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カテゴリ:ミッション・ステートメント
天、われに薄くするに福をもってせば、 われ、わが徳を厚くしてもってこれをむかえん。 天、われを労するに形をもってせば、 われ、わが心を逸してもってこれを補わん。 天、われを阨するに遇をもってせば、 われ、わが道を亨らしめてもってこれを通ぜしめん。 天かつわれをいかせん。 菜根譚 前集90項(91項?) 洪自誠 超意訳 天が私にわずかな幸福しか与えないなら、 私は私の徳行を厚くすることで対応しよう。 天が私に労苦を与えるなら、 私は私の心を鍛えることで補おう。 天が私を災いに出合わせるなら、 私は自分の信念を貫いて道を通じさせよう。 例え天といえども、こんな私に対し何も出来ない。 いつもこんな駄訳では申し訳ないので、今回はちゃんとした訳も・・・ もし天が私を冷遇しようというのなら、 私は自分の人格をみがくことによって幸福をかちとろう。 もし天が私の肉体で苦痛を与えようとするならば、 私は心の平安によって免れてみせよう。 もし天が私にさまざまな障害を与えて人生を妨げようとするならば、 私は真理の力によってこれを通り抜けて見せよう。 天といえども、こんな私をどうすることもできまい。 谷沢永一 -「名言の智恵 人生の智恵」より- 『菜根譚』は中国明の時代に生きた「洪自誠」がのこした随筆集。 前集は主として社会生活上の処世訓、後集が主として世俗を離れ隠居する楽しみ が書かれたもので、本場中国よりも江戸末期日本において人気となったもの。 儒教・仏教・道教の三教を兼修することが、当時時代の流れであり著者もその一人。 書名は、宋の汪信民の『小学』における 「人常に菜根を咬みうれば、すなわち百事をなすべし」からとったものらしい。 (菜根は堅くて筋が多い。だがこれをかみしめてこそ栄養になる。 全てのモノについても同じで、噛み辛いものを咀嚼してこそ真の味わいがわかる。) 私的には、道教的な色合いが強くあまり好きになれなかったのだが、 この一文は菜根譚には珍しく、天(運命?神仏?)に挑みかかるような 意気込みが気持ちいい。 どんな境遇や状態でも、自分の信じる道を貫こう。 天薄我以福、吾厚吾徳以?之。 天労我以形、吾逸吾心以補之。 天阨我以遇、吾亨吾道以通之。 天且奈我何哉。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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