って相木出身のダンナに尋ねました。彼の説明は次のようなものです。「南牧村、川上村では当たり前。どんどん山のなかに耕地を広げて大規模農法に切り替えている。日本一の高原野菜の村で、若い人でも年収１０００万から２０００万円はザラ。トラクターなど莫大な借金を抱えて設備しても大儲けだ。だから、相木などとは違って若い人も残れる。そのかわり、耕地を広げると収穫期は大変で、夜中の２時頃からライトを点けて作業を始め夜まで作業する。地下足袋を脱ぐのも惜しんで上がり框でそのまま寝てしまう。1年を4～５ヶ月で暮らすのさ」耕地を広げて収穫を増やせば、住民も村も潤う。これはいいことなのでしょう、きっと。でも大規模農地開発（全国的には工場や住宅、レジャー等のための大規模開発）によって、山が消え、森林が消えてしまうのも事実。Googleの航空写真で川上村を見てみました。山深く耕地が拡大している様子がわかります。農地開発による森林伐採を進めつつ、同時に森林保護を進めるという政策を進めている川上村。ここでもシカなどによる食害が進行、樹木の立ち枯れがジリジリと広がっています。台風などで大水が出たとき、千曲川水系の濁りを見てみたいと思いました。そこまで計算しての開発なのでしょうか。また、山奥に広がり続ける農地。川上村の野生動物たちはどのように生息しているのでしょうか？　私には調べようもありませんが、心配になります。川上村にまつわる嫌な話もあります。インドネシア人など不法滞在者を就労させていたとして２年続けて摘発されています。収穫期の人手不足を補うため「研修」の名のもとに大量の中国人が入村。「研修生」は未明からの長時間労働など劣悪な条件で就労し、生活費込みで月に７～８万円を受け取ります（受け入れ停止処分を受けたJA八ヶ岳は、今年から少し条件を改善するとのこと）。相木出身のダンナの補足説明「中国人にとっては、こんなに安い賃金でも国内での年収の４倍以上。少しでも送金したいから生活費を節約している。米だけ支給しておけば、おかずは現地調達すると聞いたことがある。うそかまことか知らないが、地元の人の話では、川上村からヘビもカエルもいなくなったそうだ」。台湾で売られている「川上村ブランド」のレタス＝農水省HPより昨年、武蔵野市交流市町村協議会の研修会に参加した方がブログに書いています。「畦畔管理の手間を省くために除草剤を使っているところが目につきました。『武蔵野市自然の村』のすぐ下のレタス畑でも使われていました。除草剤は、基本的にはダイオキシンです。千曲川最上流域でこうした農薬の使い方はこの地域のイメージを損ねます」。また、価格を安定させるため豊作のときは何千トンにもおよぶレタスが廃棄されているとも報じられています。効率、収入、自然･･･難しい問題が現実にはありそうです。豪華な家、豪華な車、豪華な鯉のぼり…。「老後は川上村か？」などと冗談を言うくらい繁栄する村の素晴らしさにも、どこか釈然としない私です。（つづく）

  2008年05月23日

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  新潟・能生　かに屋横丁

  新潟県能生の「道の駅・マリンドリーム能生」には、物産センター・レストラン・鮮魚センター・かに屋横丁・海の展示室、屋外にはアートプロムナード・アスレチック広場・展望台・キャンプ場などがあり、海浜公園として人気があります。親不知港からの帰りに立ち寄りましたが、駐車場は満車。ガードマンが声をからして誘導しています。相変わらず、かに屋横丁は大人気。茹でたズワイガニが山と積まれています。1パイ３００円ほどの小ぶりのカニから３０００円のものまで。平均的日本人である私たちは中程の１０００円のカニを注文。一人１パイずつ計６匹買いました。おまけは小さいカニ４ハイ（私が前面に出ていたら、あと２ハイは上乗せできたと思う。そう、私の異名はネゴシエイター）。お店で買って、盆に入れてもらい、殻入れのオケを借りて芝生や堤防で海風を受けながら食べるというのが能生流。しかし、この日は午後から猛烈な日差しになったうえ、ＧＷの人出でごった返しています。持ち帰って、ビールを飲みながら食べますか！と衆議一決、クーラーボックスに入れてもらいました。人だらけの鮮魚センター・かに屋横丁私たちが買っていると、娘さん（もしくは●人？）を連れた初老の紳士が登場。紳士「ここで食べるので１０００円のを１パイ用意してください」店員さんＡ「解凍できてないので…」横にいた店員さんＢ（すかさず大ぶりのカニを持ち上げて）「３０００円のなら解凍できてますけど」老紳士「それでかまいません」みごとな呼吸、うまい売り方です。人を見るんだね。私らは釣りの帰りだから小汚いスタイルで、「おまけ沢山ね！」とかガラ悪くしゃべっていましたから、高いカニは買いそうにないと見透かされていたのでしょう。かに屋横丁の隣が物産センター。「新潟チップス」を発見しました。新潟らしくお米をチップ風に加工したもので、うす塩味、醤油味、カレー味の３種類。友人たちの試食の結果カレー味が「おいしい」ということに。年寄りの私もちょこっと試食して評価をひと言。「おにぎり、焼きおにぎり、カレーライスだね」。友人たちから「バカか！」という目で見られてしまいました。土産にカレー味を買いました。左から、うす塩、醤油、カレー。墨彩画家・藤井克之氏と書家・泉田佑子氏による新デザインパッケージで通信販売も開始店内のグッズ売り場に「直江兼続」コーナーがオープンしていました。０９年ＮＨＫ大河ドラマ『天地人』の主人公で、上杉謙信の後継ぎ景勝の重臣。我勝ちに己が利益だけ求め、国土も人心も荒廃の極みに達していた戦国時代に、「仁義礼智信」の儒教の教えを堅く守り、「義」と「愛」に生きた知勇兼備の武将で、幕末まで続く上杉藩の基礎を作りました。ドラマでは、民と故郷への愛を貫いた直江兼続の生きざまを通じて、格差社会問題や日本人の品格などの現代的テーマを盛り込んでいくとのことです。右下は米沢の上杉神社に保存されている兼続の兜。「愛」と金文字でプリントしてあるＴシャツを買ったその直江兼続の兜の前立ては「愛」の文字。戦国武将としては珍しいものです。その前立てをあしらった黒のＴシャツを買ってもらいました。背中に金文字の愛、胸に兜をかぶった兼続のイラスト。かっこいい！　私が着てみて、かっこいいかどうかは分かりませんが…。

