不動産のお話
不動産仲介の三鬼商事が10月8日に発表した、9月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビル空室率は7.62%(前月比+0.205pt)に上昇。8月は前月比横ばいだったが、小幅ながら再び悪化した。大型ビルの募集面積が増えたが、企業のオフィス縮小の動きが緩和していることから、空室率上昇もそれほど拡大しなかったという。9月に都心5区で開業した主な大規模ビルは「澁澤シティプレイス蛎殻町」(延床面積15,735平方m)のみであり、既にみずほインベスターズ証券の一棟借りが決まっている。ちなみに、ドイツ証券では、9月は事業年度末の来年3月に向けて、オフィス移転をするテナントの解約予告が増えるとみていたが、ほぼ横這いで着地したことは、ポジティブと指摘。足元で新築ビル空室率がほぼピークアウトしたと考えても良さそうとの見解を示した。UBSでは、東京都心の空室率の今後数ヶ月でのピークアウト期待は徐々に市場に広まりつつあると指摘。問題はピークアウト後の改善ペースで、景気の先行きに不透明感が残る現状では、横這いに近いゆるやかな改善と見ざるを得ないとの見解を示した。