TVで特番も組まれていた、話題の細田守監督作品『バケモノの子』を、昨日観てきました。
公開2日目の朝一番の回だったこともあり、
館内は中高生のグループがとても多かったです。
両親が離婚し、母と暮らしていた蓮は、交通事故で母を亡くす。
父親はどこにいるのかわからない。
引き取るという母方の本家の申し出に反発して飛び出し、渋谷の街の中へ。
そんな一人ぼっちの少年が、熊徹(バケモノ)と出会いバケモノの世界(渋天街)へ。
力はあるが人徳に欠ける熊徹だが、バケモノ界の次期宗師候補の二人のうちの一人。
一人ぼっちの少年と、やはり一人で生きてきた熊徹が、
反発しあいながらも、少しずつ信頼しあい、お互いに成長していく。
そして、互いにそうとは認めないが、いつか師弟を超えた親子の関係になっていた。
そこには、二人を見守る熊徹の数少ない仲間が、家族のように寄り添っている。
人間は心に闇を持っていて、闇に取り込まれる。
九太(バケモノ世界での蓮の名前)がバケモノ世界で過ごすことにより、
誰も気づかないところで、密かに闇に取りつかれた者がいた。
特番や宣伝では、熊徹のハチャメチャな感じや、闘技場での対決シーンが取り上げられていました。
CGとか特撮技術的なことに、全く疎い私は、
その手の番組をみていなかったら、どこがすごいのかさっぱり???
特番で監督やスタッフがとても拘った点、シーンについて予備知識を入れていたので、
ああ、これが例のシーンだ。
確かにここは凄くリアルだなあ、等と思いながら観ることができました。
最終的には感動物だと思っていたので、最初から手にはハンドタオルを握っていましたが、
ダダ泣きタイプではなく、じわじわと涙がこみ上げてくる映画でした。
熊徹と九太の互いに認めようとはしないし、はっきりとそうと意識しているわけでもない信頼と思いやり。
蓮と実父との互いへの思い。
猪王山(もう一人の宗師候補)と一郎彦。
それらの関係を見守り支える家族と仲間。
血のつながりだけではない親子、家族を通して、
本来あるべき親子、家族の姿が描かれているようです。
昨今、実の親子の殺伐っとした、信じられないような事件が日常的にニュースに流れます。
そんな現代社会への警鐘のようにも思います。
さて、声優さん達ですが、本職の声優さんではなく、役者さん達が大勢起用されています。
何度も声優をされていて、聞いていて全く違和感がない方もいますが、
何だか固くて棒読み的な人も必ずいます。
残念ながら、今回もそうでした。
本職の声優さん、ベテラン役者さん、若手の役者さん、駆け出し役者(タレント?)さん。
これだけ混じると、やはり違いは顕著です。
ジ〇リ作品なんかもそうですが、これってやはり話題性や売り上げに関係するから、
決して上手ではない、カチコチ棒読みでも旬な役者さんを使うのですかね。
役者として若手役者が演じて下手くそなのは修行中ってことで納得するのですが、
他の領域(役者領域の一部です、というのかもしれないけれど)でそれではチョット・・・
製作者がイメージにピッタリだ!というのを聞いても、どうもイマイチ納得出来ない