ミュージカル「モーツアルト」(中川晃教主演)
ミュージカル「モーツアルト」(中川晃教主演)を観る。(敬称略)ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756年1月27日 にザルツブルクに生まれ、ウィーンで35歳の生涯を閉じた最も有名なクラシック音楽の作曲家の一人。彼は、ザルツブルクの宮廷楽士であるレオポルト・モーツァルトの子として生まれる。幼い息子の天性の才を見抜いた父は、幼い頃からヨーロッパ各国で演奏活動を行い(宮廷演奏会で幼い彼が、マリー・アントワネットに求愛した話は有名)、その才をもてはやされ"神童"と呼ばれた早熟な天才児でもあった。ミュージカル「モーツアルト」は、傍にはいつも、"神童"と呼ばれた頃のままの分身才能の化身、アマデが寄り添い、父(家族)とザルツブルグの大司教の権力から逃れ、自由と成功を求めついにウィーンへと旅立つまでが第一幕。そして、ウィーンでの成功と落胆、妻コンスタンツェとのすれ違い、家族との葛藤、"神童"と呼ばれた自らの才能の化身に追い詰められながら、彼の死までを描いていく第二幕。タイトルロールの中川晃教は、自由な命を歌いあげて圧巻。「僕はミュージック」は、彼自身でもあり、余裕すら感じさせるその歌声は、天性の輝きを持つ。今回、妻コンスタンツェの比重が軽くなっている(最初のソロがカットされている)ことで、モーツアルト一家(父、姉、モーツアルト)が鮮明に浮かび上がり、物語の核がしっかりとわかりやすくなり舞台が引き締まった感がある。再演を重ねて、初演当時からの出演者の充実に加え、男爵夫人の香寿たつきの「星から降る金」の歌唱は、見事。凛とした威厳があり、モーツアルト一家を真ん中に、山口佑一郎の大司教(ぴったりのはまり役)と一対のパズルになって舞台を引き締めるのは、さすが、宝塚卒業後、蜷川演出の舞台に連続出演した経験が生きている。そしてシカネーダー・吉野 圭吾は、より軽やかにセクシーになり、魅力全開で観客を楽しませる。次回、井上・モーツアルト、涼風・男爵夫人版を観るのが非常に楽しみになった観劇であった♪私的には、出演者のはまり具合で、同脚本&音楽の東宝版「エリザベート」より、「モーツアルト」のほうが好みにあう。ちなみに「エリザベート」は、耽美な魅力に満ちた宝塚版が好き♪<スタッフと出演者>脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ 音楽 シルヴェスター・リーヴァイ 演出・訳詞 小池 修一郎 ヴォルフガング・モーツァルト(Wキャスト): 中川晃教 コンスタンツェ(モーツァルトの妻): hiro ← 今回、初出演ナンネール(モーツァルトの姉) 高橋由美子 ヴァルトシュテッテン男爵夫人(Wキャスト): 香寿たつきコロレド大司教: 山口祐一郎 レオポルト(モーツァルトの父):市村正親 セシリア・ウェーバー(コンスタンツェの母):阿知波悟美 アルコ伯爵 :武岡淳一 エマヌエル・シカネーダー :吉野圭吾 PS.大司教のユーモラスな馬車のシーンは、日替わりらしく、本日は、「さっき、行ったばかりなのに・・・」だった。山口氏ののりのりの演技?は、本当に笑える。本日のきもの:琉球紬に名古屋帯(菊の刺繍)、昔の菊模様の小紋を作り変えた長羽織。(ぎっくり腰のためコルセットをした上から帯を巻いての外出は、結構、身体に堪えた。)