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カテゴリ:処世術
新年あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い致します。 一年の計は元旦にあり 言葉通り、一年間の目標や計画は、元旦に決めるのが良いということ。 転じて、何事も最初に計画や準備をすることが大切であり、 初めの計画が駄目だと物事が上手くいかないという意味の諺にもなっている。 元旦の過ごし方で一年が決まるともよくいわれる。 お正月にバタバタ過ごすとその年はあわただしい年になり、 ゆっくり過ごせばゆったりとした一年を過ごせる。 このお正月の姿がそのままその年の過ごし方として定着してしまうというのは かなり迷信的な要素が濃いように感じられる。 でも、“過ごし方”を“行動”と取るとだいぶニュアンスが変わってくる。 気持ちを新たにして何かを決意しただけでは話にならない。 計画を立てて安心しているだけでは絵に描いたモチに終わる。 その決意を活かし、計画を全うする為に必要な行動をしていく事で現実になっていく。 早起きでも、食事でも、細かいことで構わないので始めてみてはどうだろう。 この新しい年がピリリと締まった年になりそうな予感が・・・・しない?! 海外でもお正月は重要らしく、英語の諺にもある。 New Year's Day is the key of the year. (元旦が一年の要(かなめ)である。) 日本語で「成功の鍵は~」というときに使う“鍵”と同じ用法で keyも使われているのがおもしろい。 最初が肝心という点では日本と同じだが、計画というよりは行動の事のような気がする。 英語はさておき、一年の計は元旦にあり に戻って・・・・ 出典には諸説あるようだが、馮應京による『月令広義』が有力。 一日の計は晨(あした)にあり、 一年の計は春にあり、 一生の計は勤にあり、 一家の計は身にあり 一日之計在晨 一年之計在春 一生之計在勤 一家之計在身 『月令広義』歳令「四計」 馮應京 『月令広義』(正字体:月令廣義) 中国・明代の官僚で学者でもあった馮應京(ひょう おうきょう)が著した、 中国の伝統的な年中行事・儀式・しきたりなどを解説した本。 七夕の「織姫と彦星」や「花咲か爺」の原典のひとつと考えられる説話など、 諺や説話の出典にもなっている。 超意訳 一日は朝の計画で決まり、 一年は年のはじめの計画で決まる。 一生の計画はまじめに勤めることで決まり、 一家の将来は健康で決まる。 ??? 前の二文は常識的な訳だと思うのだが、後ろ二文は全くの個人的解釈。 特に最後の文は「身の振り方(生き方)」「身を修める(修身)」としているものが多い。 でもそれらは“身”を使った熟語であって“身”の訳としては無理があるように思えたので 健康とした。 四文とも同じ形なのに前後二文づつでかなり違う・・・・・・・? こういう時は常識を疑う主義なので(逆にいうと自分の説が好き、自分に甘い。笑) 「一日之計」が朝の計とはならないでしょ。 一日の計画は朝で決まり、 一年の計画は年のはじめで決まる。 一生の計画はまじめに勤めることで決まり、 一家の将来は健康で決まる。 すっきりまとまった。 ・・・どこが違うか分かりづらい? 「一日」と「朝の計画」 → 「一日の計画」と「朝」 こうすると全四文が同じ構図になる。 一日の計画(の成否)は朝(の行動)で決まり、 一年の計画(の成否)は年のはじめ(の行動)で決まる。 一生の計画(の成否)はまじめに勤めることで決まり、 一家の将来(の繁栄没落)は(家人の)健康で決まる。 ( )を補足する方がわかりやすい。 前段で行動が大事といいつつこれでは、無理やり「我田引水」したみたいだが、 意図したわけではなく、自然にこういう結論に到達してしまったもの。 (なんで言い訳してるのか・・・笑) 他にも同種の言葉はたくさんある。 『梁元帝纂要』 一年之計在于春 一日之計在于晨 一年の計は春にあり、一日の計は晨(あした)にあり 『梁元帝纂要』 中国(梁代)の史書。梁の元帝統治(在位552~554年)中のできごとの、 要点を抜き出した書。 『古今賢文』 一年之計在于春 一日之計在于寅 一家之計在于和 一生之計在于勤 一年のはかりごとは春にあり 一日のはかりごとは朝にあり 一家のはかりごとは和にあり 一生のはかりごとは勤勉さにある。 『古今賢文』 この書物は中国・明朝の万暦時代(1574-1619)に原型が成立し、 その後多くの人々により修正を加えられ、今日のような347大句の形になったと言われている。 別名『昔時賢文』『増広賢文』と呼ばれ,古今の有名な諺などの文句347大句を収録している。 中国のことばと文化・社会立命館産業社会論集(第40巻第4号) 日本では・・・ 『風流志道軒伝』(江戸中期)(巻二)平賀源内 一日の計(はかりごと)は朝にあり、一年の計は元日にあり 『風流志道軒伝』 風来山人(平賀源内)の談義本。5巻。1763年刊。 当時実在した談義僧(講釈師)深井志道軒を主人公に仕立て, 日本全国・大人国・小人国・女護島などを遍歴するという筋で、 滑稽を交えて風俗・人心を風刺する。 『譬喩尽』 一年の計(はかりごと)は正月にあり、一月(いちげつ)の謀は朔日(ついたち)にあり 『譬喩尽』(たとえづくし) ことわざ集。八巻。松葉軒東井編。1787年成立。 ことわざのほか、和歌・俳句・流行語・方言なども収める。 『三計塾記』(江戸後期)安井息軒 一日の計は朝に在り、一年の計は春に在り、一生の計は少壮の時に在り。 三計塾とは安井息軒の開いていた塾の名で、その由来となったのがこの三計の教え。 この塾の門下生は陸奥宗光はじめ幕末・明治に活躍した者が名を連ねている。 他にもこんなのを聞いた記憶が・・・ 一日の計は朝にあり 一年の計は元旦にあり 十年の計は樹を植えるにあり 百年の計は子を教えるにあり 作者不詳 みなさんは、今日、元旦にどんな計(はかりごと)をされますか?! はじめが肝心! お酒を呑みながらゆっくり思索を練ってみるのも、いい正月の過ごし方! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.01 04:25:16
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