  2008年05月08日

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  鯉のぼり　異聞

  新潟から佐久市に向かう上越自動車道。須坂市辺りを走行中、母ちゃんが「この辺には落人伝説があるの？」「何で？」「鯉のぼりがない」。言われて左右の家々を見ると鯉のぼりの揚がっている家がありません。「平家の落人が隠れ住んだ所では、男の子が生まれても公表しないで隠すと聞いたことがあるから、鯉のぼりが揚がっていないということは、落人がらみかなと思った」。長野の友人が、謎解きしてくれました。長野県では、新暦で端午の節句を祝うところ、旧暦で祝うところ、新・旧続けて長い間祝うところに分かれている。この地域は旧暦で祝う風習なんだ、きっと」。しばらく走って、更埴IC辺りに近づくと鯉のぼりが見え始めました。友人の言う通りです。５月５日、釣りのために川上村に行ってびっくり。１軒の家に何本もの鯉のぼりや名前入りののぼり旗が立っています。また、ある家ではロープを張って小さい鯉のぼりをずらりと並べています。さすが高原野菜の村、豪勢です。釣りの途中、コンビニで柏餅を買って、あちこちの家で泳ぐ鯉のぼりを見ながら食べました。おいしい！！

  2008年05月05日

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  二本松少年隊を包む枝垂桜　福島の花見３

  二本松と言えば、まず日本三大菊人形（大阪枚方、福井武生、福島二本松）の一つとして有名ですが、ほかにも、日本で３指に数えられるちょうちん祭り（秋田竿灯、愛知一色、二本松）、高村光太郎の妻智恵子の生家なども外せない観光地。かつては奥州街道の宿場町であり、二本松藩丹羽氏１０万石の城下町としても栄えた町です。安達ヶ原から１５分ほどで二本松市街。その中心に二本松城址があり、春は桜、秋はちょうちん祭り、菊人形の会場として市民が集う公園になっています。再建された箕輪門から城壁にかかる桜は風情たっぷり。満開には少し早かったようで３分咲きです。二本松城が落城し灰燼に帰したのは明治維新にまつわる戊辰戦争のとき。新政府軍に反旗を翻した奥羽越列藩同盟のなかでも、二本松藩の悲劇的奮戦は会津や長岡と並び称されますが、あまり知られていません。なかでも、会津白虎隊より前に散華した二本松少年隊の悲劇は地元の人以外ほとんど知る人がありません。＜戊辰戦争･二本松少年隊＞明治元年、江戸を攻略した新政府軍は関東平野を席巻し、徳川幕府京都守護職であった会津藩松平氏を最大の敵として、日光から会津田島へ、宇都宮から白河へ、新潟から会津へなど多方面から一斉に進撃。５月には東北の入り口に当たる白河城で旧幕軍と激突します。白河攻防戦に出動した二本松藩の主力は、新政府軍の圧倒的な武力の前に後退に次ぐ後退を余儀なくされていました。板垣退助の率いる部隊は、二本松に隣接する三春藩の裏切りを誘い、三春藩兵を道案内に立てて一気に本宮を占領、二本松藩主力の帰路を封鎖しました。因みに、今でも二本松では三春との縁組をしないと聞いたことがあります。新政府軍の二本松攻撃は目前に迫っています。霞ヶ城に残る者は、藩主と老幼婦女子と老臣のみ。 藩は、主力分断による兵力不足を補うために、プラス2歳の「年齢詐称」を黙認し、数え年１２～１７歳の少年たちにまで出陣を認めました。『二本松少年隊』とは没後50年も経過して命名されたもので、当時は各部隊に分散配備されたため名称など付けられませんでした。総勢は62名。会津白虎隊は正式編成の少年部隊で16～17歳、総勢340名余。それに比べ二本松少年隊はあまりにもささやかな兵力でした。大壇口での奮戦ぶりを表した群像７月２８日、城南の要衝・大壇口では、迫り来る敵の攻撃に緊張が高まっていました。隊長・木村銃太郎（西洋砲術指南）、副隊長・二階堂衛守に率いられた少年隊25名も出陣しました。２９日未明に本宮を出発した新政府軍は二本松軍への攻撃を開始。少年たちは古畳で胸壁を築き、銃や大砲で応戦しましたが、新政府軍の圧倒的戦力と近代戦法の前に少年隊は二時間ばかりで敗退します。大壇口では、隊長･副隊長のほか少年8名が戦死、負傷5名。他の戦線でも少年6名が戦死、2名が負傷しています。62名中14名が戦死しており、会津白虎隊３４3名中戦死33名、自刃20名（城が燃えていると勘違いして飯盛山で19名、市中で1名）と比較しても、いかに二本松少年隊が悲劇的であったか分かります。もとより、戦死者数の問題ではなく、少年まで戦争に参加しなくてはならない状況こそが問題なのですが！二本松落城ののち、新政府軍は総力で会津へ進撃。8月20日戊辰戦争最大の悲劇といわれる会津城攻防戦が開始されたのです。大燐寺の桜。左奥に少年隊の供養塔がありますバスは霞ヶ城からほど近い大燐寺へ移動。境内には少年隊戦死者16名の供養塔と戊辰戦争殉難者群霊塔が建立され、今も香花が手向けられていました。そして、満開を前にした見事な枝垂桜が少年たちを包み込むように枝を広げていました。おわり

