オバマ大統領のアメリカ
オバマ大統領が就任して1ヶ月。オバマ大統領に関する書籍が、ここにきてバタバタ出ています。アメリカ大統領が変わったときには、これまでもとりあえず1~2冊本を買って読んでいましたが、その流れで今回も買ってみました。ジャーナリストの日高義樹さんが書いた『不幸を選択したアメリカ』という本ですが、オバマフィーバーで、何となくめでたい雰囲気の中、刺激的なタイトルです。アメリカの情勢に詳しい日高さんが書いた本なので、視点が非常に面白かったです。オバマが大統領になって、アメリカは不幸になるという前提で書かれており、その根拠がいろいろと挙げられているのですが、面白いと思ったことは、『アメリカが世界で政治的なリーダーシップをとれていること、 そしてドルが基軸通貨として流通しているのは、圧倒的な 軍事力が背景にあるから。 安全保障に全く明るくないオバマを選んでしまったことで、 その背景が崩れて、カネがアメリカから逃げていく』という考え方です。数年前、ブッシュ政権下のアメリカで対テロで一丸となったアメリカ国民が、ここ数年の間にテロの恐怖から開放されつつある中で、国防・安全保障といった問題から、サブプライムローン問題に端を発した金融危機が身近な生活を脅かすようになり、経済にプライオリティが移ったため、安全保障の重要性を訴えたマケインではなく、耳ざわりのよい「変革」を訴えたオバマが勝ったということです。なるほどと思いつつ、自分にはなかった視点なので、咀嚼しきれていないのですが、軍事力を背景とした強いアメリカというものが崩れたとき、確かに今までのように世界中からマネーが集まってくるのかどうか若干疑問です。ヒラリーさんが先日日本に来たのも、目的は日本の「お金」だと言われていたりしますし。。。俄然、オバマ大統領の今後の動きが楽しみになってきました。いくつか本が出ているので、他のも読んでみようと思います。