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カテゴリ:宝塚・観劇・鑑賞etc.
東急シアターオーブ公演「DEATH TAKES A HOLIDAY」を先日観てきました。
月組、もっと言えばれいこちゃん(元月組トップスター月城かなと)ファンにとって この作品はかなり思い入れのある作品。 れいこちゃんのサヨナラショーに2曲使われ、 内1曲「Alone Here With You」はラストナンバー。 いつかは外部、宝塚での再演もあるだろうとは思っていましたが 退団3か月もしないで再演がきたか・・・ あーもう観たくないっ、観ないもんね。 と思っていたのに、グラツィア役に美園さくら えっ、さくらちゃんがヒロイン 舞台に戻ってきてくれるの それならば何としても観たい、絶対に観たい。 あの美声がまた聴きたい。 チケット発売とともにさくらちゃん回を取りました。 ここ数年はほぼ宝塚で外部舞台はごくごくたまに観る程度になっていました。 ところで、主演の方はどなた?レベルの私。 調べてみたら旧ジャニーズWESTの方とな。 しかもミュージカル経験浅いようで・・・ 生田先生ーーーーのせいではないけれど、正直、マジ?と思いましたよ。 更に調べてみると旧ジャニの中で歌が上手いのはどのグループかという ネットのランキングでWESTは2位。 とはいうもののこのランキングさあ・・・ 私的には全く納得のいかないグループが上位に複数いて当てにならないな。 が、小瀧さん184cm(ここ大事♪)で小顔しかもどこかで見たお顔。 ああっ「鹿楓堂よついろ日和」で主役やってた人だ。 あれ面白かったよ、と何故かこんなことでちょっと期待値があがる。 なーんて思っているうちに観劇日がやってきました。 さて、観た結果、月組版を上書きされたかどうかといいますと 私は「されませんでした」 何故かと言えば、海外ミュージカルですから曲は同じだけど演出が全く違う。 どちらが良いかとかではなく、主役の役作りが明らかに違うから。 死神が最初に登場したところから、あれ?と思ったのですが、 一番わかりやすいところは、死神登場シーンとランベルティ公爵邸を訪れた時。 れいこちゃんは死神として何千年も休みなく仕事をしてきて疲れ切った感を出していた。 小瀧さんは人外な死神だからか、疲れたといいつつもそんなに疲れた感はみせない。 どちらも生田先生と役作りを相談されているでしょうし、どちらが正しいとかはありません。 ミュージカル界の新星と男役15年目で退団を決意し集大成を迎えようという役者の解釈、役作り、 役者に演出家が求めているものが違うのだと思いました。 それ以外にも、大分違うところがありましたので、 同じ作品だけれど別物だなと思うことが出来ました。 さすが生田先生、ありがとう では、さくらちゃんについて。 登場した瞬間、ああっ可愛い そしてやっぱり美声~ 待っていましたよ、学業を終えて舞台復帰、おめでとう ただ立っていてもヒロイン感たっぷり。 トップ娘役になる前はこんなにヒロイン力があるとは思わなかったけれど 「I AM FROM AUSTRIA」のエマを演じたところからヒロイン力爆発だったな。 またさくらちゃんが舞台に立つ姿を見ることが出来て幸せ。 退団後も歌のレッスンはしていたとのことで、全くブランクを感じませんでした。 宝塚メイクがなくなった分、ナチュラルな可愛さが増していましたよ。 そして、主役の小瀧死神の登場。 乗っているのはゴンドラ? ゲネプロの写真を見ていたので衣装が違うのは知っていたけれど 月組版の方が死神感が強い衣装。 小瀧さんもマスクをしているけれど顔がそれなりにわかる。 月組版は顔はほとんど見えません、れいこの顔を隠すなんてとの声もありました。 小瀧さんの歌声、あら~張りと伸びのある良い声、活舌も良い(これ大事)。 先にも書きましたが、若い死神という感じ。 それはランベルティ公爵家を死神の姿で訪れた時も同じ。 疲れたんだと言いつつも、歌声、姿勢に疲れた感じはあまり出さず、全然体力ありそう。 