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カテゴリ:本・映画など
今日は、本のお話。
着物話ではないので、 ご興味ない方は、飛ばして下さいませm(_ _)m 池波正太郎の「鬼平犯科帳」シリーズ、いわゆる鬼平は、 小説もところどころ、TVもところどころという、 つまみ食い的に知っているだけでした。 いつも「ちゃんと読みたい」と思いつつ、 移動時間に読むつもりで手に取った本が、 とっても面白かったです。
鬼平シリーズの、総合的な見方、楽しみ方が書いてあります。 面白かったのは沢山ありますが… 「捕り物帳」というのは、 こんな被害にあいました。悪い奴を捕まえて下さい、 という覚書のようなもので、 奉行所へ提出する報告書のことだそうです。 「犯科帳」というのは、 厳密には、長崎奉行所の刑事判決の記録(判決書)のこと。 池波氏は、「この小説は、謎解きではないので」と 説明しているそうです。 タイトル一つに、こんな深い意味があったとは。 長谷川平蔵は、実在の人物で、 「妾腹の子」ゆえ、継母から壮絶な虐めにあったそう。 そこだけ読むと、継母はひどい人、と思いますが、 その継母さんは、結婚自体かなり遅く、 「絶対に我が子を産む!」と思いつつ、 結局、後継ぎができなかったので、 そんな態度になったらしいです。八つ当たりか~。 どちらにとっても、つらいことでしたね。 平蔵は、家に居場所がないので、悪所へ入りびたり、 それで悪を知ったとか。 池波氏も、最優秀の成績で学校は出ますが、 12歳で株式仲買店に勤め、儲けすぎ、 10代で、家族にも知られないように家を借りて、お金を隠し、 「悪さとという悪さを覚えた」とか。 似てますね~。 「悪を知っているからこそ、悪を取り締まれる」と 平蔵は常々言っています。 「大川の隠居」では、平蔵の銀煙管(キセル)が盗まれます。 父親の形見で、15両(今の100万円以上)で、 京都の煙管師・後藤兵左衛門に作らせたもの。 この煙管師も、実在の人物。 「京都買物独案内」(文政12年/1829年)刊行の本に 出ているそうです。 今でいう、買い物ガイドブックのようなもの。 史実に丁寧だから、安定感のある小説になっています。 本の中で、平蔵の昔の女が落ちぶれて、 54歳になっているのを「老婆」と呼んでいるのには、 ショックでした(「むかしの女」)。 江戸時代って、そんなものだったんでしょうか(T_T) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.07.15 13:31:04
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