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カテゴリ:ワイン会・オフ会
10日にかがり火で催された、シャンボール・ミュジニーワイン会に参加させていただきました。
普段は飲まない場所とランクのワインというだけでも楽しみだったけど、今回は何とユドロ・バイエ と ジョルジュ・ルーミエの飲み比べという企画。 名前だけは有名で知ってるけど、「ユドロ・バイエ」と「ジョルジュ・ルーミエ」という、それほどブルゴーニュファンでもない自分にはあまり馴染みのない造り手。 シャンボール・ミュジニーは11月にルーミエの2002年を飲ませていただきましたが、自分の経験はそれだけ。 美味しいけどこの造り手の何が凄いのかはよく分からず、まぁ適当に飲んでました。 この位のレベルの造り手の話となると、もう美味い不味いではなく、好みの問題になってくると思うので、いつか冷静にじっくり飲んでみたいと思ってた矢先の今ラインナップの企画。 最低限の予備知識だけ持って、今回の2006年ボトル&その他古酒に挑む。 今回のワイン会は急遽キャンセルが出て通常より人数が少なくなり、しかしその分一人辺りの量が増えたので、参加者としてはそれはそれで有り難い部分もあったり(主催者にとっては残念なトコでしょうけど)。 まずは恒例のシャンパンスタート。 1:シャンパーニュ ジャン・ヴェッセル ロゼNV Champagne Jean Vesselle RoseNV 香りはグレープキャンディー、小麦粉、新玉ねぎ。 強めの酸味にかすかな甘味。 これだけで飲んでもほぼ酒入りファンタグレープ。 色合いは綺麗だけど、味も香りも甘酸っぱい感じがメインで単純過ぎるかな!? でも今回のオードブルと合わせると酸が適度に和らぎ、味にバランス感が生まれる。 何だろう…ロゼ・シャンパンは自分に合わないのか、あまり惹かれないな。 シャンパンからはやはりブリオッシュ的な印象の芳醇さが欲しい。 オードブル 生野菜スティックのディップにイベリコ豚のハムとゼリーよせ。 2:ピュリニー・モンラッシェ「レ・ルフェール2007」 E.ソゼ Puligny Montrachet 「Les Referts2007」 Etienne Sauzet 蜂蜜やミントに粉砂糖の様な軽やかな甘い香り。 味はまだやや硬質的で香りも拡がりが弱く、良くも悪くも若さが出てる。 これはこれで透明感を感じる綺麗な味だが、繊細すぎて物足りなさもある。 ムルソー並とまでは言わずとも、もう少し味か香りにボリュームや存在感が欲しかった。 今飲んでも確かに美味しいけど、これは熟成待ちだな。 せっかくモンラッシェの名が付いてるんだから、これは充分に寝かせて成長を見守りたくなる。 早飲みするには勿体無い。 牡蠣とホタテのホワイトソース 3:「シャンボール・ミュジニー2006」 ユドロ・バイエ Chambolle-musigny2006 Hudelot-Baillet そして今回のメイン第一弾。まずはユドロ・バイエから。 香りはバラ、梅干、ダージリン紅茶。時間経過で黒砂糖の様な甘い香りも。 渋味と穏やかな酸。余韻の酸が味を後押し。 柔らかなインパクトと静かな存在感。 味だけだと物足りないけど香りとのコンビネーションが素晴らしく、香りが大人しい味に動きを導いていく。 10分位の時間経過で甘い香りが出てきて少しずつ複雑さが組まれていき、味と一緒に向上する。 トータルバランスに長けた良い出来。 4:「シャンボール・ミュジニー2006」 ジョルジュ・ルーミエ Chambolle-musigny2006 Georges Roumier メイン第二弾、ジョルジュ・ルーミエ。 香りはバラ、セイロン紅茶。 ユドロ・バイエよりもシンプルな香りだが、その分深みを感じる。 穏やかな酸と緩やかな甘味で、力を感じつつも優しい綺麗な味。 口通りも滑らかで、新鮮さと熟成感が不思議な両立の仕方をしてる。 30分強の時間経過で花と紅茶の香りのまま拡がり、そこに蜂蜜やカモミールの甘い香りが伴い始める。 この辺になると、この後に出てきた他の古酒群と途中から香りの判別が付きにくくなってきた。 