  2008年04月18日

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  鬼婆伝説の安達ヶ原･黒塚　　福島の花見２

  花見山から二本松市の安達ヶ原ふるさと村へ。ＪＲびゅうバスは一路南下。軍鶏で有名な川俣を通り、終戦直後の冤罪事件「松川事件」の現場付近を間近に見て、栃木県那須岳に発し宮城県で太平洋に流れ込む大河・阿武隈川を望む安達ヶ原に到着しました。気温は下がり続けているようです。「ふるさと村」は、全国各地のふるさと創生事業の一環として作り出された公園。建設趣旨がはっきりしない「ハコモノ」行政のひとつです。ただ広い敷地の中に古民家が立ち、水車が回り･･･風景としては小ぎれい公園ですが、寂しい感じは拭えません。桜の開花はやっと３～５分咲きというところです。安達ヶ原といえば「鬼婆伝説」で有名。能、狂言、舞台、漫画、小説などに取り上げられている、おどろおどろしい中に哀しみの漂う物語です。時は平安時代。鬼婆の名は『岩手』と言い、都の公卿屋敷の乳母でした。屋敷の姫が難病に冒されます。岩手は「妊婦の生肝を飲ませれば治る」という占いの言葉を信じて旅立ち、安達ヶ原までやってきました。晩秋の夕暮れ、若夫婦が一夜の宿を乞いました。岩手は、妊婦の肝を取るのはこのときとばかり、出刃包丁をふるって、苦しむ妻「恋衣」の腹を裂き、生肝を取ってしまいます。苦しい息の下から「小さい時、都で別れた母を探し歩いている」と語った恋衣の言葉を思い出し、若妻の持っていたお守り袋を見て驚愕。恋衣が自分の娘であることに気付き、発狂してしまいます。鬼と化してしまった岩手は、それ以来、宿を求めた旅人を殺し、生き血を吸い人肉を食べるようになってしまいました。数年後、阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)という山伏が安達ヶ原を訪れ、一夜の宿を求めます。岩手が薪を集めに山へ出かけたすきに、山伏の従者は｢絶対見るな｣と言われた奥の部屋をのぞいてしまいます。そこには死骸が山のように積み重なっていました。見られたと知った岩手は怒り狂い、祐慶たちに襲い掛かります。祐慶は、逃げるにあたり持仏・如意輪観音にすがったところ、空中高く如意輪観音が浮かび上がり、破魔矢を鬼と化した岩手に放ち射殺してしまいます（能では、祐慶の経によって祈り伏せられた岩手は感謝しつつ成仏していきます）。岩手が隠れ住んだ岩屋のある観世寺。この寺には、出刃包丁、肝を入れた壷、包丁の血を洗い流した池など、笑えるような宝物があります。また、公園内には、真新しい五重塔が建てられ、塔内には鬼の岩手が鎮座しています。つづく

