DJ Kennedy/life is damn groovy

Feel Like Makin' Love / Roberta Flack


彼女のコンサートに、私は何度行ったことだろう。子供の頃から数えて10回？20回？いいえ、それ以上になるはずだ。

"Who's your favorite artist?"
と尋ねられたら、頭の中に真っ先にポップアップするのが彼女の名前。いくつもの恋の場面で私に魔法を与えてくれた、大切な存在でもある。

洗練されたスタイルとスムースでセクシーな歌声は、4つの季節、いつ聴いても楽しめる。同じ歌でも、季節によって姿を変えるからとても不思議。

教会に働く家族の影響で早いうちからクラシック・ピアノに馴染み15歳の時、彼女は音楽のフル・スカラシップで大学に入学する。その後Les McCannに発掘され72年にはクリント・イーストウッド主演の映画"Play Misty For Me"の挿入歌になったデビューアルバムからの"The First Time I Saw You"は＃1ヒットとなった。そのアルバムはグラミーのRecord Of The Yearを受賞した。

また、大学時代の同級生だったDonny Hathawayとのデュオで（以前Soul Saturdayでもご紹介した）"Where Is The Love"をリリース、72年度のグラミーで、Best Pop Vocal by Duoも受賞した。73年の"Killing Me Softly With His Song"は彼女のシグニチャー・ナンバーになった。

79年Donny Hathawayの自殺にひどく落胆するが、彼女は新しいパートナー探しを余儀なくされ、それからPeabo Brysonとのデュエットで"Tonight, I Celebrate My Love"を生み80年にはツアーも成功させた。その後もMiles Davis やMaxi Priestをパートナーにアルバムを作り、最近ではチャリティを含めたコンサート活動を中心としている。

今夜のこの曲は、74年の大ヒット、甘い甘い恋の歌。彼女の数ある名曲の中でも1番のお気に入りなのである。暗闇のお散歩やレストラントのテーブル、恋人同士の素敵な夜が、涼しい風のようなメロディと蛍の淡い光に似た、柔らかな彼女の声でふんわりと目の前に浮かぶのだ。3分足らずの短い曲、でもその間に、遠い昔の、真夏の恋を思い出して胸を焦がしたりもするし、思わず、新しい恋に憧れたりもする。

彼女は世界中で「最も輝かしい才能に恵まれ成功したアーティストの一人」と謳われるが、私にとっては、ある時は天使のように心を癒し躍らせ、そして時折惑わせていく、コケティッシュな小悪魔にもなって、いつまでも側にいてくれるのだろう。

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いつも視聴して頂いている、コラムトップの1曲のほかに、今日は是非、彼女のホームページをお訪ねになってみてください。ゲイトで数曲の美しいメロディに触れることができます。

＊花火の多かった夜