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テーマ:ビールを語ろう(2297)
カテゴリ:Friday-Night Boom
25年前のKoko Marina ハワイのKona Brewering Co.はまだ新しい銘柄だが、飲んでみると、できて まだ15年の会社とは思えない馴染みやすさがある。特にLong Island Lagerは 後味の切れがバツグンによく、仲間うちではBBQにもってこいだと親しまれる。 ハワイがお好きという方は、日本は殊に大勢おいでで、かく言う私にとっても 3年半を過ごした彼の地は第3の故郷。けれど、「好き」も様々なのだろう。 私が好きなハワイは、繁華街を離れれば、昔も今も少しも変わらない、いつでも あの頃のままの姿で私を受け入れてくれるあの島の優しさだ。 今夜、この何ともノスタルジックなボトルを眺めながら、もう25年以上も昔の、 ホノルルでの最後の夜明けを思い出す。 "Honolulu City Lights"はハワイを出て行く哀愁を歌ったもので、島を離れる 人達が最後の夜に聴く歌として地元で愛されてきた。 また、ハワイ・マガジンが行ったランキング調査によると、ロコが選ぶベスト・ ハワイアンソングの、この曲は第3位に選ばれている。 現在のChinaman's Hat CDがこの世に生まれる前から、友達の誰かがホノルルを出て行くと言えばカセット プレイヤーを空港まで持って行き、深夜のゲイト前でしんみり聴いたりしたものだ。 そして、私にもホノルルを去る前の夜が訪れて、友人達が集まってくれた。 「どこでもいいよ、最後にどこへ行きたい?」 深夜、送別会が終わったクラブの出口で尋ねられると、私は、みんなで朝日が見たいと むちゃなお願いをし、途中寮に寄って大量のビアを車に積むと、ヴォルクス・ワーゲンの 大きなヴァン2台を連ねて、夜明け前に最後のオアフ島1周を敢行してくれた。 25年前のHonolulu from Diamond Head 小さな島は主要ポイントを網羅してもだいたい5時間もあれば1周できてしまう。 それとサンライズを計算に入れてみんなとの思い出の地に足跡を残し、空が 白み始める前に、Ala Moana Beachに戻った。 アメリカはビーチでの飲酒が違法なので、パーキング・スペイスに車を止め、 まだ暗い海に向かい、波の音を聴きながらみんなでグイグイとビアを飲み、 ずっと生活を共にして来た友人達と、出会った頃の話をしながらおいおいと泣き、 知らないうちに、皆眠ってしまった。 25年前のChinaman's Hat 気がつくと朝日はとっくに頭上にあり、思わず「さぁ、そろそろ(寮に)帰ろうよ」と 口から出そうになった時、11時のフライトを思い出した。 そうだ、私は今日、ここを去るのだ。「みんな起きて!」 確実に遅刻だった。 とにかく空港に電話を入れ、それから到着しチェックインを済ませるとすぐ、 スタッフからゲイトに連絡もしてもらった。何と小娘ひとりの為にこのフライト、 大幅に遅れた。最後だと言うのに、しんみりHonolulu City Lightsどころじゃない。 「早く」「走れ」「またね」「うん、また」そんな軽い返事で私は彼等に背を向けた。 ゲイトにあと5歩のところで、背後から親友コーリンが「待って、これ持ってって」と 1本のカセットテープを手渡してくれた。 ドタバタなままみんなに手を振り、視界が妨げられる程もらった様々な花のレイの 香りも手伝って、私はその時悲しい思いもせず、小走りに機内へ乗り込んだ。 やがて飛行機が離陸して、徐々に現状が迫ってくる。今の今まで一緒にいて、 いつもと同じ週末を過ごしているはずなのに、その友達はみな、もう手が届かない どころか見えない程に離れてしまった。 そしてふと、左手にコーリンのテープを掴んだままなのを思い出した。バッグから ウォークマンを取り出してテープを入れ再生すると、"Honolulu City Lights"と共に 彼のメッセージが流れ始めた。思い出話を少しと、メインランドで始まる私の新生活 へのエールと、終わりに、一生忘れられない言葉をくれた。 「疲れたら、いつでも帰っておいで。ここは君の家で、僕達は君の家族だから」 私にとってのHonolulu City Lightsは、美しい島オアフの思い出のみならず、 消えない友情を約束してくれた、友の温かい心なのだ。 Honolulu City Lights ハワイが誇る美しい歌声。 にほんブログ村 Thank you so much for all your support! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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