カテゴリ:歌舞伎
11時より国立小劇場で毎年恒例の亀治郎の会を観る。
今回の演目は、 一、お夏狂乱 二、身替座禅 三、お楽しみ 出演者は、亀治郎、亀三郎、亀鶴・・・と亀が続いて最後に父君の段四郎丈。 ○最初の演目のお夏狂乱は『好色五人女』のお夏清十郎の話をもとにした坪内逍遥作。 実際に起きた事件を元にした舞踊劇で、 愛した清十郎が無実の罪で死んだ後、物狂いとなって秋の薄野をさ迷うお夏。 百合柄の振袖が、清楚で美しい。 「むかい通るは清十郎じゃないか 笠がよくにた菅笠が 清十郎ころさばお夏もころせ 生きて想いをさしょよりも」 子供がお夏をからかう場面が何とも切なくて、 ここは、子役たちの演技力の比重が大きくものをいう、 一人整った可愛い子(傘を被って清十郎のふりをする子)が いるなと思って、プログラムで確認をしたら女の子でしたね。 亀治郎のお夏は、夕闇が迫る中、遍路の老夫婦に起こされ、 草むらの中をさ迷っうシルエットで幕になる・・・・秋の情を誘う寂しい幕切れである。 お夏:亀治郎 馬士:亀鶴 三十分の休憩の後、 ○身替座禅(叔父の猿之助の指導) 亀治郎の右京は、柔軟で表情が豊か、 思わずクスッとしてしまう喜怒哀楽が非常にわかりやすい右京である。 叔父よりもなお仕草が柔らかく、時々、 猿之助を彷彿とさせる台詞回しや動きの雰囲気・愛敬もあるのだが、 何かが足りない気が・・役者の艶というか華やぎかな。頑張れ!! 亀三郎の奥方・玉の井は、品があり、 如何にもな強面でない雰囲気で、亀治郎との映りがよい。 怖さとともに旦那に浮気されてしまった様子が健気かもと思わせる雰囲気があり、 メリハリがあって好感が持てた。 亀鶴が太郎冠者。 夫婦二人の間で、板挟みになる気弱な雰囲気が何とも愉快。台詞切れがよいなぁ! 侍女段之、澤路。 再度、休憩の後 ○当日発表のお楽しみ、 緞帳があがり場内が真っ暗になったところに「山オロシ」の鳴物。 常磐津が流れてきて、「面明かり」の差し出しが二本のみの 花道スッポンから迫り上がってきたのは、傘をさした亀治郎の滝夜叉姫。 「忍夜恋曲者」での父親・段四郎との光圀との共演である。 何と段四郎の光圀は、屋台崩しの場では、 蝦蟇の着ぐるみと二人で舞台上で宙乗りのなるという大仕掛けな新趣向での大活躍♪ そして、幕が閉まると スッポンから蝦蟇の着ぐるみが現れて花道での殺陣を見せた後、 蝦蟇の中から、艶やかな緋の袴姿の亀治郎の滝夜叉姫の登場となる。 亀治郎の滝夜叉姫は、花道で華やかに六方を踏み、 最後は女形のなよやかさで花道を入るというサービス精神旺盛さ。 彼の演出における見事な手腕は、血のなせる業か。 大変魅力的で楽しい「忍夜恋曲者」であった。 来年は、いよいよ「四の切り」上演のようであるので、こちらも楽しみ(^^)! 本日のきもの:琉球壁上布におもだか模様の捨松の八寸帯を角田しに結ぶ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 17, 2009 10:06:49 PM
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