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カテゴリ:ワイン会・オフ会
楽天ブログで御馴染みのぱんだしゅりけんさんらが中心に、中国地方産のワインに中国地方産の食材の料理を合わせて楽しむ、という企画のワイン会に参加させていただきました。 思い返してみると自分が飲んできた国産ワインといえば、大体山梨か長野、たまに山形と青森くらい。 中国地方のワインというのは実は初めてな気がする。中国地方の日本酒ならそこそこ飲んでたと思うけどw。 ワイン会といえば、泡物でスタート。 1:島根県 シャルドネ・スパークリング 奥出雲ワイナリー 香りはレモン、クリーム、粉砂糖、シェリー酒、みかん、リンゴソテー? 味は苦味と酸味。余韻に薄い苦味と薄い甘味。 一言で言えば、甘くないリンゴジュース。 最初はやや硬質的な苦味で、後から穏やかな酸。 余韻の甘味からリンゴ的な果実感が出てる感じ。 半端に酸を出す位なら、これ位大人しい味わいの方がブラン・ド・ブランらしさが有って良いと思う。 アミューズ:木次乳業のカマンベールとリンゴのグリル 木次乳業のジャージー牛乳で作る小さなキッシュ リンゴっぽい味のワインに、リンゴのグリルが上手く仲立ち。 さらにワインのスッキリした味にキッシュがボディを補填。 2:鳥取県 甲州樽仕込み2005 北条ワイン 香りはミカン、シンナー、ビニール、レモンバター、シェリー? 味は苦味と甘味。余韻に薄い苦味と甘味。 あら~、美味いやん。 苦味の中から甘味がグンと膨らんでくる。 軽やかな甲州が樽の鎧を纏った事で、しっかりとボリューム感を身に付けた。 これは言われないと甲州って分からないな。 相応に熟成もしてたのか、ニューワールド系の安価な樽熟シャルドネより ずっと味に落ち着きが有る。 この北条ワインというところは、砂丘で葡萄の栽培をしているらしい。 考えてみれば「水はけがよい」「痩せ気味の土壌」「乾燥してて寒暖の差が激しい」「風通しがよい」「丘状になってて日光を受け易い」のだから、環境条件だけ見れば、砂丘で葡萄栽培って悪くないのかも。 前菜1:鳥取県倉吉の野菜で作る大山鶏のガランティーヌ 樽熟白に合わせた、しっとりさと弾力を併せ持った食感。 トマトソースの酸味は控えめでワインを邪魔しない。 3:広島県 TOMOE ピノノワール2011 三次(みよし)ワイナリー 香りは革、カカオ、カラメル、ブラックベリー、オレンジママレード? 味は渋味と酸味。余韻に渋味と甘味。 これはピノノワールなのか!? 味も香りも、メルローって言われたら完全に信じられるレベルの肉厚な味わい。 肉厚でありながら、とても滑らかで綺麗な口通り。 カカオとカラメルが合わさったチョコレート的な香りが相まって、余韻の甘味がグッと伸びる。 好きか嫌いかで言ったら、絶対好き。美味いか不味いかで言ったら、間違いなく美味い。 でも、これピノノワールが好きな人が好むピノではないだろうなぁ。 最低5~6年は熟成させた、"イタリアのメルロー" に近い。 上の甲州に合わせた料理のガランティーヌと、使われたトマトソースと山椒味噌がよく合う。 もうますますメルローとしか思えないw。 前菜2:広島県安浦産穴子と竹原産じゃがいものテリーヌ 穴子の肉質とほのかな脂が渋味をソフトにし、引き立てあう。 穴子に合うとか、さらに上質なメルロー感連想の追い打ちw。 ガランティーヌよりも、このテリーヌの方をさっきの北条ワインの甲州に合わせたいって思っちゃう。 4:山口県 シャトー・ヤマグチ・シャルドネ2004 山口ワイン 香りはレモン、蜂蜜、胡桃、オリーブオイル、ライチ?洋梨? 味は苦味を伴う酸味と薄い苦味。余韻に薄い甘味と薄い苦味。 これまた直球の樽ドネ。 苦味を前面に出しつつ、穏やかな果実をゆっくり押し出す。 味自体は大人しい雰囲気だが、ふくよかな香りを活かして手堅くボディを主張し、それでいて余韻は静かに。 高級感は有るが、ちょっと大人し過ぎたかな? 華やかな部分と控えめな部分とが中途半端に混じって、イマイチ伸びきれない、普通な印象に。 でもこれは自分の飲み方とタイミングに左右されたところだろう。 