カテゴリ:やきもの仕事
多くの窯元や個人の作り手がそれぞれの意図で参加している陶器まつりですが、自分にとっては展覧会とは違う位置付けなので何をどう見せたいということではないのです。品物自体は先日も書いたとおりに登り窯ではどうしてもたくさん出来てしまう不上がり品や半端物や試作品などの特売が目的で、これは自分の付け値は安いつもりでも他の方からすれば特別安くもなかったにも関わらず持って行ったほとんどのものをお買い上げ頂きどこかで使って頂けるのでありがたいことだと感謝しています。
そういう品物のこととは別に陶器まつりに参加したのは一度野外で展示してみたいというようなことがひとつの動機でした。ところが抽選で自分が割り当てられた場所は人の流れからすればいい場所だとのことですが歩道の幅などの関係でつもりしていたテントを張ることが出来ないので仕方なく前日の準備日に現場で角材で組んで半透明の波板で屋根を作りました。こういう作業は窯屋根や薪小屋を作っているので慣れてはいるのですが、これが前もって頭の中で出来ていたものとは大違いの予想外のちゃちなものになったので相当気を落としたのは事実です。おまけに大変暑いと聞いていたその暑さは京育ちだしまあ予想内のこととは言え東山五条のいつも渋滞しがちの交差点でおまけに山科に抜ける高架の下とあっていつも居る生畑と比べてのあまりの空気の悪さに準備が終わった地点でもう早くもすっかり嫌気がしてしまいました。 ところが実際に4日間が終わってみるとなかなかこれは面白かったという気持ちになりました。こういう場だけにやきものに対する見方も実に様々な人が居るのです。大きさやかたちを目処にものを探している方、少しでも安く普段使いのものをと探している方、自分好みのやきものが何かないかと探している方などなど。たとえばいかにも京焼風のきっちりしたものを買う方はぼくのブースには立ち止まることはありません。招き猫やカエルの置き物を探す人にもご縁はないようです。こういうことがはっきり見えるのは実に面白いとおもいました。 蓮を入れるためのものを探していたという方には穏やかに叩いた面取りの白丹波風の瓶を選んで頂きました。スリップウェアをみつけて立ち止まり歓んで様々な紋様の中からお気に入りを丁寧に選んで下さった方もありました。ただ叩き伸ばした土の板を焼いたものを気に入って選んで下さった方もありました。赤土を薄く轆轤したシンプルな器は随分遠くへ旅立ちました。白い器の類もカップやボウルなどいくつもの食卓へと選ばれてゆきました。ほかにもたくさん・・・ありがたいことです。 そのような陶器まつりを見に来られた方々と共にまたやきものを作っている出品者の方々などたくさんの方と出会いいろんなお話をさせて頂いたことが本当に楽しい経験でした。 この陶器まつりには旧知の知人や友人も何人か参加しているものの皆かなり離れた場所だったのですが、初参加で様子も分からない自分に近くの出品者のみんなから大変親切にして頂いたことも忘れ難くありがたい想い出となりました。 最後になりましたがここでの告知を見て訪ねて下さった方も数人ありましたし、またお目にかかったその後に検索してここを御覧下さる方もあるかもしれません。どうもありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.15 23:44:41
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