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11-13-2011 11:31pm in my den. Hopefully, I'll see you tomorrow night. The title of the next blog entry should be..um... "Fateful Birthday Gift". 母を歩かせるとドクターに約束しながら、手術の傷口が痛んで顔をゆがめる母を見ていると、とても「歩いてみようか」などと言えるわけがなかった。 珍しくはなのだそうだが、母は今日、熱を出して呼吸も乱れ、夢と現実の間を行き来しているように見えた。時折目を覚まし私を見つけると微笑むが、次の瞬間もう寝息を立てていた。そしてまた1分後には、「熱いの」と訴え、私は額のタオルを冷やしに部屋のバスルームに入った。 今日は気温が低くて水が冷たかったが、予め冷蔵庫に入れておいた冷水にタオルを浸していると、ドアの外で話し声が聞こえる。 「さぁ、起きて歩きましょう。今日が一番辛いんだから、明日はもっと楽だよ」 聞き覚えのある声は、昨日の、母の執刀医のひとりだ。最初私には彼の背中しか見えず、顔も合わせずに挨拶を交わし横を通り過ぎると、それまで熱にうなされ、横になっていてもだるいと訴えた母がベッドの上に座っているではないか。私は驚き、彼に詰め寄った。 「こんな手荒にしなくてもいいのではありませんか?とても痛いみたい」 これだから僕は患者さんに嫌われるんだよね」 苦しそうに座っている母を見て、私は徐に彼に言った。 「患者よりもむしろ、私かも知れない、今あなたを嫌いなのは」 「分かってますよ。大丈夫です」 それから、母を抱えて歩いてくれる優しくてとても可愛らしいナースと父、地獄の使者、と言うのは冗談。優秀で、患者思いの若き外科医外科医と私で母の歩行訓練にフロアを歩いた。その時思った。人は何て強いのだろう。昨日、おなかを切り開かれ大きな腫瘍を取り除いた高齢の女性が、12時間後には自分の足で歩いたのだ(母は早朝の検査に自分で出向いた)。 普段は全ての我が儘を平気で通してしまうあの母が、真剣な面持ちで、また痛みに耐え病気と闘う姿は、我が母ながらけなげで、とても美しかった。人には生に対する底力がある。 順調に回復が進めば、明日はもっと楽になり、その分また歩かされるのだそうだ。けれどそれが母の為。医師も言っていたが、ここでたった一日怠惰に過ごすことがどんなに恐ろしく取り返しのつかない事態につながっていくか。が、ここで数分頑張れば確実に彼女の人生を強靭にしてくれるのだ。やはり私は明日、もっと彼女のお散歩を積極的にサポートしなければと思っている。 最初の検査結果から今日まで、心に安らぎの時はなかった。誰かを頼りにしたいと思っても、母が私を必要とする限り、私が弱音を吐くことなどあってはならなかった。そんな中、医師の明るい笑顔と少しおどけた優しい言葉、そして母を支えるナースの愛らしい手に、私の緊張がどんどんほぐれていくのを感じた。私一人で母を守っているわけではない。それを知ることは、母にとっては一番の励ましであり、健康なくせに軟弱な私には何よりの救いなのだった。 そう言えば今日、ドクターは母を歩かせる時こうも言った。 「患者さんが治るなら、嫌われることくらい何でもない」 私は、彼ともう一人の主治医が必ず母の病気を治してくれると信じている。 昨夜は、「明日はどうかおしゃべりができますように」と祈ってベッドに入った。 今夜は、「明日はどうか痛みが消えて、もっとずっと楽に歩けますように」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 13, 2011 11:33:10 PM
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