月あかりの下で―ある定時制高校の記憶
昨日、また映画を観てきたよ昨日は映画館じゃなくて、板橋区の教職員組合主催の上映会会場の板橋グリーンホールは、並べてあったパイプイスが足りなくなって立ち見が出るほどの大盛況この作品は、もともとテレビで放送されたドキュメンタリーらしい今は廃校になってしまったんだけど、埼玉県の浦和商業高校定時制の4年間を取材したものだ1年生の入学式の場面から始まる新入生のほとんどが、不登校経験者だひとりひとり、様々な問題を抱えていて、一筋縄ではいかないなかなか登校して来ない生徒。来ても教室に入れない生徒。教師を挑発するように、机の上に寝そべっている生徒。「まずはここが彼らの居場所になることから始めます。」という担任の平野先生は、とにかく彼らに優しい。粘り強い。「よくまぁ、オマエ、生きてこられたなぁ、えらいなぁと思う生徒たちです。教師の方が学ばされます。」でも、甘いばかりじゃないその教室が居場所になり、文化祭や体育祭などを経て友達もでき、だんだんに「勉強でもしてみるか」と机に座っていられるようになった三年のころからは、他者を認めることも平野先生は要求していた。例えば「嫌いな人とはどうつきあえば良いのか」答えられますか?大人の皆さん平野先生は大好きなビートルズの逸話を語り、生徒に考えさせていたそしてこんな場面もあった。4年への進級が難しいと判定された10人の生徒を前に平野先生は、「学級通信(毎日発行。生徒たちのことばを掲載しているらしい)に、いろいろ思いを書いたけれど、全部削除しました。そのかわりにこの詩を載せました。読みます」読んだのは茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩生徒たちに思いをぶつけるようにして朗読し、「みんな、ちゃんと補習を受けてくれ、そろって進級してくれ!」平野先生の頬に涙がをつたっていた。自分の感受性くらい新装版著者:茨木のり子価格:1,995円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見るそれぞれの理由で、学ぶ機会に恵まれなかった生徒たちが、ようやくめぐり合えたこの場所それなのに廃校にされることが決まってしまった。烈火のごとく怒る卒業生たち5万を超える廃校反対署名を在校生も集めたが、それは無視されただから今はこの学校はない2時間近くの作品だけど、一生懸命に考えながら観ちゃったからすごく疲れた会場には平野先生もみえていて、上映の前後でお話してくださったんだけど、更に2次会で「平野先生を囲む会」をするとの呼びかけもあったんだけど、そこまでの体力はなしと判断して帰宅先生なんか、なんぼのもんじゃ、とか、落ちこぼれは救いようがない、しょせん、落ちこぼれジャ~~って考えの人には、こういう実践もあることを、是非、観て知ってほしいと思う作品でしたそれにしても、社会は悪くなる一方だし、こういう学校はますます必要だと思う。定時制高校、夜間中学はどんどん廃校にされてきたけれど、再開が必要なのではないのだろうか「月あかりの下で―ある定時制高校の記憶」公式ホームページ