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テーマ:演劇だって仲間に入れて(80)
カテゴリ:青年劇場
昨日、青年劇場で「臨界幻想」のリーディングがあるとの事で、行ってきました
前にも書いたけど、「臨界幻想」というお芝居は今から丁度30年前に上演された作品なんだ。 作者はふじたあさやさん。当時の演出はもう亡くなられた俳優座の重鎮・千田是也先生だった。 新宿御苑前のスタジオ結に行くと、イスが客席と向かい合わせに並べられていて、総勢24、5人ぐらいの出演者が整然と座っている。 緊急の企画だったけど、 客席はほぼ満員状態だった。 リーディングだから動いたりはなしで、台本を持ったまま読む形式。 作品の冒頭は、原発で働いていた若者の臨終シーン。 彼の死因は「心臓麻痺」 医師も会社も「もともと心臓に問題があったんですねぇ・・」と。 これに疑問をもった母親と青年たちが、本当の死因を調べはじめ、そこに様々な妨害が加えられていく。 「息子は何故死なねばならなかったのか」 一途な母の思いが胸に迫る。 ドラマは、原発の仕組みや、技術の問題点、原発ジプシーといわれる下請け孫請けの労働者の実態なども浮かび上がらせながらすすむ。 そして最終盤では、「安全だ、安全だ」と繰り返していた原発の格納容器から高濃度の放射性物質を含んだ冷却水が外部に漏れ、町はパニックに これが30年前に上演されていた芝居だ。 今起こっていることとまるっきり同じで、背筋がぞっとした。 終わってから誰かが言ってた。 「30年前に判っていたことで、今判らないことがまだまだあるんだろう」と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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