  2008年04月17日

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  桃源郷・花見山公園　　福島の花見１

  日本を代表する写真家、故・秋山庄太郎氏が「福島に桃源郷あり」と賞賛し、亡くなるまでの30年間、シャッターを切り続けた花の山が福島市にあります。その名も「花見山」。ここの桜は、ソメイヨシノを筆頭にヒガンザクラやトウカイザクラ、オカメザクラなど種類も豊富。そのほかツバキ、ウメ、ハナモモ、レンギョウ、ボケ、サンシュウ、モクレンなどの花々が時間差で開花するため、花見の時期が長く、彩りも鮮やかに山はまさに百花繚乱となります。「花見山公園」と命名されていますが、地元の花木生産農家、阿部一郎さんと先代が40年以上の歳月をかけて作り上げた個人所有の「公園」。1959年から無料で一般公開されているのです。市民だけでなく、遠路やってくる観光客はいまや25万人。個人所有の公園でありながら入場料はいまも無料。そのため「花見山環境整備協議会」が設立され、周辺環境の維持に当たり、誘導看板やシャトルバス運行などは、福島市が補助しています。市にとっては大きな観光資源ですから当然の措置なのでしょう。今年は都内で花見をすることも京都を訪れることもできませんでしたが、福島で咲き競う花々に包まれ至福の時を過ごしてきました。東北新幹線とＪＲ花見バスを利用しての花見。コースは、福島駅＝花見山＝安達が原黒塚＝二本松・霞が城＝二本松・大憐寺＝福島駅。桃のジュースと昼食付きのＪＲ主催格安ツアーです。駅からバスで15分。周辺はマイカー規制しているのに道が狭く、バスは渋滞状態。駐車場に着いてビックリ。観光バスから続々と人が降りて、花見山上り口に向かう道は人、人、人の波です。しかし、周辺は色とりどりの花に囲まれ、菜の花畑の先に見える花見山は花に覆われています。すごい！阿部さんの自宅脇が上り口。長蛇の列でゆっくりと頂上を目指します。中腹からは福島市の市街地、信夫山の展望が開け、眼下は一面の花景色。言葉でどう表現しようとしてもできません。写真を見てください。ソメイヨシノはほぼ満開写真左上オカメザクラ、右上ジュウガツザクラ、その下トウカイザクラ、下段はヒガンザクラ中腹から市街地を望む写真左上レンギョウ、左中サンシュウ、左下ハナモモ、右上カエデ新芽、右中ボケ、右下ハクバイつづく

