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2006.09.04
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カテゴリ:うつくしいもの


 部屋の棚にはその時々の自分の見たいものをいくつか出して並べている。ものを見たい来客の時にはその人に合わせ、また季節や気分に合わせて少しづつあるいは全部を入れ替えたりしながら眺めている。隣にあるもの同士というのは何でもよい訳ではなくそれなりに何らかの調和がないと見苦しいのでそういう取り合わせを探りながら楽しんでいるのである。それらは折々ここで紹介しているようなものもので、それは古いやきものなどのこともあるが、時に金属や木のものや現代の工場で作られたようなものなど時代も素材も産地も用途も何でもよいのだ。
 やきものを並べているとやきものに詳しくない方からしばしば「これらはご自作ですか」と尋ねられることがあるが自作を飾る趣味は無い。自分の仕事を日々眺めて反省することはいい勉強にはなると思うが、鑑賞するとなるとそんなものを見なくてももっとうつくしいものがいくらでもあるからそういうものを見るほうがさらに有益ではないかという気がする。やきものに限らず作家のところはたいてい作品があふれ返っているのが普通でこれはこれで仕方がないが、なかには自作を鑑賞のために飾っている人がいて驚かされる。よほど自分が好きな幸福な人だという気がする。
 琉球の瓦についてこれを手に入れた頃にここで紹介したどうしてか写真無しの文章をこの前見付けたが、ちょうど今並べていたところだったので遅まきながら写真を撮ってみました。

 そういうわけで瓦の話はくり返しませんが以前の文中で濱田庄司云々と書いている部分を只今確認したので補足しておきますとこれは濱田庄司著『無尽蔵』という本の中に書かれている話で、中国の明の時代の『天工開物』という本の挿し絵に当時濱田さんが見た沖縄での瓦作りの方法と全く同じ様子が描かれているという内容のことが濱田独特の生き生きとした描写で書かれています。ちなみに『無尽蔵』はたしか今は文庫本で手に入りますのでぜひご一読下さい。





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Last updated  2006.09.06 03:08:48
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