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DJ Kennedy/life is damn groovy

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January 13, 2010
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カテゴリ:Homesick

You and I / Stevie Wonder



どの国にも、天運や神のお告げを記した小さな紙、というのがある。日本には、おみくじ。
運試しは1年の景気を占うようなもので、楽しいもの。悪ければ信じなければ良いのだし。

アメリカでは、チャイニーズのデリバリィをオーダーすると、届けられたお料理と一緒に
大抵Fortune Cookieがいくつか入ってくる。クッキー自体は、日本で言う「瓦せんべい」
のようなもので、決して美味しいものでもないし、実際好んで食べる人は滅多にない
と思われる。けれど、あのクッキーにはお菓子という肩書きよりももっと深い役割がある。

ちょっと可愛いあの形、両端を親指と人差し指で少し押してみるとパリッと割れて、中から
1x5センチ程の紙切れが現れる。その一片の白いメモには赤い文字で様々な事柄が
書かれている。その日の運勢、ラッキーカラー、そしていくつも連なる一桁・二桁の数字。
これはLotteryの為のナンバー。また、生き方を指し示すような名言が書かれてあったりも
する。私の経験から言うと、大半が哲学書からの引用のような重厚な言葉で、その日の
ラックを思ってわくわくするようなことは、殆どない。かと言って人の気分を損ねたり、また
落ち込ませたりするような言葉は見当たらないから、さすがクッキーに仕組まれた運命、
と思う。けれども、時としてこれが、本当に運命を知らせる天使の魔法になったりするから
驚きなのだ。この世にどのくらい不思議なことがあるのかは知らないが、これもその一つ。

Musicianの友人。オフィスへ運んでもらった今日のランチ、フライド・ヌードルのおまけには、
普段通り、2つのフォーチュン・クッキー。いつもなら、彼女は手にも取らず捨てて
しまうのに、その日は偶然何の気なしに、ひとつだけを割ってメッセージを取り出す。

You're going to be loved by someone you meet first today.
(今日初めて会った人に、あなたは愛されるだろう)

「可愛いなぁ」最初はこう思う。中学生の頃なら、本気で喜んだだろうと笑いたくなる。
次に「そうだ、これを曲に使おう。初恋の歌になりそうだ。少年の心情にもなる」そう思う。
そして、いたずらをするように彼女は今日をどんどん遡る。偶然手にしたクッキーの予言を
両手で押さえたまま、少し瞳を輝かせて、窓の外を眺めるでもなく眺めている。

今日、最初に会ったのは誰だろう?声を掛けられたのは誰だろう?

朝、エレベーターで一緒になったAlanだと気付く。美しいイタリア男性。彼で良かった。
彼女はお財布にこの紙切れを入れて、その夜にはもう忘れていた。それが7年前の9月。
次に彼女がAlanを意識したのはクリスマス。事務所のパーティで同じテーブルについた。
その時は、二人が同じ車に乗っていることで話が合い、終わりまでその場を楽しんだ。
それから、会えば軽く話をするようになり、2月。Valentine's Day、突然、彼から大きな
バラのブーケを贈られた。「初めて会った時から好きだったんだ」

本当は、彼女は彼に会った初めての日を覚えていない。フォーチュン・クッキーの日よりも
ずっと前で、ほぼ毎日顔を会わせていた。けれど彼女にとって初めての日は、間違いなく
あの日だった。二人の将来を告げられた、あの日。彼等はその年の9月に結婚した。
You're going to be loved by someone you meet first today.曖昧と言えなくもないこの
言葉がかけた魔法は、今も彼女にかかったままだ。

                          ***

さて、今年初詣の折に引いたおみくじは、6番大吉だった。信じて正直に努力をすれば
どんなこともうまく行くという今年の6番大吉だが、恋愛面にだけは暗雲が立ち込めている。
「待ち人 来る 連れあり」こんな言葉を私は初めて見た。もしこれが誰か片思いをしている
女の子の手にでも渡ったら何てかわいそうなことになっていただろう。しかし。そう言えば、
来月、学生時代の恋人に会うことになっている。私達は今から昔話に大輪の花を咲かせて
その日を待ちわびているが、まさか。もうずっと昔の恋とは言え、もし彼が、彼にお似合いの
可愛い女性を連れて来たとしたら、私はやはり、寂しいのだろう。






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Last updated  January 14, 2010 01:29:40 AM
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