言葉の花束

久しぶりに、病院に母がついて来た。

愛犬じゅんの面倒を、昼間、私たちが交代で見ていたから。
二人の外出は久しぶりだ。

病院が遠いので、つるしが体調が悪い時に母はついてくる。
・・・というか、体調が悪いから、病院に行くのだが（＾＾；）

「今日は一人で行かせられません！」

はい。お母さまm(__)m

でも、本当に久しぶりだね、親子二人、電車。ん？
「ちょっと、窓際に何置いてんの？」
「じゅんの写真。こんな所行くのよ、って見せてあげたいの」

どっちもどっちだ。

そして、駅に到着。じゅんも初めての電車を堪能し、お疲れの所、かばんのポケットへ。

つるし、駅ビルに入って、買い物をしようか。
あ、少し、糖分を摂らないとね、つるしは。

はい。お母さま（＾＾；）
今日の私に「自由」という文字はなさそうだ。

エスカレーターに乗ろうとすると、おや？駅ビルにこんなブランドあった？
「可愛いバッグ！」
「値段、書いてない」
「かわいいな。このポケットがポイントなのかな。高いよね」
「高いって。でも、いくらくらいだ？」
「さっき通ったヴィトンよりは安いんじゃない？」
「それ、いくらよ」
「知らないってば！」

「いらっしゃいませ」
しまった！夜霧のハウスマヌカン、じゃない、店員さん！（古過ぎたかな＾＾；）

無視してください！だって明らかに
私たち貧乏でーすって、感じじゃない！

しかし若いお姉さん、一生懸命、説明し始めた。
「こちら、スペインのブランドで、％＠△※と申しまして、１６０年の歴史がございます！この方面、初の店舗でございます！」

スペイン語なら、ちょっとかじった。学生の頃。ということは、ロエ・・・？ん？

１０５０円の「エコバッグ」片手に、硬直するつるし。
これ、最悪の行動だった。

「こちら、スペインのブランドで、％＠△※と申しまして、１６０年の歴史がございます！」

わかりましたって、わかりました！
その、あのさ・・・このエコバッグの中、駅前で二人がかりで
もらったティッシュとエコ布巾。要するに「タダ！」
もう、泣く！母ちゃんよ！あなた、本日、保護者なんでしょ！？うまくやってよぉ！！
つるし、ついに責任転嫁に走り出した。

「なんで、つるし、ブランド名わからないのよ！」
「そ、そんな。もう忘れたよ。スペイン語・・・」
「行こ！」
「うん！」

「お客様、店内に・・・」
はい、１６０年の伝統と実績、もう、十二分に拝見いたしました。。。
「マフラーがございます」
「？？？」
「消費税込み、13600円とお手軽な価格となっております。流行り廃りもございません」

Ｎｅｗ戦法。お姉さん、必死！こっちも必死。
あのね、お手ごろ価格と言うのはですね・・・

「ちょっと、じゃあ」
「か、母さん！」（マフラーなんて夜なべして編むもんだよ！あれは手袋か？）

「こちら、です」
「あ、かわいい」
やるな。かわいいピンクだ。しかも、皮ひもでクロスステッチのライン入り。

「こちらは、新色でございます。こちら、定番でございまして」
「？。じゃ、バーバリーみたいに、ずーっと？」
「でも、この子には、茶色がいいと思うのよね」
（か、母ちゃん？うちら、もしかしなくても戦法にはまったよ）

さぁ、この後、この貧乏丸出し親子の
運命や、いかに？！








・・・つづく。