  2008年04月16日

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  オホーツク旅行　バスガイド編

  今回の北海道旅行で、笑顔の素敵な、すばらしいガイドさんに出会いました。ツアーに参加すると大抵はガイドさんが付いて、地元の名所を案内してくれます。地元でしか得られない情報を提供してくれるので、できるだけ居眠りしないように耳を澄ませています。しかし、ガイドさんにも「なんだかなあ」と思ってしまう人が少なくありません。口調が気になる人、滑舌の良くない人、メリハリがなくて話がつまらない人、マンネリなのか無表情に説明を続ける人、塗り壁状態の厚化粧、思いきり不細工な人（これは、自分も醜男なので許容するしかない）…。北海道で一期一会の出会いをしたガイドさんのうち、心に残る人が何人かいます。新人で、テキストを一生懸命読み説明してくれたガイドさん。たどたどしい説明、言い間違い、いろいろ失敗はあったけれど好感が持てました。千歳で別れの握手をしたら「ありがとうございました」と大泣きしていました。また、早めに函館に行くためわたしたちがツアー離脱した時のガイドさん。チャーミングでしかも親身な人でした。空港で合流するはずだったのですが、函館の街で同社の観光バスに遭遇。ガイドさんが見つけてくれ、駆け寄ってバスに案内してくれました。などなど…素敵な（容姿だけではない）ガイドさんたちでした。本当は択捉島が日本最北端だが、現時点での日本領土の最北端は宗谷岬の西北西にある無人の弁天島(写真右の小島）。最北端の銅像は間宮林蔵今回お世話になった宗谷バスのガイドさんは別格です。ツアー２～３日目同行してくれたのは、自称・室井滋似の高橋美幸さん。歯切れのいい語り口調、たくみな話術。オーバーさも、わざとらしさもなく好感の持てる案内に引き込まれました。高橋さんは、うちの母ちゃんと同い年。中学を出てバスガイドの世界へ飛び込み、以来３０年間ガイド一筋の達人です。２人のお嬢さんを持ち、会社でも若手の教育担当をしているママさんガイド。ふるさと稚内をこよなく愛し、北海道を多くの人に楽しんでもらいたい！　そんな情熱が感じられました。今回の移動距離は２日目３５０キロ、３日目２５０キロを超えるロングラン。長い時間、わたしたちを退屈させず、かといって喋りすぎて疲れさせるようなこともなく、優しくわたしたちを巻き込んでいきます。車中は常に温かで和やかなムードに満ちていました。乗客全体が昼寝をして、そろそろ起こさなくてはいけないときも、ささやくような小声で「おはようございます」を２回ほど繰り返し、その後は明るい声で話し始めるという心憎いばかりの配慮をしてくれるのです。稚内市内でなぜか細かい道の説明が始まったと思ったら「はい、今の道を右に入ったところがわたしの家です。お土産を持ってきてくださった方には、お茶などお出しします」。バスの中は大爆笑です。見知らぬ人ばかりのバスツアーで、久しぶりに一体感が味わえました。「宗谷の岬」「カチューシャ」など一緒に歌う。「ロシア語講座」と言ってロシア語でのあいさつをみんなで練習、北海道難読地名クイズ…。すっかり高橋さんのペースです。宗谷では何でも日本最北端。写真には最北の宗谷灯台ほか信号機も、土産物店も、高台の宗谷公園と記念碑も乗客のことが良く分かっているのでしょう。例えば、「右に見えますのは、＊＊でございま～す」と言うのが一般的なガイドで、予備知識のない乗客が反応したときにはたいてい行き過ぎています。ところが、高橋さんはあらかじめ話題を振り、客に心の準備をさせてくれ、そして「はい、いま右に見えています」と言ってくれるので見逃しがない。わたしたちは一斉に右を向きます。もし、見逃しても「右から後ろのほうに見えています」とフォローしてくれます。こうなると、わたしたちは自分で気づかないうちに、高橋さんのガイドのままに右を見たり左を見たり。高橋マジックの虜です。彼女には、どの景色がどの間合いで現れるのか、後ろ向き（客席）に過ぎ去っていく景色を見ながら分かっているようです。どこを走っているときでもそうですから不思議。北海道を知り尽くしているということでしょうか。言うまでもなく、ダイヤモンドダストやオジロワシを発見したときには、前を向いている時でしたが・・・。車中から見た最北のＧＳ。給油すると証明書をくれる宗谷から２３８号線を紋別に向かう途中、高橋さんの口調が変わりました。サハリン（旧樺太）でポツダム宣言受諾後に起こったソ連軍の侵攻・虐殺事件。最後まで通信連絡を取りつづけ、若い生命を投げうった、９名の真岡郵便局電話交換嬢たちの話を始めたのです。終戦から５日後の１９４５年８月２０日、ソ連艦隊は真岡の町に艦砲射撃を開始します。この時、局にいた９人の交換手。緊急を告げる電話の回線、避難経路の指示、多くの人々の生命を守るため、再三の避難指示にもかかわらず彼女たちは職場を離れませんでした。逃げ遅れた住民を射殺しながら局に近づくソ連兵。９人の乙女たちは「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら」のあいさつを残し自決しました。１９７４年「樺太１９４５年夏　氷雪の門」と題して映画化されましたが、当時のソ連大使館からの妨害で公開できなかった作品ですが、わたしは自主上映会で見手、知っていました。しかし、高橋さんの真摯な話し方に心が揺さぶられ、涙が溢れて仕方ありませんでした（年のせいか最近は涙腺が甘いようです）。高橋さんの家族も樺太からの引揚者だったからでしょうか、淡々とした口調ながら情景が眼に浮かぶほど迫るものがありました。観光ツアーでけっこう長時間重い話を聞くことは余りありません。なのに、聞き終えたわたしたちは不快になるどころか、一生懸命拍手を送りました。戦争の語り部としての高橋さん、すごい人です。映画「氷雪の門」上映実行委員会ＨＰより極めつけは、新千歳空港が近づいてきた車中、高橋さんは「おみやげという歌を聴いてください。この歌は家族で作りました」と歌い、宗谷の自然に対する彼女の思いの深さを伝えてくれました。この歌はバスの中だけで披露するのだそうです。いつまでも心に残る名ガイド、高橋美幸さんありがとうございました。第１日目稚内空港から宗谷～稚内のホテルまで約４時間、付き合ってくれた宗谷バスのガイドさんも笑顔が可愛く、朗らかで、魅力的でした。宗谷岬で「ホッケのすみれ汁」にわたしたちが殺到したとき、乗務員休憩室から腕まくりをしながら飛び出し、店のお手伝いをはじめ、わたしたちを感激させました。彼女も高橋さんの薫陶を受けたガイドさんなのでしょうか。母ちゃんも「宗谷バス恐るべし。ガイドさんのレベルが他社と違う。高橋さんの指導がいいんだね」という感想を述べていました。

