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カテゴリ:青年劇場
これが今月14日から紀伊國屋ホールで公演される「野球部員、舞台に立つ!」の原作本です 先月読み終わって涙したことだけ書いておきましたが、今日はもう少し詳細を 舞台に関しては青年劇場HPをご覧ください。 これは福岡県八女市にある西日本短大付属高校での実践を、演劇部顧問の竹島由美子先生がまとめたものだ。 実は私自身は、半世紀以上も生きてきたのに、未だに教師への不信感がぬぐいきれないでいる。 公立の小、中、高校を進んできたので、先生方はすぐに異動があるので「どうせ私なんか覚えていないだろう」と思うし、また、生徒は教師による「贔屓」に極めて敏感だったから、「さわらぬ先生に祟りなし」で、教師とは一定の距離をとって生息してきたものだった だから正直言って、少し重たい、面倒くさい気持ちでこの本を手にしたのだった でも、読み始めてすぐに私の危惧は消えた。 こんなすごい実践があったんだ まずこの本の中には、私の様に甘ったれて、いじけて、情けないままのヤツは、いない そんなダメ子やダメ男も、歯をくいしばって自分の壁を乗り越えていくし、仲間に手をさしのべる。 何より竹島先生は、なんて腹の据わった教師なんだろうと思った 何故だろう 本の中にいくつも紹介されている短歌が象徴的だ。 それは竹島先生の国語の授業の中で生徒たちが創作したものだそうだ。 「思い」を「言葉」にして、自分を知り、他者の心を知る。 自分たち自身の力でまだ見ぬ自分に出会いに行く。 自らの可能性を切り拓いていく。 野球ばかり熱心で、漢字の読めなかった生徒も辞書を引く面白さに目覚め、小説を読んでみるようになるく 竹島先生は、生徒ひとりひとりを深く信頼している。 それはひとりひとりの中に、必ず伸び行く力が備わっていることを信じて疑わないから。 だからちょっと天然ボケ的な言動をして生徒につっこまれても先生は平気だし、「また生徒にやられた」と、にこにこしているんだ。 教師としての喜びって、生徒から与えられるんだね それは竹島先生だけではない。 野球部の西村監督しかり、ここの教師たちの連携プレーも「信頼関係」で成り立っている 野球部のポジション争いの明暗や試合の様子など、臨場感溢れる描写にどきどきしながら読んでいると、夏の暑いグラウンドで埃まみれになりながら走った日々や、ひとりぽっちの放課後の教室が私の嗅覚に甦ってきた。 かけがえのない熱い日々をいま一度、心に甦らせてみよう。 青年劇場の舞台はどのように出来上がるのだろう。 舞台では教師や親は登場せず、演劇部OBと高校生役のみが登場するつくりとのこと。 期待したい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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