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カテゴリ:名言・名文
Fair is foul, and foul is fair. 魔女 『マクベス』第一幕第一場 シェイクスピア 『マクベス』(Macbeth) 四大悲劇の1つで、その中では最も短い作品。 野心家の妻にそそのかされて王を弑逆した勇猛な武将マクベス。 その王位簒奪者がたどる転落の物語。 スコットランドの実在の王マクベス(在位1040年~1057年)がモデル。 今日もシェイクスピアの中の台詞。 正直何のことやら意味不明。理解不能。なのだがとても印象的な言葉。 To be, or not to be.と似ている。 韻を踏んでいて、妙に耳に心地いい。 これもまた、いろんな訳があるようだ。 福田恆存 「きれいは穢い、穢いはきれい」 小田島雄志「いいは悪いで、悪いはいい」 木下順二 「輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ」 「フェアはファウル、ファウルはフェア」 野球だったら、珍プレー好プレーに出て来そうだし、 先日亡くなられた大沢親分に『この審判、喝!』と一喝されそう。笑 まんざら冗談でもなくfairはフェアプレーのフェアだし、foulは反則のファウル。 そのまんま直訳すれば「公明正大は反則、反則は公正」なんでしょうが・・・ fairとfoulの二つの言葉から連想されることわざ、 fair face may hide a foul heart.(きれいな顔には汚い心が隠れているかもしれない) からすると、 「きれいはきたない、きたないはきれい」が正しそうにもみえる。 後に続く、 Hover through the fog and filthy air. (濁った空飛んでいこう。) を見ると天気の事にも思える。 「いい天気は悪い天気、悪い天気はいい天気」??? 魔女がマクベスをそそのかしに行く前の台詞という事を考えると、 「忠義を貫いていたら王様にはなれない、王を弑逆するという大罪を犯す事が 王様になるという事においては正解なのだ。」という風にとれる。 つまり 「正しい事は、(時に)間違いであり、間違った事が、(時に)正しい」 というような意味合いなのじゃないかと思う。 結局、素直に直訳通りなんだろうと・・。 日本語で言うと、「正直者はバカをみる」。 勿論、錚々たる訳者の先生方の訳に比べて、私の解釈にさして意味はない。 私としてはこう思うというだけの話。 でもこういう解釈だったとしたら、あなたはどうしますか? 目的の為なら手段は問わない? ここで思い出したいのは、シェイクスピアはこの台詞を“魔女”に語らせていること。 そしてそれに踊らされたマクベスと夫人の悲惨な運命。 やっぱり、正直、誠実が正しいのだ。 教訓。 Fair is fair, and foul is foul. 「正しい事は正しい。間違ってる事は間違ってる。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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