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カテゴリ:書評
放送大学の学習センターでいろいろな科目の教科書を手に取っていて、面白そうなことを書いている人を見つけたので、併設の市立図書館で著書を借りて読んでみた。惜しくも60歳そこそこで先年亡くなっているが、通産省の研究機関にお勤めだった脳科学者である。
松本元著「愛は脳を活性化する」 100ページの薄い本だったがたいへん面白かった。エッセンスをまとめると・・・ 脳は、入ってくる刺激を「快」「不快」の二種類に反射的に分ける。 「快」の刺激を感じると、脳は活性化され、意欲が上がり、学習能力も増し、知性がよく働く。逆に、「不快」な刺激を無理に耐えてがんばっても、脳はその能力をフルに発揮することはできない。「好きこそ物の上手なれ」であって、逆に「気の向かないことは続かない」というのは、脳の構造から見ても合理的に説明できるわけである。 そして、他人とのかかわりなしには生きられない人間にとって、最高に「快」である刺激は「愛」である。もっとわかりやすくいえば、理解され受け入れられているという実感である。だから、「愛は脳を活性化する」といえるわけだ。 さらに面白いのは、脳はなにか目標をもち、その目標を「できる」と確信すると、活性化されて機能が上がるということだ。これって企業経営にも応用可能かもしれない。経営者が目標を掲げるだけでなく、従業員へのコミュニケーションによって、「この目標は達成可能なのだ」と信じ込ませることができれば、経営成果は飛躍的に向上するといえないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年10月15日 06時18分02秒
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