「サブウェイ123 激突」鑑賞感想
監督 トニー・スコット脚本 ブライアン・ヘルゲランド原作 ジョン・ゴーディ音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズキャストウォルター・ガーバー(デンゼル・ワシントン)・・この役名が粋ライダー (ジョン・トラボルタ)カモネッティ警部補 (ジョン・タトゥーロ)テレース (アーンジャーニュー・エリス)他あらすじ午後2時、ニューヨーク地下鉄運行司令部で働くガーバー(デンゼル・ワシントン)は、ペラム発1時23分の電車が緊急停止したことに気付く。しかも、その電車はなぜか1両だけほかの車両と切り離されて停止していた。胸騒ぎを覚えたガーバーが無線連絡すると、ライダー(ジョン・トラヴォルタ)と名乗る男が人質19名の命と引き換えに、残り59分で1,000万ドルを市長に用意させるよう要求してくる感想兎に角今年一番見たかった映画。すごく楽しみにしてました。とっても期待してたのですなにせオリジナルがあの名作「サブウェイパニック」名作のリメイクはほぼ失敗に終わる例が後を絶ちませんがだが、しかし!!!!!監督 リドリー・スコット出演者 デンゼル・ワシントン ジョン・トラボルタビックネームです。この絶対の布陣に死角無し!!!失敗なんかするものか!!という意気込みが製作者全員に見て取れる。その意気込み買った!!!とばかりにいそいそと見に行ったのですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。「NYの地下鉄が乗っ取られちゃって、もう大変!!!」という基本の設定以外はオリジナルとはほぼ別物の本作品。始終リドリー・スコット監督が切れ味のある映像と、スピーディな展開で物語を引っ張ります。デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの無線での丁々発止のやり取りも、さすがに見ごたえがある。本来ならば「及第点以上の出来だ!!!さすが老練な監督と芸達者な俳優を主役にしただけあり、見ごたえ充分!!」と褒め称えたいところですが、残念ながら世の中そんなに甘くなかった。確かに見ごたえはあるんですよ。特に犯人役のジョン・トラボルタが、ある事件についてデンゼル・ワシントンを追求してく場面なんか、どっちが悪でどっちが善か分からなくなるほどの迫力がある。実力のある俳優が共演しただけあり、演技合戦の部分だけ見れば本当に堪能できる作品に仕上がっている。しかしだ残念なことにこの作品はオリジナルを超えてはいない今ひとつ不満足で消化不良な出来に仕上がっているなぜか??まず、ノートPCで彼女とビデオチャットしてた白人の若いにーちゃんだとか、以前空挺部隊に所属していた黒人のにーちゃんだとか、機動隊員とか、色んな伏線をばら撒いておいて、しかしこの蒔いた伏線は投げっぱなしで回収する事はない例えて言うなら、ウナギを取りたくて川に罠を仕掛けて置いたのに、罠を回収せずに帰ってしまうような感じ??ウナギ食べれないじゃん、見たいな??ちなみに私はウナギは嫌いです。でも伏線は回収しないとまずいよね。仕掛けた罠も回収しないと働き損だよね。そして、この映画はほぼ主役2人の無線での会話のみで物語が進行していくのですが、他の登場人物である警部補(ジョン・タトゥーロ)とか市長(ジェームズ・ガンドルフィーニ)とかジョン・トラボルタの仲間達とかは何をしているのかというと、残念ながらほぼ空気。オリジナルと違って存在感がほとんどない。寂しい限りです映画って主役だけが目立てばいいって物ではないです。他の脇役の人たちもきちんと機能してこそ一つの作品として成り立つのです。これはオリジナルの「サブウェイ・パニック」を見れば一目瞭然です。それからこれが一番疑問に思ったのですが、犯人の犯行動機が今ひとつ釈然としない。また、犯人がなぜウォルター・ガーバーを連絡役に指名したのか今ひとつ納得できないのです。実はこの2点は劇中で一応語られるのですが、地下鉄を乗っ取った時の犯行の手口がとても鮮やかで、その結果犯人は切れ者という設定が観客に映像で見せられるため、余計に犯行の動機も連絡役の件も納得できないんですよね。少なくとも私は納得できませんでした。運行司令室でのデンゼル・ワシントンとジョン・タトゥーロの緊迫したやり取りとか、後半のデンゼル・ワシントンとアーンジャニュー・エリス(ガーバーの奥さん)の短い会話など演出にキレのある場所もあり、またオリジナル作品に対するオマージュが見受けられる箇所もちらほら見られるだけに、とっても残念な作品になっております。今回は出来ればDVDでの鑑賞が無難かと思います。