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テーマ:演劇だって仲間に入れて(80)
カテゴリ:演劇
初演は1982年7月。このとき私は【かげの砦】という舞台で全国をまわっていた。 2幕目が書き加えられての公演もこの年12月。このときも【かげの砦】。 以降、観られるときもあったのだろうが・・。TV放映のみ観て済ませてしまっていた 話題の公共ホール「座・高円寺」で観ることができるなんて、超~~ラッキ~~~ 「せりふの時代」に登場している山田区長の話によると、 「いま、日本全体の景気が落ち込んでいますが、でもだからこそ、こういうものが必要なんだと思います。」 「こういう厳しい時代には、好きでもないことにお金と時間をかける余裕はありません。自分たちの得意なことや好きなことを推し進めていくべきだと思うんです。」 きっかけは、6年前、老朽化した高円寺会館の立て替えが決まった時、杉並区在住の演劇人が区役所に行って「ここを演劇の発信地にしたい。」と訴えたことからだという。 やっぱり行動しなきゃ状況は切開かれない。当たり前だけどね~~~ ともあれ【化粧】だ。 開幕と同時に私の左隣二つ目の女性が携帯と取り出し、電源を切った。「チャラリララ~~ン」と音が鳴る。 私の隣の連れに「へへへ・・」と照れ笑いを見せ、物音一つ立てずに女座長が寝転んでいる姿を見守る会場内で、携帯をバックにしまい、またもや「ジーーーーーーーッ」と音をたててバックのファスナーを閉めた。 そんな場内の動揺は物ともせず、芝居は始まった。 間もなく取り壊される芝居小屋。女座長は一人でも多くの客が入ってくれるよう、この芝居が引き続き打てるよう、準備に余念がない。 始まってすぐ、「せりふの時代」のインタビューで美佐子さんが語っていた場面が来た。 初演から27年、時代の変遷に従って言い換えている台詞。 「跡地に何が立つんだ。」 最初の頃はマンションで、それがスーパーになったりパチンコ店になったり。 今回の言葉も美佐子さん自身が考えたそうだ。 聞いて、「あ、な~るほど、しゃれてるな!」って嬉しくなって笑いたかったんだけど、まだ客席は硬さが抜けなくて誰も笑わず・・。不発に終わってしまった 一人芝居だが、一座のメンバーに次々と注文を出し、芝居の稽古をつけたりお茶を入れてもらったり・・・。これが最後のどんでん返しにキョーレツなインパクトとなって残る。 ともかくすごい芝居である。 ほとんどしゃべりどおし。 時に観客にも語りかけるし客席に降りていってまで芝居する。 「手品」も使うし。 初めてTVで劇場中継を見たときは、化粧をしながら芝居をすることにびっくりしたのだが、それから更に更に進化している。 一座をひきいる座長として、女として、そして大いにワケアリの母としての強烈な葛藤が彼女の身を翻弄する。現実と芝居の筋立てとが絡み合う。 井上戯曲の凄さ。 上演時間 1時間30分。 終わって鳴り止まぬ拍手の中、息を整えながら渡辺美佐子さんは観客に語りかけ、お礼を述べてくれた。その姿にますます感動してしまった。 この日記にも書いたけど、日本新劇俳優協会で中村美代子さんのお話を聞く会の時に美佐子さんもいらしたわけだが、失礼ながら少しお年を召されて、今回の舞台は大丈夫かしら、などど思ったものだ。 これだけの芝居をこれだけこなす体力、集中力、気力。日常生活でいろんな楽しい事をそぎ落とさなければ、こうはいかない。 パンフレットを見て驚いた。以前フランス公演をした時にはフランス語を特訓してフランス語でやったという。知らなかった~~ありえない~~ 努力できる人って最高に素敵だ 残念なのはまだ空席があったこと。観なきゃもったいないよ 今月一杯やっているから是非是非観るべし観るべし 座・高円寺チケットボックス 03-3223-7300 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月08日 13時03分47秒
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