  2008年02月21日

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  還暦記念！　冬のオホーツク旅行　その６

  強烈な冷え込みの上川から旭川。道路沿いの木々が霧氷で真っ白。それに太陽が当たり輝いています。雪に覆われた畑から靄が立ち込め、地表をゆっくりと流れます。車中からは写真が撮れませんでしたが、美しい景色です。風がなく、靄が道路にもわだかまって、先も見えないほど。そのおかげで、ダイヤモンドダストを見ることができました。気温がマイナス１５度以下になり、晴れていて風がないような条件がそろった朝、空気中の水蒸気が凍ります。空中を漂う氷の結晶に太陽が当たって輝くのでダイヤモンドと呼ばれています。荘厳さすら感じさせる輝きでした。動物園から旭川市街地を望むいいかげん見尽くしているはずの旭山動物園ですが、今回は「ペンギンの散歩」が目当て。冬の季節、ペンギンの運動をかねて雪の園内を歩かせるのです。わたしたちは、ペンギンだけが目的なので一目散に散歩コースへ。かなり良い位置を確保しました。ただし、ペンギンが歩きだすまで、その場で待機。靴先カイロを入れてありましたが、足先はけっこう冷えました。どれもこれもおんなじ顔に見えますが、それぞれ性格の違いはあるようで、いつも先頭にいる者、キョロキョロ落ち着きのない者、のんびりタラタラ（？）歩いてくるもの、地面に何か見つけては突くもの、その様子が面白いです。もっとも、ペンギンを見ようと必死の人々のほうが面白い。わたしらもその中にいるのですが…。今回の旅行の最後は、サッポロ雪まつり。わたしらは、それほど行きたいとは思わないのですが人気があるようで、メイン会場は人の波波波。歩くのも大変です。新聞でも話題になっていた雪像を見て回りました。大手企業の商魂と、雪像作りへの自衛隊の深い関わりにビックリしました。

  2008年02月18日

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  還暦記念！　冬のオホーツク旅行　その５

  紋別を後にバスは今夜の宿泊地、１３０キロ先の層雲峡温泉をめざします。思い切り冷えた体が暖房のおかげですっかり緩み、ガイドさんの話を聞きながら寝入ってしまいました。お休みタイムとして、ガイドさんも層雲峡近くまでソッとしておいてくれたようです。大雪山麓の層雲峡は昨年紅葉シーズンに訪れた所。秋とは全く景色が変わって道も山も川原も白銀の世界です。１８時半にホテルに到着して、すぐにツアー全員で層雲峡氷瀑まつり会場へ。石狩川沿いに造られたさまざまな雪像・氷像・人工氷瀑などがライトアップされ幻想的です。わたしと母ちゃんは簡単に見て回っただけでホテルに引き返しました。夕食後、本格的な装備をしてじっくりと楽しみたかったのです。２０時半からは花火も打ち上げられます。あわただしく食事を終え、完全装備で再び会場へ。気温はマイナス１０℃を切っています。しかし、花火目当ての観光客が続々と詰め掛け、交通整理の警察官も多数出動しています。改めて会場を散策。巨大雪だるまや人工氷瀑などは内部に入れるのですが長蛇の列です。雪の滑り台は１回３００円。タイヤを借りて滑り降りる若い人たちが歓声を上げています。定刻、会場の上空に次々と花火が打ち上げられました。観客のところにまで燃え殻が落下してくるほど至近距離で打ち上げられる花火は大迫力。周囲の山にこだまする重低音は腹に響きます。冬の夜空に咲いた大輪の花、寒さも忘れて氷瀑まつりを堪能しました。極寒の中で懸命に運営する実行委員会の皆さんに感謝感謝です。翌朝も８時出発。バスは、完全結氷した層雲峡の名瀑「銀河の滝」と「流星の滝」へ向かいました。気温はマイナス２０℃。ガイドさんも「外にいると顔が凍って口が動かない」と悲鳴を上げ、ツアーの皆さんもガッチリ防寒しています。左が銀河の滝、右は流星の滝。左下隅は薄着で張り切るアホな私そんな中、温度変化に鈍いわたしは、風がないからとセーターにマフラーという軽装で滝見。母ちゃんからはバカ扱いされましたが、キーンとした空気がすごく気持よく感じました。

  2008年02月16日

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  還暦記念！冬のオホーツク旅行　その４

  紋別に到着。流氷ツアーが始まります。港の中はびっしりと氷が張り詰め８０トン以下の船は航行不能とのこと。でも港の先に流氷は見えません。ダメか～！！バスから降りて、すぐさまガリンコ号の発着する海洋交流館へ。流氷帯は沖に去っていますが２０分で到達するという案内板を発見し、胸をなでおろしました。真っ赤なガリンコ２号が戻ってきました。「ネジを廻すと前に進む」というアルキメデスのネジの原理を利用した「アルキメディアン・スクリュー」と呼ばれる螺旋型の砕氷ドリルを船体前部に２基装備、それを回転させ氷を砕きながら流氷域を航行する砕氷船です。豪快に流氷を粉砕するアルキメディアン・スクリュー乗船を待つ列の最後尾近くになってしまいましたが、ラッキーなことに船の最前部に陣取ることができました。母ちゃんは毛糸の帽子にマフラーをマスク代わりにして顔を覆い完全装備。背中と足先には使い捨てカイロを貼ってあります。私もダウンウェアに帽子、カイロで武装。写真が撮り難いので右手は素手です。愛用のデジカメを片手に、首からは双眼鏡といういでたちでガリンコ２号初体験スタート。いきなり分厚い氷に突っ込んでいくガリンコ２号。船の速度が落ち、ドーン！と衝撃がきます。ガリガリガリ、ものすごい迫力です。速度が上がると顔が痛いほどの風。手も冷え切ってきます。母ちゃんは私を風除けにして目だけ前方に向けています。船を包み込む一面の流氷。水平線もくっきり氷の作り出す模様が芸術的沖合い２、３キロに広がる流氷帯に突入した船の前方にアザラシがいます。氷上に横たわる姿をカメラで狙いますが、安物のコンパクトデジカメでは望遠がほとんど利きません。必死で撮った写真がこれ。拡大して補正しましたがボケています。あっという間の１時間、船は流氷を砕きながら港に向かいます。と、左手はるか前方にまたしても黒い点。双眼鏡で確認すると肩にくっきり白い羽が見えます。オオワシです。無理やり撮り拡大したのがこの写真。なんだか分からないでしょうが肩の白い羽はくっきり見えています。念願かなった流氷ツアー。今回の氷は薄かったようですが十分楽しめました。思い切り寒いけれど「また来よう」母ちゃんと言い交わして下船しました。次回は、高倍率ズーム付きの一眼レフ持参で乗船したいものです。でも買えないなー。大きくて邪魔だし…。

