カテゴリ:病気の際の認知・感じ方について
メンタル問題を抱えている方を支援していると、けっこうな頻度で出会う言葉があります。それは「ちゃんとできていません」「たいしたことはできていません」という言葉たちです。
でも私はそういう方々に「いえ、そんなことはありません。あなたはご自身のベストをちゃんとつくしていますよ。」とお伝えするようにしています。 ・仕事できない。働けていない。仕事で成果をあげていない。 ・勉強できない。成績が上がらない。 ・家族やパートナーと仲良くできない。コミュニケーションできない。 ・仕事やグループでコミュニケーションできない。人間関係が築けない。 ・自分が好きになれない。ひきこもっている。薬に頼っている気がする。 ご本人はそうした状況を深刻にとらえていることが多いです。確かに気持ちはわかる気がします。私も今までの人生で、何度もそうした苦境に立ちました。 それでも、私はあなたは自分のベストを尽くしているとお伝えしたいのです。なぜならば、あなたは「とんでもない大きなハンデを抱えながら、日々を生きている」からです。それは非常に厳しくて大変なことなんです。 実は私自身、かなり具合が悪い中で今回の記事を書いています。仕事に行ってきましたが、いつもの3割ぐらいしかできませんでした。通常この時間帯だと受験勉強を3時間ぐらいできている頃です。調子が良ければ4時間ぐらいできています。 でも正直に言います。今日は30分勉強するのがひどく苦痛でした。頭にもあまり入らないし、今日はもうそれ以上勉強する気になりません。 あなたは私以上に辛い状況にいるのではないですか? たとえばちょっと散歩するとします。天気は青空。心地よい風もふいている。道は平たんで、整っている。動きやすい服装だし、水分も持っている。そんな状況にいるひとなら、散歩なんて楽勝なことでしょう。散歩の何が辛いんだ?と思うことでしょう。 でも 台風が直撃している。暴風が吹いている。道は上り坂で、ぬかるみがぐちゃぐちゃになっている。かさばって暑苦しいカッパを着て、そのせいで水分もろくに飲めやしない。そんな状況にいるひとにとって、散歩なんて楽勝でしょうか?どこが楽で安全なのでしょうか? みんな自分の人生を必死に生きています。だから知識や経験も限られています。自分の人生を歩むための知識・経験が重視されるからです。病気で苦しむ人の状況・環境・気持ちを理解するのは、どうしても不十分になりがちです。見当はずれの批判をしてくる人は少なくないかもしれません。 でもあなた自身は「大きなハンデを抱えている状況なのに、じぶんなりに頑張って生きている。マイベストを尽くしているんだ。」と、自分のことを大切にして頂きたいのです。 もちろんあなたが病気と併せて抱えている問題があることでしょう。すべての人間は何かしら問題を抱えていますが、あなたにも問題はあるはずです。それを解消・緩和する為に、具体的な行動が有効なのも間違いありません。 あなたが療養第一にしなければいけないときは、焦る気持ちと付き合いながらしっかり療養する。それは立派な改善行動なのです。 一方改善に向けたエネルギーを持っているなら、少しずつ改善に向けた行動をとっていくとよいでしょう。 「でも今から何をすればいいのかわからない!」とあなたは強く感じるかもしれません。それはもっともな気持ちです。一人で戦う・向き合うことはとても大変です。そんなときは、協力してくれる人と一緒に学び、行動していくとよいと思います。無料の公共サービスも数多くあります。役所や保健所にいるソーシャルワーカー・保健師に相談してみると良いと思います。ソーシャルワーカーたちは、あなたに適したサービスを紹介してくれることでしょう。 有料で公認心理士・臨床心理士等のカウンセリングを受けたり、進路・人生相談でキャリアコンサルタントに相談することも有効ですが、コストがかかるので、ご自身の経済状態に合わせて、まずはソーシャルワーカー等による無料相談をおすすめします。 私も自分のペースで、みなさんに情報提供やボランティアキャリアコンサルティングを続けていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.09 15:55:16
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