多分ブルゴーニュの古酒ファンやファンとはいかずともある程度古酒に心得がある人なら、ルーミエのワインは頭から離れない印象になるのかもしれない。 味と香りに早くから独特の風格を感じさせる、ハイレベルな個性を感じた。 この新酒感と古酒感の融合した存在感がルーミエの特徴なのか!? フランス産鴨のローストとコンフィ。 ピノにはやはり鴨が合う。 5:シャンボール・ミュジニー「レ・ザムルーズ1994」 ダニエル・モワン・ユドロ Chambolle-musigny 「Les Amoureuses1994」 Daniel Moine-Hudelot 香りはポートワイン、天然塩、ローリエ? 薄めの渋味に軽い塩味。余韻に甘味。 ちょっとピノノワールっぽくない味かな? でも柔らかな印象で香りと味のイメージが一致し、バランスは良い。 熟成からか味のパンチが弱り気味だが、そこは香りで上手くカバー。 土地の特徴に忠実に造られてるワインなのかなと思う。 味はそんなに印象に残らなかったな。 6:ポマール 「クロ・ド・ラ・プラティエール1978」 Pommard 「Clos de La Platiere」 ギリギリまで正体を明かさずに最初はブラインドで登場。 香りは蜂蜜、プルーン、セイロン紅茶、チャービル。 鉄分を感じさせる香りにハーブの甘露香が伴う、特徴的な骨格がありつつも繊細さが見える。 味は酸味と甘味で、香りとのイメージがピッタリ一致。 これは美味い。 酸と甘味が香りと合わさって、古酒ならではのクリアーな印象と独特の圧力を出す。 古酒の割りには味も香りも特徴的で分かり易いというのもあったのだろうが、「芯の通った“繊細さ”」みたいな存在感を感じられた。 自分の場合、ブルピノはニュイの方が理解し易いと思っていたが、古酒だとボーヌ系の方が好きな味になる気がする。 7:ヴォーヌ・ロマネ 「ラ・グラン・リュ1976」 ラマルシュ Vosne Romanee 「La Grande Rue1976」 (Francois?) Lamarche 香りはキャラメル、若草、刻み梅干、紅茶。 味は渋味と酸味。余韻に軽い甘味と苦味を伴う酸味。 おお、味も香りも充分に生き残ってる。 古酒の香りに、穏やかながらも明快な味で不思議な佇まい。 香り要素の出方が全方位に向いていて、シンプルで終わりそうな味に拡がりが生まれる。 時々、味に複雑さを持たせる前に散ってしまう事もあるが、これはその時の飲み方の問題だろう。 味にも香りにも無駄が無く、まだ伸び代を感じさせる余地を残す。 これも良い。 フロマージュ ダニエル・モワン・ユドロがちょっとパッとしなかったけど、どのボトルも良好な状態で大変楽しませて頂きました。 さて、バイエとルーミエとで飲み比べた結果、自分はユドロ・バイエの方が好み。 特徴的な香りに、味とのコンビネーションと発展性が惹きつけた。 初心者でも理解し易い味と香りで、万人向け。 もう少しブルゴーニュの経験を積むと、ルーミエの方が好きになるかもしれない。 味と香り双方のシンプルさと複雑さ、その混在の結果生まれる独特の印象。 ルーミエ節とも呼ばれるこの特徴(?)と価値を理解するには、結構な経験が必要になりそう。 でもそういった下地を構築した上で飲むと、「ルーミエでなければならない(出せない)理由」を持てるのかも。 6人で飲んで軍配はバイエ派3人、ルーミエ派3人と半々に分かれたので、これはその人がワインに求めた物の違いかもしれない。 古酒に関してはポマールの1978年が美味しかった。 ワインに果実以外の構成要素が多く感じられると、古酒化しても特徴が生き残る傾向でもあるんだろうか? 果実感だけのワインだと味や香りがカスれるのも早くなりそうな気がする。 リリース数年で飲むなら果実感押しで何も悪くないのだろうけど。 これ位熟成させると土地の地力と特徴がモロに出る様で面白い。 シャンボール・ミュジニーの会はここで終了。 その後、自由参加の2次会に続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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