スリップウェア 楕円鉢
スリップウェア 楕円鉢 2003秋,2008年春 w:22.3×15cm h:4.4cm(2番目のもの) イギリスの古いものにも時々見かけますが楕円の鉢というのはやってみると出来上がった結果はなかなか楽しいものです。このかたちはスリップウェアになかなか似合うような気がしますが、自分は実は今まであまりたくさんはしてません。2003年の秋の窯で初めて取り組んで、今回それ以来ひさびさに大中小と新たに型を起こして作ってみました。写真のいちばん手前と3番目のものが2003年の残りで、他4点が今回作った中型のものです。2003の時は長い間あれこれ試行錯誤を繰り返してきたスリップウェア作りの方法にもようやく一応の目処が立って、今は沖縄に移転したがその時は大阪の茨木市にあったギャラリー春秋さんで「前野直史のスリップウェア」という全点スリップウェアばかりでは初めての個展を開いていただいた時の直前の窯で、スリップウェアには基本的には釉薬は素焼なしで生で掛けるのですがこれをすると薄作りの小品は水分が廻ってかなりたくさんがかたちを崩してしまったので仕方なく内側だけに釉掛けするのをあきらめて内外共に釉薬を掛けた事を思い出します。今回もやはりそうでしたがすでに会期が迫った中でのギリギリの窯焚きで素焼をする時間はなかったのです。楕円鉢はまだまだいろいろ取り組んでみたい課題です。縞や格子はクラシックスタイルのスリップウェアでは基本中の基本ですが、かたちに合った紋様が美味くはまれば良い結果を残せそうな気がします。