Soul Saturday:The Best Love Songs for Drake's Valentine

February 6, 2010

テーマ：洋楽(3359)

カテゴリ：Soul Saturday

今年も必死になってValentine's Dayの準備をしている友人がいる。

彼は40を過ぎて独身を貫いて、いるわけではなく、どういうわけか
毎年この季節が訪れるととにかく必死になっている。

つまり、毎年別の相手に愛を贈っているのである。

彼は大手投資銀行に勤めるエリートで生粋のニューヨーカー、私から
見ればおしゃれにも問題はないし話題も豊富で優しいし、毎朝ジムに
通っているから体脂肪率など一桁台のモデル並み、「生活」を大前提に
おいてもまず大合格間違いナシのイイ男なのだがたったひとつだけ、
付き合った女性が誰ひとりとして受け入れられない欠点がある。

欠点、などと言っては彼が不憫なのだが、別れ際に必ず言われる
のだそうだ、「その欠点がなければきっと私達は幸せになれたのに」

彼が恋人と別れはしても決して別れられないのが「釣り」、海釣り。
とにかく毎週末、夜が明けぬうちに準備をして土曜・日曜と条件が
許せばぷいっと出掛けて行って帰りは夜が更けてから。となると、
デイトは必然的に平日の夜、仕事の帰りということになってしまう。

でまた皮肉なことに、彼の技術はかなりのもののようで、腕利き達も
ちょっと一目置く存在なのだそうだから面倒なのだ。大物とか珍魚とか、
仲間うちが全く知らない魚を釣り上げてきた日の彼の瞳ときたらもう、
7つ8つの少年のよう。誰も彼を止められない。分かっているのに、釣りの
話となるとどうにも抑制力が利かないのが困ったところと彼も認識している。

私達が知るだけでも0勝17敗。かなり負けが込んでいる。

けれどもそんな彼もここ数年、海が時化た日などは真剣に考えるのだそう。
このままで良いのだろうか。いや良いはずがない。自分の幸せを釣りだけで
終わらせてはあまりに人生、虚しいではないか。この負け癖もここで払拭
しなければ、永遠に真の幸福を得られないような気さえしてきた。

そうして今年彼が用意した秘策は、「バハマ・ダイビング7日間の旅」

一同溜息である。何がダイビングか。海に潜るどころか船に乗り込むに
決まってる。そしておそらく、付き合って半年の恋人は彼を置いて帰るだろう。
私達は口を揃えて「山にしろ、山に！せめて丘にしろ！」

彼は泣く泣くバハマを諦め、マサチューセッツのリゾートを予約した。

さて、彼の恋の行方は？今から彼以上にハラハラドキドキの旧友連。

ガンバレ、Drake!　これでも聴いてイメトレなさい。