魚のメイン:山口県萩港から届くチヌ(黒鯛)のポアレ ヒトエ草の酸味とクリームソースの甘味がよく合う。 ワインの大人しい味をソースが補強し、ポワレ特有の皮のサクっとした食感がアクセントをつける。 画像だと緑のロマネスコに隠れて見辛いが、下に有る安納芋のグリル(?)が地味に美味い。 甘味の補填というか食感の追加というか、全体の香ばしさを底上げしてて、この芋がとても良い仕事してるw。 5:岡山県 メルロー2012 TETTA Vigne 香りは杉、革、鉛筆、土、炭、生レバー? 味は渋味と苦味。余韻に渋味と薄く酸味を伴う薄い苦味。 ツヤの有る色合いに、強めの青臭さ。いかにも未熟な感じのメルロー。 若めのメドックやチリカベのニュアンスだが、重さはそれほど無く、飲み易さをアピール。 味の張りはしっかりしてて、今はまだこの張りが "固さ" を出してる。 3年位は放置して味と香りが落ち着けば、もっと口通り滑らかで高級感が生まれそう。 今はまだ苦味も強く、香りとも合わさってか未熟な印象が強く感じられる。 TETTAの関係者が会にいらしてたので、「これもっと上を狙える(発展途上中の)味ですよね?」とつい変な質問をしてしまったが、「いや、今のこれで十分な美味さが出てると思いますよ」と答えていただいた。 確かに香りは品種のイメージから崩れておらず、味も渋味が突出って事はないから、これでいいと思えばいいのかもしれない。 その時は、まあ個人の好みの問題か と納得したが、若飲みの前提で行くなら、もっと明快な酸や甘味のニュアンスも欲しいと思ってしまった。 肉のメイン:蒜山(ひるぜん)ジャージー牛 もも肉のフィセル 肉の歯触りは固すぎず柔らか過ぎずの良い味。 で、これって何か肉以上に、付け合せの野菜が さっきのメルローに合ってる。 根菜類の土っぽさと、ワインの香りの土っぽさ・青臭さが綺麗に噛み合い、野菜の甘みとスープがワインの苦みを上手く受け止めてバランスを取ってくれる。 さっきはワインを未熟だの苦いだの青臭いだの散々言ったが、この料理と合わせる事を考えたら、やっぱりあれで良かったんだろうな、って思えてきた。 ワインの苦味や臭みはそのままに、何も切り捨てたり打ち消したりせずに、ワインの長所を素直に受け入れ易い形に取り持ってくれた感じ。 ワイン単独だと気になった部分が、この料理と一緒だと、誰も何も悪くなかったのが明らかにw。 デザート:岡山県高梁(たかはし)産 紅茶とプルーンのムース 一瞬ラムレーズンかと思ったが、プルーンだった。 奥出雲の山蜜が甘味のトーンを高めて、プルーンのクセをソフトに。 本日のワイン。左から順に1→5 奥出雲ワイナリーのボトルのラベルはマジックで名称手書きという珍ボトル。 エラーラベルなのか、正式ラインナップ外の品なのか、よく分からない。 今回、北条ワインの甲州樽仕込み2005が一番の注目株。 普段甲州ワインに物足りなさを感じてる自分でも、納得の香りと味わい。 価格的にも1000円台中盤で購入可能らしく、コスパも良好。 赤だと三次ワイナリーのTOMOEピノノワール。 ピノらしくないピノノワールだが、赤ワインとしては十分な飲み応えと綺麗な飲み口。 メルローの代わりとしても力強さとクリアーな雰囲気が両立してて、独特の高級感も感じられる。 想像以上に面白いワイン会で、御馳走様です。 ぱんだしゅりけんさん、ありがとうございました! 会場となったアガリス神楽坂さんも、なかなかの美味さで、"ワインを活かす" のを分かってる人の料理を見せていただいた気分です。 神楽坂を通る事があれば、また訪れてみたいと思います。 せっかく神楽坂まで来たんだから、すぐには帰らず、いつも行くワイン会でお馴染みの「かがり火」に22時20分辺りに寄ってみたが既にクローズ。 金・土・祝日前は午前2時まで開いてるが、平日は22時までで終了だった。こりゃ残念。 仕方ないので、大人しく帰る事に。 寄り道しなければ終電にも間に合いそうだったし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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