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テーマ:最近観た映画。(40141)
カテゴリ:映画
倍賞千恵子主演のプラン75という映画を見ました
政府により安楽死が法的に認められた社会 75歳以上の人は、個人の意思で安楽死を自由に選択できるようになった 財政上の理由からか、国としてはむしろ安楽死を勧めてくる 街中には、プラン75と書かれた旗がたてられ、無料相談所のようなところも設けられていたりで 高齢の相談者には、役所の職員達があたるのだが まるでオトクな保険でも紹介するように応対する 職員の一人を磯村勇斗が演じていた 彼は以前、綾野剛主演の「ヤクザと家族」という映画にも出ていたけど そこでの半グレ役がぴったりでしたね 秘めた心をもつ今風の若者を演じさせたら光る しかし今回はかなり反省気味で真面目さのある役 自分の叔父がプラン75の申し込みに来たあたりから 法のマシンとして働く自分の仕事に違和感を覚えはじめる 一方、アジアのほうから日本に働きに来ている子持ちの女性も話には登場する 子供は重い心臓の病のようだ 自国の人たちの集まりで、その子の治療にかかる費用の助けを求める場面があった 大事にされる小さな命 それを放ってはおかない周囲 人と人との関係が乾きつつある現代の日本人とは、対象的な構図で描かれていた さて、主役の倍賞千恵子は 死を選ぶのか、それとも生き延びることを選ぶのか そもそも生きることの理由とはなんだろう そこに明確な理由はあるのか 人は社会をまわすためだけに生きているわけではない ただ生きたいという本能があるから生きているのか それだけでもなさそうだ 以下ネタバレ 倍賞千恵子はプラン75を選択する 決められた日に、施設で、死の床について横になっていた すると、カーテンの隙間から隣のベッドにいた男性と一瞬、目が合ってしまう その男性はいま薬を注入されたばかりで、だんだんと目を閉じて、そのまま眠るように息絶えてしまう その一部始終を見ていた倍賞千恵子は、びっくりしたように床から起き上がる 眼の前で死んでいく人を見て、いまさらながら死ぬことに抵抗を覚えた 人に見られる、ということは自分が生きていることの証なのかもしれない 自分に向けられていた視線のひとつが確実に失われることで、寂寞たるものに襲われたのだろうか 死んでしまえば、自分への視線はこの世からまったく無くなってしまう・・・ 彼女は施設をあとにして 帰るあてもなく、さまよい歩く 道端で、ふらふらとした足取りで柵によりかかり、夕日を眺めるシーンで話は終わる そのときに、小さくかすれた声でこの詩をつぶやいていた 彼女のカラオケの十八番でもあった 塩山にて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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