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2012年02月21日
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カテゴリ:映画
いや~~ダッシュ
なかなかエンジンがかからなくて、すっかりご無沙汰してしまいました。


やっぱり「書きたい衝動」がないと書けないのよねわからん

それに、楽天ブログも使い方がころころ変わったりで、中高年は対応するのが億劫なのよぷー・・・ちょっとだけ、文句ヨ!怒ってる

で、ようやく書きたいネタが出てきたんだよね。

来月青年劇場が公演する「野球部員、舞台に立つ!」の原作本、「野球部員、演劇の舞台に立つ!」を、先日涙うるうるで読み終えた。
これ、実話なんだよ。まったく、イマドキ、「奇跡」を感じちゃったんだ。
これ、ちゃんと感想を書く予定でおります。今日は書かないの。
というのは・・・


さっき、新聞の紹介記事で、新宿武蔵野館で上映している「ポエトリー アグネスの詩」が良さそうだから、明日のレディスデーに是非観にいかなくちゃっ!と、ネット検索パソコンしてみたら、これまた本当に良さそうだから、観にいくことに決めたんだけど、観て見っぱなしジャいけないな、ちゃんと感想を残さないと・・と考えていた。

そうしたら思い出したんだよ、先月、「ヒミズ」を観たことを!!

だからそれの感想を、今日は書くことにしましたえんぴつダッシュ


  • 20110823009fl00009viewrsz150x[1].jpg



ヒミズ  

元々は古谷実氏の漫画が原作。それを映画化しようとしていた矢先の東日本大震災。
園子温監督は急遽脚本を書き換えた。
監督は若者の「終わらない日常」より「終わらない非日常」を描きたかったと何かの際に言っていたけれど、大震災によって未だに「非日常」を過ごさねばならない状況と、この作品の二人の中学三年生の「非日常」は、まったく重なるものがある。

ここで描かれるのは「凄まじい暴力」と「大人の身勝手」

主人公の住田くんの母親は小さなボート小屋で一緒に暮らしていたが、息子を部屋から追い出しては男を招きいれ、そのうち息子をほったらかしにして駆け落ちしてしまう。
蒸発していた父親は、戻るたびに息子に金の無心をし、暴力をふるい、繰り返し繰り返し言う。
「おれはおまえなんか要らないんだよ、何で生まれてきたんだ、お前が生まれてきたおかげで俺の人生はめちゃくちゃだ、死ね!」

住田くんに心惹かれているクラスメイトの茶沢さんは、疎ましく思われながらも猛アタックを続け、ボート小屋に客を呼ぼうと一生懸命だ。住田くんはそんな茶沢さんにも容赦ない暴力をふるう。

大きな家に暮らす茶沢さんも、実の母親に「早く死んでね」と脅迫され続けていた。
母親は愛人と共に楽しそうに娘の為の絞首台をつくり、可愛らしい飾り付けまでしている。

大震災で住まいや仕事をなくした人たちがボート小屋の前にテントを張らしてもらって暮らしている。大人なのに住田クンを救う力はほとんど持っていない。
持っていないながらも、見るに見かねて立ち上がるのだが、格好良くはいかない切なさ。

主演の染谷将太クンと二階堂ふみちゃんは、第68回ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞をW受賞した。本当にその賞に値する演技だったと思う。

救われたのは、めちゃめちゃ殴られても、数シーン進むとキズが癒えていて、画面が汚くないということ。「リアル」だけを追求してたら、見るも無残なご面相をずっと見続けなくちゃならない。

はじめの中学校の教室のシーンで、教師が「君たち一人ひとりが世界で一つだけの花なんだ、オンリーワンなんだ、みんな、ガンバレ!」と語る場面がある。
必死に語る教師に対して生徒の反応は極めて薄い。
指名された住田くんは「ボクは普通がいい。オンリーワンじゃなくていい」。

目標も、夢もなく、ただただ「普通に」と願う中学3年生。
しかし、そんな願いすら大人たちは粉々に砕いて行った。

信じがたい「非日常」を生きなくてはならなくなり、最後には生きることを望んでもがき苦しむ二人。
そのときに初めて出た言葉に、場内の観客はみな、心の中で唱和していたのではなかろうか。


久々に観た邦画だったけど、「日本映画もこれだけものがつくれるのかびっくり」と、私はもろ手を挙げて「参りました」でした目がハート







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最終更新日  2012年02月21日 14時41分58秒
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