  2008年02月15日

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  還暦記念！　冬のオホーツク旅行　その３

  稚内から、昨日立ち寄った宗谷岬めざし、そこからひたすら紋別をめざします。前日とは打って変わり宗谷岬はいい天気です。ガイドさんが「サハリンが見えていますよ」と言い、バスの外を指差します。宗谷岬の先、海に雪をかぶったサハリンの島影が確かに見えます。カメラを向けて連写したのですが、窓越しのせいかほとんど何も写っていません。おぼろに白いしみのようなものが見える写真がありました。ＰＣの映像ソフトで補正してやっと島影が浮き出てきました。宗谷岬を過ぎて、２３８号線をひた走る車中で、ガイドさんが終戦のときにサハリンで起きた悲劇を話し始めました。ポツダム宣言を受諾した後も続いたソ連軍の攻撃、そのなかで最後の最後まで島の通信を支え、そして自決した９人の交換手たちの話です。私は映画と本で知っていましたが、ガイドさんの語り口調は切々と訴えるものがあり、涙が溢れてきました。年のせいか涙もろくて困ります。２３８号線沿いで、まず雪の山にとまっているオジロワシが見えました。しばらくして林の中にエゾジカ、防風フェンスに巨体を休めるオオワシも。運転手さんがキタキツネを発見、あわてて目をむけましたが、猛スピードで雪山に走りこむ姿を一瞬見ただけ。雪の中でたくましく生きる北の動物たちに感動です。写真を撮る暇もなく通過です。写真左：尾が白いオジロワシ。右：肩の部分も白いオオワシ（知床博物館資料）川が完全に凍結しています。川の上にテントを張りワカサギを釣っている景色、北海道的です。釣人よりカラフルなテントの数が多いようです。ガイドさんによると、テントの中で氷に穴を開け、暖房を利かせながら釣りをしているのだそうです。一酸化炭素中毒になるんじゃと心配しました（案の定、帰京した日のニュースで釣人の中毒死が報じられていました）。この数日、流氷がジリジリと沖へ後退しているので心配。紋別の手前５０キロほどにある雄武（オウム）は数日前まで流氷が接岸していたのに僅かに残骸が残るだけ。遠く沖のほうに流氷帯らしき白いラインが見えていますが、流氷ツアーの紋別は大丈夫か？沖に見える白い線が流氷帯

  2008年02月14日

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  還暦記念！　冬のオホーツク旅行　その２

  その夜は稚内市内の全日空ホテルに宿泊。夕食後、母ちゃんと2人で完全に凍てついた町を散歩。スノーブーツのスパイクが威力を発揮して、スタスタ歩けます。まだ18時半なのに市内は静まり返っています。宗谷本線稚内駅へ行ってびっくり、最終電車は19時24分発。東京人の時間感覚とは全然違うようです。というわけで早寝早起き。ホテルの窓から日本最北端の夜明けを見ることができました。利尻・礼文に向かうフェリー乗り場を朝日が染めています。早々と朝食を済ませて、バスの出発時間まで周辺散歩。ホテル正面の高台には開港百年記念塔がそびえています。台上は稚内公園ですが冬のこの時期は公園への道路が閉鎖され休園中。公園に向かう途中に、サハリン（旧樺太）で終戦を迎え帰国を許されず亡くなった人々を悼む「氷雪の門」、最後の最後まで交換台を離れず職務を尽くし自決した９人の乙女たちを称える記念碑など建立されていますが、訪れることはできませんでした。写真左下・左が氷雪の門、右は９人の乙女の碑改めて稚内駅へ行き、日本最北端の線路を見ました。日本の鉄路の終着点、なぜか感動します。海側には北防波堤ドームという珍しい建造物がありました。世界に２つしかないのだそうで、北海道遺産にも指定される芸術的な防波堤です。第２日目は２３８号線を紋別に向かい、流氷ツアーのあと、北海道のヘソ・大雪山ふもとの層雲峡まで走る、３５０キロの大移動日です。午前８時晴天の稚内を出発しました。

