カテゴリ:歌舞伎
八月納涼大歌舞伎18時からの第三部は、仇討ものが二つ。
ひとつは、谷崎潤一郎作の新歌舞伎「お国と五平」と もうひとつは、「牡丹灯籠」や「累ヶ淵」と並ぶ、三遊亭円朝の怪談噺の傑作「怪談乳房榎」。 「怪談乳房榎」は、怪談ものでは、ありますが最後は仇討で終わるという噺。 ○お国と五平(おくにとごへい)は、 闇討ちにされた夫の敵を求めて、旅に出た後家のお国と家来の若党五平。 惹かれあう二人と、敵の池田友之丞の元許嫁・お国への執着など互いの心情が、 ミステリー風に解き明かされるにつれて、何とも言えない男女の情念があふれ出ておもしろかったですね。 勘太郎が、忠義な五平・・実はという家来を魅力的に演じ、 彼の動作・目線に何とも言えない葛藤が垣間見え、この物語に深みを与えていたと思います。 意外な役(今でいうところの箸にも棒にかからぬ金持ちボンボン駄目男・ストーカー)の三津五郎、そして、二人から慕われるお国の扇雀も好演。 荒涼とした奥州那須野ヶ原の一面の薄の舞台装置が、 生き残った二人の未来をも暗示するようで美術も良かったですね。 また違った三人の配役でも観てみたいと思う作品でありました。 お国と五平の出演者 池田友之丞:三津五郎 若党五平:勘太郎 お国:扇 雀 ○怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)は、 中村勘三郎が四役早替り奮闘で魅せる舞台、本水もたっぷりで夏芝居ならではの涼しさ。 後半の仇討の場面は、今回、円朝の噺のみで端折ってありますが、テンポも良くておもしろかったですね。ただ、最後は、もう少し工夫があってもよかったかな。 勘三郎の早替りは、早替りの早さももちろんですが、一人の役者が全く違う役所を瞬時にして演じ分ける見事さ、これこそが早替りの魅力かもと思える・・勘三郎恐るべし!! 菱川重信/下男正助/蟒三次/円朝(勘三郎) 菱川重信:元秋本越中守家臣,真与島伊惣次.絵師.磯貝,正助に落合で殺される.亡霊となり息子の真与太郎を救う. 正介:重信の下男.重信殺しを手伝う.真与太郎を十二社の滝に捨てようとするが,その後赤塚で養育. 蟒三次:浪江の悪事を強請る小悪党 ★ちなみに、蟒三次は、歌舞伎のみの役どころで噺には出てこないらしい。確かに早変わりのためにいる役どころといった感じで物語的にはいなくてもよいなと思えるので納得!! 磯貝浪江(橋之助):おきせを口説く.師匠の重信を蛍狩りに乗じて殺す.真与太郎に仇討される. きせ(福 助) :重信の妻.磯貝と密通の末,再婚.乳房にできた腫物のせいで狂い死ぬ. 万屋新兵衛(家 橘): 石川原町在.南蔵院の絵を重信に依頼. 住職雲海(彌十郎):重信が天井画を描く南蔵院の住職 菱川家の女中・お花(しのぶ) この噺、聴きたいなぁ・・・どこかでやるという情報などありましたら教えてください。 本日のきもの:この日は15時から病院の検査で、その後、午後6時からの観劇のため着物は無し。検査の後、時間があったのでユニクロ銀座店に行き、カラージーンズ二本にバーゲンのトップを4枚購入(実は、ユニクロで服を購入するのは始めて)。久々の大人買い? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 20, 2009 05:41:10 PM
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