「もみの木」 絵本は誰のもの?
絵本は絵を描いた人のもの?お話を書いた人のもの?うらわ美術館に「ぐりとぐら原画展」へ行った時に話題になった。たとえば、「ぐりとぐら」に別の作者が絵をつけたら?ちがうねずみじゃ、「ぐりとぐら」にならないよね。だけど、あのねずみに、別の話がついたらどうだろう?それもまた、「ぐりとぐら」じゃないよね。グリムやシンデレラ、むかしの話はいろんな人が絵をつけてるそういうのはどうなんだろ大阪の平成中村座のお茶子ちゃんが感動したと教えてくれた「もみの木」 そこで、この本で検証してみました♪同じアンデルセンの物語をきいてイメージがそれぞれなのが面白い。【送料無料】もみのきH.C.アンデルセン 作 竹下文子 文 西巻茅子(わたしのワンピース作者) 絵 もみのき 岩崎出版H.C.アンデルセン 作 木村 由利子 訳 スベン・オットー(1978年アンデルセン賞受賞画家) 絵 もみの木 ほるぷ出版【送料無料】バ-ナデットのモミの木新装版価格:1,365円(税込、送料別)H.C.アンデルセン 作 ささき たづこ 訳 バーナデッド 絵バーナデッドのモミの木 西村書店同じお話なのに、だいぶ雰囲気がちがうでしょ。絵のタッチも好みが分かれるかも。バーナデッドだけ、「バーナデッドの」と冠しているのはアメリカの女優さん(アニーの映画でリリー役を演じている)だから。このお話は、ある森の中でもみの木で生まれウサギに飛びこされるほど小さかったけれど、大きくなる夢を持ちそのうち、噂で聞いたように美しく飾りたてられ、皆から喜ばれることを夢見て、それが運よく叶って町へ連れて行かれる。華やかにもてはやさるのはつかの間。クリスマスが終わるとネズミの出る物置にやられ最後はマキになって燃やされてしまう。いかにもアンデルセンでしょ。切ない。物語を変えてはいないけれど バーナデッドは表紙と裏表紙の裏、見返しと言うのかな、表紙を開いて最初のところと最後、森の絵を丁寧に描いている。大きな木が何本もそびえ、リスなど小動物が遊んでいる。枝には小鳥が止まり、小さなもみの木も生えている。表も裏も同じ絵なんだけど、だからよけいに再生というか輪廻というか、死んで終わっていないで、また新たに甦るというメッセージを感じて、バーナデッドが悲しみを和らげてくれた。アンデルセンと言えば、いわさきちひろさんもアンデルセンの絵本を描いている。オファーがあった時、想像でなく、ほんとうの絵が描きたいと(そんなニュアンスだったと思う)実際にデンマークまで行ったというエピソードがあって、有名で実力ある人なのに描くことへの情熱、その真摯な想いに打たれたことがあったな~と思いだした。