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テーマ:最近観た映画。(40145)
カテゴリ:映画
「ロスト・ケア」という映画を観ました
松山ケンイチの演ずる介護職の人間が、自分の担当する痴呆症の老人を40人近くも殺してしまうという話 この大量殺人の事件を扱う検事役が長澤まさみ この二人が対面しての、突っ込んだやりとりが映画の見どころとなっている とはいっても、松山ケンイチの方が圧しているのだけど 人殺しなのにね 演技のレベルも松山ケンイチのほうが一枚上手でした 彼はふだんの仕事ぶりも完璧で、後輩からは憧れの存在でもあった 若くして老成した宗教家のようなような さらには、純粋すぎて、天国か地獄へ突き抜けてしまったような しかしその松山ケンイチをさらに上回るのが、彼の父親役の柄本明の演技でした そこまでやるかという・・・ やはり痴呆症の役でした 柄本明はいつも怖いくらいの演技をしてくるので、和製アンソニー・ホプキンスといってもいいだろうか いや 越えているかもしれない 息子の柄本佑もなかなかの曲者 シン仮面ライダー2号はよかったです 人造人間という極めて異色な役柄を簡単に飲み込んでしまうようなところがある いわゆる懐の深さといったものではなくて なに考えてるんだか なにしでかすのかわからないような闇の深さなのだな 柄本家は親子でいい味を出してきます 話を戻すに 松山ケンイチは、自分は人を殺したのではなくて、救ったのだ、と言う 手前勝手な言い分だ、というのが常識だろうけど 彼も父の介護で死の苦しみを味わっていた 父は自分を殺せとも彼に言っていた それが彼のその後の行動のベースともなっている だからといって・・・ 検事役の長澤まさみは正論を語るが どこか空疎に聞こえる それは彼女の心の中にも迷いがあったから 話に驚きの展開というほどのものはなかった ひょっとしたら、こんなこともありうるだろうかと たぶん 観る人も ほんの少しは想定していたはず 劇中には聖書の言葉も出てくる だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。(マタイによる福音書7章12節) これは前回の安楽死の問題にもつながっていきますね 松山ケンイチは事件の裁判のときに、傍聴席から「人殺し!」と罵声を浴びていた とりあえずは、そういうシーンも入れておいた、ぐらいにしか見えなかったけど 親を殺された人達のひとりを、坂井真紀が演じていた シングルマザーで、子育てと母親の介護に挟まれて二重苦、三重苦の生活を強いられていた 彼女は自分の親を松山ケンイチに殺されたことを知って、ひどく驚きながら、救われた、とも語った 彼女は親の死の後に、再婚の話も進む 自転車の後ろに娘を乗せながら、幸せそうに歌を歌っていたシーンもあった 再婚相手は、一見さえない男だが、以前から彼女の苦労を知る人で、かげながら支えてくれてもいた 僕は君よりずっと年上だし、親のあんなこともあったし、気がひけるんだ・・・ てなことを男性が言うと、坂井真紀は 私はそんなに立派な人間じゃないんです 迷惑かけたっていいんです・・・ と笑みを浮かべて答えていた 坂井真紀のナチュラルで救いのある笑顔と、柄本明のまるで救いようのない演技が、主役の二人に勝って印象に残る映画でした 強烈な明暗 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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