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テーマ:Love Songs(54)
カテゴリ:Love Songs
ついさっき友人宅から帰宅。午前5時の東京。冷たい明け方の風の中に、確実に春のにおいがあった。NYの家にいると、特に郊外の家にいる時は、眼前に広がる池の氷が割れる音が私にとっての春の訪れなのだが、東京の春は風の中。これから暮らす北海道では何が春を教えてくれるのだろう。夢の国、ポルトガルでは?一度は行きたいタヒチでは? すると耳の奥でTodd Rundgrenが歌い始めた。大学2年のある3月の夜、男友達にドライブに誘われて岬に車を止め、話をしていた時にラジオから流れていた。とっくに忘れていたはずのある瞬間を人はいとも簡単に思い出せるものだ。記憶とは、なんて素敵なのだろう。とても仲の良い男の子で、確かその時、終わりかけていた彼の恋を相槌を打ちながら聞いていた。未練を浮かべた彼の笑顔は少し切なく、冗談を混ぜるとなんだか痛ましく、けれどその時間はとても心地良くて、哀れなような、それでいて清々しさも湛えているような、そう言えば春先は、青春時代の淡い恋みたいにぼんやりした甘さを持っているなと、電話の向こうのセバスチャンと話しながら家までの道を歩いてきた。 もう一度聴いて寝よう。夢の中で思い出の続きを見られるかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 25, 2012 05:32:37 AM
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