メイクは特に死神を意識したメイクではなく 小瀧さんという個がイケメンというところを見せている感じなのかな。 れいこちゃんは男役にしては色白メイクにして人外感をだしていました。 そしてですね、月組版ラストの白い衣装はありません。 あれはやはり夢夢しい宝塚の世界観に合わせた衣装ですね。 死神に戻ってグラツィアを死の世界へ連れて行くというよりも、 死神とグラツィアが昇天していくようなそんなラストです。 ここまで違うと、やっぱり同じお話だけれど比べるようなものではないのです。 あ、そうそう「もう握手しても大丈夫」とランベルティ公爵に言うところ 小瀧版ではウインクはありませんでした ね、大分違うでしょ。 幕開き、第一次世界大戦の映像とナレーション。 ここからもう雰囲気が違うなと思ったのですよね。 月組版はおだちん(風間柚乃)の割と抑えた声で、若々しさい感じではない。 が小瀧版はかなり若い感じがする。 プログラム買っていないのだけれど、どなた?小瀧さんなのかな? フィデレはふくよかな宮下雄也さんで、とても華奢なやすくん(佳城葵)と同じ役をやるの? 見た目からして違い過ぎてその時点でぷふふとなるくらい。 お声はふくよかな身体中に共鳴させたとても良いお声でした。 やすくんは恐怖のあまり日に日に目の下の隈が濃くなりやつれていきますが それ以外のビジュアルは秘書としての品格を保っています。 宮下フィデレは目の下の隈に加え、髪も服もかなり乱れて品格はもうなかったな。 それから、死神があと数時間で旅立つ雨の庭で、宮下フィデレは雷に打たれていない 打たれた設定なのかもしれない?けれど、そうは見えませんでした。 どこか近くに雷がバリバリ鳴ってるねと言う感じ。 やすくんフィデレには明らかに雷が落ちて、それでもピンピンしている。 これも死神の休暇中だからだよねとなるところなのにな。 ロベルトの部屋は小瀧版の方が好き。 ロベルトが遊んでいた人形は、母親役の月影さんがずっと持っていました。 そう、月組版もそうすれば良かったのに。 このシーン、月組版ロベルトを大の男が演じたらかなりイタイ いや、タカラジェンヌが演じていてもちょっとね、だったので変更されていて良かったです。 このシーンに入る前の、男女の使用人トリステーサとフェリシオ。 月組版は公爵夫人を心から心配する真面目な二人ですが、小瀧版フェリシオは真面目ではなさそう。 等々、ぱっと思いつくだけでもたくさん。 その他、思ったこと。 宝塚の大道具さんたちって本当に凄いんだなと再確認。 同じ劇場だからなおのことそう思うのですが、とにかくセットが豪華だし 舞台転換もスムーズで美しい。 階段は螺旋階段で雰囲気があるし、黒子がいても目立たないようにしています。 それに比べると今回はセットが残念だし黒子が悪目立ちしすぎです。 死神が乗るゴンドラも後ろに黒子が複数人いて綱を引っ張っているのですが 2階席だったこともあり丸見えで、かなりがっかりでした。 月組版の出演者は芝居巧者、歌うまがそろっていたなあと改めて思いました。 というのは外部公演と比べるとそこはどうしても男役と男性の違いがあります。 体格、体力・声量全てが女性が演じる男性です。 そして女性役も並み居る候補の中から選ばれた人たちで実力のある人ばかり。 それでも、男役は芝居力でねじ伏せ、娘役は同じ土俵に立っても芝居、歌に全く引けを取らない。 月組版メインキャストには新公含め主演・ヒロイン経験者が揃っていた。 脇を固めるキャストもその後新公主演した人の他、歌うまと言われる娘役が複数。 さちかさん(白雪さちか)の芝居の上手さは言わずもがな、 りりちゃん(白河りり)の歌は即外部でも通用するレベルです。 なんてこともあって、すんなり別物でどちらも素晴らしいと受け入れられたのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.07 13:29:50
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