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テーマ:新撰組!(305)
カテゴリ:新選組!関連
麻の透かしの欄間から、灯りが漏れている。
遠い北の戦地からようよう逃げ帰ってきた市村鉄之助は、それから2年の月日を、ひたすら息を殺して隠れなければいけなかったのだろうか。 本陣は街道沿いにあったのだから、取締りの目は厳しかっただろう。 表に面した戸を開けることなど出来なかっただろうし、客間越しの庭は遠い。 煤けた天井の梁と戸板で囲まれた薄暗い部屋である。 皆を残して自分だけがこうして味方に庇護されている事を悔いたりしただろう。 他の者の今を想ったり、亡くした人を偲んだりしただろう。 何しろ恐ろしいほどの屈託の状況である。 それでも、欄間から漏れる光は、間違いなく彼を守る者の燈した灯りだったのだから、出来れば生き続けて欲しかったな。 なんて、想うのは、現代人だから云える事なのだろうかね。 ----------------------------------- 日野の本陣を再訪しました。 殆どあたしたちの他に誰も来訪者が居ないと云って良い程空いていた時だったので、幸いにもガイドボランティアの方を独占。 普段聞けない色んな話をして頂きました。 こちらのまるで容赦ない好奇心や質問にも全て応えてくれて、本当にありがたかったです。(ボランティアガイドさんでここまで対応力のある人材はそう多くは居らっしゃらないです。見事でした) 件の「市村が匿われていた部屋」には初めて足を踏み入れました。 最初は、うすぼんやりとした部屋の中を、ただただ漠然と眺めていただけでした。 「隣の客間へと続く仕切り戸の模様が、「えび満月」みたいでおいしそう」だなんて考えていた程、何の感慨も浮かばなかったのです。 だけど、 いずれも開かずの戸。今日の様に、良く晴れた日の街道は、とても暖かく、活気に溢れていただろう、その景色から遮断する戸の暗さ。 狭くて、身動きの全ての音が漏れ出てしまいそうな間取り(表玄関から然程離れていないから、迂闊に音を立てる事も出来なかっただろう)。 唯一他へと空いている、麻の透かしの欄間が、息を付くためのありがたいものなのか、外へ自分を知らせてしまう只のやっかいな穴であったのか。 こんなに綺麗な施しであっても、隠匿される者にとっては安らぎにならなかったのではないか・・・・・・。 一度周囲をめぐらせてみたら、一気に怖さがこみ上げてきました。 (眠い。読み直して無いので後日訂正するかもしれないけど、一旦送信) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 27, 2005 02:19:59 AM
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