カテゴリ:やきもの仕事
先日の京都烏丸夷川にあるギャラリーアールでの草萠舎展に出したものからいくつか紹介します。 写真はすべて会場で撮影した出品作ですがスペースの都合や写真を撮るにあたっての光線の具合など様々な理由で実際の会場での展示とは違っています。 うつわのあるものはまた手元に戻っているし、またあるものは今回お客様に選んでいただいたものです。 楽しんでお使い頂きお役に立てていれば、とこれらのうつわが生れてくる現場に立ちあった自分は願っています。 スリップウェアの紋様ですがやっぱり大きなものを扱うのはなかなか大変なのでこういう小さなものはいろんな意味で手軽ですから、例えば黄土と白泥の濃さのバランスなどの調子や自分の息遣いのリズムを試すのには具合がいいのです。 それで仕事のはじめに試し描きをするような感じでいろいろと何度も手がけて手慣れたものや新しい紋様をこういう小皿をたくさん準備して描いてゆくのです。 ぼく自身のスリップウェアの仕事の元になっているのは18-19世紀頃にイギリスで焼かれたスリップウェアですが、これにはガレナという鉛を含んだ鉱物を原料とする釉薬が用いられています。 これは現代では環境面からも健康面からも安心して用いることは出来ませんので、自分は東洋の伝統的な灰釉を用いたスリップウェアを工夫しています。 この釉薬は黄釉と呼んでいますが丹波は昔から黒豆の名産地でこれを収穫した後には豆の木の枝と葉っぱと豆のサヤが残ります。 これを頂いてきて焼いた灰を用いたのがこの釉薬で煙の少ない完全燃焼の窯で焼けばなかなか柔らかい風情の淡い黄色の釉薬になるのです。 鉛を用いた釉薬のような鮮やかで明るい色調はなかなか望めませんが、それでも灰釉には灰釉独特の表情があってこれはこれでうつくしいものだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.19 01:56:30
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