  2008年02月12日

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  還暦記念！　冬のオホーツク旅行　その１

  流氷を見たい！　ずっと言い続けて遂に実現。母ちゃんが、還暦記念に行こうと計画してくれました。第１日・羽田から１日１便の稚内空港行に搭乗。現地雪のため天候調査の結果、着陸が無理な場合は旭川か千歳空港に回るという条件付で離陸しました。稚内到着の時間は一瞬雲が切れ、雪がやんだそうで、ほぼ定刻の１３時１５分無事着陸。旭川や千歳に回されたら旅程はどうなるんだろうと思っていただけに、胸をなでおろしました。津軽海峡から北海道へ。真っ白な山なみは日高山脈まず日本最北端の町・宗谷へ。バスが発車してまもなく雪が横殴りに降りはじめ、あたりは真っ白。宗谷岬は見られないかと心配しましたが、よほど日ごろの行いがいいのか、岬に到着するころ雲は厚いものの雪はやみました。気温はマイナス８℃ですが、風は強く体感気温は－１５℃くらいでしょうか。耳が千切れそうに痛いのです。最北の碑や間宮林蔵の銅像で写真を撮りましたが、あまりの寒さに食堂へ。名物ホッケのつみれ汁（現地ではすみれ汁という）で体を温めました。臭みもなくさっぱりとした味です。日本最北端の碑。北極星の光とＮを模ったもの土産物屋の温度計。マイナス８℃バスはＵターンして稚内方面へ。抜海（バッカイ）港でテトラポットや浜（といっても今の時期は雪原です）に集まるアザラシに対面しました。ここには観察小屋があり常時モニターしています。多いときには７００頭もいるとのことですが、この日は１７８頭と記録してありました。続いてノシャップ（野沙布と漢字表記し、根室のノサップ＝納沙布とは違います）岬。この岬は利尻富士と礼文島を一望することができる、夕日の名所。灯台は北海道一、全国でも島根県の日御碕（ひのみさき）灯台に次いで第２の高さです。明治３３年に建造され、現在は２代目。初代は映画「喜びも悲しみも幾年月」のロケの舞台として登場したそうです。イルカのモニュメントの向こうに日本第２の高さを誇る稚内灯台残念ながら落日までは少し早く、利尻も礼文も見えませんでしたが、美しい景色でした。

  2008年02月11日

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  このボリューム！　完食に仲居さんもびっくり！

  旅館「はまゆう」は天然温泉のほか、食事のボリュームでも有名。じゃらんの書き込みでは「食べ切れないボリューム」という声が目立ちます。大食いの私たちには願ってもない話。今回は初めての利用なので「お試しコース」を予約してあります。夕食。まずは舟盛りの刺身がデーン。越前ガニ（品質保証のタグ付き）。カニの出し巻卵、カニサラダ。ご飯のジャーとお茶のセット。内心「こんなものか」と思いつつ、食前酒のあと冷酒を追加して食事スタートです。しばらくして、カレイの唐揚げ、かにの甲羅蒸し、にぎり寿司。そしてカニ鍋の準備。母ちゃんは、にぎりを食べ終わった頃「そろそろ、おなかいっぱいかも」と言い出しました。でも、鍋です。敷き詰められたカニの下にうどんがグツグツ。「何のためにご飯のジャーがあるんだろうね」と母ちゃんが首をひねるほどすごいことになってきました。鍋を空にして「良いだしが出てるから、おじやにする。卵もらってきて！」と私。いやな顔もせず仲居さんがおじやの準備をしてくれました。おじやも「オヒシヒ（熱くてうまく喋れない）」とか言いながら完食。ジャーにはまだご飯が３杯分くらい残っています。「お新香でお茶漬けにする」と食べ始め、結局ジャーを空にしてしまいました。これでもか！の夕食メニュー母ちゃんの名誉のために申し添えますが、彼女がにぎり以降食べたのは、鍋を少々、おじやを茶碗に軽く１杯だけ。私がトコトン食べ尽くしたのです。当然デザートのメロンアイスも２人分私めが頂きました。片づけに来た仲居さんがエラク感心してくれて「全部食べてもらってうれしい！　食べ切る人は滅多にいないから。なかにはカニは土産に持ち帰る人もいます」とほめて（？）くれました。朝食。おかずの品数が多く「１品でご飯１杯食べると何杯かなあ」などと、アホなことを言いながら食事開始。朝はあんまり食べられない母ちゃんを尻目に、母ちゃんの分のおかずもご飯も完食。またしてもジャーが空になりました。朝からこんなに食べていいのか！これで「豪華かに三昧コース」を頼んでいたら、私のお腹はパンクしていたかもしれません。ボリュームたっぷりの食事でエネルギーは満タン。富山県砺波市に立ち寄って、東京まで５５０キロ一気に帰れます。レッツゴー。帰路、越前水仙ランドに寄りましたがまだ花は疎ら。雪の中で健気に咲いていました。おまけの写真は、高速道路上から立山連峰を撮影したもの。北アルプスの山々を後ろに従えた剣岳・立山。「ああ、登りたい！」と体が疼きました。

  2008年02月07日

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