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カテゴリ:趣味 観劇
母の三味線の師匠である、松永和寿三郎氏が突然亡くなった。 海老蔵さんの舞台「鏡獅子」を弾いていたらしいが、 千穐楽の日、時間になっても現れない師匠に電話を入れても通じなく、 知人が自宅でたおれているのを発見したらしい。 おそらくその舞台裏はばたばたと急遽のお三味線の変更があったと思われる。。。 彼は家元、松永忠五郎師匠内弟子さんで、お家元の右腕のような存在。 彼のころころとなる三味線は、歌舞伎界、日本舞踊の舞台、長唄の演奏会等々、 色々なところから声が掛かり人気ものであったようだ。 徳島出身の彼は故郷に弟子をもっていたが、 母はそのうちの万年初級のできの悪い弟子であった。 そんな関係から、昨年5月の国立劇場で、家元松永忠五郎の古希を祝う会がであったのだが、 それに私が母の代わりに、師匠の楽屋見舞いを届けてたのがお初で最後であった。 そのときは、歌舞伎界の「たぬきの会」の蒼々たるメンバーがゲスト出演で、 その楽屋を訪れたのがどきどきであったのを思いだす。 師匠は片腕のように忙しそうに走り回っていた。 特に印象付いたのは、中村壱太郎さんが途中で三味線の糸が切れて、 三味線の調子もままならいのを見事に後見していたのを思い出す。 そして、この突然の訃報に何より気の毒なのは、お母さん、お父さん。 師匠のお母さんは、お客さでもありおなじみさんである。 母が来る頃(2日に一回は顔を出す)を見計らってやってくる。 母の師匠の活躍の自慢話と師匠の近況に嬉しそうに耳を傾けるお母さん。 息子なんて仕事のことなど身内や母親には言わないものである。 母はどんな些細な事でも聞きたい。 まして、その活躍ぶりが聞けるならなおさらである。 その嬉しそうなお母さんの顔を思い出すと胸が痛い。 どうやらお葬式も身内で済ますらしい。ご遺体で帰郷する息子はほんとにつらいと思う。 在りし日のお稽古風景はこちら 合唱 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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