ホンマカイナ教授による大宝令レクチャー最終回☆の巻
榊原アナウンサー(以下アナ)「えー、本間教授のお話の続きをうかがう前に、まずは先ほどの税制度その2の図を出してみましょう。 衛士まではご説明いただいたので、最後に防人(さきもり)ですね」本間教授(以下ホンマ)「はい、防人は最前線にあたる北九州の防衛を任されていました。ただこの防人は全国から集められたワケではなく、もっぱら東国…今の関東地方ですな、ここから補充されていたのですよ」アナ「でも勤務地は北九州ですよね?距離的に近い西側の国々からはなぜ集めなかったのでしょう?」ホンマ「唐・新羅連合軍にボロ負けした白村江(はくそんこう)の戦いがありましたね。あの後、中大兄皇子によって国土防衛が強化されましたけど、そのために駆り出されたのはまさに西国の人々でして、これ以上負担をかけないよう、東国から兵士を寄せ集めているんですよ」アナ「なるほど、そういう事情があったんですね……しかし、東国からはるばる遠く、防人たちはさぞつらかったでしょうねえ」ホンマ「察するに余りありますね。しかもこれまた、勤務年数がイイ加減でしてなあ、働き盛りのお父さんが防人として出立したところ、白髪の老人として帰ってきた……なんて悲劇も少なくなかったそうですよ」アナ「(目をまん丸にしてため息)はあ……まるで浦島太郎のようですねえ……」ホンマ「ではここで、防人たちの悲痛な歌をいくつかご紹介してみましょうか。韓衣(からころむ)裾にとりつき泣く子らを 置きてそ来ぬや母(おも)なしにしてやもめのお父さんなんでしょうな。防人として出発しなければならない自分の裾に、しがみついて「行かないで」と泣く子どもたちを、置いてきてしまったよ……。きっと赴任先でも子どもたちの泣く顔を思い出しては、ひそかに涙していたのかもしれませんね。わが妹子(いもこ)がしぬひにせよと着けし紐 糸になるとも吾(わ)は解かじとよこちらは愛する妻への思いがこもっておりますな。妻が「これを見たら私を思い出してほしい」と夫の衣に着けた紐。対する夫も、その紐が長い間にほつれて糸になっても、自分は決して解くまいぞ、と強く心に決めていますね。結んだ紐というのが愛のあかしだったんでしょう。この他にも『万葉集』には防人の歌が多く入っていますので、興味をもたれた方はぜひご覧いただきたい。今はもう名前が残ってなくても、ここにはそれぞれの人生がギュッと凝縮されているのですからなあ」アナ「(どこらへんが彼女のツボに入ったのか分からないが、モーレツに感動している)今、やっと、本間教授をお呼びして良かったと思いました。私、感動しました!どうもありがとうございます!」ホンマ「今やっと、って言われても……もう番組は終わりですぞ~~!!」ヒューズ・ジュニア「よ~し、カット!!まあまあ良かったぞ~~♪」不比等氏の会見からホンマカイナ教授のレクチャーまで、ご覧いただきありがとうございました。なんかすっごく長かったよーな気がするなあ……大宝令だけでこんなに引っ張るとは予想してなかったです^ ^;次回はふたたび本線にもどって、(たぶん)飛鳥時代ファイナル☆になると思います。ではでは~~!(今日で開設二ヶ月を迎えました。ご訪問して下さる方々、コメントを寄せてくださる方々、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします^-^)やっと大宝令脱出!もしよろしければクリックお願いします♪人気blogランキング